「はい、では、検査のために、こっちの医務室にまで来てくださいね」
「は、はい」
後ろから予測もできない衝撃波に襲われたボクは、取り敢えず自分の姿勢制御はできた。抱えていた人は落としてしまったけど、連合捜査局のドローンがすぐに助けて、このドードーに運び込んでくれた。
そして、言われた通りに飛行船に着船したボクは、連合捜査局所属だという人たちに連れられて、船内の医務室に向かっていた。
……しかし、何でアインクラッドが現れたんだろう。確かにアインクラッドはALOにもあったけど、ここはどう考えたってALOの中じゃない。そもそも、この世界がゲームなのかはかなり怪しい。第一、アインクラッドのデータは
そう考え込んでいると、いつの間にか
「では……ああ、すいません。船内放送です」
「船橋より全船員へ。現在、飛行捜査艦“
「にゅ、ニューヨーク!?」
何でニューヨークが?どう考えたってそういう世界観じゃない。それに、もし万が一ここが現実だったとしても、ボクの知っている現実世界じゃありえないはずなのに。
「え?ニューヨークを知っているんですか!?」
「え、いや……そりゃ、アメリカの大都市でしょう?」
「どうやってアメリカの存在を?あいや、もしかして、実は地球出身だったり?」
この人はいったい何を言っているのだろうか。仮想世界だとしても、現実世界だとしても辻褄が合わない。それでも、もしかしたら何か分かるかもしれないと、連合捜査局の人に答える。
「ええと、はい。地球の、その、日本出身です」
「ええ!?地球の、それも日本!?あ、けど、そういえば日本って意外と妖精とかいるんだっけ……」
「はい?」
「ん?あなた、妖精じゃないの?」
「いや、まあ、ちょっと答えにくいんですけど……その」
「ああ、大丈夫、大丈夫。言いたくないなら言わなくて大丈夫だから」
「ええっと、そういうことじゃ……」
「とにかく、ね。ほら、大丈夫だから。こっちに来て」
「ええと、はい……」
この人、絶対勘違いしているなと思いつつ、抵抗する理由もないから、ボクは取り敢えず医務室に入ることにした。
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壁や床のきらびやかな装飾と、頑丈そうな机という、装飾性と実用性を足して割ったような部屋で、見るからに若そうな者たちが会議を進めていた。
「それで、やはり、あの巨大な浮島と大量の身元不明者は、ソードアート・オンラインに関係のあるものということか?」
「はい。記録保存庁にも照会しましたが、間違いありません。あの浮島群はアインクラッド。また、保護した身元不明者も、おそらく作中のソードアート・オンラインで死亡した者たちだと思われます。実際、作中で明確に死亡したと描写されていた人物と思われる者も保護しております」
「そうか、遂にSAOか……」
「課長?」
自らの上司、つまり文化省総務部第24分課長“
「ああいや、私は、昔からSAO、ソードアート・オンラインが好きでね。それで、まさかとは思っていたが、よもや本当に現れるとはな」
「そうですか……。しかし、感傷に浸っている場合ではありません。現在、発見されているソードアート・オンライン関係の存在は落下者とアインクラッドのみです。もし落下者が本当に作中においてソードアート・オンラインで死亡した人物なら、おそらく彼らの国籍を司る日本政府が存在しないことになります」
「まあ、それは確かに大問題だ。だが、それは総務省の仕事だろう?我々はアインクラッドの植生やらを調べるほうが先だぞ」
「だから、感傷に浸っている余裕はないと申したのです。先ほど、本省から応援部隊が出発したとの連絡がありました」
「ハハハ、言い訳は出来ないか。……よし、応援部隊の規模と装備を教えてくれ。到着する時間もな」
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飛行捜査艦“ニューヨーク・シティー・ポリス”にて。
「ドードー、後退します」
「よし、さあ、こっからは俺たちの仕事だ。いくぞ!」
「あー、そのことなんですが……」
妙に勢いのある艦隊司令官を、
「なんだ?管区から追加の連絡でもあったか?」
「はい。管区司令部より、現在、軍の回転翼機部隊が接近中のため、しばし待たれよとの連絡がありました」
「軍?なぜ?」
「どうやら、おそらくあの浮島……司令部はアインクラッドと呼称していましたが、とにかくそこはモンスターやらの類の巣窟である可能性が高いらしく、
「そうか……まあ、上からの指示だ。しょうがない。では、全艦は陸戦隊の展開を準備せよ!」
「いや、陸戦隊じゃなくてせめて捜査隊って呼びません?」
なぜか存在しない陸戦隊を展開しようとする艦隊司令官には、NYCP艦長も困惑したが、まあ正直意味は通るからいいかといつも通り適当に流し、自艦の陸上捜査部隊に展開を命令した。
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一方そのころ、ある
「ボス、今回の戦場は“アインクラッド”だ。巨大な“モンスター”などがいる可能性も高い。準備は十分だよな?」
「ああ、もちろんだ」