『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:楓舞星
『な、なんでお前も来てるんだムラハネ!』
『いや、セン兄一人は心配でしょ?私もいくよ』
雷ゴブリンと火ゴブリンはギャーギャーいいながら意思疎通をしていた。
『心配もクソも、これまで俺の勝手のせいでーーー』
『はいはい。それじゃあいくよ?』
そうしていると、二人の冒険者とエンカウントした。
「雷ゴブリンと火ゴブリンだね……」
「確か、雷撃と火炎が使えるんだったか?」
「うん。けど、ランクは1か2が精々だと思う」
「突然変異って感じでもねぇし、問題はなさそうだな」
『アイツら!8つ星冒険者だ!存在値は250前後!』
『おーけ!!』
「やかましい断末魔で、他のモンスターを呼ばれても困る……一瞬でしとめるぞ」
「了解」
2人の冒険者、リグとラーバはセンと私に襲いかかる。
私たちは鍛えた潜在能力でなんとか安置へと逃げるが、それを見た2人は完全に警戒する。
「呪縛ランク8」
((オメガバスティオン......))
私たちはオメガバスティオンを使い、呪縛をレジストする。それをみた2人は、完全に私たちを警戒の中においたが、
「別に、呪縛がなくても、問題ねぇえ!」
「剣気ランク10!!」
いい剣だと思う。だが、だからこそ避けやすい。私たちは剣を避けに避けまくる。
「なんだ、このゴブリン共?! どうなっている?! ラーバ、こいつはは、本当に存在値10以下か?」
「サードアイで見た限りは……けど、もしかしたら、フェイクオーラを使っているのかも……」
「南大陸ってのは、本当に、キメェなぁ! こんな、意味わかんねぇキモ生物がうじゃうじゃしてんのかよ!」
私たちに近寄りたくなかったのか、遠距離からの攻撃に移行したようだ。
「ラーバ、援護しろ!」
「オッケェ! 狙撃強化ランク10!」
狙い先はセンだ。だが、センはその放たれた豪速の矢を片手で使える完全に掴み取る。
「っっ?!はぁああ?!お、俺の矢を……つ、掴んだ?! はぁああ?!」
それからも戦闘は続いたが、矢を掴んだからか、火ゴブリンより雷ゴブリンの方が厄介そうだと思ったのか、センが攻撃され、そしてとうとう腕を切られた。
『セン兄!』
『くっ!だ、大丈夫だ!それより、今から俺の腕を触媒にしてランダム召喚を行う!時間稼ぎ頼んだ!』
『おーけ!任された!』
センがランダム召喚をしている間、私は時間稼ぎを任された。空が曇天となり、黒墨に染まっていく。
「こ、こいつらを早く殺すぞ!!!なにか、ヤバい!!」
私はほいさほいさと剣を躱わす。そうして、逆に殴りを入れたりしていたらーーー試合終了です。
センによって召喚されたのは、ミシャンド・ラ。邪神っぽい少女である。
「……殺して……もう、誰も……殺したくない……私が私を抑えているうちに……はやく……殺して……」
「あの魔人、ごちゃごちゃ言っているだけで、ぜんぜん動かないな。……もしかして、動けないのか? これは、いったい、どういう状況だ? ラーバ、わかるか?」
「ごめん、全然わかんない……あの魔人は、苦しそうにしている……としか……」
「全く動かないし、脅威とは思えない感じだな……それにしても……あの魔人、とてつもない美少女だ……あれは、変態貴族に、死ぬほど高値で売れるぞ」
そうして、リグとラーバはミシャを捕獲しようとする。
だが、
「う……うぅ……」
と、ミシャが苦しみ始めた。
「もう……おさえられ……ない……うっ……ぐぅううううっ!はやく……ころ……して……」
そのミシャの様子にリグとラーバは、
「えっ……なに、これ……頭のなかに……」
「世界を滅ぼした……異世界の邪神?」
「リグ……これって……もしかして、予言の?」
そうして、状況をそう判断した2人は、思いっきりミシャに切りかかった。しかし、
「うぉお!」
ミシャの体をオートで覆っているバチバチの邪悪オーラに阻まれて、近づくことができなかった。
それを見たミシャは、
「……も、もっと……強く、おさえつけ……ないとダメか……ま、待って……がんばるから……」
そう言いながら、ミシャは作り出したナイフで自身の片目を裂いた。それをみた私たちは、
『セン兄。やろうか』
『ああ』
私とセンはリグとラーバに全力のタックルをし、外へ押し込む。
私達は、リグとラーバに全力の死闘を繰り広げる。一発当たったら死亡の、最悪の黒髭危機一髪。だが、猛攻を凌ぐ、凌ぐ。そうして覚醒する、私達の可能性。
「「ゴールドォォオオオオ!! スペシャルゥウゥ!!!!」」
ゴールドスペシャルの効果で魔人と化した私たちは、リグとラーバを蹴散らし、
「ミシャンド/ラ……『殺してやる』よ、お前の絶望」
「セン兄、私にも手伝わせて」
「お前は引っ込んでろ。ここは俺の仕事だ」
「この絶望は、1人で背負うには重いよ?」
「この程度、赤子の手を捻るより楽な作業よ」
「ナイトメア・ソウルゲートって誰のせいだっけ?」
「……………………はぁ……………………覚悟はいいか?俺は出来てる」
ナイトメア・ソウルゲートで揺さぶれば大体の事はしてくれるのがセンである。
「それじゃあ、始めようか」
私たちはミシャンド・ラに向け、全力で拳を突き出す。
「逆気閃拳!」
「斬九!」
私も、逆気閃拳と同じ類...というかパクったようなグリムアーツを用いて、呪いを、業を引き継いだ。
「「ぶへぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」
「ど、どういうことっ!?」
「……ぃ、言っただろう……お前の絶望を殺すって……」
「伝わってくる……お前の痛み……苦しみ……ぐぅ……ぬぅ……」
苦しむ私とセン、だが、朧げではなく、キリっとした目でセンはミシャを見て、
「……暗闇の中で迷っているというのなら、俺が道標になってやるから、一回ぐらいは、まっすぐに前を歩いてみろ。最近ちょっとヒマだから……退屈しのぎに、少しだけ、お前の光になってやる」
私もそれにノって、
「...暇なんだからねっ!本当だもんねっ!ぶへぇぇぇ!!!」
私が爆音で悲鳴をあげているなか、センはミシャにいう。
「無駄に下を見るな。どんなに苦しくても前を向け。そこには必ず、俺がいる」
「な、なんで……」
私の『業』を……これだけ『大きな重荷』を……どうして、そんな顔で背負えるの……やせ我慢ができるような重さじゃないのに……ど、どうして……」
「ぎゃああああああ!!!!」
ミシャはわたしを指さして言う。
「こ、こうなるのが当然なんだよ!?」
「そんなに不思議がることか?」
「それの重さは知っている! 誰よりも知っている! 背負いきれるものではない!」
「お前のモノサシで俺をはかるな。俺は次元が違うんだ。俺の根性を前にすれば、この程度の絶望は裸足で逃げだ……げほっ、ごほっ、ぐへぇ、がはぁあっ!!」
「もういいから! 無理をするな! 私を殺せ! 私ごと殺してしまえば! つながりを絶ってしまえば、それですむ話なんだから!」
「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……分からないヤツだな。俺にとってこの状況は、昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏なものなんだよ」
「……もういい。気持ちはうれしかった。……ぁりがとう……最後に、誰かの暖かさに触れることができて……私は幸せだった……生まれた意味はあった……本当に……ありがとう……だから……」
「生まれた意味なんかあってたまるか……そんなもんなくたって、厚顔無恥に生きていく……それが命のあるべき姿だって、どっかのエロい人が言っていた気がしないでもないぜ」
センはファントムトークで場を濁りに濁らせて、逆に清流にしていく。
「……どうして……なんで……どうして……」
「どうしてもクソもあるか。男ってのは、『かわいい女の子の前で、どんだけ無様にカッコつけられるか』……それだけが『人生の全部』なんだよ。そんだけの話だ」
「ぎゃぁぁぁぁぉぁ!!!そ、そうさ、男ってのはなぁ、辛いもんなんだよ!ぎゃあああああ!!!」
「あ、あなたは女の子でしょ!?」
場が混沌としだす中、
「お、おい!そこの進化したての魔人!お、お前……ま、まさか……その邪神の力を……奪った……?……のか?」
「奪ったわけじゃねぇよ。俺という器の中に、こいつの業を注ぎ込んだだけ」
「わ、ワケの分からんことを……」
「難しい話じゃねぇよ。こいつの、ほとんど『呪い』みたいな邪悪オーラを、俺なら、うまく押し込めることが出来るから、一旦、俺が預かっている……それだけの話だ。この邪悪オーラを、こいつに任せていると、暴走して、世界中の人間が死ぬ可能性があるからな……だが、俺達なら、余裕で、ぐぇへっ、ごぉへっ、ぶへぇぉ!」
「せ、説明役ご苦労!その通り!私たちなら余裕ーーーぎゃああああああ!!!!ぐろっ、かさんむらぁぁぁ!!!!」
「………………」
「何がなんだかよくわからんが、少なくとも、お前らが余裕じゃないってことだけはよくわかった……」
と、状況を的確に認識し、
「とりあえず、お前らと、そこの邪神を殺せば、万事OKで、俺は英雄になれるってことだな」
その言葉にセンは、冷静そうに答える。
「……万全を期すなら、俺とムラハネとミシャを殺しておいた方が、確かに確実かもしれないな。ただ、それで解決するのは、ミシャの問題だけ。だから、俺達はお前に殺されてやるわけにはいかない。俺には、まだまだやるべきことがある。こんなところで死んでいる余裕はない」
センは己の拳を握りしめ、
「この邪悪……俺の体を全力で蝕んでくる、めちゃくちゃ鬱陶しい地獄だが……『量』だけは、なかなかのもの……まだ、完全には扱いきれていないが……」
「ムラハネと半分に割ったお陰で、逆に扱いやすくなったいる...存在値300ちょっとぐらいの出力にはなる感じかな……全開で使えれば、たぶん、余裕で1000ぐらいにはなるんだろうが……今の俺だと、この辺が限界……練習したいな……5000年ぐらい……そのぐらい練習できれば、この厄介なオーラも、完璧に扱えるようになると思うんだよなぁ……」
「そうだね……私も存在値300程度。でも、これならなんとかなる」
という事で、強くなった私達はリグとラーバを制裁してから、いろいろあって一緒に南大陸の魔法学校を目指す事となった。
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「編入生どもぉ! てめぇら新参者は、先輩の養分として、おとなしくボコられて、無様に地面をナメてりゃ良いんだ! なのに、クソみたいに粘りやがって、ゴミカスどもがぁああ!」
今の状況は、セン、私、ミシャ、リグ、ラーバvsボーレ一味である。
「いまさら喚いても仕方がないだろう、ボーレ。ここからは、この場にいる9人全員での共闘戦だ。陛下に勝つことだけを考えろ」
「勝てるわけねぇだろぉお! ゾメガ・オルゴレアムの存在値を知らねぇのか?! 800を超えてんだぞ?! ふざけんじゃねぇよ、まじでよぉお! そんなもんの相手なんかできるかぁああ!」
「本気で闘われたら、そりゃ相手にならないだろうが、今回のサバイバル戦で介入なさる場合は、当然、大幅に力を抑えられるという話。確かに、勝つのは無理だろうが、ハンデ戦かつ時間制限ありなのだから、生き延びるために最善をつくせ」
ちなみに、なんで私たちがこんなことをしているのかというと、『秘密の部屋』と呼ばれる、なんか色々すごいアイテムがある部屋の『深部』いくには褒章が必要で、そんなサバイバル褒章を貰うために今頑張っているのである。
ざっとこんな感じ。
んで、今はいろいろあって、ドーキガンとゾメガとポールvs私たちという構図だ。マズイね。
【まあ、なんとかなるっしょー】
うっぜ。クソスペシャルが。こいつ、ほんま役に立たない......
【だって運命感じないんだもん。仕方ないでしょ。でも、ボクは色々なスペシャルがあるからそれを使う時は来るかもね】
はぁ…………そう。こいつは嘘だけをつくわけではないのだ。グリムアーツが大いなる田中家な名前を冠しているのもコイツの助言だ。だが、スペシャルがスペシャルを持つという事はあり得ないだろ。常識的に考えて。
「一応、確認しておきます。ここで気絶している彼は、限定空間の中で、ボクに、『君たちこそが邪神だ』としきりに訴えてきたのですが、本当ですか?」
ドーキガンが私達に言ってくる。
「あ、ああ、そうだ。俺とこいつアイツ、邪神三人トリオだ。というわけで、俺達は強いぞぉ。だから、俺達に対する警戒心を強めて、なるべく、俺達から距離をとることをお勧めする。そうじゃないと、邪神パワーが炸裂して、下手をしたら、あんたは死ぬ」
「なるほど、それは怖いですね」
「嘘も、状況と内容によっては、強力な武器になりますから、それをやめろと言う気はありませんが、しかし、もう少し、内容を練った方がいい。あと、邪神を騙るのは、メリットよりもデメリットの方が明らかに大きいので、やめた方がいいですよ。これは、本気の忠告です」
「お、俺のどこが嘘ついてるって証拠だよ!」
「私達は嘘をついてないぞーこわいぞー」
そう言ったら、ドーキガンは興味を失ったように私たちを見てから、カルシィ達をボッコボコにした。ラーバもついでに気絶した。ついでに他の奴らも気絶させた。ワザマエ!
「遅鈍・龍毒ランク16」
「っ、強い毒ですね……」
ドーキガンはミシャの毒に驚愕してから、更に、
「そこの天才剣士ぃいい! 俺が相手だぁああああ! 行くぞ、ごらぁああああああああああ! 最初にちゃんと言っておくがぁあああああ! 俺はそんなに強くないから、ちゃんとナメろよぉおおおおおおおお! ゴリゴリに手加減することを、激烈に推奨するぅううううううううう!」
「そこのドーキガンなんとかさんよぉ、私たち邪神トリオにかかればテメェなんぞ返り討ちなんだわぁ!!!手加減お願いしまぁぁぁす!!!」
私たちは混濁したセリフと共にドーキガンを攻めてゆく。ドーキガンはわたし達の動きに瞠目する。
「強いですね……」
「クールな皮肉をくれるじゃねぇか。今の俺達は、逆立ちしたって、あんたには勝てないってのに」
「そうですね。『今のあなた達』が、どれだけ頑張っても、『今のボク』には勝てないでしょう。けど、数十年後、あるいは数年後には……おそらく、あなた達はボクを超えている」
「ずいぶんと高評価をくれるねぇ」
「なかなかやるってこと?嬉しいねぇ」
「あなた方の資質は理解しました。ここからは、あなた方の『底』を知りたい。……殺す気でいきますので、限界以上に頑張って、どうにか生きのこってください」
ドーキガンから発せられる練り上げられていくオーラ。それはまるで空間を歪ませる様に異様な、私たちからしてみれば無敵のオーラ。
「え、いや、ちょっと待って……本気の殺気はダメだよ……ダメダメ……いや、ほんと、待って……」
「え、あの、お家帰って良いですか?」
「ーーー閃光斬」
「うおおっ!」
「ひょ!」
なんとか避け切る私たち。
「素晴らしいですね。それでは、次は、もう少し出力を上げた上で、インファイトといきますよ」
「いやぁああ! やめてぇええ! もう無理だから! 今のが『ギリギリのギリ』だからぁああああ! もう勘弁してぇえええ!」
「ぬるぽ!」
「ガッ!ってふざけてる場合じゃねえええ!!」
私はドーキガンの相手をし、センはポール、モナルッポが生み出した召喚獣(田中・イス・ザンク)を相手どる。
「貴女も、素晴らしい戦闘力をお持ちだ」
「褒め言葉どうも!勇者さま!」
ゾメガは私とセンを巻き込む射線で異次元砲を放った。
私たちはそれを難なく避け、同時に攻撃を仕掛ける。
「センエース!ぬしは、なぜ、そんなにも眩しい!」
「たぶん、すげぇバカだから!」
その言葉を聞いたゾメガは、目を一度、キッチリと閉じてから、宣言する。
「オルゴレアムビースト/エニグマサタナエル:タイプ・ディザスター」
ゾメガの体から老いが消え、同時に迸るのはとてつもないオーラ。
【むにゃむにゃ、なんもやることねぇー……】