FINAL FANTASY VIII 父さんは、息子の青春を知らない 作:Kurumimogomogo
海洋探査人工島。
エスタから借り受けたラグナロクが、島の上空で速度を落とした。
「ここが海洋探査人工島かあ」
操縦席の窓から身を乗り出すようにして、セルフィが眼下を眺めている。
島の大半を占める巨大な建造物。周囲に人の気配はなく、波が岸壁に打ちつける音だけが聞こえていた。
「ずいぶん寂しいところだねえ」
アーヴァインが帽子を直す。
「本当にここにG.F.がいるの?」
「いるかもしれない、だ」
スコールは答えた。
「確証はない」
「でも、アルテマウェポンはいるんだろ?」
ゼルが尋ねる。
「噂だがな」
スコールは島を見下ろした。
未来の自分は、ここへ来なかった。
アルテマウェポンの存在は知っていたが、戦う機会はなかった。今回も、相手の力を正確に把握しているわけではない。
ただ、強力なG.F.を持っているという噂は以前からあった。
それを確かめるために、ここまで来た。
「そういえばさ」
セルフィが振り返った。
「エスタであれだけ準備したんだから、何とかなるよね?」
「そう願いたいな」
キスティスが答える。
エスタで飛空艇を借りた後、すぐに出発したわけではなかった。
ラグナの厚意でラグナロクの使用を認められた一行は、その機動力を利用して各地を回った。
エスタの武器改造施設では、これまで集めた素材と新たに調達した部品を使い、装備を強化した。
スコールのガンブレードも、ゼルのグローブも、サイファーのハイペリオンも、以前とは違う。
キスティスの鞭、セルフィのヌンチャク、アーヴァインの銃も同様だった。
さらに、ラグナロクでしか容易に辿り着けない場所を訪れ、G.F.や魔法を集めた。
既に手にしていたケツァクウァトル、シヴァ、イフリート、ブラザーズ、ディアボロス、パンデモニウム、アレクサンダーに加え、新たな力も得ている。
魔法も充実した。
ケアルガ、アレイズ、プロテス、シェル、ヘイスト。
そして、フレアやメテオといった強力な攻撃魔法。
それらをただ集めただけではない。
ジャンクションによって身体能力や耐久力を引き上げ、戦い方そのものを見直した。
その指揮を執ったのはスコールだった。
未来でアルティミシアを倒した経験が、こういうところでは役に立つ。
もっとも、何もかもが予定通りだったわけではない。
「それにしても、あの素材集めは大変だったぜ」
ゼルがぼやく。
「おまえが途中で余計なモンスターに喧嘩売るからだろ」
サイファーが鼻で笑った。
「何だと!?」
「図星か」
「おまえだって楽しそうに斬りかかってたじゃねえか!」
「俺は必要な素材を集めてただけだ」
「絶対嘘だ!」
「二人とも」
キスティスが口を挟む。
「着陸するわよ」
ラグナロクが静かに降下した。
建造物の内部は薄暗かった。
中央には巨大な装置があり、青白い光が一定の間隔で明滅している。光が強まるたびに周囲の空気が震え、何かが近づいてくるような気配がした。
「何だ、あれ?」
ゼルが眉をひそめた。
「分からない。だが、あれを調べてみよう」
スコールが一歩踏み出すと、光が強くなった。
同時に、建物の奥から獣の唸り声が響く。
「待て。何かいる」
六人が身構えると、やがて光が弱まり、気配も遠ざかった。
「光に反応してるのかしら」
キスティスが呟いた。
「かもしれない」
スコールは装置を見つめた。
光が弱まるのを待って進み、再び強まれば足を止める。何度か繰り返すうちに、少しずつ中央へ近づいていった。
「ずいぶん警戒心の強い奴だな」
サイファーが小声で言う。
「こっちを試してるみたい」
セルフィも周囲を見回した。
やがて六人は装置の前へ辿り着いた。
青白い光の奥には、何か巨大なものが潜んでいるようだった。
スコールが手を伸ばす。
その瞬間、低い声が響いた。
『私に挑もうというのか』
誰もいない。
それでも声は、確かに聞こえた。
「誰だ!」
ゼルが叫ぶ。
返事はない。
スコールは光を見据えた。
挑むつもりで来たわけではない。彼らが求めているのは、この島の地下へ進むための道だ。
「別に望んでいる訳じゃない……」
スコールが答える。
青白い光が激しく揺れた。
直後、巨大な影が飛び出してくる。
赤黒い鱗に覆われた巨体。鋭い爪と牙を備えた竜が、六人の前に立ちはだかった。
「ルブルムドラゴン!」
キスティスが叫んだ。
「話し合いは通じねえってことか!」
サイファーがガンブレードを抜く。
「来るぞ!」
スコールの声と同時に、竜が咆哮した。
激戦の末、ルブルムドラゴンが倒れた。
六人は傷つきながらも、何とか立っていた。
「……これで終わりか?」
ゼルが息を整える。
しかし、装置の光は消えなかった。
『それならば、ここから立ち去れ』
再び声が響く。
スコールは光を見つめた。
ここから立ち去れば、リノアを救うための手掛かりも、未来へ繋がる可能性も失われる。
まだ何も確かめていない。
「悪いが……それはできない」
声が途絶えた。
代わりに、光の向こうから再び重い足音が響いてくる。
「……嫌な予感がするんだけど」
セルフィが呟いた。
光の向こうから現れたのは、先ほど倒したばかりのルブルムドラゴンだった。
「またこいつかよ!」
ゼルが顔をしかめる。
「同じ相手なら、やりようはあるだろ」
サイファーがハイペリオンを肩に担いだ。
「油断するなよ」
スコールがガンブレードを構える。
「分かってるって!」
ルブルムドラゴンが咆哮した。
巨体が床を蹴り、六人へ迫る。
「散開!」
スコールの指示で全員が左右へ分かれた。
直後、巨大な爪が床を砕く。
ゼルがその腕の下を潜り抜け、脇腹へ拳を叩き込んだ。
「おらっ!」
鈍い衝撃音。
硬い鱗に拳を弾かれたものの、ドラゴンの身体が僅かに揺れた。
「さっきより効いてるぞ!」
「そりゃそうだろ」
サイファーが反対側から斬り込む。
「エスタであれだけ金かけたんだからな!」
「金を出したのは大統領だけどね」
アーヴァインが笑いながら銃を構えた。
乾いた銃声が響く。
改造された銃身から放たれた弾丸が、ドラゴンの肩口に命中した。
鱗が砕ける。
「おっ、いい感じ」
「感心してないで続けろ!」
「はいはい」
アーヴァインが次弾を装填する。
スコールはドラゴンの動きを観察していた。
一匹目と同じ。
攻撃の間隔も、ブレスの予備動作も変わらない。
ただし、こちらも無傷ではない。
長期戦は避けたいところだった。
「キスティス、ヘイストを頼む」
「分かったわ」
キスティスが魔法を唱える。
身体が軽くなる。
スコールは床を蹴った。
ガンブレードを振り上げ、ドラゴンの前脚へ斬りつける。
引き金を引く。
爆発が鱗の隙間を抉った。
ドラゴンが吠える。
「ゼル!」
「おう!」
ゼルが反対側から飛び込む。
連続した拳が脚部へ叩き込まれた。
巨体が傾く。
「今よ!」
キスティスが鞭を振るう。
ドラゴンの首に絡みついた鞭が、一瞬だけ動きを止めた。
そこへセルフィが魔法を放つ。
「フレア!」
爆炎がドラゴンの頭部を包んだ。
轟音とともに巨体が後退する。
「よしっ!」
セルフィが小さく拳を握った。
しかし、ドラゴンはまだ倒れない。
首を大きく持ち上げた。
「ブレスが来る!」
スコールが叫ぶ。
全員が身構えた。
口から放たれた灼熱の息が、床を焼きながら広がる。
シェルをジャンクションした防御力と、事前にかけた補助魔法が威力を和らげる。それでも熱風は凄まじく、六人はそれぞれ後退を余儀なくされた。
「熱っつ!」
ゼルが腕を振る。
「大丈夫?」
セルフィが声をかけた。
「平気! ちょっと焦げただけだ!」
「髪の毛?」
「違う!」
サイファーが笑った。
「元からそんな頭だろ」
「うるせえ!」
「二人とも、まだ終わってないわよ」
キスティスが呆れたように言う。
スコールは口元を僅かに緩めた。
(余裕があるな)
決して弱い相手ではない。
だが、戦況は把握できている。
エスタで装備を整え、ラグナロクで各地を巡り、魔法とG.F.を充実させた成果が確実に表れていた。
「次で仕留めるぞ」
スコールが言った。
「了解!」
セルフィが杖を構える。
「メテオ!」
頭上から無数の魔力の塊が降り注ぐ。
ドラゴンが身をよじる。
そこへアーヴァインの銃弾が続いた。
サイファーとゼルが左右から飛び込み、最後にスコールが正面から斬り込んだ。
ガンブレードの刃が閃く。
引き金を引く。
爆発。
ルブルムドラゴンが大きく仰け反り、そのまま床へ崩れ落ちた。
「よっしゃあ!」
ゼルが拳を突き上げる。
「二匹目も撃破!」
セルフィが笑った。
「思ったより何とかなったね」
アーヴァインが銃を収める。
「準備してきた甲斐があったってことさ」
キスティスが全員の様子を確認する。
「怪我は?」
「少し擦りむいたくらい」
ゼルが答える。
「俺も問題ねえ」
サイファーが肩を回した。
スコールも軽く息を整える。
消耗はある。
だが、まだ十分に戦える。
「回復しておこう」
スコールの言葉に、キスティスが頷いた。
ケアルガの光が六人を包む。
傷が塞がり、身体の痛みが引いていく。
「便利だよねえ、魔法って」
セルフィが感心したように言った。
「今さらかよ」
「だって、これだけ強い魔法を揃えたの初めてだもん」
「それはそうね」
キスティスも頷いた。
「エスタへ行ってから、戦い方の幅がかなり広がったわ」
「まだまだ集められるぞ」
スコールが言った。
「ほんと!?」
「ああ」
「楽しみ!」
「まずはここを終わらせてからにしろ」
サイファーが笑う。
その時だった。
『愚かな者たちよ。それでも戦う理由は何だ』
再び声が響いた。
全員が顔を上げる。
青白い光が静かに揺れている。
スコールは光を見据えた。
戦う理由。
未来へ戻るため。
リノアを助けるため。
もう一人の自分を、本来の時間へ帰すため。
理由ならいくらでもある。
だが、それをこの声に説明する必要があるのだろうか。
「スコール?」
キスティスが呼びかける。
スコールは答えなかった。
ただ、ガンブレードを構え直した。
その姿を見て、サイファーが笑う。
「答える気はねえってか」
「ああ」
「いいじゃねえか」
サイファーもハイペリオンを構える。
「俺も、いちいち説明する趣味はねえ」
「おまえの場合、説明できないだけだろ」
「何だと?」
「やめなさい」
キスティスが二人を制した。
青白い光が大きく広がる。
周囲の空気が震えた。
巨大な影が、光の中からゆっくりと姿を現す。
青い鱗。
鋭い爪。
大きく広がる翼。
六人を見下ろす眼光には、明らかな知性が宿っていた。
「……でかい」
ゼルが呟く。
ルブルムドラゴンとは比較にならない威圧感。
スコールはその姿を見上げた。
(バハムート……)
名前は知っている。
だが、実際に対峙するのは初めてだった。
翼を広げる。
風圧が六人を襲った。
「全員、構えろ!」
スコールが叫ぶ。
バハムートとの戦いが始まった。
最初に仕掛けたのはサイファーだった。
「でかけりゃ強いってわけじゃねえだろ!」
ハイペリオンを振り上げ、正面から斬り込む。
バハムートは巨大な爪でその一撃を受け止めた。
金属音が響く。
「……っ!」
サイファーの腕に衝撃が走る。
しかし、押し負けない。
「へえ……やるじゃねえか!」
サイファーが笑った。
その横からゼルが飛び込む。
「おらあっ!」
拳がバハムートの脇腹を捉える。
硬い。
ルブルムドラゴン以上の防御力。
それでも、改造したグローブとジャンクションによって強化された打撃は、確かに竜王へ届いていた。
バハムートが翼を振るう。
「下がれ!」
スコールが叫ぶ。
二人が後退した直後、巨大な翼が床を薙いだ。
衝撃で床の一部が砕け散る。
「危ねえ!」
ゼルが目を丸くした。
「直撃したら洒落にならねえな」
サイファーが言う。
「だったら当たらなきゃいい」
スコールが答えた。
「簡単に言うなよ!」
ゼルが突っ込む。
「実際、避けただろ」
「そりゃそうだけどよ!」
キスティスが鞭を構えた。
「スコール、魔法は?」
「使える。だが、耐性が分からない」
「なら試してみましょう」
キスティスがフレアを放つ。
炎がバハムートの胸元で炸裂した。
僅かに身を引く。
「効いてるわ!」
「なら続けるよ!」
セルフィがメテオを唱えた。
無数の魔力の塊がバハムートへ降り注ぐ。
翼を広げ、衝撃に耐えた。
アーヴァインが銃を構える。
「それじゃ、僕も」
連続した銃声。
弾丸が翼の付け根へ命中する。
バハムートが低く唸った。
「いい感じじゃない?」
セルフィが笑う。
「まだ油断するな」
スコールはガンブレードを構えたまま、バハムートの動きを見ていた。
強い。
確かに、これまで戦ったモンスターとは格が違う。
だが、六人の連携は崩れていない。
攻撃を受けても回復できる。
魔法もまだ残っている。
武器の威力も十分だ。
(……戦える)
スコールは床を蹴った。
ガンブレードを振り抜く。
引き金を引く。
爆発がバハムートの鱗を砕いた。
首を振り、巨大な爪が迫る。
スコールは身体を捻ってかわし、反対側へ回り込んだ。
「ゼル!」
「おう!」
ゼルが飛び込む。
連続した拳が脚部へ叩き込まれた。
バハムートが僅かに体勢を崩す。
「サイファー!」
「分かってる!」
サイファーが跳び上がり、ハイペリオンを振り下ろした。
肩口に斬撃が走る。
バハムートが咆哮した。
「よし!」
ゼルが拳を握る。
しかし次の瞬間、大きく翼を広げた。
スコールの表情が変わる。
「……来るぞ!」
バハムートの口元に、青白い光が集まり始めた。
周囲の空気が震える。
魔力の密度が急激に高まっていく。
「何だ、あれ……」
ゼルが呟く。
スコールは即座に判断した。
「全員、シェルを確認! 防御態勢!」
キスティスが魔法を唱える。
六人の身体を淡い光が包んだ。
バハムートが口を開く。
青白い閃光が放たれた。
メガフレア。
凄まじい爆発が六人を呑み込んだ。
視界が白く染まる。
床が震え、熱風が吹き荒れた。
「うわああっ!」
ゼルが吹き飛ばされる。
アーヴァインも後方へ転がった。
スコールはガンブレードを床に突き立て、何とか踏みとどまった。
爆発が収まる。
煙の向こうで、セルフィが咳き込んでいた。
「けほっ……すっごい威力……」
「全員、無事か!」
スコールが叫ぶ。
「何とか!」
ゼルが立ち上がる。
「いやあ、今のは効いたねえ」
アーヴァインが帽子を拾った。
サイファーも肩を回す。
「……さすがに今のは痛えな」
キスティスが素早く全員の状態を確認した。
「回復するわ!」
ケアルガの光が広がる。
傷が塞がっていく。
スコールはバハムートを見据えた。
(これがメガフレアか)
まともに受ければ危険だ。
だが、事前の防御魔法が功を奏した。
誰も戦闘不能にはなっていない。
「……まだいけるな」
スコールが言った。
「当然!」
ゼルが拳を構える。
「こっちもまだ余裕あるよ!」
セルフィが笑った。
「ただし、もう一発は勘弁してほしいけどね」
アーヴァインが苦笑する。
「なら、撃たせる前に倒す」
スコールがガンブレードを構え直した。
「全員、攻撃を合わせるぞ!」
「了解!」
六人が動いた。
アーヴァインが先に銃撃を仕掛け、バハムートの注意を引く。
その隙にキスティスがヘイストをかけ直した。
ゼルとサイファーが左右へ分かれる。
「俺が右だ!」
「じゃあ俺は左だ!」
「勝手にしろ!」
「そっちこそ!」
スコールは二人の動きを確認し、正面から踏み込んだ。
バハムートが爪を振り下ろす。
スコールは横へ跳ぶ。
その瞬間、ゼルが脚部へ拳を叩き込んだ。
身体が傾く。
「今だ!」
サイファーが反対側から斬り込む。
ハイペリオンの刃が鱗を裂いた。
バハムートが咆哮する。
そこへセルフィが魔法を放った。
「フレア!」
爆炎が竜王を包む。
続けてアーヴァインの銃声が響いた。
スコールは一気に距離を詰めた。
ガンブレードを振り上げる。
斬撃。
引き金。
爆発。
さらに一撃。
バハムートが大きく仰け反った。
スコールは最後の一撃を振り抜く。
轟音が響いた。
竜王の巨体が揺れる。
そして、ゆっくりと膝をついた。
「……やった?」
セルフィが呟く。
バハムートはしばらく動かなかった。
やがて、ゆっくりと顔を上げた。
六人を見渡す。
その眼差しから、先ほどまでの敵意は消えていた。
『見事だ』
低い声が響いた。
『その力、認めよう』
バハムートの身体が青白い光に包まれる。
巨大な翼が光の粒子へ変わり、ゆっくりと消えていった。
最後に、声が響く。
『我が力、おまえたちに託そう』
光が収束した。
静寂が戻る。
「……勝ったな」
スコールがガンブレードを収めた。
「勝ったあああ!」
セルフィが両手を上げる。
「いやあ、強かった!」
ゼルが大きく息を吐いた。
「でも、思ったより余裕あったよね?」
セルフィが笑う。
「余裕ってほどじゃねえだろ」
サイファーが肩を回した。
「けど、まだ戦えるな」
「そうね」
キスティスが頷く。
「武器も魔法も、以前の私たちとは比べものにならないわ」
「エスタでの準備が効いたってことさ」
アーヴァインが銃を収める。
スコールは仲間を見回した。
誰も倒れていない。
傷は回復できる。
魔法もまだ十分に残っている。
バハムートとの戦いは確かに激しかった。
だが、六人の連携と準備が、それを乗り越えさせた。
(……悪くない)
スコールは施設の奥へ目を向けた。
バハムートが消えた場所の向こうには、さらに地下へ続く道がある。
その先に、アルテマウェポンがいる。
そして、おそらくエデンも。
「少し休んでから進もう」
スコールが言った。
「賛成!」
ゼルが即答した。
「今のうちに魔法も整理しておきたいわね」
キスティスが言う。
「俺は武器の手入れだな」
サイファーがハイペリオンを確認する。
「じゃあ、僕は弾薬を」
アーヴァインも荷物を開いた。
セルフィは新たに得たG.F.の力を確かめようと、目を閉じて集中している。
スコールはその様子を眺めた。
元の歴史とは違う仲間たち。
違う装備。
違う戦い方。
それでも、確実に前へ進んでいる。
(この調子なら……)
アルテマウェポンとも戦えるかもしれない。
もちろん、油断はできない。
だが、必要以上に恐れることもない。
スコールは静かに息を吐いた。
竜王の試練は終わった。
次に待つのは、海洋探査人工島の地下。
六人の本当の目的は、まだその先にあった。