『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:寺生まれのTさん
カミノの圧倒的な盤面制圧力も、この状況では何の意味も持たなかった。
なにせ、今の村羽センの存在値は8000兆に達している。普通に無理ゲーである。
それでも、カミノは、
「ヌルなら……真・神帝なら……変えられるかもしれない……なんせ、あいつは……『ソル』を奪い取った器……唯一、『勝利』に辿り着いた獣……ヌルが、本当の究極超神化8に届けば……世界は……たぶん、変わる……」
「大量の『強大な絶望エネルギー』を回収し、俺の創世神化もオプションに組み込めば……ヌルは、きっと、8に届く……8に届いたヌルは、きっと、俺達の……元主人公全員の悲願を、叶えてくれる……」
「かもなぁ!」
村羽センはカミノに圧倒的な武と存在値で攻撃を続行しながら、
「もしかしたら、そうかもねぇ!そうだったらいいねぇ!そうなったら素敵だねぇ!」
「全部、気ままに、ぶっ壊してぇ!その先に、新しい未来がまっている!いいねぇ!別に、絶対にないとは言わねぇよ!真・神帝が、世界を完全なものにする未来!いいねぇ!ありがたい話だ!めんどうごとを、全部背負ってくれるなんて、大した男だよ、真・神帝は!」
「けどよぉ!」
と、反転させるための接続詞を叫び、
「そうじゃなかったら、全部、灰と廃墟になって終わりだぜぇ!そうならねぇ可能性もあるけどよぉ!そっちの可能性の方が、ぶっちゃけ、高ぇと、俺は思ってんだわぁああ!根拠は勘だぁああ!それ以上でもそれ以下でもねぇ!けどなぁ!俺の『悪い予感』だけは、エグいほど頻繁にあたんだわぁ!外れたことも、もちろん、あっから、確定要素ではねぇけどよぉ!今回の悪い予感は、あたっている気がしてなんねぇんだわぁああ!」
「ーーーだから、てめぇを殺す。真・神帝も殺す。不安で仕方ねぇからっつぅ、バカみたいな理由で……ヤバそうな汚物を消毒させてもらう。文句は言わさねぇ。言ってもいいけど、聞く気はねぇ」
『閃光運命神化』vs『創世神化』
ファイッ!
__________
カミノは奮闘した。それはもう奮闘した。とてつもない数値さを前に、眼前に迫った脅威に全力を振り絞った。だがーーー
「たりねえよ、カミノ」
「……ああ、こんなの反則だ」
カミノのHPはミリ単位。もう死にふせる寸前。
だからーーー
「なあ、俺が世界を返してやると言ったらお前、ノるか?」
「はぁ?どう言う事だ?」
「……ちょっとずつ、チートパワーを溜めてきた。1000億年を積んできたのはお前だけじゃない。俺という概念のチートっぷりを甘く見るなよ、お前」
「だから、どう言うことだ?ベロひっぺはがすぞ」
「世界の再構築をした。お前に、お前の世界を返してやるよ」
「……ぁ?」
「ソルに選ばれた原初の調律者ーーー『紙野創蔵』の力をフル投入して、『真・神帝ヌル』に奪われた世界を再構築した。それも、お前が望む形に調整した上で」
「……」
「俺はお前の敵じゃない。敵という形になれば負けるから、そうではない形で、お前を排除すると決めた。『暗殺一家で虐待を受ける無能なガキ』という最悪の底辺で生まれ変わる前の『記憶』も全部返してやるよ。世界も記憶も、全部取り戻させてやる。……原初の創造主である俺によって、ちゃんと再構築された『正当なる理想の世界』で、幸せに生きていればいい」
「お前は、ウムルやヨグという、凶悪なアウターゴッドを、端から皆殺しにして、究極の領域に辿り着いた修羅。ウムルとの闘いで、お前は、自身の配下組織である『ゼノリカ』に命を注ぎ、そして、注ぎ返されたことで、絶対的精神的支柱の真の効果――の一部を発現させることに成功した。ヨグとの闘いで、完全勝利を果たし、最強の武器ヨグソードを手に入れ、王として完成した。――ヌルに邪魔されなかったら、お前は、最強かつ最高の王として、キレッキレに成長した最強の配下たちに囲まれて幸せなゴールにたどり着くはずだった。……その幸せなゴールを……お前に返す。俺はお前の敵じゃない。お前にとって最強の『あしながおじさん』だ」
そう言うと、カミノは、天に両手を掲げて、
「じゃあな、センエース。お前の顔は二度と見たくない」
「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、P99991002」
デバッグコマンドを入力して、
「 ーー[[ 《・『神のまにまに』・》 ]]ーー」
「くっ!!」
村羽センの視界が白く染まったーーー
「ーーーんな、こんなもんが、トゥルーエンドであってたまるか……俺は……絶対にーーー」
飢えた獣がドン引きするハングリーさで、センは、カミノにーーー世界に宣言する。
「俺は、俺のワガママを、必ず貫くぞぉお! ナメんな、ボケェええええええーーーー」
__________
時間は一気に飛んで、現在、私は究極の天才、田中・イス・トウシと会話中である。
センが『カミノプラン』によって、鍛え上げるのはよわっちいということで、地獄の拷問官田中トウシによりセンの5兆6000億年と200兆年物語が始まるのだ。
表の題目は、世界を滅ぼすシュブ=ニグラスを殺す事。裏は、田中トウシを殺す事。
そして、私をどう扱うのかをトウシは煮詰めているようだ。因みに、トウシには虚数アルファであったことのもう既に全てを話している。数多くのイジメから虚数トウシと組み、虚数蝉原を倒したことまで。私の中のトウシ像は虚数アルファの時にもう固まっている。彼は信用できる人間だ。
「お前はどうする?センの敵になるか、それとも個別に修行するか」
「トウシはどうしたらいいと思っているの?」
「敵となることを推奨する。お前がいかに鍛え上げられたと言っても、所詮はセンの介護があったからや。お前の今の素では、せいぜい100億年が限界やろう。いや、これでも、十分すごいんやけど、流石に力不足や」
「まあ、だね」
「やったら、センの敵となった方がええ。お前は前回でセンの双子やったんたろ?交流値は高いはずや。センの精神ダメージもそれなりに期待できる」
「そっか。それじゃあお願い。トウシ」
「本当にええんか?」
「……私のセンへの想いも、きっとアリア・ギアスとして昇華される。だったら、いい。あと私のスペシャル返して。記憶は引き継ぐ感じで」
「前者はええけど、後者は、お前どうする気なん?お前のスペシャルのお陰でコストは0で済むけど、記憶引き継いだところでメリットが……」
「センを何度殺したか、覚えておきたい。この想いも、きっとアリア・ギアスの補正が入るはず……私は女としては欠陥品だけど、人としては自分の能力を引き出して、出来る限り人道を歩むつもりなんだ」
「……そうか」
__________
【1周目】
「……うっ……」
涙を流した。
ボロボロと、あふれる涙をそのままにする
【10000周目】
「喜べ。今後、十席たちが、平とゾメガと、三姉妹と、九華を、召喚獣として、この戦いに呼べるようになる。あ、もちろん、超神化は出来るように調整しておいたから、役者不足ってことにはならんで。ほんまは、究極超神化状態になるよう調整したかったんやけど、色々とポイントがたりんくてなぁ。究極超神化に関しては、自力で覚醒してもらうことになった。ちなみに、お前に対する記憶は存在しない状態やから、お前を殺すことに、なんの躊躇もせんで。やったね、センちゃん。家族が総出で、殺しにくるよ」
【100000周目】
「……俺が死ぬ気で頑張った結果……配下から、『生理的に無理なゴキブリ』だと思われるようになった、と。すごいな。頑張る気力を根こそぎ奪ってくれる」
【1000000周目】
「てってれー。100万回目ボーナスとして、配下たちのコスモゾーンレリックがオメガバスティオン化できるようになりましたぁ!やったね、センちゃん。配下たちが、爆裂につよくなったよ」
【10000000周目】
「たたたーたーたー、たったたー。1000万回目ボーナスが解禁されましたぁ!1000万ボーナスは、『オーバードライブ・ゼノ・サイコジョーカー』モードの解放!やったね、センちゃん。ここからが本当の地獄だよっ」
【100000000周目】
「てぃらりらりん。1億回目ボーナスとして、『疑似サイコジョーカーソウルゲート・モード』が解禁されたよ。やったね、センちゃん。ここからが、本当の地獄だよ」
「……また、ヤバいことを言い出したな……サイコジョーカーと、ソウルゲートは『混ぜるな危険』の素養の中でもブッチギリで最高格だというのに。……いや、無理だって……一番マシなパターンの妄想でも、頭爆散するって……」
【?????????周目】
「お待ちかね。ハーレムモードの搭載や。お前の趣味嗜好を完璧におさえた美女を三人用意した。楽しんでくれ」
「……ああ、そういえば、まだ、来てなかったな……」
【??????????周目】
「さあ、ここからはコイツの出番や」
「あ?もう出てくる奴なんて......まさかっ!」
三次元に描かれた曲線的魔法陣は彼女を呼ぶ。
「セン兄…………ごめんね…………」
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「――/\**【【運 命 神 化 5】】**/\――」
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「ムラハネかよぉぉぉ!!!と、というか、憎悪に縛られてなくないか?」
「いや、これでも憎悪で縛ったんや。なのに掻い潜ってきおった。よほどお前との1000億年ランデブーが心に残ってたんやろうな。それとも、スペシャルが原因か……」
「…………」
「じゃあ、セン兄...いや、セン。いくよ」
「…………」
戦闘の最中、改めて、センは考える。ムラハネが自身にとってどんな存在なのかを。
最初に会った時は師匠の様なものだった。本人は頑なに、師匠ではないと言い張っていたが。バーチャ戦では、一緒に戦った。『仲間』として。アポロギス戦でもそうだった。誰よりも奮闘したのはムラハネだった。
そして、オメガ戦でも、チートを使われたとはいえ自身が負けた相手に、ムラハネは事実上勝利した。
レベル1地獄でも、双子として、今まで以上にムラハネのことを知れた。泣き虫で弱っちくて、とんでもなくビビりで、そのくせ、勇気を模ったみたいな目を時々していて、
ナイトメア・ソウルゲートでも、何度も泣きつかれたが、だが、俺が隠れて泣いている時、あいつは慰めたり……
自分もしんどいだろうに、他人を心配する姿が、どこか美しく思えたのも事実だった。
カミノ戦で何度もタイムリープを繰り返した時、ムラハネはずっとついてきた。俺を1人にしたくないと、そう言って、無比の献身をみせた。
……だから、何が言いたいかって?
ムラハネのグリムアーツが、俺の人間失格をぶち壊した。俺は死んだ。真っ赤な血を吐いて死んだ。また最大HPが減った。
何が言いたいかって……
「ムラハネ、愛してるぜ」
「……ありがとう。これで1回目……」
そう言って、ムラハネは俺の心臓を突き刺した。
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10回目
100回目
1000回目
10000回目
1000000回目
10000000回目
100000000回目
1000000000回目
10000000000回目
ムラハネはセンエースと時間を共にし、自らの罪を数える。
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260億回目。白い空間では、シューリと共に佇んでいた。配下達は血涙を流してセンに訴えている。
「シューリ姉さんは、いかなくていいの?」
「あいつがああ言うことをする大バカ野郎だってのは遥か昔から知っていた……だから、だから……」
シューリはそのあまりに高すぎるプライドから言いたそうにしていなかったが、それでも、センに近すぎ、
「もういい。あんたはよく頑張った。だから、もういい」
そういった。
「主上様、お願いします。あなた様の苦しむ姿をみるたびに、心が張り裂けそうで……」
「セン様。もう、やめてください。それ以上、壊れないで……」
アダムやミシャからも訴えかけられるセンエース。
そうして、ムラハネも近づいてきて、
「いま、何キルだと思う?」
「知らねえよ。ただでさえこっちは配下共の鬱陶しい訴えに耳をむりやり傾かせられてるんだからよぉ」
「2333455678キル。私、しっかり覚えてるから」
「きっも。なんでやねん。というかお前やっぱり記憶引き継いでたんだな」
「それが、私の罪だからね」
「罪だかなんだが知らないが、俺からしたらどうでもいい。と言うか、それ、ただの自己満足だろ。捨ててしまえ。そんなもの、俺が代わりにーーー」
「背負ってくれるのはありがたいけど、これは私の持ち物。強くなるために必要な作業でもある。センだけに苦しい思いはさせない」
「俺のセリフを奪うんじゃねえよ。俺はいま、圧倒的に強くなっている最中だ。お前が強くなる必要なんてない」
「この長い旅路で考えたんだ。自分の役割を。セン。センが負けた時、誰が責任をとるのかそれをずっと考えていた」
「だからね。もしもの時は私がセンの代わりになるよ。それが私の役目」
「この座はお前には荷が重すぎると思うが?」
「やってやるよ」
私は笑顔で返した。
「……」
……その笑顔にはどこか、陰に隠れたものがあるとセンは感じた。