カーネイジ転生、なお、スパイディはペニー・パーカーとする 作:鴉の子
書き溜めがないです、助けてください。
それはそれとして、年齢が17歳だったのをMCUに合わせてこの時点で15歳と修正しました。
あとビジュアルは闘魂版だし、CVは高橋○依です。
クレタスくんはノッブ。
さて、翌日のこと。
自警活動は終わり、インターネットでは何やら『新たなヒーローの誕生か!?』『スパイダーマンの友人? ヒーローか、それともヴィランなのか!』などと好き放題書かれている。
ヒーローでもヴィランでもないから、ただのケバブ屋さんだから。最近タコスも売ってるけど。
「ねぇ、これクレタスさんでしょ!」
さて、そんなこんなで夕方の学校帰り、買い食いのケバブサンドを頬張りながら俺にスマホを見せてくれるのは、ペニー・パーカー。おっ、かなりいいスマホだ。いいな、俺も欲しい。
「なんのことやら、あ、ポテトおまけね」
「わ、ありがとうございます! じゃなくて!」
ふりふりと頭を振って怒っている、ぷんすかという擬音が似合っている。前髪が揺れて、左目が覗く、うん、やっぱり可愛いなこの子。
「まぁ、俺だよ。うん、難しいねぇこういうの」
「危ないからやめてください! あと相手の人に怪我させちゃダメです!」
「うん、俺もそう思う」
いやぁ、思ったより強くてびっくりしちゃったよね。
『ふふん、強いでしょう』
「ダリアさんも!! やりすぎ!」
ぴょこぴょこ動いている姿からは、メカスーツを着て強盗捕まえたり、人助けしてる姿からは程遠い。
「……まぁ、でも、ありがとうございます? 私のためになんか、宣伝してたみたいだし」
「宣伝というか……事実? 友達でしょ、俺たち」
俺も自分の分の昼飯を食べながら、店先のベンチで駄弁っているし、まぁ友達だろう。
「友達……? 友達」
「友達、年上のお兄さんの友達はダメ?」
ぽかんとした顔をしている少女の頬についたソースをナプキンで拭いてやる。うん、やっぱり、そういう顔をしている時が一番いい。
「……だめじゃないです」
おや、顔が赤い。
「風邪?」
「だ、だだだだ大丈夫です! 元気!」
「そう」
『私も友達』
にゅっとダリアが現れる、忘れられて若干不貞腐れているようだ。
「忘れてないよ!」
『ペニーにはお詫びにチョコレートを貰う』
ひょいっとペニーのポケットに入ったマーブルチョコを勝手に奪ってパクパクと食べ始める。やはりチョコレートが好物らしい。
「あーっ私の!」
人がいるのにいいのかって? なんかスタークさんからやんわり見えなくなる、というかオウムとかに見える光学迷彩発生器みたいなの貰ったから平気だ。ちなみに料理屋なのを気を遣ってくれたのか、ネックレス型だった。
……多分発信機とか付いてんだろうなぁと思うけど、まぁ、それは親心だろう、見なかったことにしておこう。
「……それで、最近順調?」
「いやー……全然、人助けは……出来てるけど」
「バルチャーの方は全然、か」
「うん、次の犯行予定の場所はわかったんだけど……遠くて」
「どんくらい先なんだ?」
「わ、ワシントンD.C.……」
「…………ふーむ、いつ向かうんだ?」
「あ、明後日……」
明後日、明後日かぁ。車で4時間、飛ばせばもう少しって感じか、学生には若干大変な距離だ。
「あ! でも、学力大会があって、それに出るの!」
「……あー……? アレ? あのタワー見学やるやつ?」
「知ってるの?」
「え、俺も出たもん」
「…………えっ」
あ、驚いてる。誰にも言ってなかったっけ、調べたら出てきてそうなもんだけど。
「先輩!?!?!?」
「ホームカミングにもウチの店出るのに、ゲストで」
「…………」
あ、止まった。なんか顔が真っ赤になってプルプル震え始めた。かわいいな。
「……先輩!!!」
「クレタスでいいよ、早期卒業しちゃったし」
「いや!!! 先輩に頼みが!! 一緒に出て!」
「……えー」
ホームカミングのことだよねぇ、流石に同級生とか、好きな子と行った方がいいんじゃない? と思うものの……奥手そうだもんなぁ、とりあえずの相手としてならまぁ、丁度いいかも。
「好きな子とかいないの?」
「い、いやぁ……ネッドは友達だけど……恋愛的な意味かと言われると違う気もするし……」
なんと、話を聞く限り愛嬌あっていい子っぽいのに。あれか、あんまりにダチすぎるとそういう目で見れなくなるというやつなのか。
「いいよ、はい約束」
小指を出す、約束と言えば、やっぱりこれだと思う。
「……えっと、えいっ」
小指が絡む、少し、自信より高い体温が指先から伝わる。それが、少しこそばゆい。
────約束よ、クレタス。あなたもきっと、大事な人ができたらやってあげてね。
破ったら、ちゃんと相手に指はあげるのよ。
「……えっと?」
「ん、はい、約束。スーツでも仕立ててこようかな」
楽しみだ、掛け値なしに。来てくれる友達は多いけど、卒業生としてはあんまり学生に絡むのもなと肉売りと記念写真botになるのがここ2年くらいのホームカミング出店だったから。
『…………未成年とダンス』
思考の中からダリアが話しかけてくる、しかも若干気にしてることを指摘という形で。
「なんだよ」
『疑問、これで不快感を抱いた時点で心当たりがあるのはクレタス』
「あーいいのかーそういうこと言って〜ご飯にいれるフェネチルアミン減らすぞお前」
ちなみにシンビオートの主食は最近は食品添加物として普通に買えるのだ、キロ単位で。業者とツテがある職業で良かったと思う本当に。
『非道、人権を侵害する行い』
「人じゃな……いや融合してるし人か……」
『ん、よくわかっている』
ダリアとの会話をしながら、ペニーの様子を眺める。耳がちょっと赤い、この前もそうだったけど、多分、風邪とかじゃなくて照れているらしい。
うん、まぁ、このくらいの年頃ならよくあることだろう。男の子をこういうイベントに誘うって恥ずかしいよね!
「安心しな、全力でエスコートしよう! 経験者だし!」
「せんぱ……クレタスさんはどうしたんですか? 当時?」
「え、その辺の女の子に花束渡して一緒に行ったけど」
「参考にならない!」
わかる、俺もなんで行けたのかいまだによくわかってない。その子は今でもたまにケバブ買いに来てくれる。
「参考はもういらないんじゃない?」
「あ、確かに」
「楽しみだな、かわいいドレス姿。期待して待ってる」
ぽんと肩を叩いて、背伸びをして店へと戻る。もうそろそろしたら少し早めに夕飯を買いにくるお客さんがやってくる時間だ。
「それじゃ、また
「はわ」
かわいいって言われた。
かわいい?
どうしよう! 人生で言われたことない!
中学からずっとオタクだったし……友達はいたけど、いわゆるそういうことを言ってくる同世代の男の子はいなかった。
やっぱり年上の余裕なのかな……いや、いやいやいや、お世辞だって、浮かれるなペニー・パーカー。
私15だよ!? 7歳も年下にまさか手を出すわけないだろうし……いやいやいやいや変なこと考えるな私!
「おばさん!!!! 年上の男の子にかわいいって言われた!!!!」
とりあえず全力でタイピングしてメイおばさんにメッセージを送る。
『やめときなさい、碌な男じゃないわ』
「そんな人じゃないよ!!」
『尚更ダメよ』
ダメだ、普段あんなに頼りになるのに、他に相談できそうな人……
……ハッピー……いやでも、急にそんな相談されたら困るだろうし……
……ダメ元でスタークさんに聞いたらアドバイスくるかな、経験豊富そうだし。
ピロン。
あ、返信が来た。
『誰に言われた?』
「クレタスさん」
…………既読がついたのに返信が来ない。3分して、ようやく返信。
『しばらく会うのをやめろ、これは命令だ』
『それと、7歳年下を口説く男に騙されるようではこれからヒーローは……』
びっくりするくらい長いボイスメッセージが送られてきたんですけど。
「ばーか! そんな人じゃないもん! トニーのばか!」
思わずボイスメッセージを送ったら返ってこなくなっちゃった。
…………ちょっと言いすぎたかも、ごめんなさいだけ送っておこ。
「F.R.I.D.A.Y.スーツの用意」
『ボス、パーティ中です』
「教え子が悪い男に引っかかりそうな瀬戸際なんだぞ……!」
『……30分後のスピーチの前にお戻りください』
「わかった」
飛来するマーク47スーツを装着して、おそらくその言葉をかけたであろう男の元へと向かう。とりあえずボコる、という強い意志を込めて音速を超えて空を駆ける。
「……まだなんかチャットしてる。そろそろ暗くなるから帰った方がいいって言った方がいいよなぁ」
『疑問、彼女を害せる存在はNYには殆どいない』
「それでも、女の子が遅くまで外を出てると嫌なこともあるからな」
『理解、では私から……』
ダリアが行動を停止する。……あたりに人がいない、おかしい、この時間帯ならまだ数人はいるはずだ。
そして、世界がスローモーションになる。危険が迫る、という感覚。ああ、これは多分、彼女が知っている感覚と同じだ。
咄嗟に、全身を変化させたのち、キッチンカーから飛び出す。
上空へと刃と化した腕を全力で振るえば、降り注ぐのは熱線が数発。硬化した刃でなんとか弾き返すが……
『ぐうっ……!』
「いってえ……! 大丈夫か!」
『
「どうしようもないアドバイスどうも……!」
一体何が襲いかかってきたのか、一体どこかの政府の刺客…………ん?
「うちのかわいい教え子に手を出そうとしたそうだな!」
「誤解ですけど!?」
怒り心頭のアイアンマンがそこにいる。
え?
めっちゃレーザーのチャージ音してますけどそれ死にますけど?
……殺される前にぶちのめすしかねぇ!
「冤罪で死んで堪るかぁ!」
「何が冤罪だ! 『楽しみだ、かわいいドレス姿』なんてあの年頃の子に言うなんて毒と同じだぞ!」
「プレイボーイに言われたくないんですけど!?」
多少理性が働いてるのか、レーザーは発射されないが大量に降り注ぐリパルサー・レイを腕の刃と、無数に生やした触腕で弾く、弾く、弾く。
「しぶといな……!」
「しぶといなっていったぞこいつ!」
なんて野郎だ、段々本気でムカついてきたぞ。ぶっ殺してやろうかマジで。
『感情が増幅している、やるか?』
「殺さない程度に、ぶっ殺す」
『肯定、やろう』
全身が、膨れ上がる。筋繊維のように、各種を効率よく動かす形へと変貌していく。
そして、眼前の高速飛行物体を視認できるように、頭部に眼球を八つ増設、同時に全身に死角を消すために十二箇所配置。
「GIAAAAAAAAAAAA!!!」
空中を飛び回るアイアンマンの四肢を狙って、無数の触腕を伸ばす。同時に、周辺のビルへと触腕を伸ばし、立体的に飛び上がり、追いかける。
「────!」
その光景に迷わずアイアンマンはマイクロミサイルを発射、流石の判断力だが。
「『効くかよ……!』」
ミサイル軌道の隙間を、流体のように体を変化させて通り抜ける!
「くたばれモンスターペアレント!!!」
触腕を一気に縮め、その分の質量を腕部のブレードへ変換。密度と鋭さを増した一撃を振り下ろす!
「誰がモンスターペアレントだ!」
それに対してスーツの胸部から、ブレードへと向かって強烈な熱線、ユニ・ビームが放たれる。熱を弱点とする我々が無防備に食らえば強烈な一撃となるが、こちとら硬質化した刃である、タダで負けるか。
……負けないよね?
『悲報、15秒後には腕部刃が崩壊する。痛い』
「じゃあこうだ!」
そっちに出力を回している間に、自分自身を守っている分を使って触腕を伸ばし、アイアンマンへと攻撃を仕掛ける。先端の硬化した鋭い槍が、姿勢を支える脚部ブラスターへと突き刺さる!
「ぐぁっ……!?」
「どっせーい!!」
腕部の変形を解除、目の前のブリキ野郎の顔面を掴んで、地面へと触腕を伸ばし、固定、思い切り引くことで地面に叩きつけ……
「ちょちょちょちょっと──ッ!!!!! やめて──!!?」
着弾地点にはアーマーを着てこちらを止めようとするペニー。
「あっバカっ! 危ない!!」
そう叫んだ時にはもう遅く。落下する先には大量のウェブが貼られ、その先にぐるぐると回転しながら落下し……
「キャッチ──ッうわっダメだっ失敗!」
がしゃん! と音を立てて転がって、ペニーに捕まえられた。おそらくは、その際に二人で蜘蛛糸に絡まりながら複雑怪奇に絡まったらしい。
とりあえず、スペースを開けるためにダリアを体内にしまって、今の体勢を確かめるために手を伸ばす。
ふにゅん。
ふにゅん?
目の前には、綺麗な、そう、黄金色の瞳、桜色の唇が目に入って。そして、左手には柔らかい感触。
「──────わ、わ、わ、は」
「…………ごめん!!!!!」
ペニーの胸に左手が当たっていたので、離す。全身全霊で謝りたいが、蜘蛛の巣の中で、抱き合うような体勢で転がっているのでそれも難しい。
とりあえず全力で身体を離してスペースを維持する。
「な、な、なんでスタークさんと喧嘩してるの!?」
顔を真っ赤にして俺にそう言ってくるが、そんなこと言われても困る。
「勝手に襲いかかってきたんだもん!」
「君が悪い男に騙されそうだからだ!!! 離れろ!」
あ、ちょっと離れたところで絡まってる、リパルサーを使えばすぐにでも脱出出来そうだが。
「先輩は悪い人じゃないです!」
「悪い男はいつもそう思わせるんだ!」
「えーい! 全然認めてくれないし! バルチャーの話も聞いてくれないのに! クレタスさんと喧嘩するし! 嫌いです!」
「なっ」
あっバカ、そういうこと言ったら本気で傷つくのがああいう立場の大人なんだぞ! シスターとかそれでたまに本気で泣いてたぞ!
「ペニー、簡単にそんなこと言っちゃダメだ。多分、本当に、傍迷惑だけど、お前のこと思って言ってるし」
「いーや、今日という今日は怒った! 帰ります!」
「「えっ」」
糸は?
「今回の配合は15分もしたら溶けるやつなので、それまでそこにいてください! ごめんなさい!」
謝るんだ……いい子だな……
「……あんたのせいだからな」
「いーや、君のせいだ」
いつのまにかマスクを外してこちらを見ている。
「……せめてあと三年待ちなさい」
「人のことをなんだと思っている?」
「エイリアンに寄生された、チャラチャラした男だな。腹から成体でも産むか?」
『失敬、あんな意地汚い生物と同じにしないでほしい』
「……実際喋るのを見ると、少し怖いな」
「いいやつだぞ、あんまり心配しないでくれ。発信機と盗聴器も付けてるだろ」
「……困ったら連絡しなさい。あの子の先輩というなら、少しは認めてやる」
「急な心変わり」
「…………思ったより好青年だったからな、今のでわかる。そういう男としてもな」
「そりゃあ、どうも?」
「……だが、私の目が黒いうちはそういうことは許さないからな」
かしゃかしゃと各部からスラスターを吹いて、その熱で糸を断ち切りながら、アイアンマンは上空へと飛んでいく。
「……手伝ってくれるのはいいが、あまり危険なことに首を突っ込むようなら、窘められるか? 私からだと、どうもな」
「ん、やりますよ。ああ、あと」
「なんだ?」
「今度、食べにきてくださいよ、アーマー着ててもいいけど」
「……ふむ、チーズケバブはあるか?」
「勿論!」
次回、vsバルチャー戦と、ネッドと出会う。