※この物語はオリジナルサウンドドラマ「nameless」を基に書いたものです。二次創作であり、勝利の女神:NIKKEの公式な設定とは異なる箇所があります。
※文章投稿サイト『note』にも投稿しています。
「戦闘開始直後 6月24日0916時(大陸西部標準時) 地上 大陸南西部 旧カジノ地帯」
アークにはないもの。まず最初に思い浮かぶのが太陽であろう。ひび割れたアスファルトに横たわるナオを太陽が無表情に照らしている。乾燥地帯特有の何の感情も持たない風がタンブルウィードを転がし、ナオの身体に一瞬ぶつかってどこかへ転がっていった。ナオはそれほど損傷していないように見えるが、アンドロイド用戦闘服は数か所破れておりそこから循環液がにじみ出ている。彼女は今、内部に深刻な物理的損傷を受けていた。
何も見えない視界深刻なダメージ 壊れ 聞こえている声 技術的な問題 そうではない シリアスな物理的損傷ERROR VISIBLEファイルが見つかり ません
マップモード縺薙%縺ッ縺ゥ縺薙↑繧薙□繧阪
SOUND ONLY EROOR AUDIBLE NULL ALERT THER IS NO FILES アクセス不可
SOUND ONLY EROOR AUDIBLE 銃声爆発 耳 金属割れ壊れ 危険驫??髻ウ縺瑚◇縺薙∴繧
「酸素供給。よし。」
音声認識:失蟇偵>寒い AIメモリ諤昴>蜃コ縺帙↑縺 氏ダメージ 振動過多何wositemasitaka
「聴覚センサーは生きてる。ナオ!ナオ!聞こえる?]
誰か呼んでr
「大丈夫…今回は助ける。ナオ、もう少しだよ」
やさしいこえだ 『そう思うことが適切である』code 99999思考の諤晁 正常に言語化 蟶ク縺ォ行言語化われてが正常にいません メインAPUが物理的に深刻
深刻なダメージ 受け いる 可能性がありままま 思思考思考の語言化が正常に行われていまませまん 諤晁
???險?隱槫喧縺梧ュ」蟶ク縺ォ陦後o繧後※縺?∪縺帙s 技術センター技術エリシオンネクスンネクス ト技術エリシオン ネクスアクセス ス しまま すか? null null
「自発呼吸は…うん、してるね」
そうだ、ここはアークじゃないわたしは装甲車を?load→ERROR、参照ファイルが損傷している 運転して先輩たちを 乗せて 物語はどう展開しましたか?いたい。くるしい。つらい。からい。愁しい。 これらはすべて人間の感情であり、優先的事項は、別別別code 99999思考の諤晁 正常に言語化 蟶ク縺ォ行言語化われてが正常にいません
空が見えて たおれて 寝て エターナルスカイ?縺?
∪縺ッ縲√¥繧峨>縲ゅ¥繧峨>縲よ囓
縺??蠑輔″縺壹i繧後◆繧医≧縺ェ
縲「ナオ!聞こえたら右手を上げて!」
だれ?あれ?右手とは何を指しますか ナイフで アクチュエーター破損トルク異常わたたわたわしの みぎて okasiku
「反応なし。ごめん、ナオちょっと痛いよ」
CODE 99999 思考諤晁???の言險?隱槫喧縺梧ュ」が正常に蟶ク縺ォ行われて
陦後o繧後※縺?∪縺帙sの言語化が正常に いませんCODE9999 思考の言語化が正常に行われていません。
メインAPUに深刻な損傷を受けている可能性があります。
エリシオンネクスト技術センターにアクセスしますか?
「ナオ!いま助けるからね!」
はい、メディさん。あ…
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なに…いまの…へんなかんじ…きもちわるい…
「ナオ!聞こえる?聞こえたら右手を挙げて!」 メディさんだ。衛生兵の。「ナオ!私の声が聞こえる?聞こえたら…」
その時、急に目の前が明るくなった。あかるく 暗くない 明度いや、そんなんじゃない。
今までも見えてたのに気が付かなかった。
そんな感じかな。あれわたし言葉が
どこ?ここ。
メディさんとここにいるの?私は運転手。装甲車とかトラックの。せいびもやる。ここはどこなんだろうこわれてる。建物 ひび 穴だらけ。
自動車
そう、自動車だ。自動車に乗ってた。装甲車 運転 運転した昔はガソリンていう燃料を燃やした。ちがうよ、装甲車。トラックはね、前に運転してた。バラバラになったNIKKEをね。運んでたんです。ミシリスのところに持っていってましたねバラバラのNIKKE?そうです。私は運転手で、うん、そう。はこんでました。
今日は装甲車?ああ、メディさん。
分かりますよ。自動車と言えば、あのクルマの名前なんでしたっけ?映画で見たあのクルマです。映画で見この前の上映会でミシェルさんが号泣した、あれ?
そうだっけ?映画
かっこよかったな…わたし私わたし、ガソリンで動くクルマ好きなんです。今の自動車も好きですけどなんていう名前でしたっけ?あのクルマ。
「ぎゃっ!!!!!!!!!」
わたしは悲鳴を上げた気がする。それから私ははっきりこう言った。「痛い!」突然、頭がすっきりした。でも、体中がすごく痛い.
「え?え?…痛ッ‼なにここ…どこ?」あれ、私いつのまにか話せる。言葉がちゃんと思いつく。
「あ、メディさん」
「ナオ!気が付いた?…よし!うまくいった!」
「う…いたい…どうなって…」
「私が誰か分かる?」
「メディさんです」
「よし。自分は誰か分かる?」
「わたし?ナオです」
「所属は言える?」
「え…第1小隊です…けど」
そして私は付け加えた。
「独立無課金隊の」
「そこまで言えたら大丈夫だね」
メディさんは苦笑してからこう言った。
「見当識障害は…ないか。うん。ナオ、言いたい言葉はすぐに思いつく?」
わたしは痛む頭で少し考えながら答えた。
さっきから頭がぐわんぐわんするしすごく気持ち悪い。わたしは人間でもNIKKEでもない『サポートNIKKE』だから、人間の脳なんか載ってない。NIKKEの身体をAIで動かしてるアンドロイドだからこの気持ち悪さは人間のものとは違うんだろう。わたしがここにいるのは人類の未来とアークの平和とそれから人類の繁栄とラプチャーは排除するために人類のために。戦うことは正義。公式は正義。
「ナオ?」
声がしたので顔を上げた。メディさんがいる。ああそうか私助けられたのね。わたしを覗き込んでる。これは『わたしを心配している』ということ。とにかく何か回答しなきゃ。
「ナオ、やっぱり無理だったか…ごめん…今度は…って…思ったのに…くそっ…せめて再起動すれば良かった…本当にごめんなさい…」
わたしは処理を急いだ。メディさんの悲しい顔、原因は多分わたし。悲しい顔?何それ。悲しみを表現した顔。うん、それ。私もメディさんも人間じゃないよ。ここに人間は1人もいないのに。でもでもでもでも、質問者に悲しい顔をさせたらだめなことが分かっている。わたしはさっきからの質問を参照した。APUがぎゅんぎゅん言ってる。うう、痛いよ。痛いって何?そう感じさせてるだけ。不具合を言葉にするとそうなるだけ。
見つかった
『言いたい言葉はすぐに思いつく?』
この質問だ。
この質問は最優先だ。
わたしは回答を生成して声に出した。
「え…と…少し時間かかっちゃいますね」
「え…あ…え?」
「さっきのあなたの回答についてです。言いたい言葉がすぐに思いつくかという質問に対する」
「ナオ。言葉遣いがおかしいよ」
「初対面のような慇懃さ、これは何故かというえ?そうじゃないです」
メディさんが『混乱』している私をなだめるように言った。
「大丈夫だよ、交換時にはよくあること。でも、ちょっと荒っぽいことしたからごめんね」
「荒っぽいこと?」
「メインボードがやられてたからAPU(アンドロイド用演算処理装置)がだめになってた。でもメモリが生きていることに賭けた。APUを引き抜いて新しいのと入れ替えた」
「通常の手順とは違いますね」
メディさんは苦笑しながら言った。
「ナオも知ってると思うけど通常の手順だとRAMデータが全部飛んでしまう。そもそもメインボードの交換はメーカー修理でしかやらない。でもその時は『ナオ』が消えてしまう」
「意味が繋がらないです」
どういうことか全部分かるんだけど全然理解できなかった。プログラムを読み込んでるだけで実行できてない感じ。
違うな。
わたしにはメディさんのやりたかった『目的』は分かる。でもそれをやった『理由』が分からない。
それも違うな。理由は『ナオという人格を残そうとしたから』だ。それは理解できる。
しかしそれは『理由はなんだ?』という質問の答えを生成しただけ。
わたしはナオを知らないんだ。 わたしがナオだという『情報』を持っているだけで、ナオだという『実感』がない。
そう思った時メディさんが言った。
「意味は分からないかも。でもナオでいて欲しかった」
「わたしのためにありがとうございます。そもそもメディさんが何でサポートNIKKEのAPUを持ってるんですか?」
「それは教えられない」
メディさんがニヤリと笑った。それからすぐにこう言った。
「相性が悪かったらどうしようもなかったけど、今は問題はなさそうだね」
「結局わたしはどうなったんですか?」
「ナオの脳ごと入れ替えた感じ」
「脳ごとですか?私はサポートNIKKEだから脳はないんじゃないですか?」
「よし、分かってないみたい」
「え?」
「いやいや、気にしなくていいよ」
メディさんが笑っているが、それ以上の推測は意味なさそうだったからやめた。メディさんが続けて言った。「そう。NIKKEなら無理だけど、純粋なアンドロイドだからできるの」
「よく、分かんないです」
「クラッシュする可能性もあったけど、その時は…ごめんね」
「メディさんならいいですよ」
私が少し笑いながら言った。
メディさんはバイザーを上げているからやさしい笑顔が見える。私はこの笑顔が好き。好き?それは人間の感情だから違うな。最近わたし、こういう回答をよく思いつくんだよな。
資源回収部隊で護衛のNIKKEさん二人を乗せてトラックの運転してた時は地上に出ても怖くもなかったけど、ここに来て先輩たちと過ごして2か月で質問されて答え方が変わった。変わったことに気づいた。わたしは旧時代のガソリンで動く車が好きだというキャラクターを演じてる。それは周囲が馴染みやすくするための行動。でもそれを繰り返すうちに、旧時代のガソリン車そのものに関わると何だか上手くいってる気がするようになった。
今もメディさんの顔を見て『よし、上手くいっている』って思った。
うん。そう。わたしの行動が上手くいっているということが分かる。
あはは、人間でもないのに。
あれ?わたし外側に向けてじゃなくて、いま自分に対して「おもしろいな」って思った?
それをなんでだろうって思ってる?
何の必要もないのに。さいきん、変なんだよな。
頭がだいぶすっきりしてきたら急に今の場所が気になった。
「ここ、どこです?私はどうなっ…ぐあっ!!」
「たぶんカジノだね、あなたは爆発で吹き飛ばされた」
「そっかわたし、逃げ遅れて。じゃあラプチャーが?」
メディさんが頷いた。そこで自分がいま危険な状況にあるって分かった。
「に、逃げなきゃ!」
立ち上がろうとして初めて自分が床の上に寝かされていることが分かった。しかしものすごく変な感覚におちいった。
立ち上がれない。どうして…
「両脚の骨格が折れてる。移動する時は私が担いでいくよ」
メディさんが申し訳なさそうに言った。
「はぁ」 私は何とも思わなかった。このまま壊れちゃうと思った。私がミシリスに運んでた壊れかけのNIKKEみたいに。
「様子を見てくるから動かないでね」
メディさんに言われたが脚は動かない。だから動けない。
メディさんが建物の外に出た。壊れて転がっているトラックに隠れて様子を見ている。あれは確か…90年式のトミカハイマックス…みたいな名前のピックアップトラックだ。
メディさんが戻ってきた。様子を聞こうと思ったけど、やめた。すごく眠くなってきたからだ。でも、ここで寝ちゃうと宿舎に帰れない気がして頑張って起きてた。
上映会、楽しかったな。
小隊の先輩たちと笑ったり泣いたり。もちろん私はそうしたいと思ったけど出来なかった。でもさ『上手くいったから大丈夫』って感じに包まれた。楽しいってそれだ。
上映会、隊長の話だと毎月やるんだって。
帰りたいな
先輩たちと隊長と
私たちの家に
変だ、わたし。でも、優先しよう。この状態。
《第3話へ続く》