気づいたら人生2周目だった方々による「最悪」を避ける物語 作:もみじししゃも
「え、えっとぉ…?」
ごめんね出久くん
少なくとも君の意思とは無関係に勝手にこっちが手を出してしまったんだ
大人としてまずは君に謝らないといけないから…
「あのぉ…顔上げて…というか立ってください!なんで土下座してるんですか!?」
「本当に色々と私たちは君に土下座して謝らなければならないんだ、色々と。後ろの奴らも悪かったと思ってるから、どうか…」
「その前に…ここどこですか???」
…あ、そうだったな
「ちなみに、どこだと思う?」
「え…うーん…夢の中ですか?」
「合ってるけどそうじゃない…ここはOFAの中だ。あぁ安心してくれ、現実の君はクラスの控室のベンチで眠りこけているだけだし、ここでの経過時間は現実の時間とは一致しない。せいぜい起きたら目を閉じて5秒後でした、ってぐらいだろう」
「そ、そうなんですか…じゃああなたたちは…もしかしなくても」
「あぁ、代々OFAを継いできた者たちだ。私は7代目の志村菜奈、よろしくね緑谷出久くん。あとこれから先、私の孫がとんでもなく迷惑をかけるだろうから先に土下座しておくね」
「え、えぇ??」
「志村、先に謝っても理解されないで終わるだけだ」
「後でわかってくれたらそれでいい、今はそれでいいんだ。転狐の怒りももっともだし…」
まずい、身内語りで終わってしまいそうだ
「OFAの純粋な力とともに、私たち歴代継承者の個性も今の君に受け継がれている。これは一人が力を培い、その力を一人に渡し、また培い次へ…そうやって救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶、そして今回君の身に起こった…いや私たちが勝手に発動させてしまったとも言うが…あれらの個性はその集大成のようなものだ」
「僕の個性を育て上げ譲渡する個性によって強化された継承者達の個性が、9代目である君の代で、君の意思に反応し、発現したんだ。あ、僕は初代の与一って言うよ。よろしくね出久くん」
「あ、はい、よろしくお願いします…?えっと、つまり…一つの個性の中に複数の個性があって、それが僕の代で発現して…でも制御しきれなくてこれまで暴発してたってことですか?」
うん、ほぼ正解、要約が上手だね
…とりあえず個性の暴発は私たちの感情の大幅な揺れのせいだってことは黙っておこう
一応謝ったし…
「小僧、こんな大事な行事の途中で悪かったな…まさかこっちもこのタイミングでこうなるとは思わなかったんだ。…俺は2代目の駆藤だ、お前の幼馴染に顔は似てるだろうが血縁者ではないからな、そんな驚いた顔をするな」
「いや…すごく似ていたので」
「似ているだけだ」
…そういえばすごく似ているな
髪型とかそういうのよりも「目」が
似ている…
「さっきの競技のときはほんとうにすまない、つい…少し…ヒートアップしてしまった。あんなので1位ってのは君からしたら納得がいかないだろうからやらないつもりだったんだが…すまない」
「いやっ、別、そんなっ、頭下げられるほどでもっ…えっと…ありがとうございました」
「いや、感謝される筋じゃないから謝らないでくれ、うん。君が私たちに頭を下げる必要はないよ、ほんとに、うん」
「まぁ坊主!これからよろしくな!!なんかあったらまた手を貸してやるよ!困ったらいつでも胸の中で叫べ!すぐに俺がなんとかしてやr 「勝手にしゃしゃり出ようとするな、俺達の個性を使うかどうか、どう使うかは基本9代目の判断だ。俺達が俺達の意思で発動していいものじゃないしそれは小僧の成長のじゃまになる」 たしかにそうだな、リーダー」
「お前のリーダーになった覚えはないぞ万縄」
「OFA内の実質リーダーだろお前!!あ、俺は万縄大悟郎、5代目だ!あの黒い紐つってたのは俺の個性だ!!」
「よっ、よろしくおねがいします…」
ん、現実のほうで誰かが出久くんに近づいてくるな
「出久くん、次の競技のこともあるし今はここまでにしないか?まだ他にも聞きたいこととかがあれば遠慮なく起きてから聞いてくれていいから」
「聞けるんですか?」
「多分…いや絶対できる、問題ないよ」
それじゃあ、また現実で
「おい出久、出久!?起きてんんか?」
「ふぇ!?かっちゃん!?あ、そっかここ控室…」
「お、緑谷起きた!まぁ起きたつってもせいぜい10秒ぐらい床見つめてただけだけどな」
…現実だ
ほんとに数秒程度だったんだ
はっきり言って情報量が多すぎて…えぇ
とりあえず…ここから先はあんまり継承者さん達の個性は使わないようにしないと
「超パワー」って個性ってことで通してるから…
あとオールマイトにも色々聞きに行かないと…
「おい出久、サイレントブツブツやめろ」
「サイレントブツブツってもはやブツブツじゃねーじゃんか爆豪」
「どっちみちやめさせねぇと一生こっちの声が耳に入んねぇんだよ、てめぇにはまだわかんねぇか切島」
「しれっと幼馴染マウントとんなよ…」
「大丈夫だよかっちゃん、聞こえてるよ」
「あっそ、んで、個性の方は大丈夫なんか?」
「うん、今のところは」
(安心してくれ、一番暴発しそうな万縄…5代目は今こっちのミニテレビで
ごめんなさい、その黒歴史暴露動画とやらがすごく気になるんですけど
(いずれ君にも関わることだから、行事が終わったら話すよ)
ありがとうございます
(次の競技へいってらっしゃい、私は君の活躍の方に興味があるからこっちにいさせてもらうよ。勝手に個性発動させたりはしないから!)
え、ちょっと緊張するなぁ…
「出久、行くぞ」
「あ、おいてかないでよかっちゃん!!」
「おーちゃーこちゃん!!」
「え、ヒミコちゃん!?どないしてここに…2年の競技はどないしたん?」
「別に勝ち負け気にしてないのでとっとと負けてきたのです!お茶子ちゃんの活躍が見たくて!!」
「えぇ、うちの応援のために負けて来たん!?頑張らな〜」
「お茶子ちゃんはお茶子ちゃんのペースで頑張るといいのです!勝っても負けても全然いいのです!むしろ本番は2年生からなので!!そろそろ時間みたいなので、私はいい席取りに行ってきますね!!」
「うん!応援よろしくね〜!!」
(食堂であって以来年の差とか全く気にしない感じでお友だちになったお茶子とヒミコ)
「朝一、燈矢くんっぽい人がかぁいい子とかっこいい子に挟まれてるの見ちゃったんですよねぇ〜…どこにいるかな燈矢くん、私のこと覚えてたらいいな〜」
「…げ」
「どうしたの燈矢兄、焦凍が3位だったのまだ文句言ってるの?」
「いや…それは別に…(なんでこっちにトガがいるんだ…目合わせねぇようにしねぇと…あいつのことだから俺がいるの見つけたら即記憶あり判定下してすっ飛んできそうだし冬美ちゃんに勘違いされちまう)」
「やっほー、家族みんなで楽しんでるようで何より、完全にご近所さんに騒音被害でてるけどね」
うっわ、一難去る前にまた一難かよ
後ろから声かけんな、普通に燃やしかねんぞホークス
…わざわざご丁寧に翼を上着にしまったうえで変装とはトップヒーローも大変だなァ
「なんか文句でもあんのか?」
「いーや、それよりもさ…ちょっと匿ってくれる?」
「燈矢兄、知り合い?」
「あー、腐れ縁。あって1週間経ったか経ってないかだけど」
「兄貴、それは腐れ縁とかじゃねぇよ」
「細かいこと気にすんなよ夏くん、はげちゃうよ」
「まだはげねぇよ!!」
「燈矢くーん、お願い匿ってトガがさっきからこっち見てるの怖いのナイフ持ってそうなの刺されそう怖い助けてください」
「小声で耳元で呪詛みてぇにつぶやくな!俺の背に隠れんな!早口だから普通にこっちが鳥肌立つレベルなんだが!?つーかまて、今トガって言ったな?なにしてくれてんだ俺だって今はあいつに関わりたくない」
「お兄ちゃん枠だったくせに、ひっど」
「今と昔は別だろ!!ごめん冬美ちゃん、夏くん、ちょっとこの馬鹿といっしょに逃げてくる!」
「なにから逃げるんだよおい…あー行っちまった」
「どうしたんだろね燈矢兄…」
「まぁ次の試合は静かに楽しめそうだからいいや、あーでも向こうに陣取ってる親父の声が聞こえるのか…やっぱ燈矢兄戻ってこい、兄貴のほうがまだ良い、純粋に焦凍のこと応援してるから」
「あはは…」