「はじめの一歩」に女の私が転生する需要はあるの?一応、需要はあるらしい 作:SUN'S
平成☆年8月15日
後楽園ホール
鷹村守対ラッキー・ウッドペッカー
WBA世界ミドル級ランキング5位。ここで勝てば鷹村さんは世界チャンピオンに挑戦する権利を獲る。最近、ジュニアミドル級でもWBC世界チャンピオンが変わったというのはクレアに聞いた
青コーナーを登り、鷹村さんが立つ
赤コーナーを登ってきたラッキー選手は退屈そうにアクビを繰り返し、自分のほうが強いと誇示するかのように鷹村さんを無視している
レフェリーの説明が終わり
お互いのニュートラルコーナーに戻った鷹村さんは鴨川会長に指示を出され、ゆっくりとマウスピースを噛み、肩を回して筋肉をほぐす
1R
ゴングが鳴る
余裕の笑みを浮かべていたラッキー選手の顔面に鷹村さんの右ストレートがめり込み、開始10秒も経たずにダウンを奪い取った
ニュートラルコーナーに戻ってコーナーポストに背中を預けて立つ鷹村さんを睨み、余裕の笑みの消えたラッキー選手が立ち上がる
5カウント
ファイティングポーズを取る
L字ガードの構え、木村さんと同じくフィリー・シェルのスタイルで左ジャブを斜め上を打つ。ボディーブローとフックの中間、スリークォーターを突き上げる、スマッシュ型の左ジャブだ
今度は鷹村さんの身体がのけ反る
けど、鷹村さんは倒れず、負けじと左右のロングフックを打ってダッキングし、懐に入り込んできたラッキー選手の顔面を殴り落とした
チョッピングライトの一撃で落ちる寸前のラッキー選手をショートアッパーで叩き起こし、ワンツー、左フックから右ボディーブローをめり込ませていく
ガードを固めていたラッキー選手の身体は沈み、ズルズルとロープを滑るようにダウンした。余裕の笑みも怒りの顔も無く、彼はダウンした
レフェリーが駆け寄り、腕を振った
ゴングが鳴り響く
PS
「余裕で勝ったぞ!」
と、インタビューで言い切った
余裕で勝ったのは確かだ
平成☆年8月16日
山口接骨院
鷹村さんの全身をマッサージして、「リベホイミ」をかけて、しっかりとダメージを抜ききっているけど。鴨川会長と私は血縁なのかと聞かれた
「親戚の可能性はあるけど。戦後まで遡って調べるのはお金も掛かるから」と貯金だけじゃ足りなくなることを伝えておいた
ゴシップとか気にするんだね
PS
ブライアン・ホーク選手が近々日本に来日することをテレビ番組が大々的に放送していた。コメントには「芦田選手に勝ったという日本人の少女に会いに来た」と乗っている
私に会いに来るって、言うのか
なんかやだな
平成☆年8月19日
ジュニアミドル級の王者に君臨するブライアン・ホークの来日に沸き立つメディアのせいで、幕之内君達や山口先生、大学にもものすごく迷惑を掛けている
断ったのに、取材しないでほしい
しかし、困ったことだ
船にまで来るんだもん
PS
ブライアン・ホークに対する印象
とくに興味はないかな?
ジュニアミドル級なら、鷹村さんのほうが近いし
平成☆年8月23日
芦田選手からの国際電話が来た
「ホークは変態だから気をつけてね」と言われ、ビックリすることしか出来なかった
あと「ハナはクレアに勝って世界WIBFフライ級5位だからいつでも試合できるよー」と言われ、「A級に上がったら行くねー」とだけ返した
PS
ホーク選手が明日か明後日に来るらしい