『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:楓舞星
side.平熱マン(ドーキガン・ザナルキア)
ムラハネさんですか?ムラハネさんは、そうですね……とても、おおらかで優しく、強い方だと思います。
ボクの几帳面的な性分にも理解を示してくれたり、様々な事でお世話になりました。師匠のお手合わせについていける唯一の人だとも思います。
残念ながら、ボクでは師匠のお手合わせに、もう既について行けなかった。師匠の存在値は999。この世界、第二アルファで最強の存在。
当たり前に最強……なはずなのに……
「極炎矢レベル15!」
「水矢レベル18」
師匠が出した火炎龍に、ムラハネさんはレベル18という異常なレベルの初等魔法で対応する。
「お前舐めてんのか!」
「舐めてないよ。ただーーーこれはメラゾーマではない。メラだ」
「それがやりたかっただけだよね!?というか火属性の魔法使ったの俺だよね!?このテンプレ厨が!」
ボクにはよくわからない、第一アルファ……日本と呼ばれる世界で流行っている読み物のセリフをどうやら引用するためだけに水矢を使ったらしい。そう言う、失礼ですが、たまにおかしな感性もしています。
ボクが平熱マンという名前に改名した時も、
「あ、平熱マンじゃん。元気にしてる平熱マン?やっぱ平熱マンだよね。それが1番だよ平熱マン、やっと平熱マンらしくなってきたって平熱マン」
そう言って、1番早くにボクの名前に適応したのもムラハネさんでした。
「今度は本気だよ?火炎龍レベル15」
「次はぜってえに負けねえ!水龍レベル15!」
師匠とムラハネさんが大技の撃ち合いをし始めた。相殺するか、属性関係で水龍が若干押すかと思われた時、
「なんでお前の魔法はそんなバカみたいに威力高えんだよぉぉ!!!」
「まあ、そういうスペシャルがあるからね」
「このバケモンがぁ!!!」
そう叫びながら、師匠は水龍に飲み込まれていった。いつもは格闘戦で決着がつくので、珍しい終演です。
ある日、突如として第二アルファから第九アルファまでを繋ぐゲートが現れました。全世界は混沌に包まれた。
『われわれはただ、世界の安寧をーーー』
『踏みとどまらなければならぬのだ。ここを超えられては、我が世界が、やつらの獣牙にーーー』
『殺せ、殺せ、殺せ!』
『世界の全てを我がモノにーーー』
『すべての王を代表し、朕は、皆に、世界間の危難を除去するため、最も気高き我が第5アルファに、全ての権限を委任する案をーーー』
『どいつもこいつもバカばっかりだ!』
『裏切りやがった、裏切りやがった、裏切りやがったーーー』
『未来を守るためだ! そのためならば、朕ちんはなんでもーーー』
『ただパンを分かち合うだけの事が、なぜ、貴様らはできんのかーーー』
『違う! 誤解だ! 朕は……私はただ、この戦争を止めようとーーー』
『とにかく話し合いの場をーーー』
『われわれは、もう戦争には介入しない。武力を用いるのは自衛の際のみとーーー』
『ああ、そうだ。血を流すのはもうやめよう。ここに全世界統一連合の設立をーーー』
全世界単位での戦争が引き起ころうとしていた……だが、そこで立ち上がったのが、全世界最強の師匠とムラハネさんだった。両者は二年ほどずっと不眠不休の休みなしで活動し、なんとか武で全世界を平定した。
圧倒的強者による全世界の平定を成し遂げたのです。
『この俺が、全世界の王になってやる。だから、お前らは黙ってついてこい。王の命令だ』
『私は……まあ、暴力装置2号ってことで』
ただ、それでも、こぼれ落ちていく命が存在した。それを掬い上げるために、各世界の有志たちが募って、ゼノリカという組織が誕生した。ボクとゾメガさんは、現在、そんなゼノリカの実質的なリーダー格を任されている。
そんな生まれたての組織ゼノリカですが、もう既に、師匠が考えた、二至天帝制度、九華制度、百済制度が存在しています。ですが、ここに扱いに困る人が1人いて……
まだ戦争の火種が残っているため、今は4年に一度、三至と師匠、そして戦争解決の立役者であるムラハネさんが会議に出席することになっています。
「なあ、お前もゼノリカに入らないか?」
「えー、でも、入る位置ないよー」
ムラハネさんはゼノリカに加入することに否定的な立ち位置を当初は立っていました。
「これから、三至の下に五聖命王っていう位を作ろうと思っている。此度の戦争で思った。お前ほどの実力者を野に放つのは凡人代表Sさんからしたらあまりにもったいねえ。だから、お前はそこに入れ」
そう師匠が言うと、ムラハネさんは尚更にと提案を否定しました。そうして、少し考えたあと、逆に冗談めかして提案しました。
「だったら、永久欠番って位を作ってくれるんだったらいいよ。私もゼノリカのことは好きだけど、関与する気は正直無いからさ。位の立ち位置は、陛下の一つ下で、三至の上...いや、陛下の裏にしようか。ジョーカー的立ち位置だったらカッコ良くね?どうよ?」
「ちっ、しゃーねえなぁ。いいぜ、作ってやろうじゃねえか」
「え、まじ?自分で言っててありえないんだけど……」
ムラハネさんは本当に目を丸くして言いました。ボクも、かなり驚きましたね。まさか、ボクにもう1人上司ができるなんて。
「口約束でも約束は約束だ。守れよ、永久欠番さま?」
「えっ、ちょっ、やっば……」
ムラハネさんは本当に焦った様な顔をしていました。珍しい光景だなとつい感想を漏らしてしまいます。
そうして、ゼノリカの層は更に厚くなりました。
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なんかガチで永久欠番っていう謎の立ち位置になったんだけど……
ヤバ目な原作ブレイク起こしちゃった……
私は己の発言を後悔しながら、家に転移した。家では、基本的に、時間が少し遅くなる限定空間を使って修行する日々を送っている。
そうやって、グリムアーツなどを一人練習しているのだ。
いずれ来る、バーチャ戦に備えて。
センが最終的に勝利することは知っているが、それでも、被害を出さない為にも私は参加するつもりである。あと、私ってこんななりして強くなるのも意外と目的としてあるからね。
これも、師匠のせいか……とかなんとか思っている。
今は、様々な能力のおかげでセンより強いものの、どうせ後からインフレしまくって置いていかれるんだから、本当に永久欠番なんて立ち位置は形骸化してしまうのだろうと思っている。
だが、自分も強くなって、できる限りインフレに抵抗する気ではいる。だから、ある意味ちょうどいいと言えるかもしれない。
「よーし。今日はあと『栄雅』10000回と『咲紅爛』10000回やるぞ」
そうして、私は日付が変わるまで、己のグリムアーツである、『栄雅』と『咲紅爛』を練習する。
ちなみに、『栄雅』は右ストレート、『咲紅爛』はハイキックである。決して、閃拳でも深淵閃風でもないのである。だが、『斬九』お前は駄目だ。
『斬九』は完全に、逆気閃拳のパクリなのである。嫌がらせの達人であった親戚の名前を借りてこの名前にしている。
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「っ!セン、大丈夫かっ!」
「ん?なんだムラハネか……近くにいたのか?」
「いや、ヤバそうな気を感じてきて転移してきた……それにしても、とんでもない呪い、業だね。」
「ああ……近くにいるだけで底冷えするようなとんでもない業だ。なんちゅうもんを召喚しちまったんだ、俺は」
「ころ……して……殺して……」
「さっきからコレしか言わねえしよぉ……メンヘラ召喚獣だぜ、これじゃあ」
ミシャは、自身で胸を掴みながら、全力で殺されたがっている。センはそれを見て、邪なオーラにあてられながらも毅然とした対応をとる。
「まず、お前は誰だ?どう言う存在だ?」
「私は……世界を滅ぼした邪神……ミシャンド・ラ。このままでは、この世界すら……滅ぼしてしまう」
「それはお前の意思でか?」
「ち、違う……体が勝手にしてしまうの……」
「なるほど……つまり、お前は先天的な能力に苦しめられた被害者な訳だ」
「そ、そうだけど!そ、そんな呑気なことを言っている場合じゃない!わ、私を制御できない!このままじゃ、世界が、またーーー」
「なるほどなぁ、大体は理解したぜ。呼び出したモノとしての知識もだんだんと固まってきた……さて、どうやって『処理』しようか……」
「あなたはとても大きな力を持っている……その力を使えばきっと、私を処理できる……」
「お目が高いねぇ。俺の力がわかるのか。それじゃあ始めるとしようかね」
センが『処理』しようとした時だった。
「まて、セン。私も参加していいか?」
「は?なんでだよ。これは召喚者たる俺の責務で……」
「嘘つけ。ただ女の子の前で色々カッコつけたいだけだろ」
「んな!お前に俺の何がわかんねん」
「私より『今の所』は弱い人」
「ぐぬぬぬぬぬ……」
「この案件は、『今の所』お前より強い私がやる」
『今の所』と強調しておく。どうせ後から私より強くなるんだから、ここで調子に乗るのは違うのである。
「ちっ、百歩譲って参加はさせてやる。だが、大部分は俺が持っていく。いいな?」
「おーけ。やっちゃおうか」
そんな会話を聞いていたミシャンド・ラ、略してミシャは、首を傾げながらも、
「ようやく……終われる」
そう言って、聞こえた気がする。
ーーーアイサレタカッタノーーー
それを聞いた私たちは、二人合わせて、
「逆気閃拳!」
「斬九!」
そうして、ミシャの呪いを完全に引き受けたのだった。大体分量としては、センと私、8対2程度で分けた、はずなのに……
「ぐわあああああああああああ!!!!!!!」
「これは、ヤバいな……うぎぎぎぎっ……」
どうして私の方が叫び声が大きいんでしょうかねぇ!私も、それなりに...というか、かなり絶望への抵抗値は高いはずなのに。
業に苦しみながらも、センのカッコつけたさと、絶望への根性に改めて驚く私であった。