エーテリアス少女は終末の夢を見るか 作:TOPS製エーテリアスメカ
赤牙組から金庫を奪った私たちは案の定追われる身となり、窓から脱出しようとしていた。
「ウェイド!ガラス割れない?」
「やってみる。フン!」
多分割れないぐらいにパンチしてみる。
私の怪力にガラスはミシミシ言ってるけど、まだ破るのには時間がかかりそうダナー。
「時間がかかりそう!ビリー!交代!」
「おう!任せとけ!」
任されたビリーが銃弾で割ろうとするがあっちこっちに跳弾し、自分で落としたテレビで自滅してしまった。
コレコレ!これが見たかった!
そう心の中で興奮する私を尻目に、赤牙組のリーダーがなんか嘘泣きしながらごちゃごちゃ言っている。
まあそんなことはどうでも良いけど、話は進めないと。
「ねえねえ、光る奴使っていい?」
「ええ、良いわよ」
ニコからも許可もらったわけだし、アレを使おう。
「ちょっと離れて!」
骸影・剛力横暴者
その力を解放した瞬間、私の体が怪しげなエーテルに包まれる。そのベールが膨張し、そして人の形を取った。
「なにっ」
チンピラどもは恐れ慄き、二歩三歩と後ろに狼狽える。
それもそのはず、先ほどまで可憐な少女だったものが一瞬のうちに巨体の暴漢となったんだからね!
そして腕に目一杯ビリビリを込めて。一気に解放!
本来ならば多対一の場合において一気に敵を殲滅するためのものだけど、今回は別の用途で使う。
「アガガガガッ」ビクンビクン
部屋が眩しい閃光に包まれ、十分に離れていなかったチンピラども(とビリー)が感電してビクビクと泡を吹き、床とキスした。
警告はしたのになー。
「ググググガガッ……やっぱり……やっぱり抵抗を選ぶのか!」ビクンビクン
十分に離れきっていなかったリーダーが感電しながら、恨み節を言い嘘泣きをやめて私たちに襲いかかってきた。
「感電しながら襲ってくるなんて、頑丈だね!でも大丈夫?君が相手にするのはこっちのほうじゃない?」
力を使い、元に戻った私とニコたちにスポットライトが当たる。その主は赤牙組を追う治安局の攻撃ヘリであった。
そう先ほどの変身は電撃によるスタンは二の次、本命は攻撃ヘリを引き寄せるためのものだったのさ!
ここぞとばかりにニコが金庫を諦めるか、治安局の捕まるかの二択を突きつけ、リーダーを煽り立てる。
ところがどっこい先ほどから〇〇〇〇(エリースラング)を言いまくり、自主規制されまくってる口の悪いどころの話じゃない記者がなんの権限があるのかヘリに最大火力の攻撃を指示してしまった。
そしてヘリからミサイルが放たれ、私たちのいた部屋は大・爆・発!
見事私たちは吹き飛ばされ、真下のホロウに落ちていった。
爆発オチなんてサイテー!!
そう叫びながら落ちていく、地面に墜落はしなくて良い。だってホロウの中ならエーテリアスの力が使えるからね。
私の体がホロウと通常空間の境を跨ぎ、黒い外観とは打って変わって虹色の粒子が視界に広がってゆく。
壮観だ。いつだって見ていたい!
それと同時に体が本調子になっていくのを感じる。
うーん良い気分だ。
虹色キラキラ空間を抜けると、時空間が歪んでいるのか今は夜のはずなのに昼間の様に太陽の日差しが私を照りつけている。
偶然横向きの裂け目が発生しているとかそんなラッキーなことはなく地面に向かって一直線。
普通の人間ならもう走馬灯を見ているか始まりの主に祈っているところだろうけど、私にはこの力があるからそんなことをする必要はない!
骸影・トラキアン
私の体がエーテルに包まれ、だんだん自身の体が変化していくのを感じる。
体が長くなり、胸にはエーテルコアが形成された。
「うっおえっ」
先ほどは人間が素体だったためそこまで違和感がなかったが、やはりエーテリアスは感覚の乖離が大きく、変身、解除した時酔いが大きい。まあこれはだいぶマシな方だけどね!
だがそんなデメリットを補って有り余るほどこの姿は私が普段使いするほど便利である。
加速していく一方だった体が減速していく。
この姿の力の一端である空中浮遊だ。
そして停止した私はストンと地面に降り立った。
「うーん。まあとりあえずアンビーとニコを探そっかな!」
確かニコはパエトーンのとこに行ってるから確かホロウ内にはいないんだよね?
そして暫く辺りを探していると……
「うーん……迷った」
そう、ここはホロウの中なのだ。
本編中にアンビーとビリーが再開したのなんて偶然でしかないことを私は忘れていた。
本来ホロウとはキャロットが無ければ3m先の景色すら信用できない不可視の迷宮なのだ。
テンションが上がってすっかりそのことを忘れていた。
私の本来の家の隠し金庫にあるあれが全てを解決できるかもだけど……もうあれには……触れたくないかな……。
とにかく!多分パエトーンが来てくれるから待機しよう。
暫く現れたエーテリアスを人間用サイズから変形させた全長2mぐらいのクロスボウで貫きながら待っていると、ポテポテとした足音が聞こえてきた。
恐らく……イアスかな?
そして来てくれるのを待っていると、途中で止まってしまった。なんで?
あっそうか、まだトラキアンの姿のままだったね。多分私か普通のエーテリアスか判断しかねているのかな?
クロスボウを元に戻し、変身を解除すると足音がさらに近づいてきた。
「大丈夫かい!」
「パエトーン!」
その金属製とは思えないモチモチとしたボディに、愛くるしい短いあんよ、そして手作りの01と書かれたスカーフ!
やっぱりイアスだー!
「ううっ寂しかったよー」
思わず駆け寄り、抱きしめてしまった。
ちなみに私は貧乳である。
そして一通り頬擦りをし、顔を見るとなんか微妙な顔をしている。
「なんでそんな顔するのさ!自他共に認める美少女だよ!ちょっとは照れないの?」
「いや……うーん……元を思うと……あんまりと言うか……」
その言葉にはさまざまなな感情が入り混じっていた。
「えーそこは触れないお約束でしょー」
私が軽めにえいえいとイアス越しにアキラをガシガシすると、ウワワと声がした。
「まあ取り敢えず。ホロウの外に案内するよ。アンビーもビリーもそこで待っているからね」
気を取り直してパエトーンのナビに従い、一見なんの変哲もない壁に突撃するとホロウの外に出ることができた。
やっぱりホロウ探索にはボンプが絶対だね!
そしてホロウから出た瞬間邪兎屋のみんなが一斉に心配の声をかけてくれた。
「うん、心配してくれてありがと!」
そしてパエトーンを呼んだニコが車に乗り、こっちに声をかけてきた。
「じゃあ3人とも乗って!」
車に乗り、ビデオ屋へと向かう。
結局、道中に襲撃を受けるとかそんなことはなく無事辿り着くことができた。道中でニコがアクセル全開で赤信号を全て無視したことには本当にネタ抜きで肝が冷えたけどね。
「はー生きた心地がしなかった」
私の仲間は都市内”では”結構規範意識持って生活していたからやっぱりこの落差には中々慣れないな〜。
マジで治安局怖いし。ニコは恐れ知らずすぎる。
そして今気づいたんだけど、もしさっき私がパエトーンより先にアンビーとビリーを見つけていたらデュラハン倒さないといけないのでは?
デュラハンぐらい私はぶっ倒せるんだけど、そしたらホワイトノイズのハッキング前に金庫回収しちゃって、結果的にパエトーンにFairyが渡らなくなっちゃうんじゃ。
結構原作崩壊寸前のやばい状況だったことに今更気付いたけれど、もう終わってしまったことだしまあいっか!
そんなこんな考えながら私はニコがこれからメインアカウントになる値引き用サブアカをパエトーンに作らせているの眺めていた。
そして一旦、ニコが独自の人脈で金庫の場所を特定するまでアンビー、ビリー、私の3人は、依頼完了記念パーティ用の買い物をすることに決まった。
でもその前に私はニューススタンドで新聞の年間購読特典のスクラッチをやることにしよっかな!
意気揚々とニューススタンドに向かう私にアンビーが声をかけた。
「一人でスクラッチを削るの? ウェイドがスクラッチを削って骨が出る確率は78%。残りは風に飛ばされてそもそも結果がわからないというのが今までの傾向よ。また私が削ってあげてもいいけれど」
「なんか今日は行ける気がするの!」
私は運がいつも悪いからいつもアンビーとかに削ってもらっているんだけど、今日は記念すべき原作が始まった日だから行ける気がするので、久しぶりに自分で削ってみる。
「スクラッチください〜」
「ワン!」
六分街ニューススタンド名物のワンコ店長ウーフに渡されたスクラッチをハラハラとドキドキと共に端っこから削ると、謎の隣接する二つの半円が見えた。
骨だ! ハズレだ! ゴミだ!
それが見えた瞬間、私はそれをゴミ箱(賢者入り)に超音速でシュートし、もう二度と自分で削らないことに決めたのだった。
何か悲鳴が聞こえたがまあ聞こえない聞こえない。
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