「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成▽年8月4日
後楽園ホール
木村達也対井島太平
ジュニアライト級の試合
今日の前座は日本ミドル級2戦目に挑み、経験を積み重ねる熊野君の試合もあった。鷹村さんを尊敬しているけど、スタイルは椎名に近い。
インファイト全開の連打を叩きつけ、3Rで相手をKOして木村さんにバトンを繋いだ。
井島太平は山田君と同期生であり、ジュニアライト級準優勝の選手だ。了くんに負けたけど、前チャンピオンのアウトボックス主体の試合ということもあり、すごい期待感が後楽園ホールに漂う
赤コーナーを登った木村さんは私の隣に座っている了くんに視線を向け、また青コーナーに立っている新人王準優勝の井島選手を見つめる
ニュートラルコーナーに戻って
木村さんはマウスピースを噛んだ
1R
ゴングが鳴る
二人はグローブを合わせ、バックステップした
リズミカルで軽快なフットワークを駆使し、お互いのリズムを奪い合う木村さんと井島選手はノーヒットのままリングを駆け回って、動きまわる
井島選手は左手を下げ、L字に構えた
木村さんに対し、フリッカージャブを打った
が、木村さんはサウスポーにスイッチし、ショルダーブロックと右こぶしのパーリングでフリッカージャブをはじき、受け流している
「チッ。木村の野郎、また速くなってやがる」と了くんは不満そうに文句を良い
木村さんは右肩のショルダーロールで井島選手の左ジャブを流し、そのまま井島選手の左腕の内側に滑り込み、右のショートアッパーを打つ
幕之内君や鷹村さんのような強打ではなく、スマートかつテクニカルな右のショートアッパーは井島選手のアゴを突き上げ、木村さんは続けざまに右ボディーブローを左脇腹にめり込ませ、ダブル、トリプルとボディーに右こぶしを突き立てていく
木村さんをプッシュして、引き剥がした井島選手は汗を流し、フリッカージャブを打つ。しかし、了くんや宮田君のような鋭さはない
あれでは、下から打つジャブだ
木村さんはステップインしながら左ボディーブローからの右オーバーハンド・ブローを振り抜き、井島選手をキャンバスに殴り倒した
テン・カウントを取らず、レフェリーが手を振り、試合を止めた
木村さんの勝ちだぜ
PS
「間柴、今度は俺が挑戦者だ。それまで大事にベルト守っとけよ!」と、勝利者インタビューのときに指差して宣言していた
あと、私もいると騒がれた
同じジムの選手だし
平成▽年8月5日
宮田君に会った
東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ
その相手の選手はフックの名手であり、フック系とボディーブローを得意とする私に宮田君のお父さんから「スパーリングパートナーを頼めるか」と連絡がきた
鴨川会長は「宮田の父親も一緒じゃろうが、何をするか分からんからな。青木か鷹村、亜依子の誰かを連れていけ」と言われたので
鷹村さんにお願いした
青木さんだとトミ子先輩を経由し、久美ちゃんに行き、了くんに向かうだろう。亜依子を頼めば椎名に伝わり、鷹村さんに向かう
安全性!
PS
宮田君、また背が高くなっていた
もうフェザー級じゃなかった
平成▽年8月6日
宮田君のスパーリングパートナーになった
「……よろしく頼む」とヘッドギアを着けず、私の前に構える宮田君と軽くグローブを合わせて、オーソドックスに構えて、ワンツーを打つ
右ストレートにカウンターが合わさり、ヘッドギアを嵌めた私の顔に18オンスのグローブが決まり、アゴを殴られたのか。視界が揺れる
幕之内君と貫通力が違う
踏み込み、左ジャブを打つと右ストレートを重ねてクロスカウンターを決めようとする宮田君の顔面に右フックを叩き込み、押し返す
「待て、今のは狙ってやったのか!?」とリングサイドにいた宮田君のお父さんに問われて「えと、はい」としか答えられなかった
サウスポーに切り替えたの、失敗したかな
スパーリングの後
ロードワークに向かった宮田君
私は宮田君のお父さんに「私が現役だったとき、君と同じカウンターを受けた。世間も私もラッキーパンチだと思っていたが、アレは狙っていたのか」と現役を引退したときの話を聞かされた
その選手もスイッチヒッターらしい
PS
私も構えは似ているそうだ
平成▽年8月8日
鷹村さんのせいだ
鷹村さんから青木さん
青木さんからトミ子先輩
トミ子先輩から久美ちゃん
久美ちゃんから了くんに伝言ゲームのように伝わり、私はお家デートだと思っていたのに「元カレに会ってきたのか」と迫られ、
あんな強引に
PS
この先書くのはやめよ、恥ずかしい