『原作知識チート』と『異能力チート』で意図せず原作主人公の相棒になってしまう話 作:楓舞星
「え、ちょっと待って……まさか、ロープレみたいな展開じゃないよね? ラスボスは変身するものだけど……ははっ、流石に違うよね?もちろん、そうじゃないよね!?嘘だと言ってよ、バーニィ!!」
「強いな、センエース。……200億年……凄まじい数字だ。君の努力と底力には感嘆する。だが、無意味だ。勝てないよ、私には」
それからは、究極超神化5のセンと究極超神化6の私がアポロギスの相手をすることになった。
私は、時間がなるべく遅くなる空間で、アポロギス相手に時間稼ぎを決行する。
「セン!なんとかなさい!」
「いや、なんとかもクソもないだろうこんな展開じゃああ!!アイツの存在値19兆だぞ!イカれてる!勝てるわけがない!出来るわけがない!」
「お前はこれから出来るわけがないという台詞を4回だけ言っていい」
「テンプレ乙ぅぅ!!!」
そう言いながら、私とセンは同時にアポロギスの胸元にパンチをぶち込む。
「閃拳!」
「栄雅!」
私のは『タイジするシガナイ運命』でバリバリに補正がかかっており、センの閃拳も戦闘力の向上によりキレが増しているため、普通に、
「ぐふっ!」
ダメージが通る。
だが、すぐに再生ボタンで巻き戻すかの如く、再生される。
そうして、この空間すら破壊されてしまう。
「ぐっっ!!」
センは空間が破壊されたと同時に、シューリの元にぶん投げられていた。
私の究極超神化6もあと数十秒程度...なんとかしないと。この高次元戦闘では、最早コンマ1秒が永遠の意味をもつ。だから、数十秒といってもかなりの時間があるといえる訳だが……それでも、早めに決着をつけないとまずいだろう。
そう思いながら、善戦している時だった。覚悟を決めたような顔をしているセンが戦場に復帰した。
そうして、アポロギスとセン、私は武を交わし合ってゆく。私はまだ数値差が少ないからどうにか対抗出来ているが、センはどんどん数値差で削られていく。その間際、アポロギスは言う。
「センエース……君は本当にすごかったよ。本当に……君は別格のヒーローだ。200億年を積んだ……ただ、運命は変えられなかったという、それだけの話。君がいくらすごくても、そんなもの、定められた運命の前では無意味」
アポロギスは苦しそうに天を仰いで、そして、
「そう、無駄なんだよ。センエース、ムラハネ。君達が何をしても。私は死ねない。ずっと苦しみ続ける。そういうものなんだ。それが運命。それが真の絶望。君達は死ぬ。運命は変わらない。センエース。君ならば、もしかしたら、そう思ったけれど……やっぱり、無理だった。この絶望だけは終わらない。私はーーー」
「うっせぇ、ぼけぇ!!って何回言わせんだよ、どいつもこいつもぉおお!」
「私は言ってないよ!」
「テメェは別の意味でうっせええええ!!!」
そうして、戦闘を続けて私より先に満身創痍となったセン。だが、ここで、私は『運命』をセンに結びつける。
「...バーチャの時と同じ感覚...ムラハネ、またお前か?」
「イエスマム!」
「...ありがとよ...コレで少し、高く飛べる...」
「......俺は、センエース。全ての神を超える男だ。運命に縛られた究極超邪神だかなんだかしらねぇが……その程度の絶望で、俺を止められるなんて夢みてんじゃねぇ」
『究極超神化6』
さあて、主役の反逆といこうか。
「……辿り着いたぜ……究極超神化6……」
「……ヒーロー見参」
私は、やはり主人公はセンなんだと理解した。私みたいに、よくわからない能力をもってる人間ではないのに、それでも頑張って、挫けない彼の姿は、とても好きだった。まあ今回は要らぬ助けだったかな?
「この日のために、ソウルゲートの中で、コツコツと創ってきた牢獄用のアルファ……全部で23000」
「その全てを超速圧縮させて、お前を止める」
「私も、参加させてもらっていい?」
「...ああ、いいぞ」
「サンキューセン」
究極超神化6を使った私たちは同時に、
「「――【弧虚炉 天螺 終焉加速】――」」
技を発動し、アポロギスの動きを封じ込めた。そして、私の『セ・ラ・ヴィ因果論』でデバフを与える。このデバフで、アポロギスの防御力をぺらっぺらにした。
「セン、やっちゃって」
「これなら……勝てる!いけるぞ、センエース!君は!君達なら!私を殺せる!!!」
アポロギスは興奮気味に言う。だが、センはそれに答えない。だが、一方的な言葉だけを発する。
「殺すだけじゃ足りねぇだろ」
「?」
アポロギスが困惑する。一体どういうことだと。死以外の救済などないと、心の底から思っている様子で。
「くれてやるよ。俺の可能性。俺だって神の一柱だ。転生系のスキルが得意なわけじゃねぇが、命を削れば、出来なくはないはずだ。それに、一度言ってみたかったんだよ、このセリフ」
「……」
「おめぇはすげぇよ。たったひとりで、よくがんばった。今度はいいヤツに生まれ変われよ。一対一で勝負してぇ」
「……ど、どうして……」
「あん?」
「なぜ、私に慈悲をーーー」
「慈悲なんかじゃねぇよ。ただ、お前の強さに惚れただけだ」
「……っ!」
「すごかったぜ、マジでな。ここまでの憧れを抱いたことはねぇ。シューリとソンキー、ムラハネなんかも知った時、大概、焦がれたが、てめぇの大きさはそれ以上だった。震えたぜ」
「……」
「深層の上位神全員で挑んでも殆どが秒殺。200億年積んでもまだ勝てねぇ。究極超神化6になっても、それでも数字上では負けている。ーーーそんなすげぇやつを、ただ死なせて失うのは、普通に、あまりにも、もったいねぇだろ。何もおかしくねぇ。普通の感性さ。俺は、結局のところ、どこまでいっても凡人なんでね」
「凡人……究極超邪神を倒せる凡人など、いていいはずがない」
「別にいてもいいだろ。ただの凡人でも……ヒーローになれる。世界を救える。そういうバグったことも平気でおこる。だから世界は面白い。……と言えなくもない気がしないでもない」
「……」
「べつに『いい奴』じゃなくてもいいが、とりあえず、余計な枷のない『自由な生命』に生まれ変われよ。転生なんざ、どこの凡人にも起こりえる平凡な概念さ。すでに何十回も経験している俺が言うんだから間違いねぇ――くだらねぇ縛りは全部外してやるよ。運命なんか知ったことか。俺のワガママを邪魔するなら、いつだって、もれなく皆殺しにしてやる」
「……」
「じゃあな、アポロギス。また、どっかで会おうぜ」
センは、すべての魔力とオーラを拳に込める。
「――虹を集めた虚空。玲瓏な蒼穹。幻想の戒光かいこう。貫くような銀河を見上げ、煌めく明日を奪い取る。さあ、詠おう。詠おうじゃないか。たゆたう銀河を彩いろどりし、オボロゲな杯を献じながら。――俺は、センエース。神威の桜華を背負い舞う閃光!」
「ーー裏閃流究極超神技、龍閃崩拳ーー」
アポロギスは、その『運命』から、とうとう解放されたのであった。
__________
それからは、いろいろあった。シューリのシェンロンムーブ
(さあ、願いを言うがいい。どんな願いでも、一つだけ叶えてやろう→ あ、じゃあ、俺に何かあったとき、姉貴、ゼノリカのことおなしゃす)
をかましている所をビデオ撮影したり、センとソンキーの争いに混じって私も乱入したり、とにかく色々していた。
まあかと言ってこれということもなく、私はカンストした今でも、なんだかんだ弛まず修行を続けている。そうして、
「あれ、もしかして今の究極超神序列二位って私?」
そう、毎日ソンキーと戦うものの大体勝てるのだ。だから...
「ああ、癪に触るが、おそらくそうだろうな」
ソンキーも同意らしい。
なんか私、究極超神序列二位だってさ。特になんもしてないんだけどなぁ......でも、これからもインフレし続ける訳だし、どうせどっかで置いていかれるでしょう。
今は束の間の二位を楽しんでおこう。
ああ、そういえば、シューリとの仲は実の所、結構良かったりする。私がセンのことを恋愛対象として見ていたらまた違っただろうけど、シューリは、私がセンに恋愛的には何も思っていないことに気づけないほど、目は節穴ではないのだ。
私は、見る目がない女なので、別にセンにどうこうは思ったりしていない。ここら辺は、ずっと一貫してそう。
_______
3000年ぐらいが経った。30回ぐらい死んで転生した。とうとう、あの時がくる。
センの世界にて、私達は会話をする。
「セン、自爆するんだってね」
「ああ、シューリにもゼノリカの引き継ぎは任せてある。だから心配はいらねえ。華々しく散れる」
「絶死のアリア・ギアスでも死ななかった君が死ねるかな?」
「さあな。だが、俺は俺が死ぬ事を諦めない」
そう言う彼の背中はどこか疲れていて、
「...飽きちゃったんだね」
「なにがだよ」
「世界に」
「......」
「...セン、諦めてるお前なんて似合ってないよ」
「...はっ!お前に俺の何がわかってるって言うんだよ!」
「そんな調子で、諦観して、悟ってる気になってるくだんないジジイ」
「......言うねえ、言っちゃいけない一線超えたねぇ。俺ほど頑張った人間はいないと断言できるね!」
「うん。そうだね」
「んだよ、やけに素直じゃねえか」
「まあ、一応、これから、故人になる予定の人だしね?」
「お前も俺の無限転生の事信用してるのかよ...」
「いや、私が信用してるのは無限転生なんてチャチなもんじゃないよ」
私はセンの胸を叩く。
「『