「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成▽年7月16日
大阪府立体育会館
花咲渚対狒々坂晶
フライ級タイトルマッチ
向こうは日本フライ級ランキング2位。
元々はスーパーバンタム級の暫定チャンピオン候補。ナチュラルウェイトは一つ階級が違う。私も狒々坂選手も無敗。けど、向こうは急ピッチで試合を組み、私と同じく6戦ほど試合をしている
赤コーナーを登り、リングに立つ
いつもと違う景色に戸惑う私に「気負うな。いつも通りに動けばよい」と鴨川会長に言われ、「僕たちもついているから」「ハナ、深呼吸だ」と八木さんと篠田さんに言われ、私はうなずき、深呼吸する
青コーナーに立つ狒々坂選手
向こうも落ち付いている
レフェリーの話を聞き、ニュートラルコーナーに戻って軽くロープを握って屈伸する
マウスピースを噛み、目を閉じる
1R
ゴングが鳴る
グローブを合わせず、殴ってきた狒々坂選手のパンチを咄嗟にクロスアームでブロックし、後ろにのけ反り、ラッシュを打ってくる狒々坂選手に、私もファイティングポーズを取り、オーソドックスに構える
油断していたところに貰いそうになった
いや、そんなことよりパンチが重い。当たったら私でもダウンするかも知れない。そう思えるぐらい、狒々坂のラッシュはすごい。
「(いいパンチだ)」
思わず、負けた自分をイメージしたけど。そんなものを殴り壊すように私は狒々坂選手へと踏み込み、
右ストレートを狒々坂選手のラッシュの打ち終わりに叩き込み、たたらを踏み、後ろに下がる狒々坂選手を追い、続けざまに連打を叩きつける
狒々坂選手はロープに背中を押し付け、ロープに腕を絡めてダウンを拒む狒々坂選手のがら空きになった左脇腹に右フックをめり込ませ
腰が曲がって落ちてきた顔面を右フックで殴り抜き、リングのキャンバスに転がり、仰向けになった狒々坂を私は見下ろす
カウントが始まる
ニュートラルコーナーに戻り、深呼吸する
鴨川会長と八木さんと篠田さんを見て、グッと腕を上げて私は大丈夫だよと意思を示す
テン・カウント
ゴングが鳴り響き、私は戸惑った
「(……あれ?肋骨へし折ってないよぉ?!)」
PS
1R1分59秒
2分弱の試合だった
チャンピオンベルトを巻いて、フンスとする
あとは、芦田選手までへし折って進むだけだ
平成▽年7月17日
なにわ拳闘会の人達の行きつけのお店を借りて、みんなで私のチャンピオン就任を祝ってもらえた
千堂さんは幕之内君に絡んでいて、こういうイベント大好きな鷹村さんは椎名と悠くんと一緒にお留守番しているらしい
了くんは来てくれたのにね
珍しいね
PS
鴨川会長が酔って、試合を承諾した
千堂さんは楽しそうに笑っていた
平成▽年7月19日
鴨川ジムにベルトが増えた
WBC世界ジュニアミドル級
日本フェザー級
日本女子フライ級
日本ライト級
4本のベルトがショーケースに並ぶ
あとは、何回か防衛して芦田選手と試合をする。芦田選手を倒したら、バンタム級まで階級をあげつつ、WIBF世界チャンピオンベルトを奪おう
うん!
PS
板垣君と熊野君のデビュー戦は成功だった
板垣君は反則に焦っていたけど、鷹村さんに言われた「死んでも勝つ」の精神で逆転していた
平成▽年7月20日
椎名と亜依子にベルトを見せてきた
「意外と重いよね」とか「新品の香りだわ」とか言ったりしながら、悠くんの遊び相手をした
かわいいね、悠くん
PS
ゴリラがまた試合したいって言ってたらしい