戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を爆乳に育てたい〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
秋になり、今年も米の収穫時期がやってきた。
「相変わらず生産性が悪い……」
米の植え方は乱雑。
水の管理も雑。
現代の米農家にやる気あるのかって怒られるような育て方をしている。
今まで、米とかの重要な作物についての育て方については両親のプライドとかもあるから関与してこなかったけど、ここまで発言力を高めた俺なら……いけるか?
「とりあえず紙を買ってきて、農業書を作るところから始めよう。俺が筆者でも、本に書いてあったって言えば納得してくれる家もあるだろうし……うちの田んぼでやりたいけど、小川から田んぼに水引くの難しいから……乾田をやるのには向かないんだよな」
現代で主に行われているのが乾田と言われる方法。
最初に水を入れて、夏頃に水を抜いて田んぼを乾燥させるから乾田である。
地面がずっと湿っている状態でやる湿田という方法もあるが、これは日本の気候……特に戦国時代の寒い気候だと米の発育が悪くなるのでやらない方が良い。
九州とか暖かい地域や東南アジアの国々とかは湿田で良いのだが……。
今うちの田んぼ……というか畑でやっているのは陸田と呼ばれる方法で、田んぼみたいに水を引かないで畑で米を育てる方法である。
生産効率は正直悪い。
乾田と比べると半分くらいしか収穫量は無いし、手間を考えたら別の作物を育てた方がいいくらいであるが、変なところで頭が固い父さんは畑仕事に関しては俺の言うことをなかなか聞いてくれない。
母さんは芋羊羹工房の管理で忙しいし……。
「この時代に現代品種の米と現代に近い農法を使えばどれぐらい米が収穫できるか試したいんだけど……」
どこかで試せる場所は無いかな?
そんなことを考えながら、収穫作業を手伝い、今の収穫作業に関しての不満点を纏めていくのだった。
「じゃあ私出陣してくるね! 活躍して感状貰ってくるから!」
収穫作業が終わった翌週、領主から兵の召集があり、萌衣姉さんが出陣することに。
俺は萌衣姉さんに死んで欲しくないので、幾つかアイテムを渡しておいた。
まず焼酎。
ネット通販でなるべく度数の高いのをピックアップして、500ミリリットルのペットボトルに移し替えて、渡しておいた。
「矢傷とか切り傷とか……とにかく怪我をしたらこの液体をかけて傷口を洗って」
「これも神様の道具?」
「神様の酒。絶対飲まないで、意識飛ぶから。飲むとしても戦が終わってからにして」
「んー了解」
それから携帯食料の乾パンに塩分補給用の干し梅、あとは傷口が膿みにくくなる漢方薬と解熱剤を少々。
抗生物質はネット通販では買えなかった。
材料は買えるからペニシリンとかは寒天の技術あるし作っても良いかも。
とにかく現状で怪我した時に膿んで死ぬ確率をできるだけ下げるのだった。
「心配性だね……まぁ織田信秀様は戦上手だし、今回も勝てるでしょ!」
そんなことを言いながら萌衣姉さんは茂部さんや散華さんとかと一緒に村から20人くらいで出陣するのだった。
2週間後にボロボロになった萌衣姉達が帰ってきた。
行きは20人居たのに、帰ってきたのは16人。
4人少なかった。
「「「萌衣姉さん」」」
「いやぁ……参った参った……」
萌衣姉さんは彼女のお母さんを支えながら歩いていき、その日のうちに戦没者の葬儀が和尚を呼んで始まる。
一通り供養とかが終わってから、俺と日吉丸、虎丸の3人でお見舞いの品を持って萌衣姉さんの家に行くと、萌衣姉さんが彼女のお母さん介抱をしていた。
「母さん足に矢を受けてしまってね、足軽としてはもう戦力にならないって」
「そうですか……」
でもと萌衣姉さんは俺が渡した治療道具を使ってお母さんに応急処置をしたら、傷口が膿むこともなく、多少熱が出たけど、死ぬことは無かったと喜んでいた。
戦自体は負け戦で織田信秀様率いる織田軍が斎藤道三のいる美濃国に攻めたのだが、完敗してしまったらしい。
萌衣姉さんのお母さんも撤退時に傷を受けたらしい。
ただ萌衣姉さん自身は撤退戦で領主が危ないところを守ったのと、敵の侍4人の首を討ち取った功績で、足軽組頭に昇進。
母親がこの状態なので、領主様から時期を見て足軽大将に将来昇進させること、褒美に良質な槍1本と田畑の作り勝手の許可を貰っていた。
「田畑作り勝手って何ですか?」
「ふふん、それはねぇ」
言ってしまうと、自分で新しく開墾した土地は自分の物にしても良い……という利権だ。
「すごいじゃんか! 開墾すれば自分の土地が持てるって」
「これがあることが、言ってしまうと武士として認められる見たいなものだからね!」
それにと萌衣姉さんは足軽組頭に成れたから部下を持つことが許される。
「養うことはまだできないけど、烏丸、日吉丸、それに虎丸。私の部下として武士を始めてみないか?」
「なるなる!」
「萌衣姉さんの下で私頑張るよ!」
「頑張るでーす!」
というわけで、萌衣姉さんとは許嫁の関係だけど、俺は結婚するまでは部下……という立場になるのだった。
「散華さんも萌衣姉さんの部下になったんだ」
「ええ、茂部さんの下に居れば出世できるってあの撤退戦で思ったのよ!」
散華さんの実家は豪農だけど、次女だから実家を継ぐこともできないし、食うには困らないけど、惰性で生きるのは嫌だからと萌衣姉さんの部下になることを決めたのだとか。
それに萌衣姉さんの戦での活躍を間近で見ていたので語ってくれた。
彼女曰く、萌衣姉さんは迫りくる敵兵に豪速球の投擲で怯ませた瞬間に横一線で一気に2人も首を刎ねて、領主様に取り付いていた敵の侍も後からザクッと刺殺して、領主様を逃がし、撤退の最中にも茂部さん(萌衣姉さんのお母さん)が怪我して逃げ遅れるところを颯爽と駆けつけて、殺そうとしていた侍を殺して救い出したのだとか。
他にも萌衣姉さんに救われた村人は多く、
「そうじゃなかったら私も死んでいましたわ!」
流石萌衣姉さん。
プロテイン摂取していただけある。
というわけで萌衣姉さんの部下は俺、日吉丸、虎丸、散華の4人に。
なので俺も働くことになったのでガキ大将卒業。
俺の後任のガキ大将は熊吉になった。
「一応下人とはいえ働くのだから元服は済ませてしまおう」
「「「おー」」」
元服していなかった俺、日吉丸、虎丸の3人は萌衣姉さんの号令で元服をすることに。
本来元服する時は主から名前を貰ったりするらしいけど、萌衣姉さんは偉いわけじゃないから自分で名前を考えて良いよって言われ、日吉丸と虎丸の2人は俺に名前を付けて欲しいって言われてしまった。
日吉丸は直ぐに決まった。
「じゃあ日吉丸は秀吉ね」
「秀吉! いい名前! ありがとう烏丸!」
「どういたしまして」
まぁ秀吉は秀吉だからな。
問題は虎丸の方。
「虎丸はカッコいい名前とか可愛い名前とか希望はある?」
「うーん、幼名の虎が気に入っているから虎は残したいでーす!」
「なるほど」
虎……虎……輝虎は上杉謙信だもんな。
「うん、美しいに虎で美虎(みこと)なんてどうだろうか」
「美虎……いい響きでーす!」
というわけで虎丸は美虎に名前が変わる。
一方俺の名前は難儀した。
しっくりくる名前が思いつかなかったので、関わりある和尚にお願いして名前を付けてもらうことに。
「ふむ……縁起の良い名前……で烏丸の才能を示せる様な名前がよいな……となれば温めていた名前があるぞ」
「本当ですか!」
「中華の始皇帝の名前が嬴政(えいせい)と言う。これにあやかり、英聖と名乗るのはどうだろうか?」
英聖……結構カッコいい名前じゃないだろうか?
「英聖……カッコいい!」
「カッコいい名前でーす!」
「よし! じゃあ俺はこれから英聖だ! 元服して英聖と名乗るぞ!」
というわけで俺が萌衣姉さんと結婚したら茂部烏丸英聖って名前になるのかな?
とにかく英聖という新しい名前を手に入れて、元服をするのだった。