IS インフィニット・ストラトス 努力の天才   作:xix

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後でもう一話投稿します



第7話 訓練中の乱入者

 

 

「・・・・・・」

 

 

ダンダンダンダンダンッ

 

 

 

土曜日

 

毎週土曜は午前で授業は終わるため、平日と比べるとアリーナを使用する生徒は多い。

いつもは誰も居ないアリーナで訓練する飛色も、土曜日だけは周りに他の人がいても訓練する。

 

今日は訓練機の貸出しの許可が降りた為、以前からやっているISを使った訓練のメニューをやっている。

 

 

 

入学してからもうすぐ2ヶ月経とうとしている今では、参考書の内容は9割以上、教科書はほぼ7割方判ってきている。

放課後の訓練、拳銃などによる生身の射撃訓練とISを使用した訓練の方も順調に慣れてきている。

 

ISでの訓練は、始めは武装の展開と収納をやり続ける(同じ武装を出したり仕舞ったりを繰り返してる)。

その後はアリーナに設置した砲台からのレーザーを回避するという、操作性の訓練。

最後に生身による訓練の成果の確認を含めた射撃訓練。

 

 

一つ目は近距離戦闘ではシールドやブレードなどでの防御、遠距離戦闘では弾切れの銃火器の交換、

そして状況に応じた武装の選択と緊急時の展開。

つまり近距離でも遠距離でも武装の展開速度は重要なため、それの感覚を鋭利にするという目的の訓練。

教科書や参考書には稼働時間で速度が上がるとあった。

しかし飛色はそうではなく、武装の展開は結局のところ理解とイメージが重要だと考える。

この武装はこんな特徴で、こういう武装だという理解をすることでイメージがしやすくなり、

そのイメージによって武装を展開する速さが変わる。

初心者なんかは展開するときに武装名を口に出して行うことから、そう考えられた。

だから、この展開と収納はイメージ力を上げるような特訓ともいえるだろう。

 

そして、本当なら回避と迎撃を同時に行う、つまり二つ目と三つ目を合わせた訓練をやりたかったが、

どちらも今は実力不足で、訓練にすらならない。

ならばそれぞれをまずは理解して攻略するということで二つに分けている。

 

訓練機ではなく専用機を持つ一夏とはISの稼働時間が違うことから、

飛色はこうした計画性などで出来る限りその差を埋めるために今でもこの三つの訓練を主にやっている。

 

 

 

そして今、射撃訓練用の的が交換され―――

 

ドガァン!!

 

「・・・・・・」

 

―――るはずだったのが、今は撃ち抜かれた状態になっていた。しかも広範囲で。

もちろん飛色はそれほどの火力と攻撃範囲を持つ武装を使用したわけでもない。

 

だが横から来た何か(・・)によって的が破壊された。

 

「・・・・何のつもりだ。凰」

 

ハイパーセンサーで感知したところ、専用機を展開した鈴がそこには居た。

 

「(恐らく今のは中国が開発した第三世代兵器の衝撃砲・・・・データ通り砲身も砲弾見えないな・・・)」

 

空間自体に圧力をかけ砲身を生成、それによって発生する衝撃を砲弾として発射する空間圧兵器。

以前IS学園の戦闘データ管理室から今までの鈴の模擬戦関係のデータを閲覧したら説明がついていたのを思い出す。

 

「あんた、強いんだってね」

 

「・・・・何?」

 

どういうことだ?と考えたが、大方クラスメイトがセシリアとの模擬戦の結果を聞いたのだと思う。

何せ油断していた上に、ハンデを貰っていたとはいえ代表候補性を倒したのだから。

それも4月からISのことを知り始めた男子に訓練機で。

 

ということから操縦者である飛色は強いと認識されたのだろう。

 

「・・・・それで、だからなんだ?訓練の邪魔をしに来たのか?」

 

「あたしと戦いなさい」

 

「・・・・は?」

 

「あんたが強いか確かめたくてね」

 

「(・・・・戦闘狂か?)」

 

こう考えるのは仕方ないと言える。何せ出会って強いと判れば戦えなど、戦闘狂のようなものだ。

 

「ふむ・・・」

 

飛色自身は訓練の邪魔をされたのにも拘らず、今の状況を考えてみる。

この学園に来てから模擬戦はセシリアとの一戦以降していなかった。今回の相手も代表候補生。

ならばこれまでの訓練の成果を試すには打って付けかもしれないしれない・・・

 

「いいだろう。だが少し待て」

 

「何?なんかあんの?」

 

「人が多少いるんだ。模擬戦をやるなら断りを入れておくべきだと考えないのか」

 

始めに言ったが今日は土曜日。そして周りには飛色、鈴以外にも生徒はいる。

模擬戦をしていると伝えておかなければ流れ弾などを喰らってしまうかもしれない。

そんな危険はなるべくしたくないため、断りは入れておかなければならない。

 

「あ、そっか。じゃあ「俺はアリーナの担当教師に連絡する。お前は生徒の方をやれ」・・・わかったわよ」

 

飛色の指示で鈴は訓練中の生徒に話しに行く。飛色がばれないように何かをしているのに気づかずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

飛色はさっきも使っていたラファール・リヴァイヴを、鈴は専用機の甲龍を展開していた。

 

 

「準備は?」

 

「いつでもいいわ――」

 

ダンッ!!

 

「いっ!!」

 

試合開始早々の先制攻撃。武装展開の訓練で今の飛色の展開速度はおよそ0.47秒。

以前授業で一夏が織斑先生に言われた0.5秒を超えていた。

 

鈴もここまで展開が早いのは予測できなかったのか、躱すのはギリギリだった。

いや、

 

「(・・・・・・掠ったぐらいか)」

 

鈴の装甲を見ると、僅かに跡が残っているのが見えた。

ちなみに今の飛色はメガネを外しているため、ハイパーセンサーなしでもよく見える。

どこに仕舞ったかは企業秘密……

 

「いきなりぶっ放してくれるわね~!!」

 

「勝負開始といった瞬間から攻撃を仕掛けるのは当然だろう。それとも、お前は自分が攻撃するまで待っててくれとでも言うつもりか?」

 

軽い挑発のつもりで語る。ちなみに飛色は鈴の性格から考えてから言ったため、

たったこれだけの挑発でもどうなるかはわかっている・・・・

 

「なんですってぇ!!!」

 

予想以上に簡単にのってきた。

怒号を吐きながら鈴は青竜刀『双天牙月』を2刀、展開して突進してくる。

 

が、飛色は接近させないためにすぐにアサルトライフルを収納。サブマシンガン2丁を新たに展開する。

 

「特攻しながらの弾幕は命取りだと思わないのか?」

 

そう告げて、鈴から一定の距離をとりながら連射を始めた。

今回はセシリア戦の時とは違い、今回選択したのは連射速度と一発の威力が高く、弾数がやや少なめのタイプ。

展開の速度が上がっているならば、弾切れした場合、新たに同じサブマシンガンを展開していけば弾数は関係ない。

 

鈴は回避しながら飛色に接近する。

しかし飛色の精確無比な弾幕で少しずつシールドエネルギーが削られている。

 

「あぁもぅ!!これでも喰らいなさい!!!」

 

なかなか接近できないことに苛立ち、鈴は両肩の横にそれぞれある

非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)をスライドさせる。その武装こそが衝撃砲『龍砲』である。

 

だがそれも飛色はデータで確認済み。スライドしたのに反応して衝撃砲を見る。

そしてそこに小さな窪みのようなものがあるのを確認すると、

飛色はその窪みの直線上からずれる様に移動した。

 

すると、先ほどまで自分のいた場所に何かが通過するような感覚が出る。

 

「(やはりアレか・・・・)」

 

衝撃砲の発射口で間違いなかったようだ。先ほどからその窪みの直線上から、何かが通過するのを風圧で感じる。

発射口がわかれば、その直線上にいなければいい。回避はそれでいいと考えたが・・・

 

ドゴォッ!

 

「っく!!」

 

「ほらほら、どうしたのよ!!」

 

連射されることでダメージを受ける。チャージしての場合は見切れていたが、連射になった途端、当たるようになる。

射撃の実力と展開速度はよかったが、機体との反応速度関係。つまり操作性はまだ甘いということがこれで判る。

 

「にしてもよく躱すじゃない。この『龍砲』は――「砲弾と砲身が見えないのが特徴で避けるの普通難しい・・・とでも言うんじゃないよな?」~~~にーー!!あんたねぇ!!!」

 

台詞に被せてきたのが気に入らなかったのか、鈴がまたキレたように連射させてくる。

怒っているのは見れば判るが、射撃はけっこう精確。

怒りで精度が落ちて欲しかったのだが、意味はなかったようだ。

 

「(さて・・・・アレをやってみるか)」

 

飛色はサブマシンガンを収納(まだ弾が残っているため)、

そして今度はアサルトライフルを片手に展開して、もう片方には―――

 

「行くぞ」

 

手に持っていた物……スモーク弾を宙に投げて、それをアサルトライフルで撃ち抜く。

するとそこから黒い煙が辺りに発生し始めた。

 

「??何のつもりか知らないけど、これで終わりよ!!!」

 

そういって鈴は最大チャージした龍砲を撃ち出す。

 

「・・・・甘いぞ」

 

飛色は『完全に』見切って上昇すると、そのままもう1丁アサルトライフルを展開する。

 

「えぇ!!?」

 

砲身も見えない筈の衝撃砲を見切ったことに驚愕する。

飛色がやったことは単純。衝撃砲の弾に色を付けてそれを見切っただけ。

 

スモーク弾によって飛色の周りには黒い煙があった。

衝撃砲は見えない弾丸であるのは、衝撃だから。空気が透明だから人間の目では見えない。

それと同じように、衝撃というのも透明で見えない。だが煙によって辺りの空気に黙視できる色が付いたら?

 

答えは単純、そこを通る衝撃にも色が着く。つまり見えてしまうのだ。

 

「悪いがこれで・・・・・・チェックだ」

 

両手のアサルトライフルを構えて、その場で止まっていた鈴に連射を始めた。

鈴も気づいた時には飛色が連射し始めていたため、特攻の時などに減ったシールドエネルギーの残量は・・・・・・

 

ガクンッ!!フシュゥーーーーーーー

 

 

 

鈴のISの動きが完全に止まり、確認するとシールドエネルギーが尽きていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

飛色の自室。

今回の模擬戦を録画しておいたもの今は見ている。

そして自分の行動と相手の行動、他にも移動角度、スラスターの出力、エネルギー使用効率などをノートに記録している。

所謂、反省会だ。

 

「(・・・スラスター出力がうまく引き出せていないな・・・・この時の回避もそうだ・・・・)」

 

映像から回避行動、つまり操作性を重点的に見ている。

戦闘中も何度かうまく引き出せていない感覚があったのは覚えている。

つまり今の自分は操縦能力が疎かであるというのがわかる。

 

「(この時の弾幕も何ヶ所か回避しやすい隙間があるな……凰は怒らせたから喰らってくれたもの、これでは・・・・)」

 

射撃など、回避行動以外の部分にも反省すべき点がある。

淹れておいたコーヒーを飲みながらそれらをノートにまとめていた。

 

「・・・それにしても」

 

飛色は作業を一端止めて、椅子に寄り掛かる。

そして模擬戦が終わった後の鈴のことを思い出す・・・・・・

 

 

 

 

 

『今回は負けたけど、次は勝つからね!!首洗って待ってなさい!!』

 

 

 

 

 

・・・・・・思い出しただけで頭痛がする。

おそらく彼女の性格であれば、このまま勝ち続けても再戦しろ、再戦しろとでも言われるであろう。

そう考えると頭痛が止まない。

 

「・・・・・・・・・はぁ」

 

模擬戦の挑戦を受けたことに今更後悔しながら溜息をすると、再び作業に戻るのであった。

 

 

 

ちなみに一夏には今回の模擬戦はばれなかったようだ。

 

 

 




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