【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない 作:C-RhYme
UAやお気に入りががんがんのびていて日々ダイカンシャ(ダイマックス並感)です!
誤字報告・感想・ここすき・評価も大変ありがたいですありがとうございます!
今回はちょっとした息抜き回です
アイとニノが話をしている間俺は事務室で仕事をしていた。
先ほど殺されそうになったが、今のニノが刃物を持っていないことは確認しているしアイの方も最近やたらと護身術を学びたがっていたから教えている(講師を探そうとしたらごねられて俺が教えることになった)のでニノぐらいならどれだけ暴れても大丈夫だろう。
そう思い俺は特に心配することなく二人きりにしている。
「社長は今日、外行きの要件はないと言っていたはずなのだが」
社長がいると思い諸々が終わった後に苺プロに来たのだが当てがはずれた。
事務室に置かれている各人員の予定表が書かれているホワイトボードの社長の予定には『外出:私用』と書かれている。
戻る時間も書かれていないので二人の話し合いが終わるまでに帰ってきたら運がいいとしよう。
「ん?アイト、来てたのか」
考えているとちょうど社長が戻ってきた。
「ちょっと用事があって直接話そうと思いまして。珍しいですね日中に私用で抜けるのは」
「ああ。わりいなちょっと先輩に呼ばれてよ」
「そうですか、まぁ私用とのことなので詮索する気はありません」
「そうか、じゃあ話があるんだろ?社長室に来てくれ」
俺は今まで使っていたタブレットを片付け、社長と一緒に社長室へと入った。
社長は羽織っていたジャケットを脱いでデスクにつくとこちらを向いた。
「で、なんだ?あらたまって」
「今後の仕事の割り振りについてなんですが、俺をB小町の担当から外してもらえませんか?」
俺がそう言うと想定していなかったのか社長はポカーンとした表情を浮かべた。
そして、すぐに我に返り口をひらく。
「な、な、なにがあった!?とうとう殺されそうになったか!?」
社長にもそのように思われてたのか俺は。
「理由という点では当たらずとも遠からずです」
「・・・なんかやべえことが起きたんだな」
「ある意味そうですね」
俺は先ほど追い込まれたニノと揉めたこと、そのうえでニノを責める気はなくちゃんと見るということを伝えて和解したこと、その後のニノの距離感がおかしくなっている旨を話した。
流石に殺人未遂は話す気にはならなかったので伝えていない。
話を聞いた社長は頭を抱えて盛大にため息をはくと呆れた眼をこちらへと向けた。
「お前があいつらを大事にしてるのはわかってるけどよ、もっと距離感をうまいことやらねえと次は殺されるぞ。本当に昔っからそこは変わんねえな」
呆れつつ冗談交じりで社長は言ったつもりなのだろうが、すでに殺されかけたとは言えない。
「覚えておきます。それでアイもですがニノも現場で距離感を間違えられるとこの時期に炎上しかねないのでいっそのこと現場には俺は完全に同行しないほういいかと」
「・・・そうだな」
炎上が原因でドームライブの話が流れたら困る。
それがお互いの共通認識なおかげで社長はあっさりとうなずいてくれた。
「こっちはその方向で動くが、それであいつらは納得しねえぞ?」
「そのあたりの愚痴は甘んじて受け入れますよ」
「ならいいけどよ」
おそらく俺がここに正式に所属した際に諸事情で俺をマネージャー専業にしなかったことでB小町からとんでもない量の文句が出たのを思い出したのだろう。
かなり渋い顔をしている。
「とりあえず、ニノの件は俺も頭を悩ませてたから解決してよかったよ。このままリタイヤする可能性すら考えてた」
「その点では俺にぶつけてもらえてよかったですよ」
ぶつける相手は理由を考えると俺かアイで、そのうえで俺だったのは不幸中の幸いだろう。
しかし、俺がそう言うと社長は不満そうな表情をした。
「馬鹿言うな。確かにアイトは距離感が終わってるが、それはあくまであいつらを大事にしてるからだし俺はそれを悪いとは思ってねぇ。それなのに、それが原因でお前に不満をぶつけさせちまったならそれをよしとした俺のミスだ」
「どうしたんですか?急に上司らしいことを言いだして」
「上司だよ!なんならここのトップだ!茶化さずちゃんと聞きやがれ」
そんなことを言われると思わなくて、つい茶化してしまうとさすがに怒られた。
「あいつらもお前に愚痴りたいだろうが、それが愚痴を超えて不満をぶつけるようになり始めたら、もうお前だけの問題だと思うな。そりゃあ、アイトから見たら俺は頼りないかもしれねえけどよ、お前に全投げして良しとするつもりはねえからもっと頼ってくれ」
「壱護さん」
「久々にそう呼ばれたな」
「恥ずかしくないですか?」
「うるせぇ!可愛くねえなほんとに!」
俺の言葉に壱護さんは顔を赤くして顔をそらした。
ちょうどよかった、今俺は自分の表情をいまいちコントロールできておらず、無意識に頬が緩みそうだったから。
「あー!アイトこんなところにいた!」
突然、社長室の扉が開きアイとニノが手をつなぎながら入ってきた。
正確に言うとニノは手を引っ張られているようで少し困ったような表情を浮かべている。
「こんなところって・・・というかノックぐらいしてから入れ!」
今ので顔の赤さが吹き飛んだ社長が声を荒げる。
さっきの発言的に事務室に俺がいなかったから探し回っていたようだ。
「あ、佐藤社長帰ってたんだ。まぁいいや。アイトかえろー。そろそろアクアとルビーを迎えに行く時間でしょ?」
あまりに自由すぎる様子に社長は頭を抱えた。
「その、なんだ、ニノとは和解したんだな?」
なんとか社長は言葉を絞り出した。
普段なら名前の訂正をしているところだけどだいぶ余裕がないらしい。
アイはそれを聞かれてニノの手をはなしニノに抱き着いた。
ニノの表情がさらに混乱に包まれていく。
「もうマブダチだよ私たちは!ねぇ?」
「え、え、まあ、その、うん親友、かな?」
いったいどのような話し合いが行われたらこうなるのか疑問が尽きない。
アイの勢いに押されてニノはうなずいてしまっている。
その眼は俺に向けて『アイってこんなやつなの?』と言っているように見えた気がした。
俺も言葉にしないが『アイはそんなやつだ』とあきらめるように目で伝えるとニノはがっくりと肩を落とした。
ある意味尊敬していた奴がこんなファンキーなやつだとは思わなかっただろうし、思いたくもなかっただろう。
「ちょっと!なに目でいちゃいちゃしてるの!ずるい!」
いまのやり取りに気づかれたのかニノを離してアイがこちらに詰め寄ってきた。
妙にテンションが高いからよっぽど良い和解をしたのだろう。
ただ、このテンションはちょっと面倒だ。
「社長、部下が困ってます。助けてください」
「こんな時ばっか頼るんじゃねえよ!」
助けを求めると悲鳴に近い声を社長は上げた。
その後、二人に俺がマネージャー業から外れる旨を伝えるとアイだけでなくニノからも多大な文句が社長へと送られた。
話としては特に進んでませんがまぁ、こういうのがあってもよいかなと