ダイソンスフィアプログラムが現実に来たら   作:ワタハン

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ゲームが現実になったらどうなるというテンプレで俺Sugeeeしたいので


DysonSphereProgramが現実になった

俺は35歳の工場労働者だった。

18歳で工場で働き始めてからかれこれ17年にもなる。

係長として何年か働いているが収入はそれ程でもない。

電子機器のOEM製造を委託されている組み立て工場で勤労にいそしんでいる。

最近の楽しみと言えばPCゲームのDysonSphereProgramくらいだ。

発売されてから千時間くらいだがなかなか奥が深い。

タワーディフェンスは得意ではないのでダークフォグはoffにして楽しんでいる。

ダークフォグというのは工場を破壊する敵の事を云う。

 

そんなある日いつものようにゲームを起動しているとにわか雨が降ってきたのに気付いた。

ザアザアと降る雨と時折雷が落ちる音をBGMにして何時間かプレイしている。

 

「ふぁーぁ、さすがに何時間も遊んでいたら疲れるなあ」

 

その時雷がとしあきの家に落ちた。

 

ドっゴーン!バリバリバリ!

 

プツンと停電になりセーブ中だったゲームがパソコンの電源ごと落ちた。

 

「あーぁ、これでセーブデータが飛んでいたら何時間か無駄になるじゃねえか」

 

部屋を出て配電盤のある部屋に到着してブレーカーを見ると見事に落ちていたので上げると電気が元に戻る。

PCのある部屋に戻り、PCの電源を入れると起動画面が表示されたのでほっとする。

 

「さてゲームはと」

 

STEAMクライアントを起動してDSPを選んでクリックする。

 

「?」

 

ロード画面からセーブした最新のデータを選択するが画面が暗転したまま立ち上がらない。

 

「なんだデータ破損したのか?」

 

立ち上がった画面を見ると三人称視点で工場ロボ”イカロス”が近所の空き地に居るのが表示されていた。

 

「一体これはなんだ?ゲームが現実になったのか?」

 

足音が聞こえる。

ズン……。

ズン……。

ズン……。

 

スピーカーから出ている音ではない。もっと低い。家の床そのものが微かに振動している。

俺はマウスを握ったまま固まっていた。画面には、近所の空き地に立つイカロス。

全高、数メートル。

デフォルトの黄色を基調とした装甲。背中には推進装置らしきもの。

ゲームで何百時間も見てきた。何度も操作した。

惑星を走らせた、建物を建てさせた、鉱石を掘らせた。

でも、画面の中にいるのと、窓の外にいるのとでは意味が違う。

 

「……マジかよ」

 

椅子から立ち上がった、窓を見ると雨はまだ降っている。

薄暗い空、濡れた道路、そして、空き地にいる。

イカロスがゲームと同じ姿で。

ゲーム画面では、建物もイカロスも同じような大きさに見える。

しかし現実では違う。

さっきからずっと立っているが。

まるで俺の操作を待っているように。

「……右」

マウスを右へ動かすとイカロスの頭が動く。

「左」

左。

「ジャンプ」

――跳んだ。

「うわっ!」

思わず後ずさった。

イカロスが数メートル上空へ跳び上がり、そのまま地面に着地する。

 

ドンッ!

 

雨水が跳ねる。

地面が揺れる。

 

「……ゲームのまんまじゃねえか」

 

いや、違うゲームのままではない。

現実になっている。

俺は震える手でキーボードを操作した。

インベントリを開く。

表示されるアイテム。

 

鉄鉱石。

銅鉱石。

シリコン。

石。

木材。

 

そして。各種設備機械。

見慣れた数字。

 

「……これ、現実にあるのか?」

 

俺はインベントリから石を選択した。

イカロスが手を伸ばすと何もない空間から石が出現した。

 

「…………」

 

言葉を失った。

空中から出てきたように見えるが、よく見ると違う。

イカロスの手の周囲で、何かが光っている。

青白い光そして、石。

 

「物質転送……?」

 

そんな言葉が頭に浮かぶ。

だが、そんなものは現代科学にはない。

俺はすぐに考えを改めた。

 

「いや。決めつけるな」

 

ゲームと同じに見えるだからといってゲームと同じ原理とは限らない。

 

まず確認する。

 

俺は机の横にあった古いデジタルカメラを持った。

雨が吹き込んでくる。

 

「寒っ……」

 

カメラを向ける。

撮影

一枚。

二枚。

三枚。

 

イカロスを撮影する。

 

写真にはちゃんと写っている。

 

「……幻覚じゃない」

 

次にスマートフォンを取り出す。

動画撮影イカロスを映す。

ズーム。

さらにズーム。

装甲表面の細かい傷まで見える。

 

「……本物だ」

 

そこで初めて少しだけ笑った。

怖いが同時にものすごく興奮していた。

何しろ俺はこの機械を知っている。

普通の人間なら。「未知の巨大ロボット」だ。

しかし俺には違う。

これはイカロスだ。

 

惑星開発用のロボット。

ゲームではこいつ一体で惑星一個を工業化できる。

 

「……待て」

 

そこで俺は気づいた。

ゲームでは。

イカロスは単独で大量の資源を扱える。

工場を建てる。

鉱石を採掘する。

建物を解体する。

建設用ドローンを飛ばす。

 

つまりもしゲームの仕様が現実でも成立するなら。

こいつ一体だけで普通の工場とは比較にならない生産能力を持つ。

俺は慌ててゲーム画面を見る。

研究ツリー。

建設メニュー。

インベントリ。

そして。

電力。

 

「……電力は?」

 

表示を見る。

満タン。

俺は首を傾げた。

イカロスはどうやって動いている?

太陽光でもない。

燃料を入れた覚えもない。

 

「……もしかして」

 

ゲームではイカロスは自身のエネルギーを管理している。

なら。

 

現実のイカロスにも。

内部電源がある?

「……チートじゃん」

 

思わず笑った。

 

「……じゃあ、建設」

 

俺は建設メニューを開いた。

当然材料が必要だ。

 

必要資源。

鉄。

銅。

磁石。

コイル。

その他。

 

俺は笑いそうになった。

 

「いや、無理だろ」

 

ゲームなら簡単だ。

 

現実では磁石一つ作るにも原材料が必要。

コイルを作るにも銅線が必要。

鉄を加工する設備も必要。

 

つまりイカロスが本当にゲームと同じなら。

現実世界でゲームの生産ラインを構築できる。

しかも俺には17年間の工場勤務経験がある。

 

電子機器のOEM組立工場。

部品。

治具。

検査。

品質管理。

工程管理。

設備。

 

俺は生産現場の人間だ。

 

ゲームだけを知っている素人ではない。

 

「……相性、良すぎだろ」

 

その瞬間俺の頭の中で一つの考えが生まれた。

これを金にできる。

しかしすぐに否定する。

 

「駄目だ」

 

金儲けより先に確認することがある。

この世界に、イカロスが一体だけなのか。

もし俺以外にも存在するなら話が全部変わる。

俺はスマートフォンを手に取った。

 

ニュースを見る。SNSを見る。

検索する。

「巨大ロボット」

「謎の機械」

検索結果には何もない。

少なくとも今のところ俺だけらしい。

窓の外を見た。

雨は少し弱くなっている。

イカロスはまだそこに立っている。

そして俺は17年間工場で働いてきた経験からあることを理解していた。

どんなに凄い機械でも設備だけでは金にならない。

材料。

電力。

加工。

品質管理。

物流。

販売。

保守。

そして。

人間。

 

これらが揃って初めて工場は動く。

だから俺は最初の目標を決めた。

ダイソンスフィアなんてまだ考えない。

惑星開発もしない。

世界征服もしない。

 

まず100万円

それをこのイカロスを使って誰にも気づかれずに合法的に自分の力だけで稼ぐ。




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