革命者イブリス 作:とある後
いやー学校ってのは良いね!
ん?あなたは?
……同盟の盟主様?お、おう。私に何の用ですか?
何?領地の経営に興味がある?
なーんだ。そんな話か。ええで。何でも聞いてや。
ん?帝国の皇女様と同じこと聞くね?『商売敵が増えたらどうするか?』って?
いやいや、一緒に儲ければええやん。それに同盟さんのところはうちの商隊も通るからな。領内を安定させてくれると本当に助かる。色々な珍しい品を王国中にばら撒けば大儲けやで!
お?イグナーツ君っていうの?君の実家って豪商なん?マジで?仲良くしようや!
貴族様が友達って恐れ多い?何を言うとんねん。こちとらただの農民やぞ。土いじりしかしとらんわ。戦?ははは。無理無理。怖すぎてあんなの無理やわ。戦争なんて絶対にしたくないね。あーやだやだ。
え?イグナーツ君芸術に興味あるん?
……ええやん!卒業したらうちに来ない?今うちの領地は絶賛芸術振興中やねん。美しいものは心を豊かにするんや。
美しい物って何かって?例えばあの弓を持っている女子生徒なんてどうだい?レオニーっていうの?可憐な名前をしている割に案外勝気なんだな。イグナーツ君はヒルダて子が綺麗だと思う?ええやん!でもワイはレオニーちゃん派やで!うちのナンパ大将はどう見るよ?
え?お前が言うな?
は?お前ほどナンパじゃないが?そんなことしたら嫁予定がブチ切れてくるわ。あーこわっ……ん?コンスタンツェさん?イングリットさんに報告?え?何を報告するの?すげえ嫌な予感するんだけど…
クロード君はどう?
みんなでバカな話ができるのが楽しい?おいおい誤魔化すなよー。誰が良いんだ?お兄さんに言ってみなさい。話さないから。あー!隠すんだ!なんだよー。教えろよー。あの子とかどうなん?あの青い髪の子。めっちゃ綺麗だぜ。
何か影があるって言うかさ。ああいう子が乱暴な口調が話してくるとそそるよな!
へーマリアンヌちゃんって言うんや。マリアンヌちゃーん!クロード君がさー!
え?私と関わると不幸になる?
何かそう言うデータとかあるんすか?(冷笑)
近づかない方が良い?
何かそう言う事言われると近づきたくなるんだよなぁ…。これでどうよ?ワイ不幸になるん?やってみろよ!ワイは婚約者も妹も可愛い勝ち組やぞ。領地でも運よく儲けて大金持ちだし、戦闘も負け知らずやからな。何より顔が良い!自分で言うなって?しゃあないやん。良いものは良いんだから。だから妹も可愛いし、ママンも可愛い。ついでに言うと父上殿もめっちゃイケメンやからな。兄貴たちも義姉者たちも美男美女ばかりや。もっと言うと幼馴染もイケメンや!ここにいるシルヴァンは言うまでもなく、フェリクスってやつもイケメンやからな。うらやましいか?これも全部運がいいからそうなってるんやで。
不幸にできるもんならやってみろってんだ。私は今!生きている!
……あれ?イングリットさん?ナンパはダメ?
え?そんなことしてな……。お仕置き?何で?シルヴァン!助けて!見送らないで!手を振らないで!鬼嫁が頭を掴んであああーーーーーー。潰れる!
―――――
「……何だったんだ?あいつは?」
俺、クロード=フォン=リーガンはその場にいたもう一人の王国の学生であるシルヴァンに尋ねた。
「いや、俺に聞くなよ」
彼は気の良い奴らしく、苦笑しながらそう言った。
「ほんと!何!あいつ!いきなり可愛いとか綺麗だとか言ってきて!調子狂うんだけど!」
「とかいう割に顔は赤くなってるぞ」
「はぁ!?あんなナンパ野郎興味ないし!」
レオニーはこういうことを言われなれてないのか。なかなか面白いところに目を付ける男だと思う。それに領地経営の話。
情報から判断するにただ者ではないと思っていたが、思っていた通りだった。
「……金髪じゃなくても良いんだな」
「あいつのことか?金髪の女に目が無いって専らな噂だが、あいつはあいつで思ったことを口にしているだけだと思うぜ?たまたま仲良くしているのがイングリットとコンスタンツェって言う金髪の女だからそう見られるだけで」
「イグナーツの事も金髪だから勧誘したのかと思って焦ったぞ。男でも良いのかってな」
「えぇ!そうだったんですか?」
「いや、イグナーツに関しては本気で芸術振興のために勧誘してたな。あいつ、最近マンガ?とかいうものを描きだしてさ。絵の練習してるんだと」
「おいおい。これでも俺は同盟の盟主なんだぜ?目の前で勧誘してくれるなよ……」
「その通りだ。すまなかったな。お詫びに可憐なお嬢さん。私と少々デートをしてくれませんか?」
「……えぇっと私は……」
「人を不幸にするってか?でもあいつも言ってたよな。『他に不幸にした人がいるなら実例を出してみてください。少なくとも今のあなたは美しい見た目で私の心を幸せにしている』ってな。あいつの言うとおりだと思うぜ?美しいあなたの姿を見ることができて俺も幸せだ。これで人を不幸にするなんて嘘だろ」
「そんな…私は…」
「まずはお友達からどう?」
「…ええっと、あの……はい。たまに話すくらいなら…」
「……おいおい。王国ってのはこんな奴ばかりなのか?」
本心から言ってしまう。
何というか騎士の国というからもっとお堅いのかと思っていたが、どうやら全く違うようだ。
女を口説くのに一生懸命な国だったか。……あまり役に立たない情報だな。
まあ人と関わろうとしなかったマリアンヌを、このクラスの輪の中に入れるきっかけにしてくれそうなことについては感謝をしている。
観察眼が鋭いのか?あんな隅に居たマリアンヌに気が付いて、呼び寄せて、彼女が気にしていることを観察して言い当てた。その上で、彼女を肯定しこのヒルシュクラッセの輪の中に入れた。
恐らく彼女の実家についてもある程度調べた上での行動なのだろう。ただ女好きというだけで、わざわざあんなことはしない。
「礼を言っておくべきだったか?」
「イブリスの行動についてか?言わなくて良いと思うぞ」
絶賛、マリアンヌを口説き中だったシルヴァンがこちらに向かって言ってくる。
「幼馴染だから分かるけどさ。あいつはあれが素なんだ。何も計算なんてせずに言ってるぜ?周りが勘違いしているだけだ。あいつは別にいろんな奴が言うほど凄い奴じゃない」
「それは嘘だろ」
さすがにそれはない。何も計算せずにあんな領地経営はできないし、自由経済と言ったか?税をあえて取らずに税収を上げるなんて考えは出てこないだろう。
「まあ少なくともレオニーやマリアンヌが美しいっていうのは本心から出た言葉だと思うぜ。イングリット。ああ。あいつを連れて行った金髪の女だけど、あいつのことも可愛いって言ってただろ?何だかんだ言ってイングリットもそれを分かっているから、イブリスのことをひどい目に遭わせたりはしない。幼馴染だから分かるんだよ」
「それにしては口説き文句の一つ一つの破壊力が凄かったような…レオニーさんなんて未だに顔が真っ赤ですし…」
「イグナーツ。あいつはあれを口説き文句だと思ってないぜ。そう言う所が見てて飽きないんだよなぁ」
「えぇ!?そうなんですか?」
あの視野の広さなら、婚約者とかいう奴が近くに居たことにも気づいていただろう。それでも他の女をほめ続けたっていうあたりはシルヴァンの言う通りなのか?どうにもよく分からない奴だ。
とにかくこの学園生活で奴との会話を試みなければなと思った。
―――――
「本当に女性だけならともかく、男性まで口説くなんて何事ですか!」
「いや、そう言うつもりはなくてですね。……イグナーツ君が芸術が好きって言うからですね」
私が今雇われている家の旦那様は絶賛婚約者に絞られ中である。
「…なぜこんな人のことを好きになったのでしょう?」
私は太陽の下にいるときと居ない時で性格が変わるらしい。プライデリ領で彼に会った時は夜で勝気な方の性格だった。
『そう言えばなぜこの領地に?あなたほどの魔法の腕があればどこでも生きていけるでしょうに』
『あなたの下で実力をつけて、いずれ家を再興するためですわ!』
『やる気があるのはとても良い事ですね。一緒に魔法の開発をやりませんか?』
『おーほっほっほっほ!良いですわ!いざ!この私と!魔法の深淵へ!』
今にして考えるとありえないことだ。
『いずれお前のところを出ていく。お前は踏み台に過ぎない』
そう言っているに等しいのにあの方は笑って許してくださった。
『い、以前はとんでもないご無礼を!』
『実家を再興されるんですよね?その時は我が領地とも取引をしていただきたい。土地によって色々な産物がありますからね。それを見つけて販路に乗せるのも領主として大事な仕事です』
以降、イブリス様は私に領主としての仕事のうち、私がしても良い様なものは任せるようになった。
『お家再興の時のための練習とでも思ってください』
そのように言う彼に段々と惹かれていく私が居た。
『将来プライデリ領を継いでもらってもいいくらいの出来ですね。外に出すのが惜しくなってきました』
『……それは、期待して良いんですの?』
『…何を?』
時に心臓に悪いことを言ってくる人。
『…はぁ。あの人また、こんなことをして……良い?コンスタンツェ。あの人はああいう人なの。それでも良いの?』
『わ、私は!私なりにあの方のことをお慕いしています!』
『…婚約者を目の前に言うセリフではないと思うのだけど…でもそうよね。ほんと。質の悪い人。私たち似た者同士よ。多分、アウレリアさんもアンジェリカさんもそう。あの人の事を知ったら他の男の人では満足できなくなる。本当に酷い人』
『ええ。おそらく本人は無自覚ですわ』
『本当に腹が立つわね。悪気が無いところが本当に。アウレリアさんもアンジェリカさんもアレを生まれた時から受けているわ。多分あの人以外の誰とも結婚できないわよ…』
『そうですわね。女性の男性に対する価値観を破壊していくのですから罪な男ですわ…』
そんな私たちだからこそ、互いに仲良くなれたのだろう。似た者同士という点で。
『あの弓を持っている女性は自然体でいるのが非常に美しいと思います。狩人の女神と言ったところでしょうか?』
『あんた!いきなり何言ってんの!?』
『おかしなことを言いましたか?』
ああ。また旦那様が女性の男性観を破壊しようとしている。イングリットさんに報告しなきゃ大変なことになりますわ。
『マリアンヌさんというのですか?美しくも影がある女性。良いと思いますよ。近くに行くと不幸になる?そんな症例は聞いたことがありませんね。非常に興味深いので、是非とも実証してくれませんか?幸い今の私は非常に幸福でして、多少不幸にされたところで問題ない体質なんですよ』
うん。もう手遅れかもしれない。
やる気がなくなったら投稿止める。先生が来てないのにエターナル。えたってしまっても良いよね?ちら裏だもの
なぜ自分自身をお気に入りユーザーに入れられるのか…
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