【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない   作:C-RhYme

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第十話   宮崎ライブ前日~後編~

 

「私たちからの連絡をあれだけ無視したあげく携帯の電源落としたマネージャーさんは恋人さんとたのし~くお食事をしてたってことでいいのかしら?」

 

 

雨宮先生との食事を終えてライブ関係者が泊っているホテル(貸し切り)に戻ったところで俺はB小町のニノに見つかってしまった。

 

ニノは目いっぱい笑顔を浮かべているがこめかみに青筋が浮かんでいるのが見えるためかなり怒っているようだ。

 

あまりにも連絡がうるさかったので電源を落としたのがよくなかったのかもしれない。(一応責任者クラスのスタッフには緊急連絡用の別な携帯の番号を教えてあるので問題はない)

 

 

「最終打ち合わせも終わって解散となったのだから構わないだろう。あと、恋人ではなくただの知り合いだ」

 

「そういうことじゃないのよ!」

 

 

俺の言葉に彼女は頬を膨らませた。

 

一応そこにいた他の関係者やミヤコさん(社長は事務所で別な仕事)には少し用事ができて抜けると伝えたのだが、ニノは雨宮先生に連絡をしたときに近くにいたため俺が女性相手と食事をするのがばれてしまったらしい。

 

 

「遠征でのライブなんだから、マネージャーは私たちのそばでメンタルケアを最優先でやるべきじゃない?」

 

「そう考える余裕があるなら不要だな」

 

「もう!そういうことじゃないのよ!」

 

 

意図的にまっすぐ受け取らないように流そうとしていると彼女はプリプリと怒る。

 

すると、彼女の後ろからある人物が現れニノをそのまま後ろからぎゅっと抱きしめた。

 

 

「ひゃあ、アイ!?」

 

「もう、兄さんったらニノちゃんいじめちゃだめだよ?」

 

 

急に抱き着かれ相当驚いたらしくニノの声がひっくり返った。

 

そして、そんなニノの反応にはとくになんの反応を示さずにニノの肩に顔を乗せてこちらを見るアイは張り付けた笑顔だった。

 

 

「でもさぁ、担当のアイドルほったらかして女性と食事はないんじゃない?マネージャーが大切にすべき女性は私たちだって自覚足りてないよ?」

 

「そうよ!アイ、もっといってやりなさい!」

 

 

どうやらニノから聞いたらしく、アイも相当怒っているらしい。

 

アイの言い分だとマネージャーは恋人作るな結婚するな、ということになるがそういうことを言いたいのではないのぐらいわかる。

 

先ほどニノをおちょくったように流したいがアイの場合はそれが通用しない。

 

 

「それでどうしてそんなことしたの?」

 

「さぁ吐きなさい!」

 

 

何故かこちらがとんでもない悪事を働いたかのような言い草だ。

 

黙っている理由もないので本当のことを仕方なく言うことにした。

 

 

「こっちに入院していた妹が世話になった人と会っていたんだ。ここ最近は連絡も取っていなかったし、明日になったら俺たちは撤収しなければいけないだろ?今ぐらいしか時間がなかったからさっき会ってきただけだ」

 

 

そう説明したところで二人は納得したのとその相手がどのような相手か察して少し気まずそうな顔をした。

 

4か月ほど前までは妹(アイのことではない)が宮崎で入院しており、そのためにほとんど東京には来れないことはメンバーには説明してある。

 

そして、直接は言っていないが本格的に働き始めたころに事情を知っている社長かミヤコさんあたりがその後のことは説明したのだろう。

 

正式に雇われてから1~2週間ほどは妙に優しく感じたので気は使ってくれていたらしい。

 

 

「あと大前提として恋人じゃない」

 

「な、ならいいけどさ」

 

 

流石のニノでもセンシティブところだとわかり牙をひっこめた。

 

アイも仕方なさそう口を閉じている。

 

 

「もういいか?明日もやることが多いから部屋に戻りたいんだが」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!」

 

 

ニノがアイを引きはがして俺の近くまで来てにらみつけていると取られても仕方ないぐらいの眼力でこちらをジッと見つめてきた。

 

その瞳には眩いほどの光を放つ星が見えた。

 

 

「あ、明日は、約束通りちゃんと緑のサイリウムもって観客側でライブ見なさいよ」

 

 

ニノはそれだけ言って走ってどこかに行ってしまった。

 

それを見て素直じゃないと微笑ましく思ってしまう。

 

 

「約束って何かな?」

 

 

今のやりとりを聞いていたアイがまた笑顔を張り付けて詰め寄ってきた。

 

その瞳には冷たい光が見えた。

 

 

「アイのチケットを取るのに協力してもらう代わりに最前列でライブを見るように言われたんだ」

 

 

さりなと雨宮先生に用意したチケットのうち1枚は融通してもらえたのだが、もう一枚確保するのに抽選をメンバーに協力してもらっていたのだ。

 

 

「えぇ!?わたしに言ってくれれば社長に言って絶対に用意したのに!?」

 

「だから言わなかった」

 

 

アイに協力を仰いだら社長に迷惑をかけるわ調子に乗るわで面倒な事になるのがわかっていたので話が行かないようにはしていた。

 

 

「それでニノからは協力するかわりに最前列で緑のサイリウムを持ってライブを見るように言われたんだ」

 

 

ちなみにこれは追加の報酬でメンバー全員にそれなりに良いところの食事をおごってあげている。

 

さすがに協力を仰いでいないとはいえアイだけハブるのはかわいそうだったので当然アイにも奢っている。

 

俺がニノとの約束について話すとアイは一瞬俯いた後、すぐに顔を上げて普段のライブで見せるような笑顔を浮かべ視線をそらした。

 

 

「そっか。じゃあちゃんとやってあげないとだめだよ。あ、わたしもう寝ようかな?お休み~」

 

 

アイはそう早口で言って走ってその場からいなくなった。

 

 

「こんな時だけ嘘が下手だな」

 

 

思わずため息がもれる。

 

へたくそな嘘にもそうだが、そんな嘘をつかせてしまった自分の情けなさに。

 

 

「これは埋め合わせだ」

 

 

誰かに言い訳するかのようにつぶやき頭の中の予定に最優先事項を追加した。

 

 





宮崎のライブの話がおわらな~い

あと2,3話で終わるかなぁ(見切り発車)


歪んでないニノの口調がよくわかんない・・・すごいツンデレっぽくなってしまった
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