IS インフィニット・ストラトス 努力の天才   作:xix

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短いと思います。



第9話 己に出来ること

 

 

アリーナの外。

 

 

そこには息切れをしながら工具セットと分厚い本を3冊ほど持つ生徒がいた。

 

「はぁ、はぁ、これはここで・・・ここに・・・ある筈だ・・・」

 

轟音と共にアリーナの入り口のシャッターが突然閉まること、そしてアリーナの中から僅かに聞こえる悲鳴。

それらに驚いて推測した結果、侵入者だろうと考えて行動し始めた生徒、飛色が入口付近の壁をさわりながら何かを探っていた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・ここに・・・・・・・・・あった!!!」

 

一カ所だけ、触っていて違和感があるのに気づく。

 

なぜこんなことをしてるかというのは、本当なら教師を呼んで来ようと思ったが、校舎には殆ど人が居ない状況なのである。入り口近くの事務などであれば人はいるであろうが、今現在いるアリーナとは反対にあり距離があり過ぎる。

そして、そうであるならばと考えた結果、近くにあった寮から必要な物を持ってきて、今に至る。

 

「ならここの辺りに・・・これか」

 

探った箇所の近くには小さな窪みがあった。

以前、このアリーナを使用して帰る時に偶然見たもの。

 

急いで別のアリーナから持って来た大きめの工具セットからマイナスドライバーを取り出すと、

窪みに入れて、てこの原理でそれ(・・)を開ける。

 

そこには大量のコードがあった。

 

「説明書・・・・・・」

 

次に取り出したのは工具セットと一緒に持ってきたこのアリーナの設備についての設計図や、内部の電線回路についての本。

どこにこんな物があったかというと、これも以前図書室にあった分厚い本のスペースが気になっていたらそれがこれだった。

 

「(アリーナの入口・・・アリーナの入口・・・・・・)」

 

英語で書かれた説明書を、頭にある単語から予測して目を通していく。

 

「(・・・・・・・・・・・・・・これか!?)」

 

何ページもめくって見つけた箇所にある回路図を読み取る。

 

ISに必要な知識は何も戦闘術などだけではない。

結局のところISはパワードスーツ、つまり機械なのだ。

 

ここはそれを専門的に知るための学び舎。

 

何が言いたいかというと、 機械に関係のある教科、電子回路や電磁気学、情報処理学に材料力学

他にも様々な教科をここでは学ばなければならない。

 

最近の飛色はISの教科書をほとんど覚えて来ているため、自主的にそっち方面の勉強をしている。

 

ここでそのことが功を奏した。

 

 

「(このコードはこっちの回路だから後で・・・・・・つまりこれが最初か)」

 

説明書と目の前にあるコードの量から読み取りながらニッパーでコードを切断していく。

 

一歩間違えればどうにもならないような作業。

 

飛色は何度も説明書とコードを交互に見て慎重に、一本ずつ切断していく。

 

「(これの次は・・・・・・よし、次は・・・・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおお!!!」

 

一夏は侵入してきたISに突っ込んで雪片を振り抜く。

 

だが

 

「くそぉ!!」

 

「一夏ぁ!またなの!?ちゃんと狙いなさいよ!!」

 

「狙ってるっつーの!!!」

 

ブースターで体をうまく曲げられることによって、一夏の斬撃はかわされる。

鈴が衝撃砲で援護射撃をして、怯んだところに一夏が接近して倒す。

至極単純だが、やり方としては正しいだろう。

だが一夏が接近したのはこれで4回目。さすがに失敗しすぎだ。

 

「(まずいな・・・)」

 

機体のシールドエネルギーがもう残りわずかなことに焦る一夏。

鈴との試合では、飛色の教えた対策でそこそこダメージを負わなかったが

それでももう、バリア無効化攻撃をするためのエネルギーが限界だろう。

このバリア無効化攻撃は文字通り、ISのエネルギーバリアを貫通させてダメージを与えるということから呼ばれている。

しかし正確に言うと、この能力はビームなどのエネルギーを無効化させるというものである。

ISが相手ならば、バリアを無効化させて直接切る。といことが出来るとんでもない代物だ。

ただしこの能力を使うには、シールドエネルギーを燃料としなければならない。

 

最近の特訓でどれくらいあれば使えるのかが判ってきた一夏は、残量からあと一回使えるくらいだろうと考える。

 

「一夏、来てるわよ!!」

 

「お、おわっ!!」

 

間一髪のところで敵の蹴りと、追撃のビームをかわす。

 

「こんのぉ!!」

 

そこへ鈴の射撃。

しかしそれも体を捻ったりなどして紙一重でかわされる。

 

「うーーームカつくわね!!」

 

全然当たらないことに段々と苛立ってくる鈴。

 

そして敵からの攻撃がまた始まる。

両肩と両腕に一つずつある砲門から高出力で連射されるそれに、鈴は避けるので精いっぱいだったが、

一夏は鈴の衝撃砲よりも、見えている分避けやすいと思っている。

飛色からは回避についてはスピードで何とかなるといっていたが、念のためということで

スピードに頼らなくても避けることが出来る方法を教え込まれていたせいだ。

今の状況では現在進行形で役に立っているため、念を打っておいてくれてたことに感謝していた。

 

 

 

しばらくすると敵の射撃が収まり、その衝撃で敵の周りに煙が立つ。

その様子を一夏は観察していると、気になることがある。

 

「う~ん・・・・・・なあ鈴」

 

「何よ」

 

「・・・あいつの動きって何かおかしくないか?」

 

「どういうことよ?」

 

「なんかこう・・・・機械染みてるっていうか」

 

「ISは機械じゃない」

 

「いや、そうじゃなくて・・・・・・あれって本当に人が乗ってるのか?」

 

「何言ってるのよ?ISは人が乗らないと動か―――」

 

鈴も何かに感づいたようだ。言葉を止めて、敵をジッと見る。

 

「そういえば、あたしたちが会話しているときってあんまり攻撃してこないわね。でも・・・・」

 

ISというのは人が乗らないと動かない。

遠隔操作だとしても、ISはコアとそれを装着する人間との同調によって動くもの。

教科書の始めの方に載っている常識中の常識ともいえること。

つまり無人機なんてものはありえない。

 

「仮に・・・本当に仮にだ、無人機だとしたらどうだ?」

 

「どうって・・・・なに?無人機だったら勝てるっていうの?」

 

「ああ。無人機なら・・・人が乗ってないっていうんだったら、全力で叩き込んでも問題ないからな。千冬姉に何言われるかわかんねぇけど・・・」

 

後始末が面倒になるかもしれないと、ホンの少し余裕の笑みを浮かべながら考える。

 

「ふ~ん・・・でも、攻撃そのものが当たらなきゃ意味ないじゃない」

 

「次は決める」

 

言い切る一夏。それに対してよっぽど自信があるのだろうと思い、呆れたように溜息をする鈴。

 

「で、あたしは何をすればいいわけ?」

 

「鈴は全力で―――」

 

その時

 

 

 

 

 

『一夏ぁあ!!!』

 

キーーーーーン、とアリーナの放送が響く。

その声の主は、管制室にいた筈の箒だった。

 

『男なら……男ならそのくらいの敵に勝てなくてなんとするかぁ!!』

 

再び響く大声。

そして敵のISはその声に反応して振り向くと、腕にあるビーム砲の照準を箒に合わせる。

 

 

「鈴!!残ったエネルギー全部使って衝撃砲を撃て!!」

 

「わ、わかったわ」

 

鈴もISに照準を合わせてチャージをする。

そして発射準備ができたと思った瞬間

 

「!?ちょっと何やってんのよ、そこどきなさい!!」

 

一夏が目の前に移動したことに驚き、射線上から離れろという。

 

「いいから、このまま撃て!!!」

 

「あ~~、もう!どうなっても知らないわよ!!」

 

鈴は言われた通り、全力の衝撃砲を放つ。

もちろんそれは一夏に直撃するが

 

「うおおおおおおおおおっ!!!」

 

一夏は瞬時加速をしながら無人機に突っ込んだ。

しかもその速度は残っていたエネルギーからは到底出すことのできないものだった。

瞬時加速はスラスターから出るエネルギーを取り込んで圧縮、それを放出して得る慣性エネルギーを利用してる。

そして取り込むエネルギー・・・これはつまり外からでも可能。

 

一夏はそれに気付き、衝撃砲のエネルギーを利用して爆発的な加速をした。

 

そして

 

「らあっ!!!」

 

 

 

 

 

 

敵の右腕を切り落とした。

 

「ぐぅ!!!」

 

しかし何も問題がないかのように、もう片方の腕で一夏を殴り飛ばす。

そして飛ばされて壁に激突する一夏に接近して、腕の砲口を一夏の目の前で合わせる。

 

0距離射撃。

すでにシールドエネルギーが一桁となっている。

喰らえば無事では済まない。

 

「「一夏!!」」

 

箒と鈴が叫ぶ。しかし片やISを装備などしていない、片やすでにエネルギーを使い果たした、という状態。

 

そして一夏は絶体絶命の状況。

にもかかわらず一夏は笑みを浮かべ――

 

「・・・狙いは?」

 

『完璧ですわ』

 

1人の知り合いからの通信が入ってくる。

 

それと同時にビームの雨が敵に降り注ぐ。

 

実は一夏がセシリアにはピットで待機しているように先ほど気付かれないように通信していたのだ。

 

『ギリギリでしたわ』

 

「はは、セシリアならやれると思ってい―――」

 

 

 

 

 

ピーピーピーピー!!

 

「「「!!?」」」

 

突然、ISからの警告表示が出たことに驚く。

その内容は

 

 

 

 

―――敵IS、射撃体勢―――

 

三人が再度、敵に目を向けた瞬間

 

 

『ギ、ギ、ギギギギギィィィィィィィィィィィィ!!』

 

 

咆哮の様な音をたてて、全砲門から高出力のビームが連射される。

 

しかし、それは暴走したかのように出鱈目なもので、一夏たちには向かってこなかった。

 

 

その代わりにシャッターの閉まったアリーナの観客席にいくつかが直撃する。

ガラガラと、当たった箇所を中心に一部が崩壊し、それに続くように周りの壁や分厚いシャッターも崩れていく。

ISの方はエネルギーが完全に切れたのか、糸が切れた人形の様に倒れていった。

 

 

「って、皆の避難は!!?」

 

一夏が咄嗟に気づいた。アリーナは全ての扉がロックされていて、脱出もできない状態だったはず。

つまり観戦していた生徒は一体どうなったのか。

 

一瞬で顔が真っ青になっていく面々。

そこに

 

『大丈夫です! 扉のロックが解除されていたので、ほぼ非難が完了しています』

 

副担任の真耶からの通信が入ってくる。

 

一同はホッとしたのか、肩の力が抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰かーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

「「「!!!??」」」

 

しかしそれも束の間。生徒の悲鳴が聞こえてきた。

 

発声源は、先ほどのビームが当たった観客席から。

 

移動ぐらいしかできない一夏と鈴、そしてセシリアは急いでそこへ向かう。

 

そこには叫んだであろう女子生徒と瓦礫の山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その下には飛色がいた。

 

 

 

 




アドバイス、感想、何でもいいのでよろしくお願いします<(_ _)>

この後また投稿します
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