「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい   作:SUN'S

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日本Jライト級防衛2回戦らしい

平成▽年2月12日

 

後楽園ホール

 

日本ジュニアライト級タイトルマッチ

 

木村達也対間柴了

 

了くんは14戦12勝2敗12KO

 

木村さんは16戦12勝3敗1分11KO

 

チャンピオンベルトを持つ篠田さんと十字型のマークを背負ったガウンを纏う木村さんの入場に沸き立つ会場。A級トーナメント後、了くんは2回も試合を挟んだ

 

日本ランキングをあげるためにだ

 

レフェリーの言葉を聞き

 

ふたりはニュートラルコーナーに戻り、マウスピースを噛んで身体を軽く動かす。ゴングが鳴るのを待つ二人の身体は既に汗を流している

 

1R

 

ゴングが鳴る

 

了くんは左手をL字に構えて、デトロイトスタイルのファイティングポーズを取り、木村さんも左腕をややL字に構えて、フィリー・シェルのファイティングポーズを取り、リズムを刻み始める

 

フリッカージャブが走る

 

左肩のショルダーブロックと右手のパーリングを駆使し、木村さんは冷静に了くんのフリッカージャブを受け、打ち終わりに合わせて踏み込み

 

アッパーぎみに左ジャブを打って視線を遮り、右ボディーブローを了くんのボディーにめり込ませ、いやがって了くんは右ストレートを打ち返す

 

木村さんの左肩に了くんの右ストレートが当たり、リングの中央に木村さんを押し返す。鷹村さんと宮田君のおかげで、フリッカー慣れは終えている

 

対して、了くんは初タイトルマッチの緊張感に加えて一度負けた相手っていう冷静さを失いやすいものも、色々と抱え込んでいる

 

フリッカージャブが木村さんを切る

 

しかし、視界を塞ぐパンチにはなり得ない

 

ゴングが鳴り、

 

ニュートラルコーナーに戻る

 

インターバル

 

了くんも木村さんも目立ったヒットはない

 

ふたりはセコンドの話を聞き、2ラウンド目の戦い方の方針を決めているのは分かる。いつもなら、青木さんや鷹村さんに聞けるけど

 

私は了くんサイドに座っている

 

セコンドアウトのアナウンス

 

マウスピースを噛み、立つ

 

2R

 

ゴングが鳴る

 

了くんが、リングの中央に陣取る

 

フリッカージャブを連打する了くんの猛攻を防ぐために木村さんはフィリー・シェルを解除し、アームブロックを固めて、時計回りにフットワークを使い始める

 

リベンジに燃える了くんのフリッカージャブを弾き、がら空きのボディーに左ボディーフックをめり込ませ、ラッシュを叩きつける木村さんに了くんが打ち下ろしの右を放つ

 

そのとき、バックステップを踏み、打ち下ろしの右を振り抜いて体勢の崩れた了くんの顔面に右のオーバーハンドブローが叩き込まれた

 

龍魚が跳ねる

 

ドラゴンフィッシュ・ブロー、炸裂

 

けど。来ることの分かっていたパンチに耐えきった了くんのチョッピングライトが木村さんに打ち返され、お互いに強打を食らい、足を震わせる

 

了くんがフリッカージャブを打って、無理やり殴り倒して木村さんをダウンさせる

 

レフェリーが割り込み、

 

ニュートラルコーナーにロープを握って向かう了くんと目があい、私は「がんばって!」とリングサイドに座ったまま応援する

 

向こうで亜依子の声援が聴こえる

 

4カウント、木村さんが立ち上がる

 

ゴングが鳴り、

 

二人はコーナーに戻っていく

 

インターバル

 

ふたりはこの6分間で凄まじい疲労をしている

 

勝つか負けるか分からない。けど、私は了くんに勝ってほしい気持ちがあるし、木村さんも負けないでほしいとも思ってしまう

 

最悪だよ、おのれ

 

セコンドアウトのアナウンス

 

マウスピースを噛み、前に出る

 

3R

 

ゴングが鳴る

 

木村さんが攻める

 

左右のフックを連打し、フリッカージャブを打つレンジを崩し、チョッピングライトを打つために必要な距離を詰めて、了くんの長腕を封じたそのとき、

 

木村さんのアゴが跳ねるアッパーカットが決まり

 

たたらを踏み、後ろに下がる木村さんにフリッカージャブが襲い掛かる。必死にガードを固める木村さんのボディーにフリッカージャブが何度も突き刺さる

 

何度も突き刺さるボディーに耐え切れず、木村さんの頭が上がったところにチョッピングライトが叩き込まれ、ロープの反動でキャンバスに倒れる。

 

カウントが始まり、篠田さんが叫ぶ

 

幕之内君も山田君も板垣君も青木さんも叫び、鷹村さんと椎名の二人は黙って見守っている

 

7カウントで、木村さんが立ち上がった

 

了くんに向かって木村さんが迫り、ボディーブローを打っていく。クリンチ気味に迫るパンチに了くんが苦悶の表情で押し返した瞬間、右のオーバーハンドブローが了くんに突き刺さり、

 

今度は了くんがダウンさせられる

 

立とうとして、尻もちをつく

 

ロープを掴んで無理やり立ち上がってファイティングポーズを取り、了くんが立つ

 

ここで、またゴングが鳴り、

 

二人はコーナーに戻る

 

インターバル

 

二人の身体はもうボロボロだ

 

血まみれのうがいを繰り返して

 

指示を受けている

 

セコンドアウトのアナウンス

 

マウスピースを噛んだ

 

4R

 

ゴングが鳴る

 

了くんはフリッカージャブをやめて、突き放す左ジャブを打って打って打つ。ダッキングで左ジャブをよけ、懐に向かう木村さんにチョッピングライトが迫る

 

ギリギリで木村さんが避け、ボディーブローをストマックにめり込ませ、速効性のダメージに腰の砕けた了くんに右のオーバーハンドが突き刺さる

 

再び、龍魚が跳ねる

 

ずるりと血で拳が逸れ、チョッピングライトがカウンターぎみに決まり、木村さんがダウンした

 

レフェリーが手を振り、試合を止める

 

15戦13勝2敗13KO

 

間柴了

 

4R1分2秒

 

日本ジュニアライト級王座、獲得!

 

PS

 

リングの上で意識を覚ました木村さんは悔しそうに了くんに「やっぱり強かったよ、あんた」と言うと「これで貴様とは1勝1敗だ。次に勝った方が本当のチャンピオンだ」と了くんが言い返した

 

「…次はもっと強くなって、お前のベルトを奪ってやる」と木村さんは宣言し、万雷の拍手を受けながらリングを降りた

 

平成▽年2月14日

 

亜依子の献身を受けて再起を宣言する木村さんに「ハナちゃん、気にすんなって。間柴には負けたが、アイツは俺のライバルだ」と怪我まみれで言われた

 

しかし、鴨川会長に「ベルトは奪った。文句ねえな」と言い切った了くんの度胸はすごいと思うものの、了くんは鷹村さんに絡まれていた

 

なにか貰ってたけど、なにかな?

 

PS

 

「ホイミ」と「リベホイミ」をかけて、二人の怪我はゆっくりと治ってきている

 

後遺症の心配はないし、安心したけど

 

椎名と亜依子に「裏切りお乳」と胸をペチペチされ、二人に反撃は出来なかった

 

平成▽年2月15日

 

真田先輩と浜トレーナーに会った

 

やっぱり幕之内君にチャレンジする予定らしく、浜トレーナーは「血湧き肉踊る」とつぶやき、とても興奮しているようにも見えた

 

PS

 

トミ子先輩に「カレシへの優勝プレゼントはあるのよね?」と言われ、ビックリしてしまった。鴨川ジムでは言えなかったから忘れかけていた

 

平成▽年2月16日

 

顔の腫れが引いてきた了くんに「優勝おめでとう」と伝えて「ほしいものある?」と聞いたら「……今はとくにねえ」と返された

 

久美ちゃんは夜勤だし、二人きりだ

 

了くんは静かに私の隣に座っている

 

PS

 

盛り上がって、そのまましちゃった

 

 

 

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