「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成☆年8月7日
後楽園ホール
花咲渚対イヴァンナ・カローヴァ
フライ級
バンテージを巻いた拳を動かし、グローブを嵌めて青コーナーを登り、テレビでサメ殺しを観たという観客の声を聞きつつ、赤コーナーを登り、リングに入ってきたイヴァンナ・カローヴァ選手の顔を見上げる
筋肉質な身体
きっとパワフルに攻めてくるタイプの選手なんだろうと想像し、私はレフェリーの注意を聞き、ゆっくりとニュートラルコーナーに戻って、八木さんにマウスピースを貰い、噛む
心臓が、すごく鳴っている
1R
ゴングが鳴る
振り返ると真っ直ぐ私に突撃して来るイヴァンナ選手の姿が見え、後ろ足に力を込めて、私も駆け出し、振り抜かれる右ストレートに私も右ストレートを叩きつけ、お互いの拳が衝突し、後ろに弾ける
僅かにのけ反るも後ろ足に力を込め、イヴァンナ選手の左右の連打をパーリングとヘッドスリップで避けて防ぎ、がら空きの鳩尾を右ボディーブローで殴り潰す
苦悶の表情を浮かべるイヴァンナ選手の右フックが私の顔を弾き、左フックに繋がり、上半身の力でラッシュが繋がっていく
「(打ちすぎでしょうがッ)」
フックを強引に殴り落とし、イヴァンナ選手の懐に踏み込み、リバーブローをめり込ませて
腰を曲げる彼女の頭を右こぶしで突き上げ、2発目のアッパーをアゴに叩き込み、ストマック・ボディーブローをめり込ませる
右こぶしを内側にねじり込み、踏み込みと同時にコークスクリュー・ブローをボディーに打ち、キャンバスにイヴァンナ選手を殴り倒す
カウントが始まる
ニュートラルコーナーに戻って、顔に受けたキズを擦り、フェザー級って聞いた方が納得できる体格、パワーに私はまた訳ありかと考え込む
3カウントでイヴァンナ選手が立った
ボックスの掛け声に前に出たとき、タックルみたいな低空姿勢でオーバーハンドの右こぶしが私の顔面にめり込み、コーナーに背中をぶつけ、手がキャンバスに落ちた
私の初ダウンに会場がざわめき、騒ぐ
6カウントで、ゆっくりと立つ
ゴングが鳴り、1ラウンドが終わる
お互いにダウンは一回ずつだ
インターバル
「貴様、手を出しておったら完全に意識は裁ち切られておったぞ」と鴨川会長に言われ、「今のはJOLTブローだよ。カウンターで貰っていたら、まず立てなかった」と八木さんにも言われた
「突進と聞いていたが、貴様のグランパスも能力はJOLTと同質じゃ。この試合、己のフィニッシュブローを先に当てたほうが勝つ!」と付け加えて言われた
要するに、殴り勝てばいいわけね
セコンドアウトのアナウンス
マウスピースを噛み、立ち上がる
2R
ゴングが鳴る
また突撃してきたイヴァンナ選手のオーバーハンドの右こぶしをダッキングで避け、彼女よりも深く身体を沈め、がら空きの顔面に突き上げ型の左フック、グランパス・キャノンを見舞う
「ぐぼっ」と呻き声が聴こえる
ゴギィッ!と鈍い感触が響く
海老反りに頭から弾け、仰向けに落ちて
イヴァンナ選手がキャンバスに倒れ、レフェリーが駆け寄るも身体を揺らし、白髪に血が飛び散って紅白の縁起が良さそうだと思う
JOLTの右こぶしに、JOLTの左フックを返した
9カウントでイヴァンナ選手が立つ
「(牛の角も肋骨もへし折ってやる!)」
ボックスの掛け声に合わせて、駆け寄ってイヴァンナ選手の左右のフックをダッキングで回避し、がら空きのボディーに突き上げ型の左フックをめり込ませ、スタンスを入れ換え、右こぶしの突き上げ型のフックをめり込ませる
シャチの突き上げは群れで行う
スタンスのスイッチを往復し、突き上げ型のフックを連続してめり込ませる
5回目でバックステップし、キャンバスに倒れたイヴァンナ選手の事を見下ろす
ゴングが鳴り響く
PS
「リベホイミ」を重複させておいたから、後遺症の問題はないけど。ダウンを奪われたのは初めてだ
ちょっとだけショックだ
平成☆年8月8日
のんびりと身体を動かす
ステーキを30皿ほど食べたところで鴨川会長に「食いすぎじゃ!そんなんじゃからリバウンドするんじゃぞ!」と頭を叩かれ、ポテトを食べて、レモンも果肉も皮も食べる
まだ食べたかったのにと思つ
「アメリカで貴様の名前が話題になっておる」と、現WIBFフライ級世界チャンピオンの芦田早月選手と、元WIBFフライ級世界ランカー8位だったクレア選手を倒した事が広まっている事を教えられた
私、世界で8番目なんだと感心する
ポテトにケチャップを纏わせて食べていると鴨川会長に「花咲、団吉が一緒にアメリカに行くかと打診して来ておるぞ」と言われ、首をかしげる
「私は鴨川会長と行くので大丈夫です。それに、私のトレーナーは八木さんですし」と返しておいた。眉間にシワが寄ったり、緩んだりしている
PS
あと何故かWBC世界スーパーウェルター級のチャンピオンが私とスパーリングしたいとミカエル選手から言われたけど
ブライアン・ホークって、だれよ
平成☆年8月10日
イヴァンナ選手の回診を終えて、来るたびに「リベホイミ」をかけているので順調に回復し、彼女は「またやろう」と日本語で書いてくれた
おかゆは気に入ってくれたらしい
川原ジムは輸入ボクサーだけど、女性のイヴァンナ選手をいきなり返したりはせず、まだ1敗だけだと彼女を応援している
PS
お見舞いに来ていた宮田君のお父さんに「一郎とは別れたそうだな。君のような子が一緒になら安心できたんだが」と言われた
勘違いは、裁ち切られた
平成☆年8月11日
幕之内君と久美ちゃんが良い雰囲気だ
間柴さんは不愉快そうだけど
久美ちゃんが幸せなら良いじゃない
PS
鴨川会長に挨拶に来た間柴さんは「ワシの孫娘が欲しかったらベルトを奪ってこい!」と言われ、木村さんに「貴様を殺す」と言って、出ていった
「おれ、死ぬのか?」
「木村の処刑か。つまらんな」と鷹村さんは励まさず、あっさりと切り捨てた
もうすぐ鷹村さんの試合だ
体重も問題ないね