【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない 作:C-RhYme
第三十五話の続きです。
ルビー視点です
ちょっと短め
「さっきはひどいこと言ってごめんなさい。その、役者仲間として仲良くしましょ」
「こ、こっちこそさわいじゃってごめんね?」
「私も大人げなくぴりついちゃったし妹を諫めなくてごめん」
パパに言われて私も悪かったなと思い一応先輩(私も子役登録されてるらしいし)の謝罪を受け入れて謝る。
お姉ちゃんも同じらしく謝っている。
「ところでアイトパパってどういうこと?」
今の謝罪でこれまでのは終わり。
さっさと本題に入らなければいけない。
「え?その、1年ほど前に共演したときにパパ役だったんだけど、終わってからもついそう呼んじゃっただけよ」
かな先輩は少し焦ったように顔を赤くしながら答えた。
はぁ、お兄ちゃんは本当に人たらしだ。
きっといつの間にか彼女の中に入り込んでいったのだろう。
「じゃあ、これからやめればいいよね?パパは私たちのパパなんだから」
「はぁ?そんなの私の知ったことじゃないわよ!それにアイトパパからダメって言われてないもの」
「アナタだってパパいるんでしょ?それならパパが二人っておかしいよ」
「わ、私はプロだからプライベートと仕事はちゃんとわけてるの!だからプライベートのパパと仕事のアイトパパでわけてるから問題ないわ!」
とんだ暴論だと思う。
それなら私だってプライベート用と仕事用と寝るとき用とそれぞれ専用のお兄ちゃんがほしい。
「あ~、ルビー、父さんからは仲良くするよう言われたでしょ?」
「なんか、私この人とは仲良くできそうにない」
「聞こえてるわよ!」
そんな風にじゃれるようなやり取りをしていたら撮影の時間となり私たちは撮影場所へと移動した。
最初の撮影は主役の女の人とお姉ちゃんとかな先輩で私はお兄ちゃんの膝の上という特等席で一緒に待機だ。
撮影が始まると確かにかな先輩は演技がうまいらしく本人だけでなくまわりの空気がほんのわずかだけ変わった気がした。
逆にお姉ちゃんはいつもどおりのお姉ちゃんで、演技をしていないようだった。
そして、そのシーンの撮影が終わるとお姉ちゃんとかな先輩が話していた。
「なかなかやるじゃない!ちょっとなめてたわ」
「私も少し侮ってた。さすが天才子役だね」
どうやら二人で実力を認め合ってほめているらしい。
なんか青春だなぁ。
「なぁ、アイト」
「なんですか?」
監督がお兄ちゃんのところに来て話しかけてきた。
「シーン112だけどよ、その子にも出てもらっていいか?」
「ルビーにも?」
「え?私!?」
突然私の方に話が来るとは思わず変な声が出てしまった。
お兄ちゃんはシーンの内容を思い出しているのか顎に手を当てている。
「もしかしてそのあとシーンが切り替わるたびにアクアとルビーを入れ替わりでだすんですか?」
「そうだ。せっかくの双子だからうまく絡めたい」
「わかりました、一応ルビーも事務所に所属してるので大丈夫です」
「じゃあ、ちょっとつめるぞ」
その後二人は台本を広げてしゃべっていた。
内容は私にはちんぷんかんぷんだけどお兄ちゃんに任せれば大丈夫だろう。
演技なんてミヤコさんをだました時くらいだろうけど、お兄ちゃんがフォローしてくれるだろうから不安はない。
そして、私はお姉ちゃんやアイと同様に映画デビューすることになった。
撮影が終わりしばらく経つと映画が公開された。
試写会には家族勢ぞろいで呼ばれ、舞台上であいさつをすることにもなった。
緊張で何も言えなかったけどお兄ちゃんが抱きしめてくれたのでオールOK。
映画は、最初のお姉ちゃんのシーンが小さな子供が流ちょうにしゃべるという不気味さ(初めてお姉ちゃんとしゃべったときに感じたようなものかも)で幕があがり、途中で医者役で登場したお兄ちゃんとその娘役で出た私が、シーンごとに私はお姉ちゃんと入れ替わり、お兄ちゃんは演技力とメイクで少しずつ変わっているのに周りが気が付かないという不気味さ、徐々に主人公の認識がくるっていくのが伝わってくるのがよくわかる作品だった。
途中で医者の娘役をかな先輩がやって『金髪の子?なんのことですか?』と平然と言い放つシーンはゾワリとした。
見た目はかな先輩なのになぜかそれが違和感だと認識できないぐらいの演技力にはさすが天才子役だと驚かされた。
映画なんかよくわからない私でもそう思うのだから見慣れている人は余計かもしれない。
また、これはお姉ちゃんも感じたようだけど撮影中は私とお姉ちゃんが一瞬どっちがどっちかわからなくなった気がした。
まるで私がお姉ちゃんで、お姉ちゃんが私でというような感じだ。
それも撮影が始まったタイミングでそうなるから、お兄ちゃんのせいらしいとはお姉ちゃんの言葉。
そして、あれこれ語ったけどこの映画は終盤にちょっとだけ登場したアイと、最後に主人公に『私は誰だ?』と不気味に問いかけるお兄ちゃんがすべてを持って行った。
これが私たち星野一家が全員そろって共演した記念すべき映画となった。
これにて原作それが始まり回終わりです。
1年前にアイト君に出会っているためかなちゃんの能力が少し強化されているためアクアちゃんとのシーンで泣いておりません(仲間として受け入れているのもありますが)
幼稚園イベはお遊戯回以外どれぐらいオリジナルを入れるか悩み中
そろそろニノの独白を入れないといけない気もするけどもう少し後でもいいような、プロット的にはどちらでも問題なさそうだけどどうしよっかなぁ