【推しの子】達を包む夜空は星を堕とさせない 作:C-RhYme
第1話 お説教
「で、申し開きはあるか?」
アイトの墓参りに付き合った日の夜、私は腕をくんで立つアイトの前で正座をしていた。
「え、え~と・・・」
ことの発端は私の部屋に戻ってから警察が経過の報告に来たことだった。
ストーカー(?)女のことで、その後変わりはないかということを見回りに来てくれたのだけれどそれをアクアとルビーの相手をしていたアイトに見られてしまったのだ。
警察の人との話が終わったらすぐに『ちょっと来なさい』と呼び出され今に至る。
正座はさせられた、というか自分からやりました。
「なんで俺に言わなかった?」
そう、私は社長には報告したけどアイトにその件は伝えてなかったのだ。
答えるのに困って思わず視線をそらしてしまう。
これまでのように堂々と内緒!と言いにくい。
それはそうだ『アイトが死ぬはずだったからね~あはは』なんて、とてもじゃないけど言えないけど、警察を呼ばなきゃいけないようなことが起きているのに黙っているなんてムシが良すぎる。
「父さん、アイはちゃんと安全に配慮してたよ?」
少し離れたところでこちらをうかがっていたアクアがフォローしてくれた。
そう!もっと言ってあげて!
アクアの言葉を聞いた瞬間、アイトの目が少し細くなったのはできれば気がつきたくなかった。
「アクアマリン、教えてくれてありがとう。つまり、予測していたわけだな?アイ」
アクアにはすごく優しい声でお礼を言って微笑んだあと冷たい視線がこちらを射抜いた。
状況が悪化しました。
アクアー!なんてこと言ってるの!?
「ママすごいよね!さっすがスーパーアイドルアイだね!」
「えっへん!・・・あ、はい、ごめんなさい」
ルビーに褒められつい喜んでしまったら体感温度がさらに下がったのですぐに謝った。
周りに合わせるのは得意だけど、こう温度差があるのは苦手だ。
どちらかに合わせるとどっちかで失敗してしまう。
ルビー!今だけはおだてないでー!
「とりあえず、詳細を聞かせてくれ。理由は言わなくていいから」
「う、うん、えっとね」
とりあえず私はストーカーと思われる人が来て刺されそうになったけど防刃ベストと血糊、雑誌で防いだということとアクアとルビーのおかげでなんとかしたということを伝えるとアイトは頭を抱えて深いため息を吐いた。
アクアとルビーの活躍も伝えなきゃと思ったけど、まずかったらしい。
「アクアマリン、ルビーちょっとこっちに来てくれ」
名前を呼ばれてもしかして怒られるのかもと思ったのか少しおびえたようなようすで二人はアイトの前に来た。
アイトは二人を撫でるとぎゅっと抱きしめた。
「怪我がなくてよかった・・・」
それを聞いて自分の甘さが情けなくなった。
私だって同じように怖かったのだから私よりしっかり親をしてくれていたアイトだって当然同じことに恐怖を覚えるに決まっていたのに。
「ありがとう、二人のおかげでアイは無事だった」
私がアイトを心配していたように、アイトも私が心配だったんだ。
そうだよね、だって『私』のことを毎回命がけで助けてくれてたんだから。
わかってたはずなのになぁ。
いくら終わったこととはいえこれは怒られるべきだと自分でも思った。
まぁ、何回も『私』の前で死んでるから若干釈然としないけど今のアイトには関係ないことだしね。
「アイと二人で話したいからあっちの部屋に行っててもらえるか?」
アイトに言われて二人はうなずきすぐに奥の部屋に行った。
二人きりになると、アイトは私を抱きしめた。
これまでアイトの方から抱きしめてもらったことがないから思わずドキっとしてしまう。
「無事でよかった・・・二度と、こんなことしないでくれ」
それはこれまで聞いたことがないほど弱い声だった。
どんな強い言葉で言われるより心に響いた。
「ごめんね」
一言謝って私もアイトを抱きしめた。
もし、死んでたらこの温もりに二度と包まれることがなかったんだね。
生きててよかった。
どちらに対して思ったのか自分でもわからないけれど今さらになって思う。
「さて」
アイトが一言だけそう言って私から離れるととても良い笑顔を浮かべた。
何故だろう、背筋が凍りつきそうなほど冷たく感じる気がする。
「アクアマリンとルビーを巻き込んだのと、準備の仕方が間違えていることの説教を始めるとしようか」
あ、それは別枠だったんだ・・・
その後、アイトは二人に先に寝るよう伝えてから私を別室へと連れていき長時間にわたるお説教を開始した。
少なくとも昔ミヤコさんがアクアとルビーをミニライブにこっそり連れてきたときよりも長い最長記録だったと思う。
ずっと怒られて、へこんで、さらに怒られてというのを延々と繰り返した。
終わり際にアクアとルビーにやっと『愛してる』って言えたと伝えたらそれまでのお説教を帳消しにするぐらい嬉しそうにたっぷり甘やかしてくれた。
その後、アイトはやることがあるからと余韻も楽しまずに帰っちゃったので私はシャワーを浴びて軽く寝た。
「ママ、今日すっごい肌つやいいね!」
「ふっふ~んそうでしょ!」
朝、起きてきたルビーに開口一番そう言われた。
そんなに肌つやいいのかな?全然寝てないのにな~
今日もいい一日になりそうだ!
第二部開始
なのに時間はまだあんまりすすんでないですね・・・
最期の方なんかアイト君がDV夫みたいな感じになってるけど、まあええか
とりあえず、アクルビの幼稚園エピソードか小学校エピソードあたりを考えてからかなちゃんあかねちゃんまわりの話を絡めようかなと思案中です
MEMちょも出したいけど名前で困ってます(白目)
余談ですが特に書きたいエピソードが今ガチあたりの内容です・・・だいたい13年後か