お久しぶりです。なんか見返してたらウィスパーの語尾が『ウィス』じゃなくて『うぃす』って平仮名で表記するのが正しい事に気づいた作者です。ジバニャンに引っ張られたのかな………?前の話も取り敢えずそこは修正しておきます。
いやまあそれはさておき、取り敢えずある程度は終わらせ方に目処が付いたので、のんびり投稿して行こうと思います。
それでは、どうぞ。
「…………よし、一旦こんなもんか?」
手を開けては閉じ、開けては閉じ、を繰り返し、普段通りの調子が戻ったかを確認する。
……正直判断に困るが、多分本調子だろ。記憶を失う前のオイラの『本調子』がどの程度なのかはわからないが……少なくとも、あの時の熱もなく、自然体でいられてるしな。
「……大丈夫そう?」
少ししゃがみ込み、オイラの目線に合わせながら心配そうに尋ねるケータ。ケータ同様ついて来たジバニャン達も、言葉はなくとも似たような表情をしていた。
「ん?あー、心配させちまったか……けどまあ、大丈夫だ。わざわざ一日置いて待ってくれたんだ。それ相応のもんはちゃんと見せるさ」
オイラが倒れた次の日。オイラはおおもり山の少し開けた所で、ある事を検証しようとしていた。それ即ち────オイラが出来る事とは?と言ったものである。
コレをやろうと思った理由としては、あのジジババ達とやり合うにあたって、オイラが現状持ってる戦力を改めて確認したかった。自分の事なのにも関わらず、大して分かってねえのはまあ流石に駄目だろ、という事だ。
そういう訳で、オイラはケータ達におおもり山にある人気が比較的少なく、それでいてある程度開けている場所に案内してもらっていた。
「……うん!分かった。でも、あんまり無茶しないようにね」
「流石にまた倒れられたりしたらこっちの心臓がもたないニャン」
「ジバニャンと同じく、ですねー……原因は今の所分かっていないようですし、あまり無理をなさらないよう」
「おう、それじゃあまずは…………コレだな」
その瞬間、サンズの瞳が煌めき────サンズは、ケータ達の前から消えた。
「え!?」
「さ、さっきまでそこにいた筈ニャのに……どこ行ったニャン!?」
「全く分からないでうぃす………」
辺りをケータ達は見回すが、あるのは普段と何ら変わらないおおもり山の木々。それ以外のもの……つまり、サンズがいたという痕跡はかけらも残っていなかった。それこそ、まるで消えたかのように。
それもその筈、サンズが行ったのは『瞬間移動』。恐らく他の妖怪が見たとしても同じ反応をするだろう。
コレこそ、サンズが地底世界で『最弱』のステータスを誇っているにも関わらず『審判者』を務められた理由、その一つであり、記憶を失ったサンズであろうとも、無意識的に使うことのできる技の一つである。
そして、そのサンズは今────
「………折角だし、もう一回ちゃんとサンズに一回会ったほうがいいのかなー。でも、また凍らせたら、って考えるとー……うーん、どうしようかなぁ……」
「いや、そんな深く考えなくてもいいんじゃないか?オイラは寧ろ、助けられた側だしな。アレは不慮の事故みたいなもんだろ」
「……確かにそうかも?うーん……分かった!話しかけてみるね!……でも、どこ行ったんだろう……?」
「そーだな。確かめたいなら……横、見てみたらいいんじゃないか?」
「え?……………」
「よう、1日ぶりか?」
サンズを凍らせた事で少しの罪悪感を感じ、なるべく近づかないほうがいいと考えはしたものの、『後遺症とかないかなぁ……』なんで心配が勝ってしまったため、観察という名目の元、木の裏に隠れ、少し遠くから見守ろうとしていたゆきおんなの側にいた。
当然、ゆきおんなにとっては余りにもいきなりの出来事なため。
「き、きゃー!!!??」
驚きのあまり、ゆきおんなが立っていた箇所を中心として、同心円状に小さな氷の世界が広がった。その光景は、一度触れて仕舞えば壊れてしまうような儚さを伴いつつも、現実ではそうそう見ることのない幻想的な光景だった。
当然、いくらゆきおんなと言えど、本来なら故意にこんな出力は出さないが……驚きのあまり本能的に冷気を出した結果がこの有様、というわけだ。
「って……!?またやっちゃった!!サンズ、大丈夫!?」
また同じふうに凍らせてしまったのではないかと、罪悪感、焦燥感、そして自身に対しての嫌悪感が混ざった感情を抱いているゆきおんな。
だが、その感情は塗り潰される事になる。
「おう、大丈夫だぜ?何となく展開を察したからな。予め『瞬間移動』しといたんだ」
ゆきおんなから少し離れた場所に瞬間移動したサンズは、ゆきおんなに伝わるように少し大声で話しかけつつも、先程サンズが立っていた場所に歩いて戻ろうとしていた。
………にしても。
正面を見つめる。………地面に生えてる草も、木も、何もかもが凍ってるな。流石にこの風景を見ちまうと……『ボーン』然としちまうぜ。骨だけにな。
足は止めずに、相変わらずの
「………瞬間、移動?……よく分かんないけど、よかったー……でも、何でここが分かったの?見えないように工夫してたんだけど……」
「……え?普通にオイラの位置からでも見えたんだが……?」
ゆきおんなが瞬間移動という単語を聞いてから少しフリーズし、やがて困惑している最中にゆきおんなの側まで近寄っていたサンズは、思わずそんな事を口走っていた。
……全然隠れられてなかったよな……?というか、ケータ達も気がついてたしな。
そういうニュアンスの事を伝えると、ゆきおんなは頬を赤らめ、木に地面に三角座りした。
「うぅー……恥ずかしいぃ………!!割と上手く隠れられたと思ったのにー………!!」
「………あーい、いや、正直ケータ達も気づくの遅れたらしいぜ?オイラもそのー……実際な、見栄張っただけで、結構気づくの難しかったんだよ」
突然だが、基本的にサンズはイタズラが好きではある。故にこんな反応、彼にとってはちょっとしたご褒美の筈だが………そもそも今回のコレは『イタズラ』したいと思ってしたわけでもなく、完全に偶然の産物だったため、サンズは内心少し慌てていた。
こういう場においては飄々とした立ち振る舞いをする筈の彼にしては珍しいものだと、地底世界の彼を知るモンスター達が見れば思う事だろう。
「……ほんと?」
「ああ、マジだぜ?」
「…………分かった。一旦、信じる」
「そりゃ良かった。良かったらなんだが、こっち来てくれよ。面白いもん見せてやれるからな。きっと飽きねえぜ?」
なんせ試してるオイラも楽しいくらいだ。何で記憶がないくせにこんなことが出来るのかって聞かれたら難しいが……多分、体が覚えてるんだろうな。
歩くという動作は『歩く』と常に意識して行われてるわけではない。無意識的に、何も考えずとも『こうすればいい』と理解しているからこそ出来るものだ。とどのつまり、日常的にする動作と同じくらい、とまではいかずとも、かなりこの『瞬間移動』は使ってたんだろう。
まぁ実際これは便利だ。日常的に使うのも頷ける。
少し自分に関する考察を深めていると、ゆきおんなは三角座りの体勢から顔をこちらに向ける程にはオイラの言葉を聞いて嬉しがった。が………すぐに顔は曇り、やがて顔は元の位置に戻った。
「ほんと!?………でも、わたし、サンズの事、また凍らせちゃうかも………」
「そこは安心してくれ。オイラだって無策でこんなこと言ってるわけじゃねえんだ。だから、もうあんな事にはならねえよ」
今ゆきおんなが怖がっている原因は『オイラが凍ってしまう事』。というより『自分のせいで誰かが凍ってしまう』というトラウマめいたもの……だと推測できる。
なら、少しでもその不安を取り除けるように、オイラがなんとかしねえとな。そんな思いで、出来る限り優しく声を掛けつつ、ゆきおんなの水色の頭巾の上から頭を撫でる。
「わわっ………ほんと?嘘、つかない?」
「ああ。約束だ。それにな、そもそもの話、たとえ凍ったって関係ねえよ」
「え?何で?」
何でって、そんなの決まりきってるだろ?
「忘れたか?オイラはスケルトン。骨が寒さなんて感じるわけねえ、だろ?」
それはただの詭弁だ。現にサンズは昨日、激しい熱さを感じた。それは逆も同じで、一見すると温度を感じる器官がないように見えようとも、確かに感じるのだ。
灼けるような熱さも、凍えるような寒さも。
そんな事はゆきおんなでも分かった。だが、そうだとしても。
「………うん!そうだよね!だって骨、だもんね!」
「よし、そんじゃあ行こうぜ」
まあ、そんな事をサンズは知るはずもなく『とりあえず元気になったな』という事実のみを察したサンズは、ゆきおんなと共にケータ達の元へ戻った。
◯
「あ!どこ行ってたのサンズ!?それにゆきおんなも!」
「へへ、悪いな。ああなるって事前に説明しとけば良かったぜ。けど、それだとサプライズにならねえと思ってな。オイラなりの気遣いってやつだ」
オイラがケータ達の所へ戻ると、ケータ達は少しアワアワしていたのだが、オイラ達の事を見つけると驚いたような様子でオイラ達の元へと近づいてきた。
「………それはまあともかく、サンズさんが無事で良かったでうぃす。私はてっきり神隠しか何かにあったものかと……」
「カミ、カクシ……?」
何だそれ?聞いたことねえな……
「簡潔に言うと、その場にいた筈なのにいきなり消えちゃって、二度と帰ってこなくなる……的な感じの都市伝説、だよね?」
「ええ。ケータくんの説明通りです。忽然とその場にいた筈の人物が姿を消す………コレがさっきの状況と全く同じでしたからねー……流石に焦りましたよ」
「しかもサンズって別に妖怪って訳でもニャいから、妖気で探知的なことも出来ないニャン。めんどくさいことこの上なしニャン」
「……成程。ソイツは重ねてすまなかったな。また心配かけちまった」
「ううん。すぐ見つかったし、そんな怒ってないよ。………というか、なんでゆきおんなは隠れてたの?」
「それはオレっちも思ったニャン。普通に一緒に来ればいいニャン」
ここでゆきおんなに白羽の矢が立ち、少し注目を浴びたゆきおんなは少し動揺しながらも自分の意見を伝え始めた。
「えーっと、その、近づいたらまたサンズの事凍らせちゃうかもって思って、それで隠れて見てたの」
少し目線をケータ達から逸らしながら、ゆきおんなは気まずそうに呟いた。もしまたサンズに危害を加えてしまえば、今度こそ危険になるかもしれないと先程のゆきおんなは考えていたからだ。
ゆきおんなが冷気のコントロールができない事をすでに知っているケータは、ゆきおんなが自身の力を怖がっている事を察し、少し思案し始めた。
そうしてケータは頭を捻り、やがて答えを出した。
「……うーん、でも、きっと大丈夫だよ。だって、初めて会った時もパニックになったけど、何とかなったし、なんだかんだでトモダチになってくれた。それって、あの時に俺の事、認めてくれたって事でしょ?」
「………それは、そう。だって、あんなに風に人間が妖怪と一緒に協力して頑張ろうとしてたのを見たの、わたし、初めてだった。だから……ケータとトモダチになったら、何か変わるんじゃないかって、そう思ったの」
「でしょ?だから大丈夫だって。優しいゆきおんなが自分のことを信じられないなら、ゆきおんなが信じた俺のことを信じてみてよ。………って、流石にカッコつけすぎかな……」
少し照れたのか、頬を掻きゆきおんなから目線を逸らすケータ。……にしても、中々カッコいい事言うな。こんな事言えるっていうなら、トモダチがたくさんいてもおかしくねえ。
少しケータの言葉に感銘を受けていると、ゆきおんなの表情は先程よりもさらに和らぎ、自然体に戻ったような雰囲気が漂っている。
「…………ううん。嬉しい。こんなわたしを想ってくれるトモダチがいる。それだけで嬉しいし、こんな私を信じる勇気が湧いてくる気がするから」
「そっか。なら、一緒にサンズのこと見とこうよ!聞いてる感じ、まだまだ出来ることあるみたいだし」
「個人的にはあのトンデモビームが見たいでウィスね」
ここで漸く話題がオイラの力試しに沿ったものになった。まあ脱線させたのはオイラが元凶ではあるんだけどな。………にしても、トンデモビーム………
「トンデモビーム………ああ、もしかしてコイツのことか?」
オイラが指を鳴らすと、ドデカイ砲門………いや、ブラスター、か?が姿を現した。外観はオイラが使っていたからなのか、骨で構成されているように見える。
まあ、コイツの名称すら覚えてねえが……取り敢えず、使える。ならまあ、御の字だろうな。
「うわっ、何コレ!?カッコいいー!!」
「………す、凄い……!!」
「これまたすごいでうぃすね………」
「コレからあのビームが出たってことニャン?」
いつの間にかオイラの隣に来ていたジバニャンがオイラに問いかけた。
「ま、そう言うことだ。こんな風に────な!!」
ブラスターを上に向け、光線を発射する。放たれたのは青白い光。一度他者……人間にそれが向けられれば容易くその命を奪えるであろう光は、勢いよく天まで昇り────やがて、その姿を消した。
「……おぉ………!!」
「綺麗………」
「……おおもり山に向かって撃てば少し山が抉れそうな威力してますね…………」
「同感ニャン」
それぞれ色んな反応を見せたが、凡そ好意的……というか、すげえってなってるっぽいな。………というか、改めて見ても普通にヤバいなコレ。破壊力が多分オイラが持ってる技術?武器?の中でもダントツだ。
ただ、瞬間移動と比べると消耗はかなりする。連続して使えるのは………
「よし、そんじゃあ後は…………ほいっと」
手元にある物を出す。
「…………何これ?」
「骨、ですかね……?」
「まあそれ以外なさそうニャン」
「ご明察だ。コレは文字通り骨、色んなとこからオイラの力を使って出すことが出来るんだ。こんな風にな」
そう言い、クイっと指を上に上げると───地面から骨が出てきた。
「おおー……?割と地味だね?」
「まーさっきのと比べるとそうだな。ただ、コレはコレで便利なんだぜ?骨は近接武器として使えるし、即席の足場としても使える」
「そう言われると確かに便利ですねー、足場が崩れた時や相手を妨害する時などに使える訳ですから。縁の下持ちと言った感じなんでしょうかねー」
「犬とかにあげたら喜びそうニャン」
「な、なんか着眼点ズレてない……?」
オイラから見ても着眼点がズレてると言わざるを得ないジバニャンの発言にゆきおんながツッコんだ。……ちょっと前から思ってたが、ジバニャンって結構マイペースだよな。
「っと、まあこんなもんだな。オイラが忘れてるだけで他にも能力が眠ってる可能性は十分あるが………まあ、こんだけ使えれば十分だろ」
「いや、実際結構強いでしょ。それに、妖怪じゃないから妖気を感じるなんて事もジバニャン達は出来ないみたいだけど………」
「つい先日会った彼らも妖怪なのは間違いない訳ですから、彼らもサンズさんの事を感知できない筈でうぃす。コレはかなりのアドバンテージですよ」
「………ウィスパーが真面目に話してるの違和感ニャン」
「んだとこのジバ野郎がー!!私はいつも真面目でしょうがー!!!」
「いや絶対それはない」
「即答!?で、ではサンズさんは……?」
「真面目な時はあるんだろうが、いつもと言われれば多分違えな」
「…………そ、そんな………ゆきおんなさん、貴女は私の事、見捨てませんよね………?」
頼みの綱のケータ、そしてオイラに即答された事で大分心が折れそうになっているウィスパーは、ここで最後の希望であるゆきおんなに賭けるが………
「…………多分、違うかなぁ………?」
「」
その言葉を聞いた瞬間──────ウィスパーは、石になったように表情を固まらせ、やがて地面に崩れ落ちた。
「……そ、そんな………!!真面目で売りのこの私が………!?」
「嘘でしょ?」
「鏡見た方がいいニャン」
少し引いた目でウィスパーを見る2人。………酷い言われようだな………まあ、付き合いが長いからこそのやり取りって奴なんだろうな。
地面に横たわっているウィスパーで遊んでいるジバニャンを横目に、オイラは
………あまりにも、都合が良過ぎねえか?
記憶は思い出せねえ。ここは確かに不便なんだろうな。都合は全くと言ってよくはない。ただ、それなら───なんで戦闘に関する記憶だけこんなにあるんだ?
瞬間移動はまだ分かる。他のやつと違って、日常的に使う余地がある。ただ、あの仮称『ブラスター』、そして骨を生成する能力に関しては別だ。
コレらも日常的に使うような環境下にオイラがいた可能性は十分にあるが………そもそも、オイラは別に戦うのは好きじゃねえ。それはたとえ記憶を失う前でも同じ筈だ。こんな物騒なもん、日常的になんて使うはずがねえ。
………さっきまではそこまで違和感に感じてなかったが、こうして一通り使ってからは違和感しかない。オレは咄嗟に覚醒してコレらが出来るようになった訳じゃない。目覚めた時から、最初からコレらの使い方を理解してたんだ。………流石に不自然すぎねえか?
それこそ、意図的な
「…………サンズ、大丈夫?」
頭に手を置き考え込んでいると、その様子が体調を崩したように見えたのだろう。ゆきおんなが心配そうに此方を見ていた。
「ん?あー、大丈夫だ。オイラはムードをよくするのが得意だからな。新しいギャグでもかまして空気を和ませようと思ってたんだよ」
「………そっか。あんまりわたしを寒くしないでね?実はわたし、こう見えて結構あったかいものが好きなんだから」
「マジかよ」
普通に初耳すぎてビックリだな。…………ゆきおんなって名前なのに、あったかいものが好きなのか………
ゆきおんなの意外な一面に驚きながらも、オイラ達は少し先で騒いでいるケータ達の元へ行くのだった。
◯
サンズの色んな事を知ってから数日後。俺たちはいよいよあのバッ……カデカい妖怪『デカニャン』がいるであろう場所、ケマモト村に行くことになった。
なんでも、そこでは昔から色んな物がバッ………カデカくなると言う言い伝えがあるらしく、状況があの時の商店街と物凄く似ているのだ。
「まー流石に関係ないと言うのも無理な話ですよねー」
「うん。だから、ケマモト村に行けば何か分かるかも」
荷物を詰め込みながらウィスパーの話を聞く。実際、何かあるのはほぼ確実なんじゃないかとみんなで色々考えた末に結論付いた。………コレで何もなかったら残念だけど、おばあちゃんの顔見れるし、そこまで悪くないよね。
「にしても結構遠いニャン………水筒とか持って行こうかニャー……」
「水分補給は大事ですからね。ケータくんも、ちゃんと備えておくように」
「最悪の場合はわたしが冷やすけど………まだ冷気はコントロール出来ないから、準備には気をつけてね」
「はーい」
お小言……というより、心配してくれてるのかな。そんな気遣いを嬉しく思いつつも、俺はある事を考えていた。
「………にしても、普段サンズってどこいるんだろ」
「『流石に寝床はこっちで調達しとくから心配すんな』なんて言ってましたからねー。多分大丈夫だとは思いますが、今どこにいるんでしょうか」
そう、サンズが普段何処にいるかだ。ついこの前は確かにおおもり山で色んなことしたけど、それっきり会ってないんだよね。
今日集合っていいはしたけど、来てくれるかな………
「おいおい、そんなにオイラの事話してどうしたんだ?」
「いや、サンズって今どこにいるんだろうな………って、ん?」
………今、俺誰と話してたんだ?
背後を振り向くと、見覚えのあるスケルトンが部屋の中に居た。
「うおわぁ!?」
「ククッ、やっぱコレ誰にやってもいい反応するな」
「………わたしはこの前されたばっかりだから反応しなかったけど、いきなり来られると驚くよね」
………あー、そういえば『驚いた拍子にサンズを凍らせそうになった』って言ってたっけ………なるほど、そりゃこんなことされたらそうなっても仕方ないよね。
「ホントに便利ですねーその瞬間移動」
「だろ?今では愛用してる」
「オレっちも移動がめんどくさくなったらサンズに瞬間移動してもらうかニャー……」
「いいぜ?互いに協力すれば『トントン』拍子に物事を進められるからな」
「…………成程、スケル『トン』とかけた訳ですね」
「……このレベルにたどり着くとは………こりゃ免許皆伝だな。オイラが教えられることはもうねえみてえだ」
「はっ、ありがたき幸せ………!!」
「…………一回ひゃくれつ肉球で黙らせた方がいいかニャン……?」
「さ、流石にやりすぎだって……!!」
「……ふふっ」
またまた状況がカオスになってきたので、一度場を納めてから準備を終え────俺たちは、ケマモト村に足を進めるのだった。
サンズが持っている能力まとめ
・瞬間移動、本来の名称は『ちかみち』
・ブラスター、本来の名称は『ガスターブラスター』(違うかもしれないですが、取り敢えず当作品ではコレで)
・骨を生成する能力(青、オレンジの骨に関しては出すかどうか悩み中。多分出さない)
・重力操作能力(現在記憶を失っているため、使用不可)
・??????(常時発動、場合によって出力低下の恐れあり)
まあこんな感じです。?の部分についてはマジでオリジナル設定で、出てくる、というかサンズが気づくのは当分先です。一応設定集とか色々見ながら考えたので矛盾はそこまでないと思うんですが、まあ矛盾があっても突っ走るぜの精神でやります。
それでは、また次回お会いしましょう。