「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい   作:SUN'S

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全日本新人王らしい

平成□年3月1日

 

幕之内一歩対千堂武士

 

全日本新人王の試合だ。山口先生も幕之内君の右こぶしの件を考えて、同伴している。鴨川会長が事前に連絡して呼んでいたらしい

 

一応、完治したとはいえ

 

治ったばかりの拳だから下手にクセになると危ないから、こうして来てくれたそうだ。山口先生に木村さんは見惚れていたけど、友達にボディーブローを受けていた

 

1R

 

梅沢君達を見つけるも、ゴングが鳴る

 

先制を打ったのは千堂選手の左ジャブ。ピーカブーのブロック越しに幕之内君の身体を弾き、負けじと左ジャブを打って応戦する

 

けど、千堂選手の左ボディーブローからの右ボディーブローを受けて、足を止めたところに右ストレートを顔面に受け、幕之内君は大きく後ろにのけ反り、ロープを弛ませながら、反動のままに右こぶしを振り抜いた

 

ロープ際から、リングの中央に千堂選手は吹き飛び、さっきまでKOコールを叫んでいた会場が、一瞬にして静まり返った

 

でも、それよりも幕之内君が右を打った

 

スパーリングを見ていないけど

 

あの顔付きだと、ようやく本調子になってきたんだろうと私は笑い、一気に攻め立てる幕之内君のラッシュで、今度は千堂選手がロープに背中をめり込ませる

 

が、千堂選手の右フックで幕之内君が退く

 

リングの中央、殴って殴られる

 

ゴングが鳴り、レフェリーが割り込む

 

インターバル

 

接近戦は互角、どうするんだろうか

 

2R

ゴングが鳴るとリングの中央に陣取り、殴り合う

 

まるで、どっちが強いかを決めるかのようにラッシュを繰り返す。幕之内君の右フックが千堂選手の横面を吹き飛ばすも、返す刀で千堂選手の右フックが幕之内君の頭を揺さぶり、一歩も退かない

 

何合目かも分からない拳の応酬の途中、幕之内君の腰が砕け、沈んだところにフックともアッパーとも思える、中段からの突き上げが幕之内君の身体を叩き上げた

 

「スマッシュだ!」と青木さんの声が聞こえる

 

千鳥足で、後ろに下がる幕之内君はロープに倒れ込むように腕を掛け、震える足で踏ん張る。そこへ千堂選手がトドメを打つために攻める

 

左腕を大きく振り抜いて、パンチを打つ幕之内君より深く沈み、身体を起こす勢いと反動を利用した

 

ううん、さっきのスマッシュよりも重いスマッシュが幕之内君の横面を紙一重に掠め、がむしゃらに放った幕之内君のフックが千堂選手を押し返す

 

ゴングが鳴る

 

インターバル

 

芦田選手が「フフン、千堂は強いでしょう!」の自慢気に笑ったので、ボディーブローを打つ

 

「そう何度も食らわないわ」

 

なんか小癪にも手を被せて私のボディーをガードするので、そのまま拳を掴まれたまま、力強く踏み込みと同時に鳩尾を突き上げておいた

 

仕方ないから「ベホマ」してあげる

 

「えっぐ」とか「受けたのに、構わずに打ったわね」と言い、私の左手を触る友達たち

 

3R

 

幕之内君がピーカブーを捨てて、殴り合いに応じる。スマッシュの脅威にビビらず、ミドルレンジの殴り合っていたとき、幕之内君がスマッシュを打った

 

見覚えのある、パンチだ

 

「宮田君を倒したパンチだ」と呟いたら「あの数センチ掠めたら脳を壊すパンチね」と、とんでもないことを友達が言い出した

 

まあ、否定しないけど

 

スマッシュの打ち合い、山口先生の叫ぶ声にキーンとなる耳を押さえながら、立ち上がった芦田選手は「千堂はここからが強いわよ」と言う

 

その言葉の通り、打撃戦の均衡はだんだんと千堂選手に傾き、幕之内君はロープ際まで押し込まれ、幕之内君の右ストレートにスマッシュがカウンター気味にぶつかり、幕之内君の身体が落ちる

 

無理やり身体を起こすように振るった幕之内君のフックが千堂選手のテンプルに突き刺さる。が、それでも千堂選手は止まらずにラッシュが続く

 

「ロッキー!ロッキー!」と期待が高まる

 

「幕之内君、負けるなー!」と負けじと叫ぶ私の隣で芦田選手が「レフェリー!ラウンドが過ぎてるわよ!止めなさい!!」と叫んだ

 

慌てて、掲示板を見る3R0秒

 

もう3ラウンド目は終わってる!

 

10秒ぐらい、時間を過ぎて、幕之内君と千堂選手は殴り合っていたらしい

 

インターバル

 

どっちも傷だらけ

 

最終ラウンド、ここで決着がつく

 

セコンドアウトの声が聞こえる

 

……おかしい、千堂選手が動かない

 

レフェリーが手を交差させた

 

PS

 

千堂選手はテンプルのとき、意識を失っていたらしい

 

それで、あの10秒だったんだ

 

平成□年3月2日

 

全日本新人王の1日後

 

幕之内君の右こぶしは再熱して、また暫くはミット打ちもサンドバッグ打ちもスパーリングも出来なくなった。完治したばっかりだったのね

 

治り掛けは、やっぱり危険

 

鷹村さん達は夜に消えていった

 

友達は大阪のたこ焼き作り体験してた

 

PS

 

千堂選手に会ってきた

 

鼻骨を折っているらしく、呼吸が苦しそうだったから「痛いけど、我慢してくださいね」と山口先生監修のもと、千堂選手に麻痺呪文「シビー」を掛け、痛みを無くしながらコキンと鼻の位置を固定し、「リベホイミ」をかけた

 

「おお、鼻で息吸えるで!?」

 

これぞ、ハンドパワー……まあ、違うけど

 

平成□年3月3日

 

幕之内君の背中を山口先生の教えを受けつつ、マッサージしていると、鷹村さんがポラロイドカメラを構えて、とっても笑顔だった

 

友達が「守さん、見守るんじゃなかったの!?」と聞き、「見守るためだ!宮田だけ会えないのは可哀想だろう!」と丸め込んでいた

 

そういうところは、ダメだと思う

 

PS

 

芦田選手のトレーナーも来ていた

 

めっちゃくちゃに怒ってた

 

まあ、そりゃあそうね

 

平成□年3月5日

 

東京に帰ってきた

 

購買意欲高まる町だったぜ、大阪!

 

PS

 

ダイエット同盟は不滅だぜ、へけっ

 

 

 

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