IS インフィニット・ストラトス 努力の天才   作:xix

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やっぱり投稿です。明後日にも投稿します。



第12話 朝走りと転校生

 

 

 

「……………不吉だ」

 

起きて小さく呟く飛色。

 

なぜか知らないが、不吉な夢を観た。

内容は―――

 

 

 

「……………………なぜ俺が女子と……寝るんだ」

 

飛色にとって訳の分からない夢。

 

ベットではなく布団、それも和室で女子と寝ている自分を見るという夢。

 

突っ込みたいことは多かったがそれよりもなぜそんな物を見たのか、ということが一番疑問に思う。

 

相手は自分より低い伸長で、顔は髪で隠れていて、問題である誰か(・・)は分からなかった。

 

「……………」

 

女子と共に寝るなど、飛色自身が望んでするようなことではない。

ならばなぜ、こんな夢を?

 

「(………考えても仕方ない)」

 

半場強引に思考を切り替えて、朝のランニングの支度を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、おはよう」

 

「……………」

 

「ハ、ハハハ……」

 

飛色はいつも通りの時間で登校していたが、教室近くで一夏と遭遇した。

 

普段はもっと早い筈なのに、本当に今日は何かあるのか?

と考えてしまう。

 

ちなみに飛色は一夏があまり好きでないのは相変わらずで、挨拶は碌にしていない。

いつも一夏が一方的に話しかけている形だ。

 

「ねぇ、やっぱりハヅキ社製のがいいかなぁ」

 

「え~?でもハズキってデザインだけって感じしない?」

 

「私は性能的にミューレイのがいいかな」

 

「でもあれ高いから、ちょっとねぇ」

 

教室に入れば女子たちの談笑が耳に入る。

聞こえる単語からISスーツのことだとわかる。

 

「おはよう」

 

「あ、織斑くん。おはよー」

 

「ヒーr「なんだと?」――あ、あはは。と、遠木くんも、おはよー」

 

ヒーローと言おうとした子に容赦なくガン飛ばす。

この呼び方が嫌いなのは、皆理解しているはずなのに未だに呼ぼうとするのはなぜだろうか?

 

「そういえば織斑くん達って何処のISスーツ使ってるの?見たことないけど」

 

ふと、一人が飛色達に聞いてくる。

以前行ったIS実習の授業で見本となった一夏や、模擬戦などで見た飛色のスーツが気になったようだ。

 

「俺のは確か……特注でどっかのラボが作ったって聞いた。元はイングリット社のストレートアームモデル……だったかな。遠木は何処の奴だ?俺のと違った感じだったけど」

 

いきなり話を降られて少し不機嫌になる飛色。

一瞬、口をへの字にしたが元に戻して

 

「………ウッダー社製の特注品……何故かスーツだけがそこから送られてきた。性能は他と比べて良いと分かっている」

 

社名と経由を述べて教科書を鞄から取り出す。

本当に何故かしらないが、そこの会社から入学前に送られてきたのだ。

会社に直接、連絡を入れたが反応が殆どない。

しかし全体的な柔軟性などが割と良かったため、とやかく言う必要もないのではと考えていた。

 

「ウッダー社って………あの超高いとこの?」

 

こんなことを言ってくるのは仕方がないと思う。

何せウッダー社のは他と比べると、性能面などが良くできている商品ばかりだが、最低でも

その3~5倍は値段が付くものばかりなのだ。

専用で作っても良しではあるが、そんな特注品ともなれば5倍なんかじゃ済まないのである。

飛色が使っているスーツの真実にその場にいた全員が少し驚愕していた。

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を探知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へ伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツはメーカーにもよりますけど耐久性にも優れ、衝撃は残りますけど防弾機能なんかもあるんです」

 

教室に来た副担任こと山田真耶先生が説明していく。

教科書のような細かい説明まで行かず、かと言ってアバウト過ぎずの分かりやすい説明に、周りの

女子は関心していく。

 

飛色もその理解のしやすさで、評価を少し改める。

 

 

山田真耶に対しての観察結果その4:たまに教師らしさのある行動が取れる。

 

 

たまに(・・・)と付け加えるのは理由がある。

 

「さっすが山ピー、詳しい!」

 

「先生ですし、予習してきてますから………って、山ピー?」

 

このように、慕われていると同時に生徒からも、からかわれているからである。

ちなみに、仇名には『山ちゃん』、『マヤマヤ』、『まーやん』などなど……

およそ8つほどついて、仇名が多い飛色と張り合いになっている(←本人たちは知らない)

 

 

「諸君、おはよう」

 

「「「お、おはようございます」」」

 

ちょうど担任(千冬)が教室に入ってくる。

それに続くように、クラスメイト達も席についていき、他のクラスの生徒は自身の教室へ戻っていく。

 

「先週連絡した通り、本日からISの実習を行う。HRが終了次第、グラウンドに集合しろ。………ああ、それと実習を行うに当たって、ISスーツについって言っておくことがある」

 

『???』

 

スーツについての注意点は先週連絡されたのに、まだ他にもあるのか?

思い出すように話を続けて来る千冬に何か注意点があるのだろうか?

と、この時クラス全員が思う。

無論、飛色もそれが気になり、千冬に目を向ける。

 

「各人のISスーツが届くまでは学校指定の物を使ってもらうことなっているが、忘れたも者には学校指定の水着を着用してもらうことになっている。そして……それすらも無い者は下着という形になるからな。まぁ、要は忘れなければいいのだから、別に構わんだろ」

 

(((いやいやいや、そこは構えよ!!)))

 

珍しく飛色含めてクラス全員がシンクロする。

去年までならまだ良かったかもしれないが、今年はこのクラスに男子が二人もいるのだ。

いくら女子に免疫がなさ過ぎる飛色でさえ、突っ込まずにはいられない。

 

あえて口にしないのは、女子に何か言われるという少しチキンな理由からだ。

 

「私からの連絡は以上だ。山田先生、続きをお願いします」

 

「は、はい!」

 

固まっていた真耶が慌てて返事をする。

実は過去に何度か忘れてしまったことがあり、要するに…………(ここからは想像に任せます)

 

「皆さんにお知らせです。今日は転校生を紹介します。しかも二名です!!」

 

「(…………この時期にか?)」

 

周りの反応も飛色と同じようになっている。

なんせ六月の頭に転入、しかも二人同時となると少し疑問に思うのだ。

 

といっても、飛色は少し気になった程度で、

国か、家庭の事情で遅れたのでは?と考え始めると、持っているIS操縦用の教科書を開いて目を向ける。

 

真耶が騒ぎを止めて、転入生を迎える様に言っても、興味はなかった。

 

 

 

 

そう、なかった(・・・・)のだ。

 

「失礼します」

 

教室の扉が開く音がして、足音が聞こえる。

すると、教室から何か不思議なものを目にした雰囲気が来る。

 

それに飛色も気づき、教卓の横に並ぶ転入生をみれば………

 

 

 

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

「…………(何?)」

 

金髪で制服を来た人物がそこにいた……

 

ただし、男子の制服で

 

「お、男?」

 

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいるとのことで、本国より転入を――」

 

シャルルが答えようとしたその時

 

「き、」

 

「「!!!」」

 

二人の男子が一人の女子の反応を察知し、耳を塞ぎだすと

 

「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」」」」

 

「ふぇ!?」

 

「男子!三人目の男子!!」

 

「しかもうちのクラス!!」

 

「美形!!守ってあげたくなる系の!!」

 

「地球に生まれてよかった~~!!」

 

女子が各々の言いたいことを口にする。

しかしその中で飛色はというと

 

 

「(にしてもだ……………どういうことだ?)」

 

 

シャルルの上から下をゆっくりと観察しだす。

人懐っこく、礼儀正しい立ち振る舞いと中世的に整った顔。色の濃くて長い金髪は、首の後ろで束ねている。身体はスマートで脚もしゅっと伸びている。

 

しかし、飛色が注意してみているのはそこではない。

背が低いのはいいとして、喉仏がないし、撫肩だ。胸はないが、すらりとした体型のわりに腰周りが豊かに見えている。そういった男子と若干異なるということに目を向けていた。

 

「騒がしいぞお前ら!!」

 

先ほどから止まなかった女子の歓声に千冬が怒鳴りだす。

すると一瞬で騒がしかった教室内が静寂で包まれる。

 

「え~と、もう一人の転校生の紹介に移りますね。どうぞ」

 

「……………」

 

もう一人は女子。

長い銀髪にシャルルより低い背をいており、雰囲気からは普通の女子などとは完全に異なっている。

極めつけは医療用とはおもえないゴツイ眼帯。

そんな彼女は目を閉じ、腕を組んで佇んでいる。

 

「あ、あの~」

 

「………………」

 

「はぁ……挨拶をしろラウラ」

 

「はい、教官」

 

組んでいた腕を解いて、瞑っていた目を開けながら千冬に返事をする。

開いた瞳から見えたのは、絶対零度ともいえるような紅になっていた。

 

千冬の言葉から彼女はラウラというのだろう。

すると千冬が返事を聞いた途端に再び溜息をする。

 

「私のことをそう呼ぶな。ここでは織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

敬礼をしながら返答する。

その仕草はまさに、軍人のそれというのに相応しいものだった。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

 

 

 

その一言でクラス全員が沈黙、続くラウラの言葉を待つ。

しかし沈黙が続き、終わる様相をみせてこない。

 

「あ、あの~………以上…ですか?」

 

「以上だ」

 

あまりに長い沈黙に耐えかねて、真耶ができる限りの笑顔で聞くが、返ってきたのは実に無慈悲な即答。

クラスメイトもそうだったが、さすがに飛色も、この時ばかりは真耶がかわいそうに見えていた。

 

「!! 貴様が―――」

 

すると、何かに気付いたラウラがズカズカと一夏の傍まで歩いていく。

そして――

 

 

バシンッ!

 

 

あろうことか、いきなり頬を平手打ちした。

 

「………(ポカン」

 

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

いきなりのことで一夏が……いや、クラスメイト全員が呆然としてしまう。

その中で飛色は、『厄介ごと有』と反応する。

そして自分に火の粉が降りかからないように……と願いながらも、教科書に目を向け直す。

 

「いきなり何しやがる!」

 

「ふん」

 

我に返った一夏が憤怒するが、やった本人は知らんと言いたげに、その場を去った。

 

「あー……ゴホンゴホン! ではHRはこれで終わりにする。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日の実習では二組と合同で模擬戦闘等を行う。それと、遅刻はするなよ。では解散!」

 

千冬がクラスの微妙な空気を吹き飛ばすべく、声を上げ生徒の行動を促す。それによってようやくクラスの空気が元に戻り、生徒が各々に動き始めた。

そしてふと、千冬の視線が飛色を捉え、飛色もそれに気が付く。

 

「何か用でしょうか?」

 

とりあえず、返事をする。

何か自分にしか教えられない連絡でもあるのだろうかと考えていた飛色だが――

 

「遠木。デュノアの面倒はお前が見てやってくれ。同じ男子だろ」

 

聞いた途端にピクリ、と眉を動かし、教科書を仕舞おうとした腕を止める。

そして次に来たのは、突然の命令に対する疑問点。

 

「…………なぜです?それならば織斑にやらせても大して変わらないと思いますが」

 

コミュニケーション能力の低い飛色よりも、初対面でも気兼ねなく話ができる一夏の方がそういうのは適性だ。それは千冬もわかっているはず。しかしここで飛色を選んだ理由はちゃんと存在する。

 

「だからこそだ」

 

「???」

 

千冬の言いたいことが益々わからない。

それに気付いたかのように、千冬は飛色に向き直ってくる。

 

「お前は他人とのコミュニケーションを取りなさすぎだ。男子である織斑を含めてな。確かに、ここは女子ばかりで取り辛いというのもまあわかる………しかし今の社会で、そのような態度を取っていいとお前は考えているのか?」

 

「っ………」

 

痛いところを突かれ、反論が出来ない飛色。

今の社会……女尊男卑と化している今の時代で、女性との接し方、コミュニケーションはかなり重要となっている。飛色のような苦手意識がある人間にしても、そんなのを特別扱いできるほど世の中優しくない。

 

「そういうことだ。織斑や女子ではダメというのであれば、せめて新しく入った男子とは仲良くしろ。お前の評判もこの前の事件以来、この学園では高くなっているんだ。まずは人と接することを出来るようになれ」

 

千冬の説明に飛色は溜息をし出す。もちろん、千冬に気づかれにくいぐらいに小さく。

入学当初の決闘と同じように、大した理由もなく言ってきたのならともかく、今回は明確な理由がある。

それも飛色自身の将来を考えてということもあって。

 

「……………わかりました。任されます」

 

ならば断わる訳にもいかない。

飛色は千冬の頼みを承諾した。

 

「君が遠木くんと織斑くん?はじめまして。僕は―――」

 

「デュノア、それは後回しだ。ISスーツを持って移動する。ついて来い」

 

「え?あ、ええ!?」

 

「ああ。急いでいくか。女子が着替え始めるし」

 

飛色たちは自分の着替えを持ってシャルルを急かすと、早歩きで教室を出る。

いきなりのことで慌てるが、シャルルも教室から出て飛色たちを追いかける。

 

 

タッタッタッタッ

 

 

教室から少し離れると、三人は早歩きから小走りでアリーナへ向かう。

 

「男子はアリーナの更衣室を使用して着替え等をやることになっている。女子は教室かアリーナのどちらかだが、大抵が移動時間のカットのために教室でやっている。実習の度にこの移動だから気を付けろ。それと、曜日によって使用可能な場所は変わってくる。今日は月曜だから、第4アリーナだ。詳しいことは後で説明する」

 

「わ、わかった。でもなんでこんなに急いでるの?」

 

説明を聞いたシャルルは、教室を出てからの移動速度の上がり方に不思議に思った。

ああ、それについては―――と飛色が答えようとしたとき

 

「あー!噂の転校生発見!!」

 

「しかも織斑くんたちといっs―――」

 

飛色たちもいると、続けようとしたとき

 

「駆け足!」

 

「おう!!」

 

ガシッ

 

掛け声とともに飛色がシャルルの手を握りだす。

 

 

「え?ええええ!!?」

 

ダダダダダダダダダダダッ

 

「うぉおおおおおおおお!!!」「………………!!!」

 

「うわあああああああああああああああ!!??」

 

そのまま一夏と一緒に全力ダッシュ。叫んでるのはもちろん一夏だけ。

掴まれたシャルルも、引っ張られながら足を速く動かされた。

 

「ななな何いいいいいいいい!!??」

 

訳も分からず引っ張られるシャルル。

多数の女子と何度もすれ違いながら、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「はぁ、はぁ、はぁ………」」」

 

朝からの全力は体にくる。

飛色たちも、目的地に着くと息が上がっていた。

 

「ね、……ねぇ、……はぁ、……なんであそこまで速く走らなきゃいけなかったの……?」

 

先に言葉を発せられたシャルルが、今最も思っていることを口にする。

説明もされずにあんなことをされたのだ。何か理由があるんじゃあ……と、シャルルは考え出す。

 

「ああ……授業に遅れないためだ」

 

飛色はそう答えるが、シャルルはいまいち納得がいかない。

まだ授業開始時間まで10分近くある。グラウンドは更衣室を出てすぐそこだから、着替える時間もそこそこ有るはず。要するに、遅れないようにするというには少し早いような気もした。

だというのに飛色たちは全力で走っていたのだ。

 

「実はな………うちの担任、織斑先生は、それはそれは時間に厳しい人でよぉ」

 

そう言ってきたのは一夏。ロッカーの一つを開けて、着替える準備をしている。

 

「そしてもう一つの理由………その原因はお前だ」

 

「え………僕?」

 

急いでくる理由が自分だということに驚きと疑問の混ざった表情になる。

そこえ飛色が説明する。

 

「お前が転入することがクラスで知れ渡り、その余波だろう。かなりの情報伝達速度で学園中に『新しい男子がやってきた』とわかり、女子に囲まれそうになったんだ」

 

「?なんで僕なんかを…………?」

 

首を傾けながらシャルルは?マークを頭の上に出す。

飛色はその反応で何か引っかかった。

 

「いや、普通に珍しいだろ。ISを操縦できる男子なんて今のところ俺達しかいないんだかろ?」

 

「………あっ!―――ああ、うん。そうだね。だから騒がしかったんだ」

 

思考の渦に少しだけ入った飛色の代わりに、一夏が説明する。

その反応の遅さに、さらにシャルルに疑問が残る飛色。

 

「ま、何にしてもいきなりの危機は去ったことだし、これからよろしくな。さっき千冬姉――織斑先生が言ってた通り、俺は織斑一夏。一夏って呼んでくれ。で、こいつは遠木飛色っていうんだ」

 

「………俺はお前をこの学園でしばらく面倒を見ることになる。分からないことがあれば聞け。できる限りのことは善処してやる」

 

「う、うん、ありがとう。僕のことはシャルルって呼んでいいよ」

 

飛色の親切?な態度に若干戸惑いながらも、シャルルは話し返す。

気付いたら三人とも呼吸が落ち着いていた。

そして真っ先に一夏は制服のボタンに手をかけていく。

 

「とにかく、早く着替えていこうぜ」

 

授業に遅れたら恐ろしい一撃が来る!と考えながら一夏が上着を脱ぎだすと

 

「うわぁ!」

 

「「??」」

 

シャルルが手で自分の視界を防ぎ、一夏たちに背を向ける。

 

「どうした?早く着替えたほうがいいぞ」

 

一夏が言うが、シャルルは背を向けたまま話し出す。

 

「う、うん、着替えるよ……でも、その………二人ともあっち向いてて。ね?」

 

「あ、ああ。別に着替えをジロジロ見たいとかそんなのはないけどよ……」

 

「…………」

 

そう言いながら一夏と飛色は後ろを向いて着替えを続ける。

 

「………なんでもいいけど、急げよ―――って」

 

スーツの上を着た一夏が振り返ると

 

「な、何かな?」

 

シャルルがすでに着替え終わっていた。

あまりの速さに一夏は驚愕した。

その一方で飛色はズボンを脱ぐ。

 

「織斑。俺は手洗いに行ってくる。デュノアと共に先に行ってろ。そいつは場所をわかってるかわからないからな」

 

「え?あ、おう………って遠木も着替えるの早いな」

 

自分より後で着替え始めた筈なのに、すでに着替え終わっている。

シャルル同様、一夏は驚いて口に出す。

 

「制服の下に着ておけば脱ぐだけで済むだろう。小学や中学でやったことはないのか?」

 

「あ~なるほど……」

 

飛色の言っていることに心当たりがあったのか、一夏は納得しだす。

 

「じゃあ後でな。シャルル、行くぞ」

 

「うん。またあとでね、遠木くん」

 

一夏も着替え終わり、シャルルを連れて更衣室を出ていく。

二人が行ったのを確認すると、飛色は「ふぅ………」と安堵(あんど)の溜息をつく。

 

「…………」

 

 

ピッ

 

 

飛色の手に持っていた物から音声が鳴る。

 

『コノ動画ハ、保存サレマシタ。内容ヲ確認シマスカ?』

 

OKボタンが出ると、動画(えいぞう)が再生しだす。

 

 

 

 

 

「………………………………………………………はぁ」

 

映像を見て、若干顔が赤くなりつつも、溜息をつく。

理由は今現在映っている少女(・・)

 

胸にコルセットのようなものを着け、下着が女子物。

とんでもない着替えシーンを、確信を突くためとはいえ撮影してしまった。

 

 

 

 

少女、シャルル・デュノアの

 

 

 




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