戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
生ウィスキーことウォッカとサツマイモから作った芋焼酎を大量に用意して、競売で商人達に振る舞ったところ、透き通る様な澄んだ酒に度数の高い酒というのは好む人は好む様で、1樽10貫以上の値段が付いて売れていった。
この値段でも上方の金持ちや寺の坊主とかに持ち込めば2倍、3倍の値で売れるらしく、しかも皿や茶器とかよりも飲めば価値が一発でわかる酒というのが良かったらしく、飛ぶように売れていった。
大量と言ってもそれぞれ50樽ずつくらいだったが、一瞬で売り切れてしまい、商人達から今の100倍は作ってくれとのこと。
信長様自身は下戸で酒はあまり好きじゃないけど、俺に、
「那古野城下に酒蔵を更に増やして増産してくれるか」
と命令された。
俺はその命令に従って半年で生産量を20倍にし、さらなる増産の為に、丹羽長秀殿経由で信長様に味方を明確にしている領主や信長様の叔母である織田信光殿と面会して、サツマイモや大麦の量産に協力してもらうのだった。
「なるほどなるほど……これは素晴らしい酒だな」
「はい、この酒で傷を洗えば膿むことが減りますので薬としても使えます」
「ふむふむ……信長が褒めちぎっていた男なだけあるね。よし、信長には叔母さんに任せなさいって伝えておいて、農書と種芋、それに麦の種籾はありがたくいただくわ」
「よろしくお願いします」
交渉も成立し、原料確保も何とか成りそうである。
そんな感じで酒造りの環境を整えながら、兵の教育に時間をかけていると、信長様から呼び出しを受けるのであった。
「信長様、どうかしましたか?」
「うん、ちょっと問題が起こって……英聖の住んでいる中村の領主……私の叔母がつい先日流行り病で亡くなってね」
「あのお方亡くなったんですか」
「そうなのよ……で、領主が不在になったから中村の新しい領主に英聖含めた木下家にしようと思うんだけど……領主してみる?」
「良いんですか? やれるんだったら色々やりたいことがあったのでやりますが」
「お、やる気だね。領地を持ったことでようやく侍大将としての格を確保できるからね。よし、じゃぁ決まり」
信長様の鶴の一声で子供がいなかった領主様の領地だった中村は俺が継承することに。
「うんうん、木下家は今後どんどん成長していってもらわないといけないから、ここらでしっかり基盤を固めてくれ。引き継ぎ書類に関しては後日発給するから」
「ありがとうございます」
「さてと、政務は終わり。じゃぁ僕と寝室に行こうか」
「絶対俺を呼び出した理由の半分はそれですよね?」
「ふふ、どうかな? お腹に居る3人目の子にお父さんの子種の栄養を与えてよ」
「はいはい」
「いやぁ目出度い。英聖が中村の領主になるとは」
「出世したねぇ……」
信長様と信秀様の連名で中村の領主に任ずると命令が下り、俺含めた木下家の所領として認められたので、村長と村役に木下家の屋敷に集まってもらい、会合を開いた。
「これで税率をこっちで弄ることができますからね」
「そうだ、問題は税だ。今までのように蜂蜜でいいのか、それとも米を取るのか決めねぇと」
村長が声を上げると村役の人達も真剣な眼差しになる。
ちなみにこの場には秀吉や萌衣姉さんも参加している。
領主として認められたのは木下家だからね。
「まず税に関してだけど……ちょっと変えたいと思っていてね」
「というと?」
「買い取り制にしたい」
今まで蜂蜜の生産量の6割を税として領主に納めていたが、それは3割まで減らしてよいと俺は言い、その他の作物の余剰分を相場より少し安い値段で領主である俺が買い取らせてくれないか……と説明した。
「熱田まで運ばなくても換金することができるってことか?」
「ああ、ただ買い取りは幾つか指定する作物に限らせてもらう」
俺が買取に指定した作物は蜂蜜、米、麦、蕎麦、トウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモ、椎茸、木綿。
「トウモロコシと木綿というのはなんだ? あと椎茸って高価なキノコだろ? うちでは栽培してないぞ」
「これから育てていきます。育て方は俺の頭に入ってる。相場より安いとはいえ、安定して大量に生産できれば特産物として村に莫大な銭が入ってくる。それにトウモロコシは最近増やし始めた鶏や牛、馬の餌になる」
木綿は衣服を作るのに今後必要となってくるし、中村の領民の力を合わせれば農地をもう少し広げることも可能。
それに領主以前に俺は鍛冶屋の藤原一門と原料と食料を提供する契約で中村で鍛冶場を開いてもらっているので、ある程度の食料品は確保しておきたいっていうのがあった。
「村側にも損は無い契約だと思う。芋羊羹も模造品が増えて売れにくくなってきたし、ここらで新しい金策に切り替えたほうが村のためになる」
「英聖は昔から村のために思って行動してくれているからな……」
「あと余所者も村に入れる」
「おいおい、それは……」
村役から反対の声が上がるが、村で一旗上げたいと俺の下に付きたいって人物は既に雇いきっているので、更に村から人員を引き抜くと、村の生産力が落ちる。
なので、俺が監視役をするから他所から家臣候補を連れてくるという話である。
「領主様になるってことはそういうのも必要か。だったら村の皆の親戚連中で余ってる奴らを引っ張ってくるのはどうだ?」
「んだんだ。それならうちらも安心だべ」
「協力してくれますか」
「領主様だからじゃねぇ。英聖含めた木下家だから協力するんだ!」
「ありがとうございます」
というわけで他所に出ていた村民の親戚を頼って人を集めたり、平野道場の門下生に声をかけて、部下になりたい人材を集めたりするのであった。
すると50人ほどの男女が集まり、
「木下家は男女問わず出世の道があると聞きました。どうか我らの力をお使いください」
「中村の親戚を頼りにここに来ました。是非とも家臣の末席に加えていただきたく」
見知った者から初めて会う者まで……。
とりあえず全員雇うと決めて、住むための長屋を作り、集まった者達を使ってまずは田畑の開拓を行なったりするのだった。
戦働きや勉学が活かせる仕事じゃないと文句を言われるかと思ったが、道場出身者の人達からは文句は出ずに、逆に、
「自分の食い扶持をちゃんと確保するところから始めるので安心しました。英聖様は農学者としても名高いって聞いていたので、その知識吸収させていただきますよ」
逆にやる気満々。
農民出身者達は一輪車やスコップなどの見たことない農具や、木を斧できり倒してから切り株に油(混合燃料 通販で買えるやつ)を染み込ませて火を付けて切り株ごと燃やし尽くすとかの切り株の効率的な除去のやり方を見たりしながらスゲースゲーって言いまくっていた。
そして田植えの時期になり、家臣になった者達に木下式農法を教えながら、田植えをしたり、広げた畑に木綿やトウモロコシ、キャベツや夏野菜の種を植えていく。
そして切り倒した木で椎茸のほだ木になるのを選んで、乾燥からの穴を開けて、椎茸の菌床を木に埋め込んでいき、椎茸栽培を農民達に教えながら始めるのであった。