「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成▽年4月21日
後楽園ホール
日本ライト級タイトルマッチ
青木勝対今江克孝
相手は今江克孝選手。堅実派のオーソドックスな右利きボクサーで、特定のサンデーパンチは持っていない代わりに基礎のパンチを高水準で鍛えている
青木さんの対極的な選手だろうか
赤コーナーで迎え撃つように構える青木さんに「きゃー!まさるぅ!」とトミ子先輩が手を振り、鷹村さんと木村さん、幕之内君も山田君も板垣君も熊野君も亜依子もミカエルもクレアもみんなで「がんばれ!」と応援する
鴨川一同、応援しているぜ!
了くんも久美ちゃんと来ているらしいけど
どこかに宮田君も来ているのかな?
レフェリーの話を聞き、青木さんと今江選手はニュートラルコーナーに戻り、
マウスピースを噛んだ
1R
ゴングが鳴る
青木さんは左手を差し出し、今江選手も左手を差し出して紳士的にグローブを合わせ、お互いにバックステップし、リズムを取り始める
ぐにょん、ぐにょん、と青木さんが動く
アレはウィービングなのかスウェイなのか。まるで判別できない動きで今江選手を翻弄し、今江選手の鋭く重そうな左ジャブを掻い潜り、ダッキングでパンチの下を潜るのに踏み込み
今江選手の顔面を真横から殴り抜く
突然のインパクトにビックリしている彼に青木さんは左右の手を軽く前に出し、肩と肘の回転だけでパンチを打って今江選手の判断を鈍らせる
「アイツ、なんでもありだな」と鷹村さんはつぶやき、時間差ダブルパンチに翻弄され、ロープ際に追い込まれた今江選手はアームブロックを固める
左右の不規則な連打を受け、左右に弾ける
カエルパンチを打つタイミングはない
「行けー!青木ー!」とか「チャレンジャーは面食らってるぞ!やれえ!」とか、色々な応援を受け、青木さんは今江選手を攻める
しかし、レフェリーが割り込む
ゴングが鳴っていた
インターバル
篠田さんの指示を受ける青木さんはまだスタミナ切れもダメージも負っていない。カエルパンチとツノガエルパンチ、そしてヤドクガエルパンチもまだだ
青木さんは格好つけて「リングにカエルは三匹いるぜ」と計量のときに宣言し、ボクシング記事の新聞に大きく載っていた
セコンドアウトのアナウンス
青木さんは、ゆっくりと深呼吸して
マウスピースを噛む
2R
ゴングが鳴って、今度は今江選手が出る
教科書に載せても良いと言えるほどキレイな左ジャブを打って掻い潜りに来た青木さんの顔面を右のショートアッパーで突き上げ、持ち上がった顔面に左フックがめり込み、青木さんがたたらを踏む
更に続けざまに今江選手が右フックを繰り出す
そのとき、カエルが跳ねた
右こぶしだけのカエルパンチが今江選手のアゴを突き上げ、ダウンを奪い取った。レフェリーが入り、青木さんはニュートラルコーナーに向かう
カウントが始まる
7カウント、今江選手は立ち上がる
青木さんは呼吸を整えて、ワンツーを打つ
ブロックを固める今江選手も負けじと右ストレートを打って青木さんの顔面を吹き飛ばす。カウンター気味にパンチを貰い、
青木さんがダウンした
3カウントで青木さんは立つも、ニュートラルコーナーを飛び出してきた今江選手の真っ直ぐ突き抜ける右ストレートを顔面に受け、またダウンした
6カウント
立ち上がるも、青木さんの膝が笑う
「あの野郎、またトラウマが再発しやがったな!?」と鷹村さんが叫び、山田君が「右ストレート?!まずい、また目を閉じたんじゃ!」と幕之内君を見る
板垣君と熊野君はまだ知らない
私が「青木さんは右ストレートにトラウマがあって、目を閉じちゃうんだよ」と伝えたら、二人とも「前を見てくださあい!」と叫び始める
青木さんも踏ん張ってガードを固める。ガードをこじ開けようと今江選手はラッシュを繰り返し、何度も青木さんの顔面にパンチが直撃してしまう
ゴングが鳴り、レフェリーが割り込む
インターバル
青木さんは打って代わって疲弊している
篠田さんの指示を聞いているけど、右ストレートを受けたときに意識が飛び掛けていた。トミ子先輩もいるんたま、負けないだろうと信じている
セコンドアウトのアナウンス
マウスピースを噛んだ
3R
ゴングが鳴る
速攻を仕掛けてきた今江選手の左ジャブをしゃがみ、避けた青木さんの左こぶしが今江選手のストマックに命中し、めり込み、ダウンを奪った
速効性のボディーブロー
それもジャンプの勢いを乗せたストマック・ボディーブローを受けてしまった今江選手は立てず、それでもキャンバスを殴り、ロープを掴んで立ち上がる
苦しそうな今江選手に青木さんは変則的なファイティングポーズを解き、オーソドックスな右利きのスタイルに戻し、リングの中央に立った
鷹村さんは腕を組み直しながら「フン。小物の癖にチャンピオンらしく最後は真向勝負を受けて立つつもりか」と言い、笑った
青木さんも今江選手も足を止めて、ラッシュを繰り返し、何度も殴り合っていく。プロのリングに立つ前の板垣君も熊野君も手すりを強く握る
今江選手の右ストレートが放たれた
青木さんはしゃがみ込み、跳ね上がる
カエルパンチ、炸裂
レフェリーが手を振り、試合を止めた
青木さんは、二度目の防衛に成功した
PS
鷹村さん達が今江選手の彼女さんに失礼な事を言うのでボディーブローしておいた
今江選手にとっての女神様なんだよ
青木さんと今江選手に「ホイミ」と「リベホイミ」をかけた。最近、離れててもドラクエの呪文を使えるようになってきた
平成▽年4月22日
ブライアン・ホーク
WBA世界ミドル級チャンピオンに返り咲き、ジュニアミドル級のWBA世界チャンピオンに試合を仕掛け、鷹村さんにまた挑むつもりらしい
鷹村さんは「俺様が勝てば三つか」と笑い、家具雑誌のショーケースを探していた。前はボクシング雑誌ばっかりだったけど
育児や料理、掃除の本も読んでいる
PS
板垣君と熊野君はプロテストに合格した
合宿の後に試合を組み、デビュー戦だ
平成▽年4月25日
釣り船の操縦は楽しい
釣り船幕之内は酔わないし、大漁に釣れるので今日も今日とて大盛況だ。梅沢君に読み切りだけど、釣り漫画のヒロインのモデルを頼まれた
「……胸がでかいし、足も太くない?」
「太くねえよ!太くねえよぉ?!」
なんて、なんか聞き覚えのある会話をした
PS
やっぱり、私ってあんなのなのかな?
教えてよ、阿川せんせ
平成▽年4月27日
ヴォルグ選手がフェザー級6位と試合した
幕之内君に負けて以降、スタミナが増した
鴨川会長は「更に強敵になったようじゃが。千堂とヴォルグ、どちらと先に試合をする」と幕之内君へと挑戦状を差し出した
勝つのは、だれだろうね
PS
アンジェリーナ選手が日本にやって来た
時差ボケ直しをしているらしい