『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:楓舞星
「ーーーさわんな、カス」
「な、なんだ?! なんだ、その力! 魔法か?! いや、お前の『カスみたいな魔力』でそんなこと――」
解き放たれたセンエースは、ゴキゴキっと首の関節をならしながら、冷たい目で、父を見て、
「オーラを完璧にコントロールできるようになれば、レベル1でも、ステータスを底上げして、あんたの腕をねじ切るぐらいは造作もない」
そう言って、父と母を脅した。んで、勘当された。外に出た私達は何をしようか考える。
「セン兄、これからどうする?」
「姫さんなら幽閉されている噂があるからそれを確かめにいく」
「姫さまとは私は会ったことないから、よくわからないけど、助けたいなら助けに行こっか。幸い、今の私たちならなんでも出来る」
ということで、レッツラゴー。
裏ギルドからシューリの事を聞き出して、森の奥に向かったら、シューリと合流。んで、アダムっちを歓迎した。今ここ。
「とりあえず、ヤオヨロズの迷宮ってところにいくか...」
「私もいくよ」
「お前はくるんじゃない。ここからは俺の仕事だ」
「いいや、いく。行かないって選択肢はない」
「………………絶対に無理はするんじゃないぞ」
なんか、センが過保護だ。
そうして、ニーと対決する。
「ニーは20ミリオンスライム。種族名はゴッドエンシェントスライム。識別ナンバー00000001。親しみを込めて、ニーのことは、ニーと呼んでほしいな」
センは、
「……ニー、一つだけ聞きたいんだが、お前は、扉の向こうからきた存在値1兆の敵か?」
「ちがうよ。ニーは『ここまでたどり着いた勇者』に『この扉の向こうから、数日以内にレベル1兆の敵が出てくる』ということを伝える係だよ」
「レベル1兆? 存在値1兆だろ?」
「ん? あー、そうだね。『言い間違えた』よ、ごめんごめん」
「……なるほど。ちなみに……俺のプロパティアイでも、お前の存在値が見えないんだけど……お前、もしかして、めちゃくちゃ強い?」
「ニーはすごく弱いよ」
「……そうか。じゃあ、フェイクオーラのランクが高いだけか。よかった、よかった。安心、安心」
「ニーは、存在値『2000万』ていどだからね。超ザコだよ」
「……へー……そ、そうなんだ……2000万……へー……」
そうして、始まる。
「ーーー『絶望への挑戦権』を持たないザコ勇者をイレイザーするって意味だよ」
私とセンはすぐさま半神化した。どうやら、この空間なら神化系統の技が使えるようだ。
飛んできた球体を、なんとか捻り上げる。私の数値は500万程度。
でも、一つ要素を付け足すとしたらーーー
【ボクがいるってことかな。『私』】
変なやつがいると言うことだ。ちなみに生まれつきである。
【変なやつとはなにさ、変なやつとは。私は色々知っているから、教えてあげるつもりだったのに】
そうか、なら後にしろ。
そう、私のスペシャルはなんかうるさいのだ。
そうして、センとわたしはニーを相手に死闘を繰り広げる。
センは場にカースソルジャーを撒いた。毘沙門天の剣翼、ビシャも装備済みだ。
エグゾギアも着込み、完全体勢をとっている。
だが、それでもニーは追い縋ってくる。というか、私たちが追い縋る方である。
だが、センはバフマシマシの特盛モードで対応する。
そうして、ニーを撃破した。
だが、フルパワー・ニーとなり向こうも全力で襲いかかってくる。
あ、センがボコされてシューリの方にぶっ飛んでった。
私もなんとかエグゾギアを着込み、存在値600万となり抑えるが...
【頑張れー!頑張れー!フレーフレー!ばっちこーい!】
うっせえんだよこのクソスペシャル。
前のわたしはこのスペシャルに何をしたんだ?
「あ、っ、やばっ!」
私はニーに下半身と上半身をなき別れにされた。
だが、そこに、とてつもない迫力を誇った閃拳がニーに突き刺さる。
そうして、もうそろそろだろうか...
私達の視界が、白く光る。
__________
『1分後』
「…………ムラハネ、すまん。この扉は毎日1億年を強制するらしい。本当にすまん。何度謝っても許されないことだと思うがーーー」
「大丈夫!!大丈夫だから!!今回も頑張ろう?私もなんとか要領は掴めたし、1億年×毎日だったらいける!200億年×毎日とかならわからなかったけどね」
「…………すまねえ、こんな兄で、すまなかった」
「大丈夫だって!それに、私にはセン兄がいる!そらだけで、何百億倍、何那由多倍だって頑張れる!!」
「ははっ…………ぁ、そう。ありがとよ」
「それにシューリさんを助けるんでしょ?だったら張り切っていこう!」
『99999999年後』
「それじゃあ、還るか」
「還ろっか」
『100000000年後』
ーーー現世に還るーーー
__________
「俺のマックス存在値は……およそ90億だ」
「……いや、誤差じゃん。まあ、すごいけど、そんなドヤ顔でいうほど大差ないよね。すくなくとも、ニーのことを『ちっさい』と言えるほど大きくはないと思うんだけど」
「やかましい。俺は戦闘力もお前よりは遥かに高いんだ」
「まあ、ニーの戦闘力はゴミみたいなものだからねぇ」
「存在値で上回っていて、戦闘力でも圧倒的アドバンテージを誇る。つまり、お前は死ぬ」
ここの原作シーン見るためだけに頑張ってきました!私もうしのうかな...
そうして、センがニーをボコして試合終了です。
一度家に帰還した私達。
そこで、私は隠れて練習していた隠密で、センが泣いてる所をアダムに慰められる所を見た。
原作シーン見れて光栄です!
__________
トロッコ問題、それは遥か昔からある、思考実験。
『シューリが死ねば、ムラハネは解放され、一兆の敵も出なくなる』、『シューリが死ななければムラハネは時の牢獄に押し込められ、一兆の敵が出てきて壊滅する』だからシューリを殺すのか。
そんなある種のトロッコ問題でセンは喘いでいた。
しかし、アダムからの言葉を貰い、1兆の敵も殺してムラハネも解放する道を選んだ。
そうして、後日、
食事中、私の視界は真っ白に染まった。
元に戻ったあと、センと私の圧力は更に増した。
今回のソウルゲートで、数値もセンに完全に上回れた。わたしはとうとう用済みかと思いきや、私はとある技をマスターした。
わたしは食事が終わったあと、一人で外に出て、右手から左手に向け、サイズ感はミニチュアで異次元砲を放った。それを左手でかき消す。
これなら、肉壁にはなれる。
ヤオヨロズの迷宮にて。
最奥の扉を開いた所に、ポツンとブレスレットが落ちていた。それをセンが拾い上げるが、アダムに、
「もうしわけありませんが、少し貸していただけませんか?」
「……ん、んー……なんで?」
「そのブレスレット……妙な既視感がありまして」
「ほー、既視感ねぇ...」
私はアダムに、ブレスレットが渡る前に妨害を試みる。ただしすぐに避けられ、センの手元からブレスレットが消える。
「っ!」
「……ぷはぁ……っ!!すぅ、はぁ……すぅ、はぁ……はぁぁ……」
数秒かけて呼吸をととのえると、顎をグっと上げて、センを見つめるアダム。
「解き放たれた……ようやく……」
そうして、顕現したのは、
「私は、『神の傑作アダム・クリムゾン』。この世界を完全に破壊する者」
さて、試合開始だ。
センは普通にガッツリビビり散らかしているが、それでも、
「ここには、俺がいる!!だから、何も終わらねぇ!」
叫び続ける。
「貴様ていどのザコは右腕だけで十分だ。私という『絶対に超えられない壁』を前に、とことん絶望しつくして死ね」
アダムは右腕に魔力とオーラを集中させた。本当に片手だけで戦うようだ。
センはカースソルジャーなどを散布していくが、一瞬だ蹴散らされる。
私も近距離戦を決めていくが、全く歯が立たない。
アダムがつまらなそうな顔をして、放った。
『異次元砲』
私は構えているセン前にでて、それを、
「オメガバスティオン」
ぬるっと消し去った。
「何をしたと聞いているんだ。答えろ、ムラハネ。暴露のアリア・ギアスを積むチャンスをやる」
「私はオメガバスティオンというなんでも魔法を無効化できる技術がつかえる。セン兄の方は使えない」
ガッツリ嘘をついた。本来なら、ここでセンが覚醒してオメガバスティオンを使えるようになるが、この後のことを考えるとそれは悪手だろう。
だから、ここの1番苦しい
「くく……『ちょっとした大道芸が使えるだけの死にかけたアリ共』に、いつまでも付き合ってやるほど、私は『根気強い観客』ではない。異次元砲を防いだのは確かに驚かされたが、そのオメガなんとやらは、『一発』を防ぐのが精々の、こすい技だろう? ならば、連撃を叩き込むだけだ。すべてを防げるものなら、防いでみろ。……仮に防げたとしても、私は、この程度の魔法なら、あと、100万回は使えるがな」
「煉獄光球ランク800」
アダムは異次元の魔法を使ってくるが、私はその全てに、オメガバスティオンを用いる。
ああ、しんどいな......でも、
1秒が無限に等しい時間に圧縮される瞬間、わたしは思う。センエースなら、センエースなら、センエースならぁぁぁ!!!
砂埃がはれた時、そこにはムラハネとセンがいた。
「なんだ...と、その技は技とも言えぬ大道芸なはず...どう言うことだ?暴露のアリア・ギアスを積むチャンスを与えてやろう」
「根性!!!」
私はそう答える。
「……それはスゴイな。スゴイスゴイ......煉獄光球ランク800」
「今度こそ、さようならだ」
「オメガバスティオン!」
それでも、叫び続ける勇気を!センエースぅぅ!!!!
まるで息をするように、唯一の希望に縋る。
何度もこの場面に来たことを後悔した。でも、これが1番だと思った。誰も苦しむ必要などないのだ。だが、それはセンも同じこと。ソウルゲートにいた時に、何度も目にした、センの涙。私がいないところで、毎日毎日、コソコソと泣いていた。
だから!!!
「も、もういいムラハネ!!もういい、だからーー」
「はぁ…はぁ…幾億の涙を乗り越えて、私たちはここに立つ」
「?ムラハネ?」
「私たちはまだ、これからだ」
「っ!」
「少しだけ恐怖を覚えてやるよ、ムラハネ。貴様の気持ち悪さに対して、背筋がゾワゾワしている。まさに鳥肌もの。貴様は気持ち悪い。臓物をぶちまけたゴキブリにも劣る」
あ、このセリフ私に飛んで来るんだ。
その時だった。視界が真っ白に染まる。それに安藤し、倒れ込む。
「……うぅ...死に……かけた…………」
「大丈夫か!ムラハネ!!」
私はセンに世話されながら、治療カプセルの中に入り、一命を取り留めた。
「さて……どうするかな……普通に修行したところで、アダムには勝てねぇ……」
『オメガバスティオンでランク500以上の魔法を無効化する――条件達成。【オメガルーム】が解放された』
「【オメガルーム】。オメガバスティオンの応用技を磨く部屋。指南役のNPCが厳しすぎて死ぬ確率が高いのが難点……ふむ……え、いやまだ俺普通のオメガバスティオンすら使えないんだが」
私たちは部屋に入ると、空間に飛ばされる。
「……私が指南役のオメガである。さっそく、貴様に、オメガバスティオンの真髄を教えよう」
__________
「……空気が変わった……オーラの質も変化している……なるほど……ソウルゲートを使ったのか。二人同時にだと?意味不明だな...」
「そゆこと」
「おいアダム、次ムラハネに攻撃してみろ?俺が全力の正拳突きでぶっ飛ばしてやるよ」
「それで? 多少は強くなれたか?」
「……1億年も積んだんだ……多少は強くなるさ」
「それも、ただの1億年じゃねぇ。ずぅぅぅぅぅっと、殺されかけ続けるという、えげつない1億年だった……何が、『オメガバスティオンの真髄を教える』だ……あの野郎、ひたすら、俺を殺そうとしただけだったじゃねぇか……俺、あいつから、何一つ、教わってねぇ……ほんとに、ただ、1億年間、殺されかけただけだ。なんだ、あのいやがらせ……マジでよぉ……おかげで『開い』たけどな」
「「神化」」
私たちは二人して神化を行う。
「ははは。よく頑張ったじゃないか。存在値が『700億』近くまで上がっているぞ。たいしたものだ。貴様らが積んだのは、確か、全部で4億年か? くく……すごい、すごい。よくも、まあ、それだけバカみたいに長い時間を積めたものだ。貴様らは間違いなく異常だよ、ほんと、すごい、すごい」
「で? おかわりの1億年で得たものは、それで終わりか? だったら貴様は死ぬしかないが?」
「虹を集めた虚空。玲瓏な蒼穹。幻想の戒光。貫くような銀河を見上げ、煌く明日を奪い取る。さあ、詠おう。詠おうじゃないか。たゆたう銀河を彩し、オボロゲな杯を献じながら。――俺は、センエース。神威の桜華を背負い舞う閃光!」
「ははは。強化コールか。OK、OK。好きに積んでくれ。なんだったら、まだ待とうか?」
「レディ・パーフェクトリー。準備は完璧に整った」
「私の視点だと、まったく完璧だとは思えないが……まあ、貴様がどう思うかは貴様の自由さ」
センは無詠唱でオメガバスティオンを拳にかける。これで、相手の防御力を一瞬だが0相当にすることが可能。
「真・武装闘気5!」
センはアダムの意識を乗っ取っているだろうブレスレット目掛けて打ち込む。
「龍閃崩拳!」
センは見事にブレスレットの破壊に成功した。だが、同時にアダムの体がパァアアアアアンッッ!!と弾け飛ぶ。
「でぇええええええ?! ブレスレットだけ壊す予定だったのにぃいい! でぇえええええ?! ちょまっ……えぇええええええ?!」
「……驚いたな。貴様もその大道芸が使え、『私の技』だけではなく、『防御系統のシステム』まで無効化できるのか……貴様らは、本当に面白い芸人だな」
「っ!なんで、えっ、どういうことだ!?」
「一つだけ、面白い事実を教えてやろう。私は『無限蘇生』というプラチナスペシャルを持っている」
「……無限……蘇生……」
……チートプラチナに頼るの、やめたら?
【『私』が言えることじゃないと思うけどなぁ...】
私のスペシャルはカス仕様なのに……