「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
WIBF世界フライ級ランキング7位、それが前までの私についていた評価だ。けど、今は負けてランキング10位と試合して、またランキングに乗った。
サツキ・アンダーソンと同期生の私は彼女に一度敗北した。けれど、
私の知っているサツキは並大抵の事でダウンする様なボクサーではないし、中軽量級のボクサーで一番強い選手と聞かれれば誰もが彼女の名前を挙げる。
しかし、そのサツキが2ラウンドで負けた。
「(このナギサ・ハナサキに…)」
昔より背も伸びて、適正階級はバンタム級かジュニアバンタム級のハナはいつもデビューして以降、壮絶な減量を繰り返しているし、よくリバウンドする。
一回だけ、フェザー級に変更したとき、彼女の試合を見たけれど。人間の打つパンチではなく、まるで遊びを楽しむ捕食者のごとく人間を撲殺していた。
おまけに医学にも精通しているし、試合後に相手選手の応急措置に加わることもある。
あと、
彼女の
普段は穏和な女性だ。
今年、成人したと聞いたけど。まだスクールガールに見える見た目だ。まあ、バストはヘビー級すぎて、こっちの自信を無くすけど。
「ヘーイ!ハナ、スパーするわよ!」
「花咲さん、リング空いたよ」
ヤギトレーナーの言葉にグローブとヘッドギアを着けたハナがリングに上がり、軽くシャドウをする。マクノウチ達も手を止めて、私とハナのスパーリングを見るためにリングサイドに集まる。
アイコも一緒に見ているわね。
カァン…!とゴングが鳴る。
「(先手は貰う!)」
素早く左ジャブを打つ。
ハナのパーリングで左ジャブはブロックされるも、続けざまに左ジャブを連打してハナの前進を止め、スタンスを広げると同時に兄さんのサンデーパンチ「
───が、私のホーネットはヘッドギアの側面を擦り、ヘッドスリップで踏み込んできたハナの左フックを片腕でブロックするも身体が横薙ぎに弾ける。
「ぐうっ!?(相変わらずのバカ力ね!けど、インファイトに付き合うつもりはないわよっ)」
バックステップし、間合いを広げてハナにワンツーを打って右のロングフックを放ち、ハナを攻める。けど、正確に丁寧に私のパンチをブロックしている。
ヤギトレーナーの
「がっ!?(くうっ、また右ジャブが……右ジャブ?)」
まさかとハナのスタイルを見る。
ライトアームが前に出ている、サウスポーだ。
そういえばハナは世界規模でも見ることも出会える機会もかなり少ないスイッチヒッターだったわね。ゴングが鳴ってラウンドが終わる。
コーナーに立つ兄さんに話しかける。
「ハナは強いわね、兄さん」
「そうだね。僕もマモルとスパーするけど、あんなに強いボクサーに会ったことはないよ。本当に、このジムはファンタスティックだ」
兄さんは、ちょっと大げさだけど。
確かに、ハナの強さはそうだ。