戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ふむふむ……なるほど」
「英聖、また異国の書物読んでるの?」
「ああ、秀吉か。神様にお願いしたら農書をくれたから、それで新しく育てる作物について調べていたんだ」
「そうなんだ」
食のバリエーションは多ければ多い方が良い。
1つの作物が不作でも、他は豊作とか普通にあり得るし。
それに野菜とかは領地で消費するだけでなく、町でも売れるので、金策としても優れている。
とりあえず収穫量が多く、飢えを無くす意味でサツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、金策面で菜種を早めに栽培し始めたが、余裕ができたことだし、もっと色々な作物を育ててみようと思ったのである。
「どんな作物の育て方が載っているの?」
「うーん、見知ったやつだと冬瓜とか」
「冬瓜……あの大きめの瓜みたいなやつね。偶に作ってるところがある」
冬瓜は平安時代の書物に出てくるくらい歴史ある野菜で、夏に収穫したら、納屋などの暗所で保存すれば冬まで保存できることから冬瓜と呼ばれている野菜である。
秀吉が言ったように大きめの瓜みたいな感じで皮が分厚く、食べ方は煮物がメジャーだが、数日出汁漬にすることで果肉に汁が浸って美味しくなったりする。
保存もしやすいし、スイカを育てる感覚で育てることができるので、比較的育て方も簡単。
ただ栄養価はそこまで高くないので、美味しいけどメインを張る野菜ではない。
他に育てる野菜はキャベツ……日本名だと玉菜だろうか。
「玉菜……聞いたことない野菜だね」
キャベツは江戸時代に入ってくる野菜で、色々な活用法がありながら栄養価も豊富。
というか、キャベツの豆知識として、元を辿るとケールという青汁の原料に行き着く。
青汁にされるくらいだから栄養素が豊富なのはわかるが、このケールは様々な野菜に分離し、キャベツの他に、カリフラワー、芽キャベツ、ブロッコリー、コールラビといった色々な野菜に進化していった。
人間の品種改良の奥深さがわかる野菜でもある。
それにキャベツは春植え、夏植え、秋植えと植える時期をずらすことで収穫時期もバラけることができ、上手くやれば年中食べることができる野菜である。
それに小氷河期の戦国時代ではキャベツが育ちやすい気候に近くなっていて、現代よりも気温的には育てやすくなっていた。
それに品種改良された現代種であれば病気に強かったり、寒さや暑さに強い品種も選べるので、育てる難易度は下がる。
現在は納屋で小さな木枠の中に種を撒いてキャベツの苗を作っている段階。
間引きをして、後々畑へと植え替える予定である。
あと一緒にブロッコリーも育てていて、ブロッコリーは大きいブロッコリーは収穫時に真っ直ぐ伸びた茎の真ん中のブロッコリーを切り落とすと、葉と茎の間から小さなブロッコリーが生えてくる。
冷凍ブロッコリーの小さいのはこの葉と茎の間から生えてくる物を使っている。
大きいか小さいかの違いなので味は変わらない。
茹でてマヨネーズをかけてもいいし、ごま和えも美味しい。
味噌汁に入れてもなんならいいし。
基本茹でて食べるけど、栄養素豊富で美容にいいので、是非とも嫁達に食べてもらいたい。
時期は違うが玉ねぎなんかも育てる予定である。
玉ねぎはサツマイモと同じく連作障害に強く、生命力も旺盛なので、比較的育てやすい野菜だし……まぁ大きく育てるにはコツが必要だが。
「夏や秋には収穫できるから、そしたら美味しい食べ方教えるからさ」
「うん! 私も手伝うから育て方教えて」
「はいよー。あと農書を写本するの手伝ってくれ」
「うん、わかったよ!」
俺が現代日本語で書かれている農業書を戦国時代の文字に翻訳し、それを秀吉や後から手伝いに来てくれた萌衣姉さんや秀長、優里達で複写していくのだった。
そうそう、俺が反細川連合の証文を買い集めていたが、その細川晴元陣営に動きがあったと報告を受けた。
細川晴元の家臣だった三好長慶が謀反。
反細川連合の諸侯を仲間に加えて膨張し、田植え作業が終わって一息ついていた6月に江口合戦と呼ばれる大きな戦いがあり、そこで反細川晴元の連合側が大勝。
細川晴元は将軍親子を拉致して近江坂本に逃亡し、連合側の証文の価値が急騰。
江口合戦に勝利したという情報が入ってきた段階で協力してくれている熱田商人や津島商人に証文の売り抜きを指示し、証文を寺社や商人に売っぱらった。
松平でやった証文は三河という田舎だったので米相場操作をしてより稼いだが、銭が大量に出回っている畿内でそれをやる必要は無く、どんどん値が釣り上がり、10倍、20倍と紙切れだった証文が莫大な価値へとなっていく。
売り抜きに成功し、熱田商人や津島商人で細川晴元側にベットしていた者達は損を受けたが、その損失も俺が勝利したことによる手間賃で損失の穴埋めをしてあげたので致命傷にはならなかったが、商人達の弱みを握ることができた。
その商人達に信長様に忠誠を誓うようにと誓わせて、裏切れないようにし、競売の利権でがっちり味方に囲い込むことに成功。
「英聖! 蔵の中に銭が収まりきらないよ!」
「蔵が3つも全部銭の入った壺で埋まるなんて……何貫稼いだのさ!」
嫁達に毎日の様に運び込まれる銭束に若干恐怖を抱かれながらも、帳簿を付けて計算していくのであった。
最終結果が出たので信長様に報告しに行く。
「信長様、前に反細川の証文を買いあさっているって話をしましたよね」
「ああ、去年だったかな。聞いたね……そう言えば畿内で細川晴元が失脚したんだっけ……まさか」
「はい、稼いできましたので、信長様の取り分を記しましたのでお納めください」
信長様は恐る恐るという感じで帳簿を確認すると、大量の0が並んでいた。
「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……」
合計金額50万貫。うち信長様の取り分が25万貫である。
「は、はは……笑うしかないね」
「それに商人連中を金で縛っておいたので、津島と熱田の商人は既に信秀様ではなく、信長様に忠節を誓っております」
「そんなこともやっていたのか……どうするんだよこの銭は……」
「信秀様に献上するも良し、流民を更に兵士として囲い込むも良し、部下の農地に投資するも良し、兵器の購入や職人の育成に充てるも良し……銭はあればあるだけ使い道がありますから」
「えげつないことをするね……英聖は」
「それが自分の得意分野故に」
「心底味方で良かったと僕は思うよ」
「ありがとうございます」
稼いだ銭の一部は那古野城へと運ばれ、木下家の屋敷近くには銭束が入った壺を保管しておくための蔵が5軒も建てられることになるのだった。
農業指導の方は丹羽長秀殿の領地で……区画整備と正条植え、更に信長様が助成金を出して牛や馬、鉄製の農具が丹羽長秀の領地の農民に行き渡るように計らい、第二段階へと移行。
森殿と佐久間殿の領地でも木下式農法と俺がネット通販で買ってきた現代種の種籾を普及させて、信長様の味方の領地を確実に富ませていっていた。
ちゃっかり林殿も俺にお願いされたので、信長様の許可を貰って指導員を派遣。
どうなることやら……。
あと秀吉と散華のお腹が大きく膨らみ、信長様と池田、それに森殿もお腹が大きく膨らんでいるのだった。
出産の時は近い。