『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:楓舞星
視界が晴れた。最初に貫かれたのはセンであった。ふーん、私じゃないんだ。
「セン!大丈夫かーーー」
「お前もだ!ムラハネ!」
「くっ!」
私も自身の剣翼から取り出した剣でソイツに向き直り、なんとか対処していく。そして、『ボク』も。
【っっっ!!コイツからは『運命』を感じない!!どう言うことだ!?】
どうやら、『ボク』は色々困惑しているようだ。
「お前、誰だ?」
私がなんとか対処している間にセンが復帰した。
「俺が誰か?俺はーーーセンエース・ヌル。それだけだ」
私達はなんとかヌルの攻撃を防いでは、殺しにかかる。しかし、
「センエースぅぅぅ!!!お前は強い!!!だが、俺の方がもっと強いぃぃ!!禁止魔カードーーー」
そう言って、ヌルは反則技を使おうとする。
だが、センも存在自体は知っているため、それの妨害をする。
私も、スペシャルでデバフをかけるが、存在値に差がありすぎていつもよりは弱い。というか、『タイジするシガナイ運命』が働いてないから威力が薄い。
何故ヌルに『タイジするシガナイ運命』が刺さらないのかと言うと、コイツはもうすでに『運命のアリア・ギアス』を超越しているのだ。
だからである。
ヌルは実力で勝てないことを悟ると...いや、念には念を入れていくスタイルでなんとか禁止魔カードを使おうとする。
だが、私とセンがそれを見逃すはずもなく、それは未然に防がれる。
「セン!!やっておしまいなさい!」
「裏閃流究極真奥義クレヨン閃ちゃんシリーズ!」
「ぐうう!!やべぇぇ!!!これがセンエースの力なのか!!」
一見するとネタ技のように思えるものも、センは昇華している。だから通じる。この数値差でも。
「そ、それに、なんか運が悪くなってる?ど、どう言うことだ...」
ヌルは混乱している。こいつやっぱり実戦経験少ないな?暴露チャーンス!
「一つ!私のプラチナスペシャル、『セ・ラ・ヴィ因果論』は相手に防げないデバフを与え、なおかつ相手の『運命』を『与えて』書き換える!」
つまり!
「二つ!私のプラチナスペシャル、『タイジするシガナイ運命』は『運命』に特攻をもつ!」
よって!
「私は、私たちは勝つ!」
それは、言ってしまえば『運命』のマッチポンプラバー。『運命』のない相手に、勝手に『運命』を与えて、それにつけ込むスーパーシナジーを発揮する。
センと私の息のあった連携に、数値差はあろうと、ヌルはガンガン削られていく。
だが...
「ぐっ!!」
「セン!ぎゃっ!」
ちっ!ヌルの攻撃がセンに刺さった!まずい!
センは今レベル1である。それに、オメガ戦やアルテマ・ウムル戦、ヨグ戦など、様々な要因が重なったあとなので全く本調子ではない。
ヌルの攻撃に私達は瓦解しかける。だが、重要なのはそこではない。
「いまだぁ!!禁止魔カード!使用!『とおりゃんせ』!」
やってしまったぁぁ!!
「ぐっ!!!」
「ヤバいっ!!!」
私達は謎の力によって拘束される。
これは、ヤバいかもな。
「更に禁止魔カード使用!『だるまさんがころんだ』!」
更に私達が積んでいたバフが全てかき消え、拘束力が上がった気がする。
「チートにはチートで対応してやるよぉ!!!」
流石に安全だと思ったヌルはセンを削りにかかる。まずは格上クラッシャーのセンを削るのは良い判断だ。
私は力を振り絞り、センに伝える。
(がんばれセン!負けるなセン!)
(んなこと言ってる場合かぁぁ!!!)
お互いに口も開けない為、テレパシーで思念を送り出す。
そんなことを言いながらも、私はとっておきを取り出す。ボコスカ殴られているセンだが、気づく。
(...なんか...俺の中で新たな芽が出てきそうな気がする......)
(私が可能性を引っ張ってきた!さっさと覚醒しろ!)
(ああ...裏スペシャル、『人間失格』、起動)
これでなんとか持ち堪えるだろう。本当ならレベル1地獄を経て、カミノ戦を経て覚醒するスペシャルである。だが、なんとか持って来れた。これで、時間稼ぎを敢行する。
私はセンが耐えてくれている間に、禁止魔カード群をなんとか処理しようとする...ぐぬぬ、どうしようも出来ない。
数時間が経過した。センはずっと殴られていて、HPはもう尽きている。だが、『人間失格』でなんとか耐えている状態だ。
「なんでお前はまだ死なないんだよぉ!!!さっさと死ねぇぇ!」
「まだ...死ねないねぇ...」
もはやゾンビ状態をも通り越しているセンは、それでもなお生き続ける。
センのその姿に、私も諦めてはいけないと、『イクスペストカムトゥルーエンド』が火を吹く。私の未来を叶えろ!そうした時、禁止魔カードの拘束が解かれた。
私はかけだし、HP0のセンに回復魔法をかけたあと、ヌルに殴りかかる。
「ヌルぅ!お前程度に私達が負けると思うなぁ!ボケェ!!」
「俺を程度と思っている時点で負けてんだよぉ!」
「知ってるよ!お前の能力の一つには相手に自身のことを過小評価させる効果がある!」
「なんで知ってんだよぉ!ちくしょうがぁぁ!なんも上手くいかねぇ!禁止魔カードーーー」
「ニ度とさせねえよぉ!!!」
「ちっ!本当に鬱陶しい!」
そうしている間に、センの方も拘束が解けたようだ。再び、戦闘にもつれ込む。
「セン!まだいけるかい!?」
「バカ言え!絶好調だ!」
センは嘘をつく。だが、私はあえてそれを飲み込み、見ないふりをする。いや、実際そうなのかもしれない。センは追い込まれれば追い込まれるほど強く輝く。
だからこその提案だ。
「セン!このままだと埒があかない!合体するぞ!」
「が、合体!?お前正気か?」
「このままだとどうせ禁止魔カード使われて死ぬだけ!だったら戦闘力を下げてでも存在値を上げて対抗すべきだ!」
【待ってましたぁ!!あの時、合体した時にも用いたボクのスペシャル、『結合複合超統合体』は時間経過でーー】
と言うか、それ、また時間経過系なのか!デメリットは!?
【ボクのスペシャルはほとんど全部時間経過系のデメリットがあるよ!んで、時間経過で強いもの同士が合体するほどガンガンとポイントがなくなっていく!三人合体とかも出来るけど、もっと加速度的にポイントが減ってく!3万年間溜めてきたけど、『私』とセンなら多分1日ぐらいしか持たない!】
おーけ!
「セン!私には合体系のスペシャルがある!だからさっさとするぞ!ベースはお前が担当しろ!」
「なに!?さっさとするぞ!」
センは私の胸に手を当てる。それじゃあこのテンプレするしかないよね!
「きゃー、えっちぃ(棒)。へんたいー」
「テメェ!!後で殺す!!!」
「「アマルガメーション!」」
そうして、誕生するのは、
「よっしゃぁぁ!!!」
その者は、落ち着いた表情で、悩む。
「名付けて......名付けてなんだろうな?村羽セン...?...まあいい」
「俺は、貴様を倒す者だ」
存在値の爆裂的上昇、圧倒的な戦闘力、複数のスペシャル。そして、『人間失格』を兼ね揃えている現在最強の闘神。
それに、ヌルは普通にビビり散らかす。
「ぉいおい、これはどういうことなんだよ...」
「き、禁止魔カードーーー」
その者は、速攻でヌルの禁止魔カードを執行するために振り上げた腕を掴み。片腕での、
「神速閃拳」
「ぶはっ!」
「『セ・ラ・ヴィ因果論』」
存在値にまだ差はあるが、それでも、先ほどよりはよく通る。
「ぐほっ!だから、なんでデバフが通るんだよぉ!」
ヌルがデバフの対処に勤しんでいるうちに、村羽センは積みに積む。
「虹を集めた虚空。玲瓏な蒼穹。幻想の戒光。貫くような銀河を見上げ、煌めく明日を奪い取る。さあ、詠おう。詠おうじゃないか。銀河を彩りし、オボロゲな杯を献じながら。――俺は、貴様を倒す者。神威の桜華を背負い舞うタダビト!」
「深淵閃風」
その者が、ヌルの足を掬うと、
「裏閃流究極超神技」
「や、ヤバいぃぃ!!」
「龍閃崩拳」
「ぶへぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
その拳は、ヌルの中心をぶち壊す一撃だった。だからめちゃくちゃヤバかったものの。
「ふ、ふぅ...な、なんとか死ななかった......ま、マジで死にかけた...でも、これなら...」
ヌルはその超膨大なHPを瀕死にさせながら、言う。
「よかった...本当に、ソルの権限を奪えていて良かった...もう無理矢理にでも使ってやるよ。使用条件?んなもん知らねえ。というか、俺よりもこいつの方がどう考えても強いだろ」
「禁止魔カード、『セレナーデ』」
村羽センの存在値がガタ落ちする。
そして、その隙に、
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「禁止魔カードーーー」
「テメェ反則過ぎだろぉぉぉぉ!!!!!!!」
結局、禁止魔カードで鏖殺されてしまいましたとさ。ちゃんちゃん。