【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない 作:C-RhYme
うれしくて狂喜乱舞です!
「アイトあとで昔の曲練習するからつきあってよ」
家族4人勢ぞろいで夕飯(アイトが作ってくれている)を食べているときにふと思い出した。
今日、今度やるライブの曲が伝えられその中に昔の曲で最近やっていない曲があったのだ。
「昔の曲って・・・あぁ、そうかあの曲はここ最近アイが出るときにはやってないな」
アイトは少し考えるそぶりをしてその曲が何か理解したようだ。
他のメンバーのライブの時はやってたりするみたいだけど、私は他の収録とかがあったりとタイミングが悪くてやってない。
ちなみにその時はだいたいアイトはメンバーの方についていくという薄情者だ。
「食べ終わって少し休んだら、当日の配置やら確認するから先にウォームアップしておいてくれ」
「は~い」
「ねぇ、父さんって振付できるの?」
アクアが首をかしげながら聞いてきた。
かわいい。
でも確かに疑問に思うかもしれない。
「お姉ちゃんは知らないの?パパは昔からアイのお兄様って呼ばれててライブの振付とかも手伝ってたって有名なんだよ」
「それは知ってるけど・・・」
私が答えるより先にルビーがそれに答えてくれた。
ドヤ顔かわいい。
本当にルビーは私のことやアイトのことよく知ってる。
というか、アクアも知ってるのすごいな。
「すごいねルビー、それって結構前の話なのによく知ってるね?」
「ゆ、有名だから!」
何故か焦るように答えていたけど、やっぱり我が子だけあって賢いな。
「パパは私達の振付全部把握してるから、たまーに手伝ってもらうんだよね」
「「全部?」」
「あれ?」
私が当然のように言った内容にアクアとルビーはきょとんとした表情を浮かべた。
ルビーもそれは知らなかったのかな?
「ふっふ~ん、じゃあ二人にはパパのすごいところをおしえたげる」
「やめろ」
「「おおぉ!」」
「おおぉ、じゃない」
表情は変わらないけどさすがのアイトも恥ずかしいのか止めてきた。
でも、二人は乗り気だから教えてあげないとなぁ。
キミたちのパパはすごいんだよって。
「なんとパパはすべての曲の歌と振付をメンバー分覚えてます」
「「?????」」
すごすぎて理解できなかったのか二人の表情がなんかどこぞの猫のようになっている。
そりゃあ、私も目の前で見せられなければ同じようになるかも。
「アイト、後でみせたげてよ」
「見せるって自分の振りの確認だけじゃないのか?」
「軽く通してやるから、他のメンバーの立ち位置でやってよ」
ライブでは動きながらだから他の人がどこにいるかがすごく重要。
距離間がわからないと動きも悪くなるしね。
「・・・わかった」
なんか、すごく渋々といった感じだけどうなずいてくれる。
なんだかんだ言いつつも受け入れてくれるのがすごくうれしい。
その後、夕食を食べ終えてゆっくり休んだのち、私はダンスウェアに着替えてレッスンルームに行った。
楽しみにしていたのか、ルビーとアクアはサイリウムを持ってルーム内においてあるベンチにすでに座っていた。
「じゃあ、ちょっと準備するね~」
軽くウォームアップしてからイヤホンをして音楽を流す。
まだアイトは来ていないけど流石に見てもらうとはいえある程度思い出してからじゃないと時間かかっちゃうしね。
音楽に合わせてダンスを始める。
途中でアクアとルビーにファンサをするのも忘れない。
以前みたいなヲタ芸はしてないけどサイリウムを小さくふる姿はとてもきゃわ~!
「ふぅ、どうかな?」
1曲ぶん終わってから二人の方を見る。
「すごい!さっすがアイ!」
アクアが興奮しながら言ってきた。
えへへ、さすがか。
ルビーは笑顔だけど少し首をかしげてた。
「ママ、武道館の時と振付違うの?」
「あれ?同じつもりだったけど、違ったかな?」
「えっとね」
アクアもルビーもよく私のライブ映像を見てるらしいからそれで覚えてたのかな?
ルビーはサイリウムを置いてわたしの横に来た。
「武道館の時は腕のふりが高かったよ?」
「どんなかんじかな?」
「えっとね?ここのときは、もっと、あ」
踊り始めて片足立ちになった瞬間にルビーの体がふらついて転んでしまった。
自分を守るような安全な転び方だったから心配していないけど、バランスを崩す直前にはすでに腕は顔を守るようにしていた転びかたを見てあることを思った。
まるで倒れる準備をしているようだと。
私はルビーを抱き起して立たせてあげた。
転んだのが悲しかったのかルビーの目には涙が浮かんでいた。
「転ぶのを恐れたらもっところんじゃうものなんだよ。もっと堂々と胸を張ってたつの」
私もダンスを始めたばかりのころに似たようなことを言われた。
そっか、これが教わったことを伝えていくってことなんだね。
「大丈夫だよ、ママを信じて」
「・・・うん!」
私の言葉にルビーは笑顔でうなずいてくれた。
信じてくれるって、こんなにうれしいだね。
「あ、父さん」
「取り込み中だったか?」
ちょうど、アイトも来たようだ。
ジャージに着替えて髪をポニーテールにしている。
あのうなじは誘ってるのかな?
うちなる本能が出そうになった瞬間、脳内のヒカル君に『野蛮人』と言われすぐに冷静になる。
「今ね、ルビー先生に教わってたんだよ」
「せ、せんせい!?」
「なるほど。じゃあ、確認するから一回通して覚えてる範囲で踊ってみてくれ」
「は~い、じゃあルビー一緒にやろうか」
「う、うん!」
本格的な練習は後でいい。
今は一緒に踊りたい。
「間違えても止めずにわかるところが来たら再開してくれ」
「は~い。あ、アイトが歌ってくれる?」
「Bluetooth切ってスマホをスピーカーにすればルビーも一緒にきけるだろ」
ダメだったか。
でも、やっぱり無理って言わないからできるはずなんだよね。
「ぱ、パパの歌聞きたい!」
「私も聞きたい!」
お!思わぬ援軍が入った。
二人にとても甘いアイトは少し困った表情を浮かべている。
そして、数秒後には深いため息を吐いてうなずいてくれた。
ファインプレーをした二人には明日アイスを買ってきてあげないとね。
「じゃあ、始めるぞ」
その瞬間、世界が塗り替わるような感覚がした。
そして、目の前のアイトが見た目は全然違うのに『
「3,2,1」
伴奏から軽く口ずさみ、本格的に始まるとまるで
声質は似せてはいるけど違う。
それなのにこれは『
というか、突然歌までお願いしたのに当然のように応えられるのはさすがだ。
ふと隣をみるとルビーは不完全ながらも先ほどまでの縮こまった様子もなくしっかりと踊れている。
その瞳は楽しいというのが伝わるほどキラキラと輝いている。
「あ」
思わず私の声が漏れた。
順調に踊っていたルビーだったけどやっぱり片足になった瞬間にバランスを崩して倒れそうになった。
しかし、ルビーが床にたたきつけられることはなかった。
「ぱ、ぱぱ」
アイトが一瞬で近づきルビーを支えていた。
その間も歌は途切れれていない。
ルビーの目がさっき以上に星のようにキラキラと輝き、熱のこもった視線をジッとアイトに向けていた。
アイトはルビーを立たせると元の位置に戻った。
今、ルビーは倒れそうになった時さっきのような感じはなかった。
むしろ真逆で受け身を取ろうとするどころか、眼すらつむってなかったように見えた。
まるで、自分が転んで床にぶつかるなんて考えていないかのように。
(気のせいだよね?)
そんな考えを頭の隅に追いやってダンスを続ける。
ルビーも途中から再開して、最後まで一緒に踊り切った。
「すごーい!アイも!ルビーも!父さんもすごーい!」
アクアが大興奮でサイリウムを振り回してる。
よく見たらルビーが置いた分も持ってて4本持ってるから、ライブに来る人よりすごいかもしれない。
「ありがとーアクア!」
手でハートを作ってあげるとまるで撃ち抜かれたようにアクアはその場に崩れ落ちた。
大げさだけどかわいいなぁ。
ルビーと踊れたし、アクアの応援もあって私のテンションは最高潮になったけど、私はアイトからとんでもない量のダメ出しをくらい気分が落ち込むのであった。
容赦なさすぎる・・・
Side Ruby
私の人生のほとんどは病室で終えた。
だからといってそれが単純に不幸だ、とは今も思っていない。
私には宝物と言える人達がいたから。
お兄ちゃんが世界を広げてくれた。
その広げてくれた世界にいたアイが私に美しい輝きを見せてくれた。
その輝きは瞳に、心に焼き付いている。
でも、そのころの私はあこがれを抱くことしかできなかった。
あの輝きを自分で放ちたかった。
自分もあの一番星のようになれるのだと思いたかった。
いつからだろうか、私がアイドルになりたいと思ったのは・・・
いつからだっただろうか、お兄ちゃんにとっての私が『私にとってのアイ』のような存在になってほしいと思ったのは・・・
「ぱ、ぱぱ」
アイの横で踊っているときに転びそうになった瞬間にお兄ちゃんが昔のように支えてくれた。
心はちゃんと覚えているようで、バランスを崩した瞬間に私は何も思わなかった。
だって、お兄ちゃんが助けてくれるのを私は信じてるから。
助けてもらった瞬間、泣きそうになった。
お兄ちゃんの中にちゃんとまだ『さりな』がいてくれたことに。
支えてもらって昔のようにジッとお兄ちゃんを見つめてしまった。
至福の時間は短かったけど、腕から伝わる温もり・力、すべてが愛おしかった。
ママの練習が終わりママとアクアはレッスンルームからいなくなった。
私はお遊戯回でやることがきまったダンスと向き合う為に練習しようと残っている。
昼間、幼稚園でそれが伝えられた時は逃げてしまったけどもう逃げない。
「お、パパ、見てて」
「ああ」
今、ここにはお兄ちゃんだけがいる。
私がお願いして踊りを見てもらうために残ってもらった。
スマホで音楽を流し、頭の中のスイッチを入れて信じ込む。
今から私は『アイ』だと。
アイのように動け私の体!
もっと、もっと動け!
もう、あなたの為に輝けなかった『さりな』はいない。
踊っていいんだ!輝いていいんだ!
自分の考えに動きが付いてくる。
あぁ、なんて楽しいのだろう。
昔のように言うことをきかない体じゃない。
今の私ならお兄ちゃんの為に光輝く『
「ふぅ、ふぅ」
一曲分踊り切ると息が持たず体がふらついて倒れそうになるとお兄ちゃんが受けとめて抱きしめてくれた。
「すごくよかったぞ、ルビー」
「えへへ」
ほめられて頭のスイッチが切れると普段の私に戻る。
今はこれが精いっぱいだけど、必ずあなたの一番星になるからね。
最後にお兄ちゃんにむけて、さっきママがお姉ちゃんにしたように手でハートをつくり向ける。
「ありがとーパパ」
これが初めてのファンサなんだからね。
原作ダンス回ですね
お遊戯回本番はまだなのじゃ(書く予定あり)
アイ回だと思いました?ルビー回でした~
次か、次の次あたりでニノの独白回をいれます