「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい   作:SUN'S

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スパーリングをするらしい

平成△年7月2日

 

鴨川会長のミットを顔に受けて腫れてきた幕之内君の顔を手当てしてあげ、先に帰っていく彼の後ろ姿にまだまだ頑張るんだろうなと思う

 

あと、なんかピリピリしているので青木さんをバリアにする準備は整えている。もしものときは、青木さんで妥協してもらえるはずだ

 

篠田さんは奥さんにまた怒られたらしく、ちょっと禿げているように見えた。いや、十円ハゲっていうやつなんだろうけどさ

 

「リベホイミ」で治るかな、ハゲ

 

無理だったら、ごめんね

 

宮田君のお父さんに「最近、一郎と一緒にいないが。ケンカしているのか?」と聞かれ、宮田君が「父さん。今はアイツとのスパーリングに向けて、集中したいんだよ」と話していた

 

PS

 

やっぱり、勘違いしたままだった

 

どうしよう?

 

平成△年7月5日

 

もうすぐスパーリングだ

 

どっちも追い込みを掛けている。宮田君のカウンター、どうやって攻略するんだろう?と考えながら、グローブの中を洗って、陰干しする

 

臭くなるし、汚いからね

 

友達と一緒にヘッドギアやミットも屋上で日陰を作って、干した。手が臭くなるのはイヤだろうし、鴨川会長も黙認している

 

PS

 

シューズは自分でやろうよ、鷹村さん

 

平成△年7月19日

 

幕之内君と宮田君のスパーリングが始まった

 

鷹村さんの蝶ネクタイのずれを直す友達にサムズアップを送っておいた。3R戦のスパーリング。三回のダウンでKOになるから、本格的だ

 

1R

 

走り込みをしているのは、知っていたけど

 

宮田君の動きを追えて、パンチを出しながら前進している幕之内君に驚き、なぜか変な方向に動く幕之内君が、また走ってパンチを打つ

 

ショートアッパーと左右のフックのコンビネーションでガード越しに殴り、宮田君の事を押していく幕之内君にざわめきと期待が高まる

 

身体を下に曲げ、宮田君のフックを掻い潜った幕之内君のワンツーが決まり、宮田君がダウンした

 

ロープにもたれ掛かる宮田君と、ニュートラルコーナーに立つ幕之内君の二人を見比べ、この前の入門テストと逆転した構図に手を握りこんでいた

 

直ぐに立った宮田君に迫り、ワンツーを打つ幕之内君のジャブの引き際にカウンターを決め、今度は宮田君が幕之内君をマットに沈めた

 

2R

 

宮田君から、またダウンを取った幕之内君にジムのみんなは応援を始め、負けじとダウンを取り返した宮田君に応援を始める

 

熱気を帯びるジム内の壁際にいる藤井さんを見つけ、驚いているのが見えた、やっぱりボクシングの記者でもビックリする光景なんだ

 

3R

 

宮田君のアゴ先をかすった幕之内君のアッパーカットで、脳と三半規管が揺れ、鷹村さんのテン・カウントがジムに響いた

 

PS

 

なぜか、先に帰らされた

 

なんでだよ、手当てぐらいさせてよ

 

平成年7月21日

 

宮田君に呼び出されて、河川敷に行った

 

普段の澄ました顔が腫れていて、痛々しくて「ヒーリングする?」と聞いたら「いや、必要ない」と直ぐに返事が返ってきた

 

「俺は鴨川ジムをやめて、別のジムに移る。もうお前の超能力の実験には付き合えない」と宮田君に言われ、移籍する理由を聞くべきかどうかを悩んでしまう

 

「……だからよ、着いてこないか?」

 

その言葉に思わず、宮田君を見た

 

宮田君は私の事を見ながら「いや、違うな。今は鴨川ジムにいろよ、新人王の決勝トーナメントで勝ったら、お前を獲りに行く」と宣言してきた

 

「じゃあな」

 

なんなのさ、なんなの……?

 

PS

 

アレって告白だったのかな

 

悶々とした、わかんないよぉ

 

 

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