「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成△年2月24日
木村さんの試合だ
木村達也対伊藤正樹
ジュニアライト級。相手は実直に攻めるインファイターらしく、アウトボクサーの木村さんとの相性は問題ないって聞いている
宮田君の隣に座って「木村さん、がんばってください!」と応援しながら、友達の作った「木村」「必勝」という団扇を揺らす。
ちょっとムスッとする宮田君にも団扇を渡し、パタパタと揺らして応援を繰り返す、宮田君も木村さんも相手と打ち合えるアウトボクサー
真っ直ぐ直線を走る相手をジャブで牽制し、相手のフックを退いて避け、ワンツー、軽やかなステップを踏み、リズムを崩さず、4ラウンド目でフックにカウンターを合わせて、KOした
PS
友達が木村さんと付き合ってた
事後報告、やめてくれ
おめでとう
平成△年2月25日
幕之内君と喧嘩した
「僕といると君に迷惑が掛かるから」と意味不明な事を言われ、理由を聞いたら私と幕之内君は交際しているという話しになり、陰口を言われてたらしい
「釣り合ってない」とか「合ってない」とか、そういうのは人の意見で判断するなよ。そう思ったけど、私が一方的に怒ってるな、これ
けど、色恋でからかうのはダメだね
ゆるせねえよ、全く
……幕之内君も迷惑だったのかな
PS
一応、アルバイトにはいった
幕之内君はずっと申し訳なさそうだった
平成△年2月27日
木村さんがジムに来た
6回戦のボクサーになった
この前はC級だったけど、B級にライセンスを更新してきたそうだ。青木さんも負けじと練習に励み、自分の試合に向けてトレーニングしている
変則すぎるインファイターだから、相手もほんろう……ホンロウできるはず
「見てろよ!俺だってやってやる!」という青木さんに「小物を見ず、俺様のパーフェクトマッスルを見ろ!」と割り込んできた鷹村さんが青木さんともみ合いになり、鷹村さんが滑って
私の胸に鷹村さんの顔が沈んだ
「あの幸せ感は貴様かァーーー!!」と叫ぶ鷹村さんを避け、ジムに入ってきた宮田君の事をバリアのごとく押し出しておいた
PS
鷹村さんの視線が増えた
こわい
平成△年2月28日
八木さんの構えるミットを打つ
パンチの威力は無いけど、八木さんは「ハンドスピードはこの一年ですごく速くなったよ」と褒めてくれ、篠田さんも「防御も上手くなってきたな。いつでもライセンス習得の講習は受けられる」と言われたけど
私はプロにはなれないって、怖いもん
PS
鴨川会長にも「女子ボクシングは海外で流行り始めておる。受けてみんか?」と言われた
退路は、退路はないのか
エクササイズのつもりだったのに、なぜ?