戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「風情もへったくれもないな」
城の屋根の上に、小さいとはいえソーラーパネルが何枚も付いていて、その配線が柱を伝って、信長様の寝室前に置かれたバッテリーへと繋がっていて……そこから更に木の筒で隠されてはいるが、配線が部屋の中まで繋がっている。
ここの部分だけ切り取ると令和の田舎の家にありそうである。
「そろそろ信長様にも俺のことを伝えたた方がいいよなぁ……前のランタンライトでも怪しまれていたけど、今回の電気工事で隠せなくなったし……」
どうやって説明するか……俺は頭を悩ませるのであった。
「失礼します、信長様」
明るくなった寝室で信長様と子作りの為に呼ばれたが、今日は信長様は寝間着であるが、着崩しておらず、お茶を飲んでゆっくりとしていた。
「床って雰囲気ではないですね」
「なぁ英聖、そろそろ秘密を教えてくれても良いんじゃない? この天井の光……明らかにこの世の物とは思えないんだけど」
「そうですね……そうでしょうね……」
俺は信長様の対面に座り、何処から話しましょうかと言う。
「信長様は並行世界というのは知ってますでしょうか?」
「並行世界……いや、わからないけど……この世では無い世界ってこと?」
信長様に分かりやすく並行世界について説明すると、信長様が朝起きてから、最初に武芸の鍛錬をするか、政務を片付けるか迷ったとし、武芸の鍛錬を選択したとする。
この時に政務を先に片付ける世界線が分岐するということを伝えた。
「人の行動によって世界が分岐するのか?」
「あくまで1つの例ですが、俺は男が女よりも強い世界の未来からこの世界に転生してきたのです。神仏の加護を授かって」
「ふむ……続けよ」
その世界では信長様も男で、この世界に起きた事象と似たことを歴史として自分は知っていたが、既に歴史の一部が自分の知る世界線から逸脱をし始めていること、未来で生きてきたことで、様々な知識を得ていること、神仏の加護により、等価交換で未来の物を神仏から送っていただくことができることを話た。
「なので、競売に出される珍しい品の多くはこの能力により仕入れていました」
「通りで探っても販路が見つからないはずだ……不思議だったんだよね。これだけ貴重な品が毎月英聖は手に入れてくるのに、全く入手経路が見つからないんだもん。池田が分からなすぎて泣いてたからね」
「そりゃ悪いことしましたね……でも神仏から授かっているって聞いて納得します?」
「普通はしないし、詐欺を疑うね……まぁこの天井で光る円みたいにこの世の技術ではあり得ない物を出されたら信じるしかないけど」
「未来の事に付いて聞きます?」
「うーん、英聖が転生する前の世界について聞きたいな。でも英聖の知識量だと、前線でも学者とか貴族だったり?」
「うーん」
前世の名字は工藤……辿れば藤原一族出身かつ木工寮……宮内の造営や木材調達に関与指定た一族だったらしいが……どこまで本当かわからないけど。
「並行世界だから何とも言えないけど、藤原に縁があったのは確かだけど、公家の様な身分ではなかったし、立場としては農民だったね」
「未来では農民でもここまでの知識を得られるの?」
「そもそも身分が廃されて、天皇や一部皇族以外は横並びだからね」
「はぁ……それでよく国が動かせるなぁ……しかも乱世というわけでもないのだろう?」
「異国と戦争をした歴史もあったけど、80年以上平和な時代が俺達の世界は続いているよ」
「なるほど……」
信長様と未来の政治体系や税について、治安を維持する方法や庶民の生活など、色々説明をしていく。
「未来だと、今の僕の生活水準が貧民扱いなんだ……」
「まぁ450年近く未来の話だからね。今から450年前は武士の時代でもなければ、京や西国以外は殆ど栄えてないほぼ未開の土地でしょ……鎌倉幕府が開かれて、東国も栄え始めたけど」
「確かに、450年も年月が過ぎれは生活の質も変わってくるのか……」
「俺はそんな神仏からより良い未来を作れって命令されているけどさ」
「じゃあ、並行世界にも織田信長がいたってことでしょ? その人はどうなったの?」
「全国統一一歩手前で謀反によって死亡」
「うわぁ……じゃあ誰が天下取ったの?」
「俺は見てないですが、織田家で一時期人質にしていた竹千代こと今は松平元康でしたっけ、彼女が並行世界では男でしたけど、天下人になって、250年続く泰平の世を気づきました。まぁこの世界だともう絶対あり得ない未来なんですけどね」
「そうなのか?」
「その世界の織田は最後まで三河を手に入れられなかったですし、松平元康を支える家臣や国人衆は一揆と今川の粛清でその子孫と可能性ごと消えましたし」
「うわぁ……安泰な未来を消し飛ばしたんだ……じゃあもう未来のことはわからないと?」
「大きな地震が起こったり、大規模な飢饉とかは分かりますよ。例えば今年北国(日本海側の広範囲)で大規模な冷害に陥り、凶作になりますし。もしかしたら尾張や三河にも影響があるかと思って、木下式農法を早めに広めたって感じですし」
「ちなみに木下式農法も未来の農法なのか?」
「ええ、まぁ未来だと三世代くらい前の農法ですけど、この時代でもできる技術水準なので、採用しましたし、これ以上の農業は肥料を大量に作れるようにならないといけないのでね。空気から肥料を生み出すと言う技術を使わなければなりませんが」
「英聖はそれを知っているのか?」
「原理は知ってますけど、とてもじゃないですが無理ですよ。色々な技術が足りてないので……俺が今から生涯をかけてやっと小規模なのができるかも……くらいです」
「そうか……いや、型落ちでも今の農法に比べると3倍近く収量が上がっているよね?」
「ええ、未来の作物の種は品種改良といって作物の良いところを交配させて、更に良くしていくっていう技術を物凄い年月やっているので、今の作物より良くなっているのですよ。それこそ蝦夷地(北海道)でも稲作が普通にできるくらい寒冷でも育つ米が生まれましたし」
「もしかしてその米を神仏より取り寄せて、育てているから収量が上がっているのか?」
「そうです。サツマイモやジャガイモも原種はもっと味が不味かったり、小さかったりなので……」
「そうなのか……いや、並行世界とはいえ、未来の作物を持ってくることができるのは大きいな……じゃあ未来の武器も?」
「そこは神仏が許してくれなくて、技術書は手に入りますけど、実物は手に入れられません。あと動物の類も牛や馬とかは制限がかかってます。俺が鶏を増やしたがるのは、その制限外の生き物だからです」
「蜜蜂や蚕もそうか」
「はい、一応ヤギと言う家畜は手に入りますが……」
「何か問題でも?」
「信長様が牛乳好きって聞きましたが、ヤギも乳を出すのですが、牛よりも小さい動物なので、乳の量も少ないのですよ。育つ速度も遅いですし」
「育ちが早く、肉が多く取れる家畜や牛や馬の様な家畜は神仏は送ってくれないのか」
「はい……」
俺は申し訳なさそうにするけど、信長様は、
「いや、それでも十分だ。それに技術書は手に入れられるなら、この世の文字に書き写して、写本することはできるか?」
「それは前々からやっていますので、もしよければ幾つか持っていましょうか?」
「本当か!」
「大まかな題材を選んでほしいですけど」
「そうだな……軍略の本とかあるか?」
「孫子の兵法とかでよければ」
「孫子か……いや、意味合いが違う可能性もあるし、是非持ってきてくれ」
「わかりました」
こうして俺は信長様にも秘密を共有するのだった。
葬儀が入ったのでたぶん数日間1話更新になるかもです。
できたとしても2話更新になります