「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成□年11月2日
曽根亜依子対丸井美津子
ライトフライ級、初試合
向こうは既に一度試合を経験している
ガチガチに緊張しているけど、大丈夫?と木村さんを見れば「大丈夫。アイツは元々不良娘だ、土壇場で吹っ切る」と言ってくれた
1R
ゴングが鳴る
先手必勝を狙い、攻めてきた丸井選手の左ジャブを顔に受け、コーナーに背中をぶつける亜依子は慌ててガードを固めて、丸井選手のパンチを受ける
八木さんの「まだ始まったばかりだよ!」という言葉に亜依子は腰を落とし、コーナーから走って逃げる。荒く肩で息をする亜依子に「がんばれ!」と叫び
ステップを踏み始める亜依子
私はスイッチヒッター
椎名はインファイター、亜依子はアウトボクサー。いつもスパーリングで避けている私のボディーブローに比べたら問題ないでしょう
向かってきた丸井選手に亜依子は左ジャブを打つ、掻い潜ってきたところを手首を切り替え、左フックで突進を防ぐ。フックとジャブの混成リード・ブロー
浜トレーナーの得意技「飛燕」に準えて「隼」と呼ぶことになった亜依子の左で出鼻をくじかれ、フックをダッキングで避けるもジャブで突き放される
ゴングが鳴り、コーナーにもどる
インターバル
手応えに頷く亜依子と、八木さんが見える
勝てるぜ
セコンドアウトのアナウンス
2R
ゴングが鳴る
さっきと同じく突っ込んできた丸井選手を左ジャブと左フックを使い、押し止め、丸井選手の右フックをスウェイバックで避け、がら空きの顔に右ストレートを打ってダウンを奪った亜依子は、自分の拳を見つめる
ニュートラルコーナーに移動し、八木さんの指示通りに出来たと頷き
6カウント、丸井選手が立つ
亜依子も倒すために、攻める
ワンツー、左のショートアッパーが決まり、二度目のダウンを奪い取り、亜依子は拳を突き上げ、グッと腰元まで落としながらガッツポーズを取った
良かった、三人ともデビュー戦は白星だ
PS
ちなみに私も「はやぶさの拳」を押した
左ジャブと左フックの2連続攻撃だし
平成□年11月4日
三人で勝てた事を喜び、みんなで亜依子の借りているアパートに集まり、まだ未成年なのでジュースを開けて祝勝会をした
木村さんとの写真が多くて、ドキドキした
「あんた、いい加減にカレシ決めなさいよ。宮田は海外だし、幕之内君の家に泊まってるんでしょう?」と言われ、「あれは仕事先でもあるし」と返す
「いいや、もう公認になってるわよ。ほら」とボクシング雑誌ではなくフィッシング雑誌を受けとり、「サメの心臓を貫く強打炸裂!」「釣り船幕之内の若奥様はまさかプロボクサー!?」等々、そこにはあることないこと書かれていた
「サメ殺しの写真、マジなの?」とワクワクする椎名に「まあ、心臓に打っただけだし」と、立ち上がってコークスクリュー・ブローを見せると「やっぱり、それを私に使ってたのか!?」とか「ボディーばっか狙いやがって、スペアリブにする気か!」と言われる
まあ、溜めて打つのに適しているのだ
PS
朝起きたら、二人が胸に顔を埋めてた
寝苦しいわけだ
平成□年11月6日
もうすぐ木村さんの試合だ
ここで勝てばベルトに手が届く、そのために鍛え上げたのはボディーブローとダッシュ力、そして、新兵器のニューブローで幕之内君がダウンをした
スパーリングで、ダウンした
間柴さんに届くかも知れない
PS
間柴さんも負ける気はないらしい
久美ちゃんを経由してだけど
間柴さんに「来るな」と言われた
平成□年11月8日
ボディーから、オーバーハンドの右下ろし
ドラゴンフィッシュ・ブロー。熱帯魚にアイコって名付けるのは、どうかと思ったのは私だけではないんだろうけど
流石の鷹村さんも「あいつ、ちとヤバくねえか?」と青木さんと幕之内君に話していた。ま、まあ、それだけ愛情も深いんだよ
PS
亜依子は普通に「えっ、さすがにヤバくね?」と言って、続けるように「椎名ん家の猫にタツヤって名付けようか」と言い出した
とばっちりが、ひどくない?
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