チートワイ、原作を守る   作:kinokop

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M4DX見ました。
凄かったです。

あと、すいません。
マーリンからセンに名前が変更になりました。

マーリン→セン


理由はセンのほうが好きだからです。
勝手な変更となり、申し訳ありません。
過去の投稿もすべて変更してあります。
漏らしがある場合は誤字報告をしていただけると助かります。

皆様からの感想、評価いつもたのしく拝見しています。

今回も少し長く、そして前回から時間は飛んでいますが
お付き合いいただけると幸いです。

思っていたのと違う展開だったらごめんなさい。




原作開始
失って始まる


 

 

ここで喫茶店をやり始めて

何年くらいだっけ?

 

確か、3、4年くらいだった気がする。

いやぁ、芦花ちゃんだったり

真実ちゃんだったり

 

あれからちょこちょこ

常連さんが増えたおかげで

なんとかやっていけてるわ。

 

今はお客さんいないから

サボってるけどさ…。

 

にしても暇だ。

客も来ないし、

芦花ちゃんの件から、

神様も顔を出さないし。

 

もう、正直原作覚えてないよ。

いつ始まんだろう。

 

カランコロン

 

この時間にお客とは

珍しい。

 

て、センちゃんか。

いらっしゃい。

 

お店に来てくれるの、久々だね。

席、ここでいい?

 

注文なににする?

カフェオレね。

ちょい待ってて。

 

 

カウンターに戻り

注文をこなす。

 

 

朝からありがとねぇ。

最近ヤチヨは元気?

ならいいや。

 

いやぁ、最近忙しくてねぇ。

またログインしたら、会いに行くよ。

 

はい、お待ちどう。

 

おいしい?

よかった。

 

………。

 

ごめん。

つい見ちゃってた。

暇だから。

 

いやぁセンちゃん

ちゃんと女の子なんだなぁって

思ってただけだよ。

 

最初の方、男の子だと思ってたからさぁ。

あぁ、ごめんごめん。

もう、今では立派なレディとして扱ってます。

 

で、今日は何の用で来たの?

この辺に用事あったの?

しばらく忙しくなるだろうから来たの?

 

へー、なんか忙しくなる用事あるの?

あ、俺?俺が忙しくなるの?

ほんとに?

 

この店の状況で?

お客さん、誰もいないよ??

 

それでもなんだ。

占いみたいなもん?

ほへぇ、そういうのできるんだ。

 

じゃあ期待しとこうかなぁ。

 

うん、お粗末様でした。

またね。

次はツクヨミで会お。

ヤチヨにもよろしくね。

 

カランコロン

 

昼頃客くるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

◇

 

来なかったわ。

どうなってんだよ。

店の前誰も通らなかったんだけど。

 

主婦さん来てくれよ。俺とお茶しようよ。

そろそろ来てくれないと

また看板娘と雑談して終わっちゃうよ。

 

カランコロン

 

いらっしゃいませ。

 

って、芦花ちゃんと真実ちゃんか。

学校終わり?

お疲れ様。

 

いつもの席?

いいよー、勝手に座っちゃって。

課題するなり、駄弁るなり好きにしなー。

 

注文は何にする?

 

芦花ちゃんは

コーヒーね。

了解。

 

真実ちゃんは?

カレーとパフェ?

いいけど…よく食べるね。

了解。

 

 

美味しく作るから

少し待っててね。

 

 

そういえば

二人ともどうだった?

この前のテスト。

 

赤点回避?やるじゃん。

頑張ったんだねぇ。

 

へぇ、特製ノートなんて作ってたんだ。

すごいな、うちの子。

でも、昔からよく頑張る子だったからなぁ。

 

ん?出会い?

確か…出会ったのが、小学1年生くらいで

今が高校二年生でしょ?

大体十年くらいかなぁ。

 

一緒に暮らしてるときもあったよ。

家が無くなっちゃってね。

あの時は困った。

 

はい、おまちどう。

芦花ちゃんにはたまごサンドのおまけ。

真実ちゃんには黒烏龍茶のサービスね。

 

ん?うちの子と仲良くしてくれて

ありがとうのサービスだよ。

 

芦花ちゃんなんか

最初の方喧嘩してたのに

今では仲良しだもんねぇ。

 

なんで、喧嘩してたのかは

よく分からないけど。

あれ、なんで喧嘩してたの?

 

俺のせい?

真実ちゃん何言ってんの。

俺は二人に仲良くなってもらうために

2人のいいところをたくさん教えたんだよ。

 

芦花ちゃんにも、うちの子の頑張り屋で

真っ直ぐでかっこいいところ教えてあげたでしょ?

 

あの子にも芦花ちゃんの可愛いところとか

優しいところとか教えたし。

 

そのおかげで仲が良くなったと

言っても…芦花ちゃん、なんで睨むの?

怖いよ。

 

なんでため息つくの?

えぇ、真実ちゃんもそっち?

…えぇ、俺が悪いの?

 

どっちも素敵な子って本気で思ってるのに。

いやいや、ほんとほんと。

 

俺があと10年遅く生まれるか

君達が10年早く生まれてきてくれたら

速攻告白して振られてたね。

 

いや、振られちゃうよ。

君達みたいな美少女に

告白するのも恐れ多いよ。

 

だから結婚とかしたら

呼んでね?

全力で余興するからさ。

 

芦花ちゃんたちと

話していると

後頭部に痛みが走った。

 

あ、痛っ。

 

後ろを振り返るとうちの看板娘がいた。

鞄は半開き。

どうやら、ノートを投げた直後らしい。

 

彩葉ちゃん、お疲れ様。

ところで、俺はなんでノートを投げられたの?

 

なんで睨むの?

なんで二人とも

当然みたいな顔してるの?

 

…反抗期かな。

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

彩葉ちゃん、今日もお疲れ様。

後半忙しかったねぇ。

なんでか、彩葉ちゃんが来ると

お客さん来るんだよなぁ。

 

うん、本当に助かってます。

ありがとね。

 

でも、週5でシフトは入れなくてもいいんだよ?

高校2年生でしょ?

もっと色々やりたいでしょ。

 

いいならいいんだけどね?

こっちは助かるし。

 

あと前から言ってたけど

明日から3日間お店閉めるから。

 

そう。

朝日君たちと旅行。

温泉に入ってくるよ。

 

彩葉ちゃんは何するの?

勉強?偉いねぇ。

 

じゃあこの店の鍵渡しとくから

好きに使って。

 

どうせクーラー、ケチってんでしょ?

冷蔵庫にあるやつも使っていいから

ちゃんとご飯食べなね。

 

夜遅くなったら2階で寝ていいから。

夜道に女の子一人は怖いしね。

 

そんじゃ、お互いよい休日を。

またね、いろはちゃん。

 

 

 

朝日君と温泉楽しみだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

神様久々っすねー。

芦花ちゃんのあと以来ですかね。

 

俺と芦花ちゃんへのお詫び、

忘れてませんからね。

ちゃんと約束守ってくださいよ?

 

で、何のようですか?

俺今旅行中なんですけど。

仕事ならあとで…え?

 

原作始まってるの?

マジで?

ほんとに?

 

あ、そう。

じゃあ、俺の仕事はほぼない感じ?

 

ちょっとはあるんすね。

うっす、そんな感じで。

また仕事のときは言ってください。

あと事前情報はこまめにお願いします。

お疲れ様でーす。

 

 

神様との会話が終わると、

目の前には旅館の景色が戻っていた。

 

 

そっかぁ、姫様今地球いんだな。 

久々だなぁ。

元気にしてるかなぁ。

 

殴られはしないよな?

いい右ストレート持ってんだよなぁ。

 

 

…まぁ大丈夫か。

 

 

おーい、みんな。

寝る前にもう一回お風呂行こうぜ。

 

 

 

とりあえず旅行は楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

いやぁ、旅行楽しかったなぁ。

乃依君や雷君とも会えたし

朝日君と酒飲めたの面白かったぁ。

 

 

まぁ、原作始まってるぽいし

見守りながら

働くかねえ。

 

 

店のドアを開ける。

すると、そこには洗い物が積み重なったシンク

あちこちに散らばった食材

冷蔵庫いっぱいのハンバーグがあった。

 

もしやと思い2階に上がると

姫様と彩葉ちゃんが

抱き合って寝ていた。

 

 

ふむ。

いろかぐてぇてぇ

ですな。

 

 

 

 

 

明日はハンバーグランチかな。

 

 

 

 

…掃除するかぁ。

 

 

 

■

 

息を殺して、先輩と一緒に机の下に隠れる。

 

辺りではドスン、ドスンと

重い足音が響いている。

足音が少し遠くなる。

 

「ふぅ、やっとどこか行ったね。ボサツめ、コンゴウ型まで警備に回さなくてもいいのに」

「デスネ」

「いないうちに早くやっちゃお」

「…ハイ」

 

 

机の下から這い出て

保管庫の奥の奥にある

タケノコに近づく。

 

「よし、これにデータ入力すればあとは勝手に地球に行けるはずだよ」

「…ハイ」

「パパっとやって、早くバグに会いに行っちゃおー!」

「……ハイ」

 

どうしたんだろう。

この前から本当に先輩の様子が変だ。

前みたいに、なにか隠してる感じがする。

 

「…じゃあ決めてた通り、義体生成の入力は先輩に任せるね?私は見張っておくから」

「…ハイ」

 

本当にどうしたんだろ。

先輩と目が合わない。

それでも、つい会話をしてしまう。

 

「…ねぇ、先輩はバグに会えたら何したい?私はねー、まずは謝ってほしいかな。勝手にいなくなったし。あと、また手品見てみたい。歌も歌ってみたいし、楽器も教えてほしい!」

「…ハイ」

 

先輩が俯く。

 

「あと、先輩も義体作ったら可愛くしよ?黒髪でー、小さくてー可愛いやつ」

「…ハイ」

「あと、名前も新しくしよ!かっこいいやつ!バグと私でいっぱい考えてあげるね」

「…………ハイ」

 

なにか、泣いてそうな感じがした。

 

「…先輩?…どうしたの?大丈夫?なにか不安なことでもあるの?」

「…ダイジョウブデス」

 

リョウサン型に顔はない。

声も一定だ。

なのに、私には先輩が

 

「本当に?でも、苦しいって顔してるよ…?」

凄く苦しんでいるように見えた。

 

 

なにか、先輩に

言葉をかけようとしたとき

足元が赤く染まった。

 

いや、上から光で照らされていた。

 

「ヤバッ…!」

 

無言でコンゴウ型が手を伸ばしてくる。

体を前に投げ出してみるが

躱せそうにない。

 

失敗した。

でも、せめて先輩だけは

 

そう思ったとき、先輩の手が私を引っ張ってくれた。

奥に引っ張られ、なんとか躱す。

 

「ありがと、先輩!」

 

顔を上げてお礼を言うが、先輩はいない。

タケノコの前にいたはずの先輩は

コンゴウ型の手のなかにいた。

 

「ヒメサマ、ハヤク!」

「いや、でも、先輩も…一緒じゃないと…」

「イイカラ!」

 

足が竦んだ。

先輩と一緒にバグのところに行きたい。

でも、ここで捕まったら次はないかもしれない。

 

「…ごめん、先輩!絶対迎えに来るから!」

 

コンゴウ型が手を伸ばす。

それより先にタケノコに触れて、射出される。

 

 

「…ゴメンヒメサマ。ガンバッテ」

 

 

 

 

 

 

 

■

 

東京に越してきて、もう二年。

 

お父さんとお母さんを説得するのは

なかなか大変だったけど

なんとか一人暮らしを認めてもらえた。

 

自分のやりたいことを見つけるためにも、

自分の力で生きていきたい。

そう思ったからだ。

 

……まあ、多少はお兄さんに

会いたかったというのもある。

 

本当に、多少だけど。

 

 

 

そんなお兄さんは、現在旅行中。

お兄ちゃんめ。

 

芦花も真実も予定が合わないし、

三連休は大人しく勉強することにした。

継続は力なり。

 

しかも、お兄さんから鍵を預かっている。

この三日間はお店を自由に使っていいらしい。

 

電気代は浮くし、食費も浮く。

おまけにベッドまで使える。

 

最高じゃん。

 

遠慮?

あるわけないよね。

 

勝手に予定を決めて、勝手に出て行って、

女の子をたぶらかしている悪い魔法使いに

遠慮なんて必要ない。

 

だから、お兄さんのベッドで寝るのも

正当な権利なのだ。

 

……まあ、お兄さんがいないのは

ちょっと残念だけど。

 

ヤチヨのライブも当たったし、

最近はいいことが多くて嬉しい。

 

そんなことを考えながら、

お店の鍵を開けた。

 

「……ん?」

 

店内に入って、ふと目に留まったものがある。

 

カウンターの奥にある電子レンジ。

それが、なぜか虹色に光っていた。

 

「お兄さん、また変なの買ってる……。そんな余裕ないのに……」

 

どうせ、また変なものを買ったんだろう。

 

そう結論づけて、ひとまず放置する。

今はそれより晩ご飯だ。

短期バイトのせいでお腹が減ってるのだ。

 

カウンターの奥に入り、

冷蔵庫からお兄さんの作り置きを取り出す。

 

電子レンジを開けて、温めようとしたところで。

 

「……んぅ?」

 

赤ちゃんがいた。

 

…………。

 

閉める。

開ける。

 

赤ちゃんがいた。

 

閉める。

開ける。

 

赤ちゃんがいた。

……夢じゃなかった。

 

「……え、誰の赤ちゃん?」

 

まさか、お兄さんの?

いやいや、そんな相手いないでしょ。

……いないよね?

 

仮にいたとしても、

最近はほとんど一緒にいたし。

 

そもそも、お兄さんが赤ちゃんを

電子レンジに入れておくわけがない。

 

……ないよね?

 

「ん、んぇ……」

 

考え込んでいるうちに、

赤ちゃんがぐずり始めた。

 

「あぁ、ごめんごめん!」

 

慌てて抱き上げ、あやしてみる。

 

 

「べろべろばー!」

「ふぇぇぇん!」

……効果なし。

 

 

「ほーら、たかいたかーい!」

「びぇぇぇ!」

……効果なし。

 

 

「えーと、よーしよし……」

「えぇぇん!」

……効果なし。

 

「……どうすればいいの?」

早くも万策尽きた。

 

 

仕方なく、文明の利器に頼ることにする。

 

 

「子守唄、かぁ。記憶にございませんな……」

 

うーん…。

あ、でも。

 

「大切なメロディは流れてるよ」

「あなたのハートに」

 

……効果あり。

 

「ヤチヨパワーすげー」

 

 

やはりヤチヨは神。

私もあの時はだいぶ助けられた。

 

 

そんなことを思っていた、そのとき。

 

 

ピピピピピピッ!!

 

 

置いていたスマホから、

勉強用のアラームが大音量で鳴り響いた。

 

「あ、やばっ」

「……ん、んえぇぇぇ!」

「あああ、ごめんってば!」

 

……せっかく泣き止んだのに。

 

仕方ない。

もう一度だ。

 

「大切なメロディは流れてるよ」

「びぇぇぇ!」

「あなたのハートに」

「ぇぇぇぇ!」

 

「二度目はダメなのかよ……」

 

 

どうしよう。

ほかに何か、何かないかな……。

私が泣いてたときは……。

 

 

「ね、見てて?」

「びぇぇえ!」

「いくよー?」

 

お兄さんに教えてもらった通り、

腕を大きく振る。

そして、手の中に隠していた白い花を取り出した。

 

「ん、んー……キャッキャ」

 

……効果あり。

 

「幼子が泣いてるときは手品先輩、か」

 

お兄さんの言葉も、

たまには信用していいらしい。

 

……さて。

 

「にしても、どうしよう……」

 

腕の中でご機嫌になった赤ちゃんを見つめる。

 

「警察に連絡? いや、その前にお兄さんかな……」

 

でも、今は旅行中なんだよね。

……いや、そもそも。

なんで電子レンジに赤ちゃんがいるの?

 

考えても答えは出ない。

結局、お兄さんに電話してみることにした。

 

 

プルルルル、プルルルル。

 

 

二階から着信音が聞こえてきた。

 

「携帯は携帯してよ……」

 

 

…………。

 

「……はぁ」

 

腕の中の赤ちゃんを見下ろす。

 

「お兄さんが帰ってくるまで、だからね?」

 

もちろん、赤ちゃんは答えない。

ただ腕の中で穏やかに寝ていた。

 

 

こうして私は、三日間の子守りをすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

「で、私は確かに赤ちゃんを育ててたはずなんだけど…」

 

あれから三日間、必死に赤ちゃんの面倒を見た結果。

小さくてまん丸かった赤ちゃんは

艶やかな灰色の髪の毛を腰まで伸ばした

見た目だけ見れば美少女になりました。

 

その少女は今、私が作ったハンバーグを

二個、三個と平らげている。

 

「それで、あなた何?なんで大きくなってるの?どこから来たの?」

「ん~?」

 

少女は食べながら、窓の外に見える月を指さした。

 

「…え、月?」

「かなぁ…?」

 

 

頭を抱える。

それでも問題は解決しないので

質問を進める。

 

 

「で、宇宙人は何しにきたの?」

「うーん、あんまよく覚えてないんだけど…。なんか、仕事ばっかりで、毎日がつまらなくて…。それで先輩っていう、私の友達がいるんだけどその子と協力して逃げた」

「その、先輩って子は?」

「逃げるときに捕まっちゃって、私だけ逃げてきたの」

「置いていったんかい。てか、逃げるなよ」

「だって、超つまんなかったんだもーん」

「さいですか…」

 

あれ、なんで私普通に受け入れてるんだ…?

なんか、話しやすい?

いや、話し方に覚えがあるからかな。

……不思議だ。

 

 

「あと……」

「あと、なに? 侵略?」

「……何か、探してた気がするんだよね」

「探してた?」

「うん。大切で、大好きなものが……こっちにあったはずなんだけど」

 

 

少女は首を傾げた。

 

 

「……なんだっけ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■

 

ここは何回見ても綺麗だなぁ。

 

 

今日起こることを思って

ツクヨミの景色を見ながら

ぼーっとしてしまう。

 

「大丈夫だよ、先輩」

「センですって…」

 

ヤチヨ様が後ろから頭を乗せてきた。

 

「あれがあったから、私は色んな大切なものを貰えるんだもん」

「でも…今回もうまくいくとは…」

「大丈夫だよ」

 

ヤチヨ様の声が頭にしっかりと響く。

 

「幸せにしてくれる魔法使いがいるから」

 

 

「だから大丈夫」

「…はい」

 

涙がこぼれる。

 

 

「…大変なお願いされちゃったねぇ」

「…はい」

「あ、それなつかしいですなぁ」

「…ヤチヨ様」

「ごめんってー」

 

ヤチヨ様も少し泣いてる。

でも、少しだけ気分は楽になった。

 

 

あの日のことを思い出す。

おかしな後輩が消える一日前の日のことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇

 

後輩の部屋で先に姫様が寝てしまい

私も寝ようとしていた時に

あの子が話しかけてきた。

 

「ねぇ、先輩」

「ナニ」

 

「大事なお願いがあるんすよ」

「…」

 

いつになく真剣な声だったことを覚えてる。

 

「俺は多分明日、消えます」

「…ウン」

 

「で、もし姫様たちが地球に行くことになったら、俺…バグに関する記憶を、義体生成時に消してください」

「ェ、デモ…」

 

なにを言ってるんだろう。

それは、だめだろう。

大事な記憶だ。

姫様と私にとっても大切なものだ。

 

 

反論しようとするけど

後輩がふざけてこんなことを

お願いするとは考えられなかった。

 

 

「大丈夫です、これは姫様が幸せになるために必要なことですから」

「……ワカッタ」

 

 

だから、つい了承してしまった。

大事だとわかっていたのに。

 

 

「それじゃ、そういう感じでお願いします」

「また、どこかで会いましょ」

「おやすみなさい、先輩」

 

 

「…オヤスミ」

 

布団にくるまって

姫様の隣に寝る。

 

 

目を閉じても、

なかなか眠れなかった。

 

 

 

その後も後輩はいなくなるまでいつも通りだった。

それはそれは憎らしいくらい

いつも通りだった。

 





芦花&彩華  親友。お互いの気持ちは知っている。よくお兄さんの愚痴を言っている。

真実 二人の親友。彼氏持ちなことからいろいろと相談をされているが、お兄さんはクソボケすぎてなにもわからない。

かぐや バグに関して記憶がない。

先輩 捕まった。しばらくは来られない。

クソボケ そういえば俺っていない方が原作に近いんじゃね?せや、記憶消してもらお。先輩ならやってくれるっしょ。
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