どうも、覇道が出ると聞いてここ数日真打をやっていた人です。コレを見るみんなも多分そうであることを信じてます。
それでは、どうぞ!
突然だけど、みんなは『妖怪』って聞いたことあるかな?或いは、信じた事はあるかな?
俺は正直、全くと言って良い程信じない側の人間だった。……そう、だったんだ。
けど、
だからまあ、幾ら『フツー』な俺でも信じざるを得なかった。なんなら、今ではそんなトモダチと一緒にだらけてゲームしたり、はちゃめちゃに騒いだりして過ごしたりすることに違和感を覚えなくなってるとこまであるかな。………感覚が麻痺ってるって言われたらそれまでだけどさ。
っと、それはさておき。
当然、そんな明らかにフツーじゃないみんなと過ごすって事は、それはもう明らかにヤバ過ぎな出来事に巻き込まれるって事でもあるし、実際世界の危機だなんてとんでもない事件をなんとか解決したこともあった。
そんな苦労まみれの出来事ばっかだったけど………どれも俺の大切な思い出になった。だから、これからも心の内に大切にしまっておこうって思ったんだ。
何でこんな大切な思い出を忘れてたのかはまだ分からないし、何なら妖怪ウォッチが消えてるのもまるで意味わかんないんだけど………それはこれから解決することにしよう。
いつも通りのフツーな日常を取り戻すためにも、ね。
………うん。そろそろこの誰に語りかけてるかも分かんない現実逃避も終わりにしとこうかな。
自室のベッドに寝転がっていた体を起こし、目の前で繰り広げられているモノを見る。
「……………いくぜ?ウィスパー?」
「ええ、そちらこそ準備がよろしいようで。生憎
妖怪パッドを片手に持ちながら不敵に笑う白いふよふよ。普段は着るはずもない黒いスーツを着て、何処から用意したかも分からない小さめな面接用の机、そして椅子らしきものに無いはずの腰をかけながら『私、面接官でウィス』と言わんばかりの堂々たる態度を見せていた。
………いや、冷静に考えて黒いスーツも何処から手に入れたんだろう……?
気にしたら負けな気がしたので、そこは置いておく。問題は………
そう考えながら少し視線をずらし、焦点を
「そりゃあ楽しみだな。精々オイラを楽しませてくれよ?………尤も、楽しむのはそっちなんだけどな─────!!」
青いパーカーを着て、外出用とは思えないサンダルを履いた彼………スケルトンのサンズはゴホンッ、と芝居混じりに告げ、恐らくウィスパーが出したであろうキンキンに冷えた麦茶を飲み、床から立ち上がりながら渾身の
「いやぁ、外が炎天下の中、身寄りのないオイラをこんな快適な空間にいさせてくれる上に…………飲み物までくれるなんてな。みんなのその優しさが『骨身』に沁みるぜ。…………………骨、だけにな」
ツクテーンと、何処からか鳴るはずのない効果音が鳴ったような錯覚に陥った。………それと同時に、俺の心の中では一つの感情が渦巻いていた。それ即ち─────困惑である。
「……何とレベルの高いギャグ………!!自分の状況、感情を簡潔に説明しながらも、慣用句を駆使した上でサンズさんの特徴でもある『骨』を絡めるとは……まさに神業。くうっ……!!私の敗北でウィスね………」
「よせよウィスパー。生憎そんなに煽てられても持ってるのはホットドッグだけだからな。ほらこれ、あげるぜ。お礼だ」
「あ、これはご丁寧にどうも…………って、うまあああああ!?何ですかこれは!?こんなに美味しいホットドッグ食べたことがないでウィス!!何処でこんな代物を────」
「…………ほんとに何ニャン?この状況?」
ホントにそれはそう。いや、本当にどういう状況なのこれは????
理解を拒みたくなるような寒いギャグ、そこから脈絡もない会話が繰り広げられている中、俺は再び現実から逃避するために、目の前にいる『スケルトンのサンズ』との出会いを振り返ることにした。
◯
仲良く話していたカンチやクマ、それからフミちゃんと別れ、一人で家まで帰る。うん。至ってフツーだ。……この流れにおかしいところなんてない筈なのに。
「何でこんなに違和感を感じるんだろ……?」
思わず左手をさする。………んー?やっぱり変な感じするなー?
俺は違和感の正体を突き止めようと、これまでに何回も通り、そしてこれからもしばらくは通る事になるだろう帰り道を見た。………けど、そこにはまるで何もなくて、やっぱりフツーだと言わざるを得ないと思う。
でも、何かがおかしい。さっきみんなと話してた時もそうだ。何処か喉の奥でつっかえてる物がある気がする。………いや、どっちかっていうと─────
「……何かを忘れてる?って、流石にそんな事あるわけないか」
別に俺の記憶力はフツーだし、物忘れが酷くなってるわけじゃないからそんな事は流石にない筈。………なら、勘違いなのかな?
うーん………よし、一旦忘れよう!その方が多分いい。それに多分、仮に何か忘れてるんだとしても、それって忘れる程度の事だって事だから。多分そこまで大事じゃなかったんだよ。
自分にそう言い聞かせていると、もう少しでサクラ商店街に入る、という所まで歩いていた。なかなか時間というものは早いなぁと痛感してしまう。夏休みも多分こんな感じに過ぎるんだろうな。なんて少し悲観していたが………少しだけ、いつもより騒がしい気がする。
「ん?どうかしたのかな……?」
この商店街は確かに色んな人が通ってるイメージあるし、騒がしくてもおかしくはない気がするんだけど………なんか、明るい感じじゃない気がする。それこそ……怖がってるみたいな感じ?
俺がそう感じた刹那。その正体は明らかになった。
「なっ………何なの、コレ!?」
俺が見たのは、ありとあらゆるものがバッ………カデカくなったものだった。時には身につけていた帽子が、時には魚が、ハンバーガーが、などなど、とにかく色んな物がバッ……カデカくなっていたのだ。
謎の騒がしさはこれに驚いた人達の騒ぎ声だったのだ。
俺は取り敢えず状況をもう少し理解する為に周囲をもう少し観察しようとした。その時に、ふと上を見上げると………マンションの上によく分かんないやつがいる事に気がついた。
目を擦ってみると、その姿はほんの少しだけ見えるようになった。
かなりぼやけて見えるけど、フォルムはまさに饅頭といった感じで、全体的に青いよく分かんないやつだ。特筆すべきは………物凄くデカいことだろう。
ゾウくらいはあるんじゃないかなーと、少し現実離れした光景を俺は何処か他人事のように見ていた。
次の瞬間。そいつが息を吸い込み、吐いた瞬間、凄まじい突風が俺を襲い、周りの人はそれによって吹き飛ばされた。
俺がそれを何とか乗り切り、視界が晴れると、辺りにはその吐息によってバッ……カデカくなった物が散乱していて、状況はさらに混沌としていた。
「ぐっ………何アレ?まさか妖怪!?」
俺がそう呟くと、建物の上に居座っていたヤツの姿はさらにくっきり見えるようになった。同時に…………ヤツはコレまで目をたいして合わせていなかった下を見た。
「んー?なーんとそっくり、瓜二つでふー」
そんな事を目の前のヤツは言ってきたので、恐らく他の誰かがそうなのだろうと辺りを見渡すが…………逃げたのだろうか、既に人はいなく、俺しかその場にはいなかった。即ち。
「お、俺!?」
「こりゃーきっと、チミこそオラっちが探してる敏腕助手、少年ビートでふー」
「ビート!?何それ!?」
俺が全く知らない誰かに勘違いされたのだと気づいた瞬間、少し動き出したそいつがどうするかを察した俺は─────
「う、うわぁー!??」
全速力で走った。
帰り道などを一切考慮せず、走る、走る─────!!
自分で聞いてもきっと情けないと思うであろう叫びを、追い付かれないように全速力で走る。辺りの風景は風のように過ぎ去り、自分が風と一体化したのではないかと錯覚してしまうほど早く走れた。
そうして走ってから数秒後、背後から人の叫び声と建物が崩れる音が聞こえた。
「ビートくぅん。待つでふー」
「だからビートじゃないってばー!?」
「チミは妖怪とトモダチになれる人間でふー」
「はぁ!?妖怪!?何言ってんの!?」
そんなのいる筈ないじゃん!?だって…………でも、なら何で、コイツがさっき妖怪かもって疑ったんだろう?
空中に生身で浮くとかいう原理も全く分かんない動きで俺を追いかけてくるソイツの話を聞きながら、俺は少し疑問を抱いた。
「ん?ははーん、もしかしてチミ、忘れんぼさんになってるでふー?」
「はぁ?」
俺が忘れんぼ?そんな訳………いや、でも……
息を少し荒くしながら俺は考えていると─────イイコトを思いついたと言わんばかりに顔をニヤつかせるソイツを見て、俺は────嫌な予感がした。
「それにゃらー………にゃら、にゃらー……思い出させてあげるでふー」
次の瞬間、辺りをより眩くさせる程の雷が俺に放たれた。俺はそれを回避できずに─────
「だぁー!!!???」
イッタ!?いやでも痛くないような!?どういう感覚なのこれー!!??
「思い出ささせてあげるでふー、妖怪、妖怪ー」
未知の感覚に襲われている中で、俺はそんな事を言われたので、思わず復唱してしまった。
「よ゛ーかい、よーかい」
すると、再び不思議な感覚に襲われた。それはまるで、パズルのピースが揃ったような、物があるべき場所に収まったような感覚で。
「妖怪、妖怪ー!!」
「ようかい、妖怪………?」
もう一度復唱する頃には、痺れる感覚が薄れて、やがて─────俺はハッキリと、何を忘れていたのか、それを知ることができた。
『ウィッスー!』
『ニャニャン!』
俺の大事なトモダチを、コレまで進んできた道のりを、そして…………妖怪ウォッチの存在を。
色んな事を思い出した反動か、思わず膝から崩れ、手を地面についてしまう。
「はぁ、はぁ………そうだよ!何で俺全部忘れてたんだ!?」
「むふ、やっぱり思った通りでふー」
そんな言葉を俺は無視し、普段は鬱陶しいくらいにそばにいる白いヤツを、チョコボー好きの猫を探した。
「ウィスパー!!ジバニャーン、いないのー!?ウィスパー!?ジバニャーン!!」
………いくら呼んでも出てこないなぁ。
「………でもまあいっか。ウィスパーとかいても大した役に立たないし」
「何ですかー?その言いぐさはー?ザックザク突き刺さりましたよー?」
「いや、実際大した役に立ってないニャン。基本タブレットに齧り付いてしかない知ったかニャン」
「何だとこのジバ公ー!!!??」
「ウィスパー!ジバニャン!!」
普段通りの会話が背後から聞こえてきたので、背後を振り返ると────普段から一緒にいた、ジバニャンとウィスパーがそこにいた。
「お久しぶり?ニャン」
「でウィスー」
「二人ともどこ行ってたのー!?なんか大変なんだよー!俺、ウィスパーとかの事忘れてたんだ」
「オレっちもにゃん。さっきまでなんか変な感じがしたニャンけど……たまたまウィスパーと会って今に至るって感じニャン……因みにウィスパーもまるで分かってないニャン」
「そんなこたーござぁせん!!あの妖怪はえーっとえーっと………あ、デカニャンです!!」
「いやそのまんまじゃん!?」
「まんまニャンね。………まあ、よく分かんニャイし、取り敢えず妖怪呼んでぶっ飛ばしたらどうニャン?」
「いや雑ですね!?………いやでも、何かしらのアクションを起こすというのはアリです。今の今まで待ってくれているわけですし、友好的な存在なのかもしれません。……よし!ここはこの敏腕執事、ウィスパーにお任せあれ!」
話が勝手にスイスイ進んでいき、ウィスパーがデカいやつ……デカニャンに話を聞きに行った。
「あのーデカニャンさん、実はー、かくかくしかじかといった状況でしてー………」
「……成程、まるまるうまうま、という事でふねー?……それにしても、妖怪ウォッチのことを知っていて、妖怪と一緒にいる上に、天野………チミはもしかすると、少年ビート以上に運命的な存在なのかもしれにゃいでふー……」
「………何言ってんの?てか俺ビートじゃないし!!」
今ので納得出来たのも意味分かんないし、てかホントにビート誰だよ!!
「今この世界は大ピンチでふー。実はでふね─────でふぅ!?」
「「うわぁ!?」」
「な、何!?」
混乱してる中で何とかデカニャンの話を聞こうとした時────突如、デカニャンが光線らしき物で建物に吹き飛ばされた。
こ、今度は何!?
「あー!?な、何ですかアイツらはー!?」
「うわニャンとー!?」
背後を振り返ったジバニャンとウィスパーは、どちらもまた驚くような声を出し、思わず怯えていた。けど………
「どこ?えー……なんかいる?」
「見えないのですか!?この世の物とは思えないあの凶悪な姿が!?」
怯える二人の視線に沿って、もう一度目を凝らしてみる。
「………なんかいるっぽいけど、見えないなぁ……妖怪ウォッチがあれば見えるのにー……」
そう、妖怪ウォッチは何故か消えてしまっている。だからそれに頼らず何とかするしかない。………確かにぼやけてはいるが、何かがいる。それだけは分かった。
「このままでは………世界は全て奴らのものにニャッてしまうでふー……」
「え!?」
「何と!?」
「ニャッ!?」
目前にいるであろう謎の存在を見ようと悪戦苦闘している最中、背後からそんな言葉が聞こえてきたので、俺は思わず振り返ってしまった。
……世界が奴らの手に?どういう事?
疑問を待たず、息を途絶えさせながらデカニャンは続ける。
「だから、チミの関係のある、オラっちのトモダチを助けてくれでふー、そして妖怪ウォッチを─────」
そう言い切ろうとした瞬間────デカニャンは竜巻に身を襲われ、光の粒となって姿を消した。
「や、やられちゃったニャン!?」
「何なの!?」
「えーっと、えっとー……多分恐らくですがアイツらはかなり不味い存在でウィス!!…………ってケータ君危ない!?」
タブレットをスワイプしていたかと思えば、いきなり俺の体をウィスパーは引っ張ってきた。……何でそんなことをしたかはすぐに分かった。
「あ、危なぁ………!!」
「一応オレっちも対応しようとはしてたけど、ありがとニャン」
俺が立っていた場所に、光線が放たれたからである。
「………ねえジバニャン、何とか出来そう?」
「……めんどくさいニャンけど、ゴネてる場合でもなさそうニャン」
そう言うと、ジバニャンは俺から離れ、指?をポカポカと鳴らし、飛び上がる、そして─────ひゃくれつ肉球を炸裂させようとしたが………
「嘘………!?」
「な、何とー!?」
「………いつもとノリが、違うニャン………」
一撃でノックアウトしてしまったジバニャンを観て思わず絶句する。……お約束的なやつもフツーに破られてるし、反則じゃん!?
「くっそぉ……妖怪ウォッチがあれば他のトモダチ妖怪を呼べるのにー……!!」
「………それは残念じゃったな。だが、妖怪ウォッチは我らが奪った」
「…………だ、誰だ!!」
上空を見上げると、今まではくっきり見えなかった得体の知れない奴らとは違い、明らかに見える奴らがいた。
「人間から全てを奪ってしまうのも、もはや時間の問題よ」
「そうじゃな。じゃが………邪魔になりそうな障害はここで消すに限る。そうじゃろ?」
「………ドウじゃ?」
「全くもってその通りじゃ。………尤も、障害になり得るかは疑問じゃがな?」
そう言うと、ソイツらは手をこちらに向け─────光が放たれた。
あ、コレやば──────
先程とは違い、ウィスパーの手は届かない。それが何となく分かった。そう思考することはできるのに、体が動いてくれない。
……せめて、痛くなかったらいいんだけどなぁ………
俺は金と銀と銅の奔流に視界を包まれ──────
「おっと、そうは問屋が卸さないぜ?」
る事はなく、俺たちを攻撃しようとしていた光線は、俺たちの後ろから来たであろう
「え!?」
「け、ケータくん!?大丈夫ですか?」
「う、うん。何とか………それより、一体何が?」
「ああ、それについてなんだが」
「………え!?誰!?」
いつの間にか背後に立ち、ジバニャンに肩を貸して佇むヤツがいた。
身長はジバニャンより少し大きいくらいで、人が着てそうなパーカーを羽織り、くたびれたサンダルを履いていた。
「…………まあ、自己紹介は後にしようぜ?それよりも、だ。オイラの手を掴んでくれないか?そしたら、お前らを助けてやれる。……そこの白いヤツもだ」
「え?私もでウィスか?…………取り敢えず、助けてくれたのはあなたと言う事でいいんでウィスよね?」
「まー、そういう事だ。………どうだ?オイラの事、信じれそうか?」
煙に包まれる中、ソイツは俺にそう問いかける。……そんなの、決まってるよ!!
「ジバニャンに肩貸してくれてるし、さっき助けてくれたんでしょ?……なら、信じるよ」
「…………そうか、なら。オイラの手を取ってくれ」
言われた通りに、俺とウィスパーはソイツの手を取る。
「手、離すなよ─────!!」
「う、うん!」
「はいでウィッス!!」
煙が晴れた頃には、キン達の視界からケータ達は消えていた。
「………逃したか」
「…………それにしても、アレは一体……?」
「……一先ず、報告するとしよう。元々偵察のようなものじゃったしな」
その言葉に他の二人は頷き────やがて、襲撃者達は、その姿を消した。
◯
「……まあ、ここなら大丈夫だろ」
その言葉と共に、俺は思わず壁に体重を預け、脱力してしまう。……ウィスパー達も安堵の息をついている。
「…………ふー、何とか助かったでウィスねー……」
「ホントニャン………あ、言うの遅れたニャン。ありがとニャンね」
「どういたしまして、だな。………もうそろそろ大丈夫か?オイラも少し疲れたからな」
「オッケーニャン!!」
そう言い、ジバニャンに肩を貸すのをソイツはやめた。
どこかの路地裏なのだろうか、いつの間にかあの場所から離れていたことに内心驚きながら、俺は目の前の話を聞いていた。
「………ホントにありがとね。キミが居なかったら、俺、大変な目にあってたかもだったし…………」
「……さっきもそうだが、買いかぶりすぎだ。オイラは基本的に怠け者だからな。助けたのはまぁ………
「それでもだよ!助けてくれた事に変わりはないでしょ?だから────ありがとう!!」
「…………随分、お人好しなヤツなんだな」
呆れたように肩をすくめ、やれやれと言った感じでソイツは言う。
「まー、ケータくんですしねー」
「違いないニャン」
「………そんなに呆れられる事ー?普通に心外なんだけどー?」
「まあまあ、いい意味で、ですから。そ、れ、よ、りー……折角ですし、先程は出来なかった自己紹介でもどうでウィスか?」
俺の側に寄り、ウィスパーはそう提案してきた。
「……確かに、それもそうか。それじゃあ………コホン、俺は天野ケータ」
「私は妖怪執事のウィスパーでウィッス」
「オレっちはジバニャンニャン!」
「……………ヨウカイ、か。まあ、それは後でいいか」
「?」
よく分からない事を言い、やがて目の前のヤツは俺達に自己紹介をした。
「オイラはサンズ。スケルトンのサンズだ。身寄りなしの寂しい身だが……まあ、よろしくな」
フードを外すと、出てきたのは骨だった。その姿に俺は思わず驚くが、そんなことを気にせずと言った具合だ。きっと、反応には慣れているのだろう。
すると、まだ驚きの余韻が残っている俺に、サンズは手を出してきた。
「折角だ。交流のきっかけとして握手でもしようぜ?」
「………うん!分かった!それじゃあよろしくね、サンズ!」
「ああ、よろしく頼むぜ?」
二人の手は近づき、やがて握られる。
ブウゥゥゥゥ……………
………非常に気の抜けた、恥ずかしい音が路地裏に鳴り響いた。
「ちょっ、こんな時にオナラニャンか!?ケータ、空気読めてないニャー……」
「そーですよケータきゅん!安心したとはいえ、流石にこんな時に……ねぇ?」
「い、いや違うって!?」
「何言ってるんだケータ?お前だろ?………ま、手にブービークッションを仕掛けてたのはオイラなんだけどな」
「ほらー!!!だから俺は悪くないんだって!!!……もー!!」
よくもやってくれたなサンズー!!
恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じながら、俺はサンズを睨みつけ、追いかけるのだった。
尚、全く追いつかなかった事をここに追記します。悔しい………!!
こうして、フツーな少年達と、怠け者なスケルトンは出会ったのだ。……未だ、その果てを知らぬまま。
取り敢えず書いた。後悔はしてない。……頼む、覇道早く出てくれー!!