「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい   作:SUN'S

81 / 84
日本ライト級タイトルマッチらしい

平成☆年3月4日

 

日本ライト級タイトルマッチ 

 

青木勝対古畑雄二

 

古畑選手は17戦13勝4敗10KO

 

青木さんにとっても厳しい相手ではある

 

青コーナーを登る青木さんの背中にはカエルのマークの入ったガウンが有り、トミ子先輩がこの日のために丁寧に作っていた大切な品物だ

 

必ず、勝ってください

 

1R

 

ゴングが鳴る

 

ゆっくりと青木さんと古畑選手はリングの中央に寄り、グローブを合わせるとお互いに構え直す。オーソドックスな右利きの構え、ただ左手が僅かに下向き

 

青木さんは両手を細かく動かし、フェイントを織り混ぜて、スタンスを取りに入っている。古畑選手の左ジャブを変則的な身体を真横に倒すようなダッキングで回避し、変態的な軌道でパンチを繰り出していく

 

フック系のパンチに見える

 

古畑選手はアームブロックを固め、青木さんの顔が上がったところに右ストレートを打つ。が、トンと顔に当たるだけで左ストレートが青木さんの顔面に直撃し、キャンバスを擦りながら、たたらを踏み

 

青木さんがダウンした

 

「あの野郎、また右ストレートにビビって緊張しやがったな!?」と鷹村さんが怒り、幕之内君と山田君が「青木さん、頑張ってぇ!!」と叫び始める

 

友達たちも「青木君、なんでビビるのよっ。あんなパンチより恐ろしいパンチが鴨川ジムには三つもあるのに!」とか「そうよ!受けたら死ぬパンチよ!?」とか叫んでいるので軽く、左右の手を脇腹に当てた

 

試合に集中しようか

 

7カウント、ギリギリで立った

 

足に効いたのか

 

カクカクと足をゆらす青木さんに古畑選手は左右の連打を打って攻め立てる。必死にガードを固める青木さんの腰が、ガクンと沈んだそのとき、

 

ガードを固めたまま真っ直ぐ両拳でアッパーぎみに古畑選手の顔面にダブルパンチを打ち、意表を突かれた古畑選手に今度は青木さんが攻め立てる

 

左フックから、右アッパーに繋ぎ、返す刀で左のボディーブローが深々とボディーにめり込み、負けじと打ち返してきた古畑選手の左フックを避けるようにしゃがみ、ベルトを目指すカエルが飛翔した

 

右拳からの、左拳のカエルパンチ

 

ツノガエルパンチが、古畑選手を突き上げる

 

アゴが持ち上がり、古畑選手の真後ろまで跳んだ青木さんは滑りながらも着地し、2連続のアッパーを時間差で受けた古畑選手の膝が落ちる

 

ダウン宣言

 

カウントが始まる

 

ニュートラルコーナーで青木さんは近くの席に座っている私達に拳を突き上げる

 

9カウントで、古畑選手が立つ

 

けど、両足は痙攣していて、今にも倒れそうになっているのが見えた。おそらく勝負を決めるのは今しかない。1ラウンドKOも夢じゃない!

 

ボックスの掛け声が響く

 

「青木さん!頑張って下さい!」

 

「青木さん、がんばれぇ!」

 

「まさるうぅぅーーー!!」

 

「青木ィッ!!」

 

鷹村さんも、と、私達は彼を見上げる

 

「フン、さっさと勝ってこい!!!」

 

その言葉と一緒に青木さんが前に出ていき、ワンツーを打ち込み、きりもみコークスクリューをボディーにめり込ませ、ガードを固める古畑選手の両腕をアッパーで抉じ開け、右ストレートを打ち込んだ

 

ダウン

 

レフェリーが試合を止めた

 

15戦11勝4敗7KO

 

青木勝

 

1R2分47秒

 

日本ライト級王座、獲得!

 

PS

 

日本チャンピオン二人になった鴨川ジム

 

次は木村さんの番だ

 

平成☆年3月10日

 

精密検査と療養を終えた青木勝がジムに来た

 

まだ足にダメージがあるらしく、松葉杖とトミ子先輩が付き添っていた。世界ランカーに挑戦する鷹村さん、フェザー級チャンピオンの幕之内君

 

そして、ライト級チャンピオンの青木さんだ

 

篠田さんは嬉しそうだ

 

自分の教え子が、4年目にしてチャンピオンになったんだから当然なんだろう。

 

「花咲、貴様に挑戦状じゃ」と渡された

 

いや、C級ボクサーですよ?と言えば「相手はフライ級ではなくフェザー級じゃ。貴様を倒してから階級を戻すつもりなんじゃろうが、どうする」と、私は鴨川会長に言われた

 

フェザー級

 

57.15kgまで食べられるのか

 

「あくまで挑戦状なら受けます。ただ、内臓が破裂しても許されますか?」と聞いたら空気が凍った。「サメ殺し」と誰かがつぶやいた

 

PS

 

フェザー級か、フライ級だと7kg差か

 

向こうも痩せてくるのかな?

 

平成☆年3月13日

 

私に挑戦状を送った子が来た

 

幕之内君と同じぐらいだ

 

「初めまして、よろしく」と差し出された手は分厚くバンテージを巻いているとは思えないほど、ゴツゴツとしていた

 

「サメ殺し。誇張にしては面白いですね」と言われ、面倒臭いタイプだと確信した

 

PS

 

私の試合は5月中旬

 

うまく行けばダイエット同盟が増えるな

 

平成☆年3月17日

 

三回目の試合だ

 

梅沢君の描いてくれたサメをノックアウトするワッペンをトランクスに縫い付けて、同じく階級を下げての試合を挑んできた選手を楽しみに思う

 

「ところで、あの人ってどこのひと?」と友達に聞いたら「大阪のなにわ拳闘会所属よ。芦田選手に憧れていたんでしょうね」と一言多めに言われた

 

そっか、千堂さんのところか

 

PS

 

芦田選手もバンタム級に増量しないかな

 

まあ、少なくとも目標は決まった

 

一先ず、空席の女子フライ級チャンピオンだ

 

 

 

Q.他の視点も読みたいですか?

  • 幕之内君
  • 宮田君
  • 鷹村さん
  • 友達
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。