すいません
「(・・・・・大体情報は集まったな)」
一夏の就任パーティーの翌日。
飛色は昨晩から情報収集のために睡眠時間をいつもより『少し』減らしていたため、
隈が普段より『少し』大きく出来ていた。
「(凰 鈴音。中国の代表候補生で出身はそのままの中国。小学校高学年に日本へ来たことがあり、
中学2年で帰国。その後IS適正が高いとわかり、代表候補生になる。中国の第三世代機、
甲龍の専属パイロットで、特殊兵装《龍砲》と近距離戦闘中心のの戦術でくる。
龍砲は恐らく実験中の空間圧兵器だろう。そして織斑一夏の知り合い・・・・・か)」
睡眠時間を削ってまで調べつくした結果、機体の詳細な能力はわからなくても、主装備から
戦闘方法の予測をすることが出来た。
セシリアの時もこうして情報収集から始め、そこから対策方法を大まかに予測して装備を決める。
という方法で勝利をつかむことができた。(といっても油断していた上にハンデをもらっていたが)
そしてあとは対策を立てるだけではあるが、昨晩は調べるだけで手がいっぱいだったため、
今のところ考え中である。
そして考えている時
コンコンコン
「(?こんな朝早くに?)誰だ?」
『私だ。入るぞ』
そういって入ってきたのは担任の千冬。
何の用か聞こうとも思ったがその前にいうことが出来た。
「・・・確認もせずに入らないでください」
「ここの寮長は私だ。故に何も問題はない」
「(・・・・・・横暴だ・・)」
織斑千冬に対しての観察結果その4:自分より下の者に対しては他人のプライバシーというものが辞書にないに等しい
『ない』とまではいかないが、こうして他人の部屋に無理やり入ってきたことや、
以前、篠ノ之箒がISの開発者である篠ノ之束の妹であると、本人が喋っても良いと
言ってもいないのに喋ったことなどがあるめ、ある意味ないに近い。
観察結果を記憶しようとすると―――
スパァン!!
「っ~~~~~~!!!(一体どこから!?)」
「何か失礼なことを考えていただろう」
なぜ考えが読める、なぜ持っていなかったはずの出席簿がある!!
などと頭を抑えながら突っ込みたかったが『言っても無駄だ』と感じた。
織斑千冬に対しての観察結果その5:出席簿がないように見えても取り出せる
・・・どこかの猫型ロボットが持っているポケットでも持っているのかと考えたが、やめた。
「・・・・すいません」
そしてとりあえず謝る。
口に出してもいないのに謝るのもどうかと思うが、千冬を相手にするならこうした方が良いと考えた。
「ふん、まあいい。それよりも仕度は出来ているのか?」
「?少し待っていただければ大丈夫ですが」
「そうか。ならあとで私の部屋に来い。クラスで配るプリントがある」
「(・・・ああ、荷物運びということか。)わかりました。あとで伺います」
「ああ。頼む」
自分が代表補佐という理由と、寮長室が一夏よりも近いのが理由と推測し、承認した。
「・・・まあ、これは後にするか」
千冬が部屋を出て、資料などの荷物を整理し始めた。
・・・・・・
「な、なによ!!その言い方!!!」
教室前で昨日の女子、凰 鈴音の声が聞こえた。ちなみに聞こえただけなのは、
山積みのプリントを抱えているため前が見えないからである。
「おい」
「何よ!!」
スパァン!!
「フギュッ!!」
千冬伝統の出席簿アタックが鈴音に炸裂した。こうして思いっきりやっているところ、知り合いでは
あるようだ。と飛色は考えられ、一夏と知り合いであると、証明するものがさらにわかった。
「何を突っ立っている。邪魔だ」
「え、ち、千冬さ――」
「ここでは織斑先生だ。それと、今はHRの時間だ。教室に戻れ」
「くっ!また来るからね!逃げないでよ一夏!!」
・・・・・・セシリアと初めて会話したときもこんな締め方があった記憶があった。
「(なるほど、性格が似ているのかもしれないな)」
そうならば対策を考えるのも容易ではあった。と少し得した気分であった。
スパァン!スパァン!スパァン!スパァン!ゴチィン!!
考えている間に一夏たちが叩かれていた。ちなみに最後のは拳骨の音で、喰らったのは
パターンのように、一夏だった。
「HRの時間だといっただろ、席に着け。遠木、プリントはそこに置いておけ」
「わかりました」
教卓の上に山積みのプリントを置き、飛色も自分の席に着いた。
「お前のせいだ!!」
「あなたのせいですわ!!」
昼休み
箒とセシリアが一夏に怒鳴っていた。
理由は授業中に山田先生から注意が5回、織斑先生から出席簿アタックが3回受けたのが
一夏のせいだというからだ。もちろん、授業に参加していた飛色はどうして叩かれたりしたのかは
判っており、それが自業自得であるのも判っているが、
一夏を助ける気は毛頭ないため何もいわなかった。
そして現在、飛色は珍しく、とういより初めて一夏たちと昼食を摂ることにするため食堂に向かっていた。
ちなみに目的は相手のクラス代表となった鈴音の情報収集のためである。
もしかしたら機体の情報を喋ってくれる可能性があるとも考えられる。
ならば今のうちに接触したほうがいいと考えた。
たとえ女子が苦手でも、仕事のためというならばなるべくやる。
クラス代表補佐ならば情報収集は欠かせないために今回は昼食に同席した。
そして
「待っていたわよ!一夏!!」
予想通り、鈴音が食堂の入り口に居た。
「おい鈴。そこにいると食券が買えないんだけど……」
「わ、わかってるわよ。だいたいあんたが来るのが遅いせいでしょうが」
「(それならば教室で待てばいいだろう・・・)」
鈴音、一夏は鈴と言っているが、彼女は手にラーメンが乗った盆を持ちながら
『遅れてきたあなたのせい』といってくるが、
そもそも待っているかも知らないというのに他人のせいにするというのはどうかと思う。
鈴音が退いて、飛色たちは食券を買う。休日以外は基本、栄養補助食品のカ○リーメイトなどを
飛色は口にしてるため、何を食べようか一瞬(本当に一瞬)迷ったが、ざる蕎麦にした。
ちなみに海老、カボチャ、人参、イカの天ぷら付き。
「なあ、遠木」
「・・・・・・・・・なんだ?」
食券を出しながら一夏に反応する。
すると一夏、箒、セシリアは驚愕した。
「(なんだ?・・・・・・そういうことか)」
「なにボーっとしてんのよ一夏、料理出たわよ」
疑問に思っていた飛色は何となく理由がわかり納得し、鈴は一夏の様子を見て注意する。
一夏に返事をしたことが考えてみれば一度もなかったから、そのせいだろうと飛色は考える。
鈴の注意でハッと我に返った一夏たちを尻目に、飛色は出てきた自分の分を取って席を探す。
席を見つけて移動する飛色。それに続いて一夏や鈴たちもついていく。
円形のテーブル席に飛色、一夏の順で奥に座っていき、他の三人もそれに続く。
合掌して「いただきます」とちゃんといい、蕎麦を食べていく。
何度か夕飯で食べたことがあったが、食堂の料理は「やはり美味い」と何度も思ってしまう。
だが女子が集まる場所にはあまり行きたくないと思うため、あまり来ない。
食べている間に一夏と鈴が話を進める。
聞き耳を気づかれないように立てながら飛色は食事を進める。
「(・・・・・・・・・やはり美味い)」
天ぷらをかじりながら感想が出て、さらに一夏たちの話声も聞く。
「なあ遠木、紹介――「しなくてもいい。昨日会った」――え?昨日?」
一夏が鈴の紹介をしようとするとそれを遮る。
そしてすでに会っていたことに少しだけ一夏は驚き、そこにセシリアが
「昨日言っておりました補佐の仕事いうのは凰さんのことですの?」
昨日の就任パーティーの欠席理由を聞いてきた。
あながち間違いではないが、おそらく鈴に会って何か話をしたと考えているのだろう。
「オルコットさん、俺は凰さんと会って話をしたが、それは彼女が迷子になっていたから道を教えたという理由があったからだ。昨日のパーティーはそれとは別の用事だ」
「ちょ、何言ってんのよ!!」
「違うのか?」
「うっ・・・・・・」
昨日と似たような流れで鈴は黙り、飛色は止まっていた手を動かして残りの蕎麦を一気に掬う。
そのままつゆに全て入れ、箸で取れるものは取り、残った分はそば湯を入れて飲む。
ふぅーー、とホッとしたように息を吐く。
「(・・・・・・・・・こんどから緑茶にしようか)」
今後の自主勉強ではコーヒーから趣向を少し変えて日本系にしてみるかと考えるのであった。
「遠木!!一夏は忙しいんだろ!!」
「遠木さん!!」
「五月蠅いぞお前ら。食事中に大声を出すのはマナー違反だと思わないのか」
突然箒とセシリアが詰め寄ってきて話しかける。ただし大声で。
食べ終わって入るが、食べ終わりの合掌をするまでが食事と考えている飛色にとって、
それは苛立たしいことだった。そのため睨みつけながら注意する。
普段は飛色の目など見ないため、その睨みと正論で二人は怯む。
ちなみにこの時、
篠ノ之箒及びセシリア・オルコットに対しての観察結果その1:織斑一夏に関することになると大声を出す。
観察結果の記憶をしていた。
「「す、すまん(すみません)……」」
「で、なんだ。織斑が忙しいかだと?」
「「あ、ああ(はい)……」」
すると飛色はふむっ、と顎に手を置いて考え出す。そして胸ポケットにある小さめのノート、
予定表を取り出して今日の予定を確認する。
「・・・・・こちらから呼び出すようなことはない。本人は今日、フリーのはずだ」
そう箒たちに告げると、鈴が笑みを浮かんでくる。
「では、俺は行かせてもらう」
それを無視して合掌し「ごちそうさまでした」というと、席から立ち上がる。
食器を片付けるために返却口に着いて盆を置くと「ごちそうさま、美味しかったです」と、
近くにいる調理場の人に言う。向こうが聞いてなくてもこういう。
なぜなら、作ってくれた人に何も感謝するようなことはいっていなかったから。
食後の合唱の時も言ったが、あれは食材そのものや、それを採ってくれた人に対してのもの。
作ってくれた人に対してはこうしてここで感謝の言葉を言うのが筋だと思っている。
飛色独自の考えだった。
そして食器を置いて食堂から出るとき、
「遠木だっけ?ありがとね」
鈴が声をかけて礼をいい、そのまま走り去っていった。
食事中に聞いていたが、鈴は一夏に惚れている。見て聞いてわかり、今のはおそらく
『一夏との時間作ってくれて』だと考える。
「(・・・・・・・・・ちゃんと言え)」
昨日と同じような突っ込みを二度もするとは思ってもいなかった飛色であった。
凰鈴音に対しての観察結果その1:話すときに必要な部分が抜ける時がある。
アドバイス、感想、何でもいいのでよろしくお願いします<(_ _)>