【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない 作:C-RhYme
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誤字報告もいつもありがとうございます!
引き続き楽しんでいただけたら幸いでございます。
一応原作回です(原作部分ほぼ描写ないですが)
あとがきにちょっと没ったやつを載せます(鬱展開です)
今日は販促イベントのミニライブがあり、俺はそれに参加するB小町のアイを含む3人とライブハウスに来ていた。
俺とアイがこっちに来ているのでアクアマリンとルビーは今日ミヤコさんが見てくれることになっている。
「それにしても最近私たちをほったらかしが多いアイマネがくるなんて、どういう風のふきまわしかな~?」
準備を終え、出番を待っていためいめいがにじり寄ってくる、
「兄さんも役者の仕事あるんだから仕方ないよ。ねえ?兄さん」
めいめいを諫めるようにアイが俺とめいめいの間に入り込んでくる。
最近はあの子たちの世話や俺自信の役者としての仕事があり、最近はあまりB小町のマネージャーとして行動できていない。
というのが、社長とミヤコさんが考えた建前だ。
別の理由で俺はB小町と共に行動する頻度を減らしている。
「アイちゃん最近、星野さんのフォローよくするね?前は星野さんがついてくるのに間があくと『兄さんは妹を大事にしてない!』って詰め寄っていたのに」
「そ、そうかな?」
「そうそう、むしろニノのほうがフォローしてたぐらいだもんね~」
カナンとめいめいに突っ込まれアイの目が泳いでいる。
この状況が主な理由だ。
双子が産まれてからほとんど同棲しているためかアイが俺との距離感を間違える。
特にアイドルとして復帰してからはそれが顕著で、他のメンバーの前でも家にいるときのような態度をとりかける。
以前だったら文句を言うような状況や俺に詰め寄るような状況でも、俺がわの擁護に入るようになった。
なんなら、妙にベタベタするようになってしまった。
それを見た社長とミヤコさんが『これはやばい』と俺がマネージャーとして同行する頻度を減らしたのだ。
「でも兄妹で仲がいいのは普通だよ?」
泳いでいた目が正常に戻りさも当然のようにアイは言い放つ。
その様子にめいめいとカナンは目を見合わせ軽くため息を吐いた。
「そのていで行きたいならもう少し露骨な態度は押さえたほうがいいと思うよ?」
「うんうん。私とアイマネの間に割り込んだのも独占欲マシマシだったしね~」
「うん、でもすごくかわいかった」
「わかる~」
正直なところそういう会話は俺のいないところでしてほしい。
口を出すとどうしてもカドがたつ以上こちらは黙っているしかできない。
「わたしはその」
「言わなくてもいい。嫉妬してるんでしょ?みんなわかってる」
「そ、そんな私めいめ」
「星野さんの双子ちゃんに」
「え?」
言い訳しようとしたアイの言葉を遮るようにカナンが言うとアイはぽかんとした表情を浮かべた。
「星野さんが娘ちゃんたちの面倒ばかり見るから構ってもらいたくてしょうがないのよね?」
「ずっと横で双子ちゃんの世話をしているのを見ててうらやましくて、双子ちゃんにお兄ちゃん取られてさみしいんだよね〜?アイは」
「まぁ、アイちゃんが我が子のように自慢するだけあってあの子達かわいかったから仕方ないと思う」
「だね~。この間のアイマネと双子ちゃんのお休み写真とかマジでかわいかったもんね」
私はわかってるよと言わんばかりに二人はアイの肩をポンとたたいた。
アイとしても変に言い訳すると言ってはいけないことを言いそうなのがわかっているようで何か言おうと口だけが空回りし音がでていない。
「でも、ちょっとは我慢が必要かもね?アイ叔母ちゃん」
「お、お、おば!?」
「だって姪っ子なのだからアイちゃんは叔母でしょ?」
「それはやめてくれない!?」
「あはは、さてと緊張もほぐれたし振りの確認してこよ~」
「私も行くよ」
「ちょ、ちょっと!」
アイをからかうとカナンとめいめいは行ってしまった。
アイは手を伸ばしたままプルプルと震えている。
「はぁ」
俺は周りを見て人がいないことを確認してからアイの頭に手をポンとのせ、セットが崩れない程度に軽くなでた。
するとアイは俺の背中に腕を回し抱き着いてきて胸元に顔を埋めた。
「アイ、それはさすがにまずい」
「アイトが撫でてきたのが悪いし、私が叔母だっていうの否定してくれなかった」
「悪かった」
雑に謝りながら撫でる手は止めない。
時々アイはこういう風に直接触れて甘えたがる。
特に妊娠したあたりからスキンシップといえるような距離感になった気がする。
妊娠したことで何かしら心境の変化ができたのだと思うが、甘えるのが下手だったそれまでを考えればよい傾向だと思おう。
「今日は私も横で一緒に寝るから」
「はいはい、ご自由にどうぞ」
どうせ、俺はあの子たちを寝かせたら動けなくて何もできない。
俺の返答におおむね満足したのかアイは笑顔を浮かべて離れた。
「さっきまでさ、ちょっと悩んでたのにぜ~んぶどっか行っちゃった」
「・・・悩む?」
「あれ?喧嘩売られてる?」
アイの言葉に冗談交じりで返したら詰め寄られた。
「まぁ、いいや。エゴサしてたらさちょっとね」
「表情がシステマティックなアイドルマシーンと書かれてたの見たのか?」
「え?そんなのあったの!?」
「いや、忘れてくれ」
どうやら違ったらしい。
一応、すぐにメンタルケアができるようにB小町関連のSNSはチェックしている。
尤も最近はちょっと時間を取れなくて少し抜けが多いが。
「でも、まぁ似たようなものか~。なんか私の笑い方人間臭さがないんだってさ」
そういってアイは先ほどとは違うアイドル・アイの笑顔を浮かべた。
それを見てそれを書いたであろう人物の気持ちは一応理解できた。
特に感受性の高い人だと気づくのかもしれない。
アイドルをしているときのアイの表情は感情ではなく、合理性で作られている。
確かにきれいな表情だが、そこにほぼブレがない。
「一応みんなが好きそうな笑顔のつもりなんだけどな」
「それに関して特に悪いとは思っていない」
それをできるのがプロというものだ。
しかし、アイが引っかかっている部分を解消するとなるとある種の矛盾を解消しないといけない。
プロのアイドルと普通の人の両立。
アイドル活動中表情をコントロールできているアイにとって自然に湧き出る感情を出すのは難しい。
歌に込められた感情をうけて自然に出てしまう表情、それが求められている。
それができればもう一皮むけるとは思うが、現状ないものねだりだ。
「ただ」
「ただ?」
「俺は今の笑顔よりさっきの笑顔の方が好きだな」
「っ~~~!ばかばか」
アイは顔を真っ赤にしてぽかぽかとたたいてきた。
それを甘んじて受け入れて時計を確認する。
「そろそろ時間だ準備してこい」
「はぁ~、もう!研究しなおさないとな~」
アイは手で顔をあおぎながらそう言って準備へと向かった。
「ふぅ」
思わずため息を吐いてしまう。
アイの言動は言葉だけで改善するような話ではない。
それこそ、俺が出会う前のことに起因している。
防衛本能だろうか、人前に立つときはあらかじめ準備した仮面をかぶり、相手に求められることをこなそうとする。
だからこそ味方だと思う相手にしか本当の感情を出せない。
俺には手が出せない問題だ。
俺がアイにとって内側の存在である以上、俺が下手に動けばアイを守っている仮面を壊すだけになってしまう。
アイには自然と仮面を外せるように、必要な時はしっかりと仮面をかぶれるようになってもらいたい。
自分で自分の心を守れるように。
いつまでも俺はそばにいるわけでないのだから。
「あ!B小町のマネージャーさんですよね?少し確認したいことがありまして」
「はいなんでしょうか?」
スタッフに呼ばれて俺はその場を離れた。
そして、確認が終わるころにはミニライブも終わりすでに3人が戻ってきていた。
何やらものすごく盛り上がっている。
「やっぱりかわいかったね~!写真もそうだけど生でもすごい!」
「でしょ!あのこたち本当にきゃわー!って」
「アイちゃん落ち着いて、でも全部持ってかれたわね」
何やらライブ後の感想としては妙なことを言っている。
見られる側の人間が何かを見た感想を言っているのだ。
「アイアネも見たでしょ?」
「いや、俺はちょっと確認があって今戻ってきたところなんだが、何があった?」
見てないことを伝えた瞬間3人から鋭い目つきが飛んできたが無視をする。
「星野さんの赤ちゃんがヲタ芸をしてたのよ」
「・・・は?」
カナンに言われたことが何一つ頭に入ってこなかった。
赤ちゃん?ヲタ芸?
「そうそう!アクアとルビーがサイリウムをこう振っててね!ちょーかわいかったー!」
「いや~、思わず個レスしちゃったね~」
「仕方ないわ。無視できないもの」
少しとろけた輝くような笑顔を浮かべたアイが身振り手振りを交えて教えてくれた。
それで起きたことは一応理解できた。
どうやら本当に会場にアクアマリンとルビーがおりヲタ芸をしていたらしい。
意味が分からない。
今日はミヤコさんが家で面倒を見ているのではないか?
「もしかしてアイマネ直伝?アイマネもできるなら特等席でやらせてあげるのに~」
「そんなわけあるか。あの子たちはB小町のライブが好きで映像でよく見てるから観客席でやっている人を見て覚えたのかもな」
なんとかそれっぽいことを返す。
そもそもサイリウムなんていくら賢いとはいえあのぐらいの子にはまだ危ないから欲しがっていたが触らせていない。
アイがこっそり与えようとしたのを注意したぐらいだ。
「ちょっと電話してくるから撤収準備しといてくれ。終わり次第車を出す」
俺は3人にそういってから周囲に人がいないところに行き電話をかけた。
電話はワンコール目でつながった。
『・・・はい』
電話の相手はずいぶんとしおらしい声をしていた。
気のせいだろうか?電話越しなのにびくびくしている気がする。
「お疲れ様です。ミヤコさん、今当然ですが家ですよね?」
『・・・あの、ですね』
「あとでお説教です」
『はい、すみません』
そこまで話して俺は電話を切った。
「はぁ・・・」
今後のことを考え俺は軽く頭を抱えるはめになった。
その後ヲタ芸を打つ双子ということでバズってしまい、その流れで事務所としてはその親が俺である旨を公表しなければいけなくなった。
さすがにその場に親がいないのはまずいということで、事務所の人が俺の頼みを聞いてその場に連れてきていたという扱いになっている。
そして、この件をきっかけに何かをつかんだらしいアイの笑顔が変わりさらに人気を博しB小町の中で頭一つとびぬけるようになった。
余談だが、ミヤコさんには俺と社長で4時間のお説教を浴びせた。
途中で『神様が』やら『天命』やら『神罰』だの言っていたが無視した。
ヲタ芸ベイビーの裏側といった感じで仕上がりました。
アイ以外のメンバーが調べても容姿や口調がよくわからなかったのと漫画とアニメでビジュアルが違うのでここではめいめいとカナンということにしました!
うちのB小町は仲良しグループだからメンバーの配置も変わるでしょ!(言い訳)
ちなみにアイさんはメンバーと仲良しなので兄の子として双子を自慢してます。
ついでにアイさんとのいちゃいちゃもかけてよし!
・・・嘘です。本当は叔母のくだりをやりたかっただけです。
以下、没った内容です
アイトへの鬱・曇らせ 閲覧注意
ステージ裏から観客席を見ているとスタッフ・関係者席の方に知っている人物が双子用のベビーカーの横に立っていた。
本来なら家で子守をしているミヤコさんだった。
そして、その横のベビーカーにはアクアマリンとルビーの姿があった。
何をやっているんだと頭を抱えていると、曲が始まった。
「・・・え?」
思わず声が漏れた。
双子を見るといつの間にか二人は触らせないようにしていたはずのサイリウムが握られており、ヲタ芸と呼ばれる動きでサイリウムを振っていた。
心臓がドクンと嫌ななり方をした。
「・・・さり、な?あま、みやせんせい?」
人には動きの癖がある。
二人の動きの癖が記憶の中の二人と一致する。
完全に同じ動きではないのに、ところどころの誤魔化せない特徴が同じ。
「はっ・・はっ・・」
呼吸が乱れる。
「違う・・・」
自分に言い聞かせるようにつぶやく。
しかしそれも記憶がその言葉を否定する。
「さりなは、もう、いない・・・天童寺藍斗、お前が見捨てて死なせたんだ」
強く口を閉じたせいか何かが砕ける感覚と鉄の味が口の中に広がる。
強い言葉でなんとか卑怯な思考を否定する。
それなのに視界がにじんでくる。
「先生は、無事なんだ・・・だから、関係ないんだ・・・」
もし、あの日先生を探しに行っていたら・・・
口にした言葉と頭によぎる言葉が何一つかみ合わない。
強く握った掌の中ににぬるっとした液体が満ちたような気がした。
はい、以上、没ルートでした。
これやってしまうと
①アイト君が病んで仕事をやめて先生の所在を宮崎に行き調べ始める
②疫病神関連から情報を得て死体を発見
③黒幕速攻で発見→デストロイ
④その後自殺→ヒカル君、アイさん、双子も後を追う
という救いようのないバッドエンドが確定するので没です