FINAL FANTASY VIII 父さんは、息子の青春を知らない 作:Kurumimogomogo
リノアは眠ったままだった。
スコールはベッド脇の椅子に座り、その顔を見つめていた。
呼吸は穏やかだ。
熱もない。
外傷もない。
ただ、目を覚まさない。
「…………」
握った手は温かい。
それだけなら、ただ眠っているようにしか見えない。
だがスコールは知っている。
この状態を。
忘れるはずがない。
かつて自分が経験した未来。
イデアから離れたアルティミシアは、次の器としてリノアを選んだ。
リノアの身体を使い、宇宙へ向かう。
そして封印されたアデルを解放した。
(同じだ)
状況が違う。
場所も違う。
時期も違う。
それでも。
イデアが正気に戻った直後、リノアが意識を失った。
偶然とは思えない。
(アルティミシアは今、リノアの中にいる)
スコールは握る手に僅かに力を込めた。
「…………」
リノアは何も答えない。
もしアルティミシアがリノアの中にいるなら。
今、この目を通して見ているのか。
耳を通して聞いているのか。
それとも、まだ何もできない状態なのか。
分からない。
ただ一つ。
(こいつの前で余計なことは話せない)
アルティミシアは未来の魔女だ。
だが、未来で起こることをすべて知っているわけではない。
少なくとも、自分たちがどうやって彼女の時代へ辿り着き、どうやって倒したのかまで知っていたとは思えない。
知っていたなら、同じ手を許すはずがない。
なら。
自分が持っている情報を与える必要はない。
「スコール?」
声に振り返る。
扉のところにセルフィがいた。
「大丈夫?」
「ああ」
「ずっとリノアのこと見てるから」
「…………」
「心配?」
「ああ」
セルフィが目を丸くした。
「素直」
「悪いか」
「悪くないけど」
セルフィが少し笑う。
「昨日までのスコールなら、もっといっぱい喋ってたかな」
「…………」
またそれだ。
昨日までの自分。
自分には存在しない記憶。
「どんなことを?」
「ん~」
セルフィが考える。
「まず医者呼んで、原因聞いて、何かできないかってウロウロして」
「…………」
「それでキスティスに『少し落ち着きなさい』って怒られる」
「俺が?」
「うん」
「そんなに騒ぐのか」
「騒ぐよ~。特にリノアのことなら」
「…………」
「で、最後は自分で何とかしようとする」
そこだけは。
(……あまり変わらないか)
スコールはリノアを見る。
「セルフィ」
「なに?」
「ママ先生は?」
「下にいるよ」
「呼んでくれ」
「ここに?」
「いや」
スコールは立ち上がった。
「俺が行く」
「また歩くの?」
「もう動ける」
「さっきキスティスに怒られてたよ」
「知ってる」
「また怒られるよ?」
「それも知ってる」
「……そこは昨日までと似てるかも」
「そうか」
スコールはもう一度だけリノアを見た。
そして部屋を出た。
イデアはカーウェイ邸の奥にいた。
キスティスも一緒だった。
「スコール?」
「聞きたいことがある」
「身体は大丈夫なのですか?」
「大丈夫だ」
「あなたの大丈夫は信用できません」
「…………」
昔もこんなことを言われた気がする。
キスティスが苦笑した。
「それで?」
スコールは扉を見る。
「二人だけで話したい」
「私も?」
「いや」
キスティスを見る。
「ママ先生と」
「…………」
キスティスが少し意外そうな顔をした。
だが何も聞かなかった。
「分かったわ」
部屋を出ていく。
扉が閉まるのを待つ。
「ママ先生」
「はい」
「エルオーネは今、バラムガーデンにいるんだな?」
イデアの表情が変わった。
「……なぜそれを?」
「確認したい」
「…………」
「いるのか?」
しばらくイデアはスコールを見つめていた。
「います」
やはり。
「シドが保護しています。ガーデンの中でも、居場所を知っている人間はごく僅かです」
「今も?」
「私が知る限りでは」
「そうか」
スコールは小さく息を吐いた。
自分の記憶と同じだ。
エルオーネはバラムガーデンにいる。
なら、会える。
「どうしてエルオーネのことを?」
「…………」
スコールは答えなかった。
「リノアと関係がありますか?」
「まだ分からない」
嘘ではない。
アルティミシアがリノアの中にいる。
そう考えている。
だが、確かめたわけではない。
「ただ」
スコールはイデアを見る。
「エルオーネの居場所は、今までどおり伏せておいてくれ」
「もちろんです」
「リノアにも」
「…………」
イデアの表情が僅かに変わった。
「スコール」
「今は聞かないでくれ」
「……分かりました」
イデアはそれ以上追及しなかった。
スコールは部屋を出た。
廊下にはサイファーがいた。
「…………」
「…………」
「何してる」
「待ってた」
「俺を?」
「ああ」
サイファーが壁から背を離す。
「おまえ、本当に昨日までのこと覚えてねえんだな?」
「…………」
「その顔はそういう顔だ」
「どんな顔だ」
「いちいち説明させんな」
「分からないから聞いてる」
「そういうとこだよ」
「何が」
「ああ、もういい!」
サイファーが苛立ったように頭を掻く。
「とにかく、おまえは昨日までのおまえじゃねえ」
「俺は俺だ」
「だったら昨日まで何してたか言ってみろ」
「…………」
「ほらな」
否定できない。
スコールにはない。
彼らが知っている「昨日までのスコール」の記憶が。
「スコール」
後ろから声がした。
キスティス。
ゼル。
セルフィ。
アーヴァインもいる。
「何してるの?」
「こいつの記憶が飛んでるって話だ」
「勝手に決めるな」
「じゃあ覚えてんのか?」
「俺には俺の記憶がある」
「ややこしい言い方すんな!」
ゼルが眉を寄せる。
「でも実際、変なんだよな」
「ゼルまで言うのか」
「だって変だろ。俺たちが知ってるおまえと全然違うし」
セルフィも頷く。
「昨日までのスコール、もっとこう……」
両手を広げる。
「わーって感じだったよ」
「分からない」
「だから、わーって」
「説明になってない」
「よく喋って、すぐ何か思いついて、すぐ首突っ込んで」
「それで妙なところで無茶をする」
キスティスが付け加える。
「あと、リノアには甘い」
サイファー。
「…………」
スコールは黙る。
「そこだけ否定しねえのかよ」
「うるさい」
「お」
サイファーが口元を歪めた。
「今のはちょっと昨日までっぽいぞ」
「…………」
知らない。
自分にはそんな記憶はない。
だが、このままでは何も分からない。
「なら聞く」
スコールは全員を見る。
「昨日までの俺について、覚えてることを話してくれ」
キスティスの表情が変わった。
「本当に覚えていないのね」
「ああ」
「どこから?」
「俺が知っている過去と、おまえたちが話している過去が違う」
「…………」
「だから聞きたい」
少しの沈黙。
「分かったわ」
キスティスが頷いた。
それからスコールは、自分の知らない自分の話を聞いた。
SeeD試験。
ティンバー。
ガルバディア・ガーデン。
名もなき王の墓。
デリング・シティ。
自分が何を言ったのか。
誰と何をしたのか。
聞けば聞くほど、違和感は大きくなる。
(俺じゃない)
少なくとも。
自分の記憶にあるスコール・レオンハートではない。
だが、全く知らない出来事ばかりでもない。
同じ場所へ行っている。
同じ人間と出会っている。
同じ任務をこなしている。
ただ。
その中で自分が選んだはずの行動だけが、少しずつ違っていた。
「……名もなき王の墓」
スコールが言った。
「そこは覚えてる」
「そりゃ行ったからな」
ゼルが答える。
「セクレトとミノタウロスを倒した」
「そう」
キスティスが頷く。
「それからゼパルガと話した」
「ああ」
それも知っている。
石棺から現れた古の王。
セクレトとミノタウロスを倒した腕を認められた。
長い俗世に疲れ、冥界へ旅立とうとする者を石棺へ閉じ込めておく必要があるのか。
そんなことを語り。
消えた。
「そういや」
サイファーが口を開いた。
「墓ん中でも、おまえ妙なこと言われてたよな」
「妙なこと?」
「最後だよ」
「…………」
「ゼパルガが消える時」
スコールは記憶を辿る。
「何のことだ」
「おまえに言っただろ」
「何を」
サイファーが眉を寄せる。
「『奇妙な魂よ』」
「…………」
「『そなたもまた』」
スコールの目が細くなる。
「『帰る場所を間違えるな』」
「…………」
知らない。
その言葉だけは。
自分の記憶に存在しない。
「そんなことは言われてない」
「あ?」
「俺が覚えているゼパルガは、石棺について話して、そのまま消えた」
「いや、その後に言っただろ」
「言ってない」
サイファーが黙った。
「俺の記憶では」
スコールは付け加える。
「そんな言葉はない」
全員が顔を見合わせた。
「でも」
キスティスが言う。
「あの時、ゼパルガは確かにあなたを見て言ったわ」
「俺も覚えてる」
ゼルも頷く。
「私も」
「僕もだ」
セルフィとアーヴァインも同意した。
「…………」
スコールは目を伏せる。
『奇妙な魂よ』
『そなたもまた』
『帰る場所を間違えるな』
(帰る場所……)
その言葉だけが、胸の奥へ沈んだ。
アルティミシアを倒した後。
時間も場所も失った世界。
仲間たちを見失った。
リノアを探した。
帰ろうとした。
それなのに。
どこへ帰ればいいのか分からなくなった。
(俺は、帰れなかった)
少なくとも自力では。
最後に聞こえたリノアの声。
『スコール! いっしょに帰ろうよ!』
その声を追った。
そして目を覚ましたら。
ここにいた。
デリング・シティに。
「……ゼパルガは、その時の俺を見て言ったんだな?」
「ああ」
サイファーが答える。
「おまえを見てた」
「…………」
なら。
自分ではない。
昨日まで、この身体を動かしていた誰か。
ゼパルガは。
(そいつを見ていた?)
まだ断定はできない。
だが一つだけ分かる。
自分の身体に何かが起きていた。
そして。
それは自分が時間の狭間からここへ来たことと、無関係ではないのかもしれない。
「エルオーネに会いたい」
スコールが言った。
「エルオーネ?」
セルフィが聞き返す。
「ああ」
「どうして?」
「確認したいことがある」
「何を?」
「俺自身について」
キスティスがスコールを見る。
「エルオーネなら分かると思うの?」
「分からない」
「…………」
「でも、他に思いつかない」
人の意識を過去の人間へ送り込むことのできるエルオーネ。
今の自分に起きていることを相談するなら、彼女しか思いつかない。
「どっちにしても」
キスティスが言った。
「私たちは一度ガーデンへ戻る必要があるわ」
「ああ」
魔女暗殺作戦は終わった。
成功したのか、失敗したのか。
少なくとも当初の「魔女イデア暗殺」という目的は果たしていない。
だがイデアは正気に戻った。
そして未来の魔女アルティミシアという、作戦開始時には誰も知らなかった存在まで明らかになった。
「シド学園長への報告が必要ね」
「任務の経過も全部」
アーヴァインが言う。
「暗殺対象だった魔女が実はママ先生で、未来の魔女に操られてました、なんて報告書にどう書けばいいんだろうね」
「そのまま書けばいいだろ」
ゼルが言う。
「それで通ると思う?」
「事実なんだからしょうがねえだろ」
「報告書ってそういうものじゃないのよ」
キスティスがため息をつく。
「じゃあキスティス頼む」
「どうして私なの?」
「教官だったから」
「元教官よ」
「似たようなもんだろ」
「全然違うわ」
そのやり取りをスコールは黙って見ていた。
知っている。
この空気を。
ゼルがいて。
セルフィがいて。
キスティスがいて。
アーヴァインがいる。
アルティミシアとの戦いまで共に進んだ仲間たち。
ただ。
「何見てんだ」
サイファー。
「…………」
「また俺かよ」
「気にするな」
「気になるだろ!」
そこだけは。
(やっぱり慣れない)
自分の記憶では、サイファーとは最後までこんな関係にはならなかった。
何度も剣を交えた。
魔女の騎士となったサイファーを倒した。
最後に見た時も、仲間として隣にいたわけではない。
それなのに。
今のサイファーは当たり前のようにここにいる。
誰も警戒していない。
サイファー自身も、それを疑問に思っていない。
自分が知らない時間の中で。
何かがあった。
「決まりね」
キスティスが皆を見る。
「イデア先生とカーウェイ大佐にも相談して、移動できる状態になったらバラムガーデンへ帰還する」
「リノアは?」
セルフィが尋ねる。
「もちろん連れて帰るわ」
「…………」
スコールの表情が僅かに強張った。
「スコール?」
「いや」
リノアも。
バラムガーデンへ。
つまり。
(アルティミシアも)
もし本当にリノアの中にいるなら。
エルオーネがいる場所へ、自分たちの手で連れていくことになる。
危険だ。
だがリノアだけをデリング・シティへ残すこともできない。
何より。
アルティミシアがこの時点でリノアを選んだのなら。
自分が知っている歴史と同じ目的で動くとは限らない。
正史では。
アルティミシアはリノアを利用し、アデルの封印を解いた。
そしてアデルへ乗り移る。
だが。
(今は違う)
イデアが正気に戻る時期からして違う。
サイファーもアルティミシアの側にいない。
歴史そのものが変わっている。
そしてアルティミシア自身も、この変化した歴史の先を知っているわけではないはずだ。
未来から来た魔女だからといって。
まだ起きていない、この新しい歴史まで知っているわけではない。
(互いに手探りか)
スコールは眠るリノアのいる部屋へ視線を向ける。
アルティミシアが何を考えているのか。
分からない。
だが。
こちらには一つだけ大きな違いがある。
自分は知っている。
アルティミシアの目的。
アデル。
エルオーネ。
そして。
アルティミシアの時代へ辿り着く方法を。
(愛と友情、勇気の大作戦)
ふざけた名前だった。
だが実際に成功した。
アルティミシアにリノアへジャンクションさせる。
エルオーネの力で、アルティミシアとリノアの意識を過去へ送る。
アルティミシアがさらに過去へ手を伸ばす。
そして時間圧縮を発生させる。
その時間圧縮を利用し。
自分たちは未来へ進んだ。
アルティミシア城へ。
(今回もできるのか?)
条件はむしろ揃い始めている。
アルティミシアはすでにリノアの中にいる。
エルオーネはバラムガーデンにいる。
アデルを経由しなくても。
エルオーネの力を使えば、アルティミシアをさらに過去へ接続させることはできるかもしれない。
そこまで考えてスコールは止まった。
(待て)
同じ作戦を繰り返せばいい。
そんな単純な話ではない。
自分が知っている歴史と今は違う。
仲間たちが辿った道も違う。
関係も違う。
経験も違う。
そして何より。
(俺自身が帰れなかった)
アルティミシアを倒した後。
自分は時間の狭間を彷徨った。
仲間を見失った。
リノアも見失った。
どこへ帰ればいいのか分からなくなった。
あの作戦は成功した。
アルティミシアを倒したという意味では。
だが時間圧縮を越えるということは、決して安全なことではない。
仲間との繋がり。
帰りたい場所。
帰りたい相手。
それを強く思い描くことで、自分たちは時間圧縮の中を進んだ。
それでも。
自分は迷った。
(今の俺たちで同じことをしたら)
帰ってこられるのか。
全員が。
自分のいるべき時間へ。
その保証はない。
『帰る場所を間違えるな』
ゼパルガの言葉が頭に蘇る。
「…………」
「スコール?」
キスティスが呼ぶ。
「いや」
まだだ。
まだ考えるには情報が足りない。
まずガーデンへ戻る。
任務の経過をシドへ報告する。
そして。
エルオーネに会う。
自分の身に何が起きたのかを確かめる。
昨日まで自分の身体を動かしていたのは誰なのか。
なぜ自分は、アルティミシアを倒した後の時間へ戻らず、この時代の自分へ入ったのか。
そこからだ。
だがスコールの頭には、もう一つの考えが生まれていた。
(もし)
自分が時間を越えてここへ来たのなら。
人間の意識が、本当に時間を越えられるのなら。
未来。
アルティミシア城。
自分と共にあの場所へ乗り込んだ仲間たち。
ゼル。
セルフィ。
キスティス。
アーヴァイン。
リノア。
自分が知っている。
あの戦いを経験した仲間たち。
(あいつらを、もう一度あの戦いに集められないか)
今ここにいる仲間を、そのまま未来へ連れていくということではない。
肉体ではなく。
意識。
もしエルオーネの力が。
あるいは、それに似た何かが。
時間を越えて人間の意識を繋ぐことができるのなら。
この時代の仲間たちを。
未来の自分たち自身へ繋ぐことができるかもしれない。
そうすればアルティミシア城へ乗り込む六人を、もう一度揃えられる。
荒唐無稽だ。
方法もない。
危険性も分からない。
そもそも可能なのかすら分からない。
だが昨日まで自分の身体には、自分ではない誰かがいたらしい。
そして自分自身も。
いるはずのない時間へ戻ってきた。
完全に不可能だと切り捨てることもできない。
「まず」
スコールが顔を上げた。
「ガーデンへ戻ろう」
「うん!」
セルフィが明るく答える。
「今回の任務についても、学園長への報告が必要だわ」
キスティスの言葉に、
「ああ」
スコールは頷いた。
帰る。
その言葉が、妙に引っかかった。
『帰る場所を間違えるな』
名もなき王の墓で、ゼパルガが残したという言葉。
あれが誰に向けられたものだったのか。
今なら少しだけ分かる気がする。
スコールは皆を見る。
キスティス。
ゼル。
セルフィ。
アーヴァイン。
そしてサイファー。
知っている顔ばかりだった。
なのに、自分の知っている関係とは違う。
サイファーがここにいる。
誰も警戒していない。
当然のように同じ場所へ帰ろうとしている。
それだけではない。
セルフィも、ゼルも、キスティスも、アーヴァインも。
自分の知らない時間を「スコール」と過ごしている。
(……誰だ)
自分の身体で。
自分の名前で。
こいつらと過ごしていた誰か。
今はまだ、その正体が分からない。
ただそいつが残したものだけは、目の前にある。
変わってしまった過去。
変わってしまった関係。
そして、その中へ突然戻された自分。
スコールは隣室へ戻った。
ベッドの上では、リノアが変わらず眠っている。
その傍らへ座り、手を取った。
「……帰ろう、リノア」
返事はない。
「ガーデンへ」
握った手は温かい。
けれど、その奥にいるかもしれない存在へは何も言わなかった。
今はまだ、こちらが知っていることを知られるわけにはいかない。
エルオーネ。
アデル。
未来。
そして、時間圧縮。
自分は一度、その先まで行った。
アルティミシアと戦った。
そして帰ろうとして。
帰れなかった。
(今度は)
スコールはリノアの手を握る。
(俺も考えて動く)
同じ未来をなぞる必要はない。
むしろ、すでに同じではない。
アルティミシアは未来の魔女。
だが未来を知っているのは今や、彼女だけではなかった。