今日は親友の麻耶ちゃんと一緒にケヤキモールでショッピングしてきた。
買ったものはいろいろあるけど、その中でもとっておきのとっておきはマフラー。
なかなかの長さがあるもので、このマフラーを清隆と一緒に巻いて歩くのがアタシの夢なのっ!
清隆と恋人関係になってからのアタシは彼の部屋に入り浸りで、
ショッピング後も清隆の部屋へ来ていた。
「どう?このマフラー似合うー?」
早速アタシはとっておきのマフラーをウッキウキで清隆に見せた。
くるっと一回転して笑顔でウインクしながらマフラーを披露する。
これで清隆ともっともっとラブラブになれたらいいなぁ!
しかし……
「どうして首から明太子ぶら下げてるんだ?」
最愛の彼氏から放たれた言葉はアタシの精神を破壊するには十分すぎるほど残酷なものだったのだ。
明太子?どうしていきなり九州福岡の名産品が出てくるの?
まぁご飯進むおかずよね。
確かにこのマフラーは明太子に近い色合いをしているし、
ちょっとピリ辛みたいで美味しそう……。
いかん、よだれが。
って今はそんな話じゃないしっ!
「もう明太子にしか見えなくなっちゃったじゃないっ!!」
「それは悪かった」
泣きそうだった。
このマフラーで清隆とロマンチックになりたかったのにこんな仕打ちってある?
いつもは大好きな当の彼氏は相変わらずの無表情なのが余裕そうで今は逆に腹立たしく、憎いったらない。
「いいもんっ!せっかく買ってきてあげたマックもアタシ一人で食べちゃうから!」
明太子と一緒に買ってきたマックのハンバーガーも清隆にあげたくなくなってしまった。
独り占めしたらかわいそうだとか、また太っちゃうとかそんなことはどうでもいい。
アタシの心を踏みにじった清隆に少しでも抵抗したかった。
うぅ……明太子とハンバーガーって合うかな?って違う!明太子じゃなくてマフラー!
「もう帰るっ!」
アタシは半泣きなまま清隆の部屋を早歩きで出て行こうとしたその時。
「あ、そこ段差が」
「ぎゃぁーっ!」
ドシャアアアアアアアアアアアアアアアア!!
アタシはカーペットと床の僅かな差に躓いて転倒し、マックの袋を盛大にぶち撒けてしまった。
「あーあ、ポテトまで全部外に」
ハンバーガーもポテトもコーラも全て飛び出てしまい、そこにはとても悲惨な光景が広がっていた。
そんな凄惨な状態にも関わらず、
まるで予期していたかのように冷静な清隆の態度にアタシは為す術もなく泣くしかなかった。
ぴええええええええええん!!