「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい   作:SUN'S

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OPBFフェザー級タイトルマッチらしい

平成▽年8月25日

 

後楽園ホール

 

宮田一郎対アーニー・グレゴリー

 

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ

 

宮田君の相手のアーニー・グレゴリーはパワーに秀でた選手であり、藤井さんの見解だと幕之内君か幕之内君以上のパンチ力だと聞いている

 

17戦16勝1敗13KO

 

彼の1敗はOPBF前チャンピオンへと挑戦した際、8R目で3回ダウンしたときの黒星だ。つまり、そのチャンピオン以外に負けた事は一度もない

 

青コーナーを登る宮田君に「がんばれ」と言おうとしたら「み・や・た・ぐぅんっ!」と真横の幕之内君が、もっと大きな声で叫んだ

 

めっちゃ宮田君に睨まれた

 

赤コーナーを登ってきたアーニー選手とサカグチトレーナーの二人を見る。クレアとミカエルの事を手酷く捨てたらしいから

 

試合が終わったら「メダパニ」しよ

 

レフェリーが英語で注意し、宮田君とアーニー選手はお互いのニュートラルコーナーに戻り、宮田君のお父さんは指示を出して、リングサイドに降りた

 

宮田君がマウスピースを噛んだ

 

1R

 

ゴングが鳴る

 

観客席からリング側から振り返った宮田君に鋭いワンツーを叩き込み、コーナーポストに殴り飛ばすアーニー選手の先制に解説の驚愕する声が響く

 

ガードを固めず、アーニー選手の殴り合いに応じる宮田君はアーニー選手の右フックに左ジャブでカウンターを決めて、ぐらつくアーニー選手に続けざまに左フックを引っ掛け、コーナーを抜け出した

 

宮田君はステップを踏み、リズムを取る

 

一瞬の出来事だけど

 

幕之内君は顔を赤く染めて「かっこいい」とつぶやき、やっぱり幕之内君は男の人が好きなんじゃ?と思いつつ、アーニー選手の左ジャブの連打をスウェイと左のショルダーでさばき、右のショートストレートを打つ

 

左ジャブに対し、右のカウンター

 

僅かにのけ反るアーニー選手に攻め込んだ宮田君に左右のフックが迫る。が、宮田君はスウェイバックでかわし、アーニー選手の目付きが変わる

 

アーニー選手が、斜に構える

 

左腕をやや下げたL字というより「し」の字にも見える。ショートフックやロングフックを打ちやすいフォームに切り替え、踏み込んだ

 

アーニー選手の左フック、鋭く伸びるフックだ

 

一発目はロング、返しの二発目で、更に踏み込み、左ショートフックを宮田君のアームブロックに叩きつけ、強打に動きを止めた宮田君の左脇腹に右ボディーブローが突き刺さる

 

苦悶に顔が歪む宮田君も負けじと足を止め、殴り合う。ワンツーを基点に左フック、続けて、ストマックにボディーストレートを打って、腰の曲がったアーニー選手のアゴを突き上げ、リング中央に押し戻した

 

ところで、ゴングが鳴る

 

ニュートラルコーナーに戻り、

 

インターバル

 

宮田君が椅子に座り、深呼吸する

 

宮田君のお父さんの指示が少し聞こえる

 

ブラッディクロス?

 

初めて聞く単語に幕之内君を見ると「宮田君の対策だって僕は聞いているけど」と悩んだ顔になる

 

知らないのね

 

セコンドアウトのアナウンス

 

マウスピースを噛み、立ち上がる

 

2R

 

ゴングが鳴る

 

アーニー選手が左ジャブの連打を打つ

 

1ラウンド目もそうだったけど。なんで、あんなに左ジャブを多く打つんだろうかと考えていたそのとき、宮田君の右フックが十字架を描き、アーニー選手をキャンバスに殴り倒す

 

宮田君が、ダウンを奪い取った

 

ニュートラルコーナーに戻り、手応えに満足する宮田君にまた見惚れる幕之内君。ひょっとして、私は幕之内君と宮田君の当て馬だったのかしら?

 

7カウント

 

アーニー選手が立ち上がり、構えた

 

ボックスの掛け声

 

宮田君が攻める。ダウンを嫌がって、また左ジャブを打って、打って、打つアーニー選手にまた右フックを打ち込んだと思った瞬間、宮田君が殴り倒された

 

今のパンチ、左ジャブじゃなかった

 

右クロスに対し、右のフックを返された

 

アーニー選手がしたのは左肘を曲げて、宮田君のカウンターを防ぐという。やろうと思えば、私や幕之内君でも出来るカウンター封じだ

 

9カウント、ギリギリで立ち上がる

 

が、ここでゴングが鳴った

 

インターバル

 

宮田君と目が合う

 

怒りと屈辱が見えかくれする目だ

 

宮田君のカウンターは封じられた

 

けど、私がスパーのときに受けたパンチがある

 

JOLT

 

体当たりのごとくパンチを打つ

 

当たれば絶対に倒せる

 

セコンドアウトのアナウンス

 

3R

 

ゴングが鳴る

 

起こった顔で攻めに出た宮田君にアーニー選手が応戦し、フックとショートストレートの応酬が繰り返され、フックの打ち終わりに宮田君のカウンターが決まる

 

クロス系のカウンター

 

おそらくブラッディクロスはそれ以外に使えない。でも、ショートストレートのカウンターじゃ、絶対にアーニー選手は倒しきれない

 

宮田君かワンツーを打ち、アーニー選手の顔面がはじき、血が飛び散っている

 

ショート系のパンチでも重ねて受ければダメージは蓄積する。たたらを踏み、後ろに下がるアーニー選手に宮田君は飛び込み、アーニー選手の左ストレートを外側に避けて、テンプルに右のカウンターを叩きつけた

 

ぐしゃりと、アーニー選手が崩れる

 

カウントが始まる

 

テン・カウント

 

ゴングが鳴り響く

 

宮田一郎

 

19戦17勝1敗1分

 

3R2分9秒

 

東洋太平洋フェザー級王座、獲得!

 

PS

 

一瞬の出来事だった

 

あれはJOLTじゃない。

 

けど、勝ったのは宮田君だ

 

おめでとう、宮田君

 

あと控え室近くでアーニー選手に文句を言うサカグチにムカついたので「メダパニ」して、アーニー選手と宮田君に「ホイミ」と「リベホイミ」しておいた

 

平成▽年8月26日

 

怪我まみれの宮田君が病室にいる

 

大きな怪我はないものの、ブラッディクロスのときに受けた右フックを心配した宮田君のお父さんによって、2、3日は療養するらしい

 

宮田君に「……普段もナース服なのか」と聞かれて「研修生だからね」と伝えると考え込む宮田君に、あることを思い出した

 

「鷹村さんに貰った私の写真、捨ててくれた?」と聞き返せば「捨てた」とすごい早さで言われた

 

PS

 

まあ、そうだよね

 

私の写真、もってる意味ないし

 

平成▽年8月27日

 

鷹村さんと椎名の家に行った

 

アパートを移るかという話で、鴨川会長の家に同居するという話が出て、椎名に「じゃあ、椎名も私の親戚だね」と言ったら「え?」とビックリしたようなつぶやきが、返ってきた

 

鴨川会長が「ワシの……まあ、孫娘みたいなものと分かった」と言ってくれたのでダブルピースした

 

PS

 

「守お兄ちゃんって呼ぼうか?」と鷹村さんに聞いたら椎名に「脳が破壊されそうだからやめて」と言われた

 

なんでだろうね

 

平成▽年8月30日

 

昨晩

 

久美ちゃんに呼ばれたのにいなかった

 

なぜか怒った了くんがいた

 

PS

 

男はオオカミだって教えられた

 

よくないと思います

 

 

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