東方博麗伝   作:Lup

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幕間

 

 ___紅霧異変が解決してから数週間。

 

 魔理沙は土産を携え、博麗神社に向かって飛んでいた。

 

 「霊夢達喜ぶかな~」

 

 心を躍らせながら魔理沙は速度を上げた。

 

 ◇◇◇

 

 ___数刻前、人里。

 

 魔理沙は生活用品を買いに人里に来ていた。

 

 「しっかし、ただでさえ暑いのにこの人混みは参るなぁ......」

 

 人里はたくさんの人で賑わっていた。

 

 異変が解決され、安心して外出ができるようになった今、人々は久しぶりの平和を満喫していた。

 

 童は独楽を回し、老人は茶を啜りながら将棋に打ち込む。

 

 魔理沙が楽しそうにしている人々を見ていると遠くから声が聞こえる。

 

 「いらっしゃい!いらっしゃい!新発売の氷菓子だよ!」

 

 その声につられて魔理沙は店へ向かった。

 

 そこには三十歳くらいに見える男がなにやら白色で渦巻型の氷菓子を売っていた。

 

 「おっちゃん!なんだそれ?」

 

 魔理沙は店主に尋ねる。

 

 「おお!霧雨の嬢ちゃん!しばらく見ないうちにまたでかくなったか?」

 

 「......私のことをその名前で呼ぶな......それよりもだ。何を売っているんだ?」

 

 「おお、これは新しく開発した氷菓子でな、そふとくりーむって言うんだ。嬢ちゃん味見してくか?」

 

 魔理沙は言葉に甘えて味見していくことにした。

 

 一口舐める。

 

 瞬間、魔理沙は今まで経験したことのない食べ物に感動していた。

 

 舐めると口の中で瞬時に溶け、おそらく牛の乳だろう。乳と砂糖の甘みが絶妙な加減で合わさっている。

 

 「おっちゃん!そのそふとくりーむ三つくれ!」

 

 魔理沙は即座に購入を決めた。

 

 「毎度あり!」

 

 

 ◇◇◇

 

 「これは霊夢達驚くぞ~」

 

 魔理沙は神社の境内に降り立ち、左手に霊夢と男用の土産、右手には飛びながら食べていた氷菓子を持ちながら神社に向かう。

 

 玄関の扉を開け勝手に神社内に入る。

 

 魔理沙がおとなしく玄関前で待つことなど賽子の目が三つとも一の目が出るくらい珍しいのだ。

 

 「霊夢ーいるかー?」

 

 そういいながら襖に手をかけた時

 

  ん......そこ...... 

 

 中から声が聞こえる。

 

 何をしているのか気になった魔理沙は襖に耳を立てる。

 

  ここが......いいのか......?

 

 あっ......そこ......

 

 中から聞こえるのは男と霊夢の声だ。

 

 しかも何やら艶めかし声。

 

  少し強めにいくぞ......

 

痛っつ......もう少し優しく......

 

 魔理沙は右手に持っていた氷菓子を落とす。そして察する。

 

 魔理沙も年頃だ、そういうことに興味がないとは言えば嘘になる。

 

 しかし、魔理沙にとって親友である霊夢とそれなりに長い年月をともにしてきた男だ。

 

 その二人の営みを耳するのは魔理沙にとって言葉にできない複雑な気持ちにした。

 

  よし......最後の仕上げだ......

 

ちょっと......待って......激しい......

 

 とうとう魔理沙は我慢できなくなり襖を勢いよく開ける。

 

 「お、お、おおおおお前らこんな真昼間からなにやってんだ!?」

 

 鼻血を垂らしながら襖を開けるとそこにはいたのは

 

 肌をはだけた霊夢___そして上からツボを押す男

 

 「は?」

 

 「え?」

 

 男と霊夢は襖の方に目をやる。

 

 その瞬間、男の手元が狂う。

 

 ピキン

 

 霊夢に電流が走る___

 

 「いったあああああああああああい!」

 

 霊夢の腕があらぬ方向に曲がっていく。

 

 「すまんすまん!」

 

 男はそう言いながらツボを押す

 

 霊夢の足があらぬ方向へ曲がる。

 

 「まって!いま私の体どうなってるの!?」

 

 霊夢はめったに見せない焦りの表情を浮かべる。

 

 「だっはっは!霊夢!お前、体が卍みたいになってるぞ!」

 

 魔理沙は腹を抱えて転がり回る。

 

 鼻血をまき散らしながら。

 

 「ん!? まちがったかな… 」

 

 男は別のツボを押す。

 

 すると今度は霊夢の体が仰け反る。

 

 「助けて!ちょっとこれ洒落にならないわ!」

 

 霊夢は目元に涙を浮かべる。

 

 「お前らっ......!私を笑い殺す気かっ......!」

 

 魔理沙は笑いすぎて息が出来ずにピクピクと痙攣している。

 

 「ここも違ったか......」

 

 男は首を傾げ、必死に正しいツボの位置を思い出そうとしていた___

 

 

 ◇◇◇

 

 先代巫女は普段は人里に住んでいる。

 

 しかし、定期的に霊夢の様子を見るために博麗神社に足を運ぶのだ。

 

 「霊夢、居るか?」

 

 先代が玄関を開け居間に向かうとそこで目にしたのは。

 

 痙攣しながら血だまりを作って倒れている魔理沙。

 

 仰向けに仰け反りながら涙をながす霊夢。

 

 横で頭を傾げる男。

 

 さすがの先代もこの光景は前代未聞であったらしく数秒固まって動けなかった。

 

 しばらくして先代が霊夢に正しいツボを押すことで事なきを得た。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 博麗神社神主の朝は早い。

 

 日の出とともに起き、冷水で身を清める。

 

 次に祈祷し境内の掃除だ。

 

 掃除が一段落ついたころに霊夢が起床し、一緒に朝食を取る。

 

 食事が終わると男は基礎鍛錬に入る。

 

 腕立て伏せ五千回。

 

 今度は逆立ちして千回。

 

 それが終わると次は男の十倍は重そうな岩を担いで膝の屈伸運動千回。

 

 次に先ほどまで担いでいた岩に紐を付け、それを瞬時に引っ張り、引き寄せる。

 

 これを千回。

 

 基礎鍛錬が終わると次に部位鍛錬に入る。

 

 岩に向かって正拳突き千回。

 

 回し蹴り千回。

 

 前蹴り千回。

 

 次は束ねた青竹に向かって貫き手を千回。

 

 更に砂を入れた袋に貫き手を千回。

 

 それが終わるころに昼が来るため霊夢と昼食を取る。

 

 午後になると次は動きの確認。 

 

 型の動作を満足いくまで行う。

 

 それが終わるとその時に抱えている課題の鍛錬が始まる。

 

 今でいうなら波紋の呼吸の鍛錬だ。

 

 十分間息を吸い続け、十分間息を吐き続ける。

 

 これが難しい。

 

 ただただ息を止めることならできる。

 

 これを吸い続けたり吐き続けたりとなると難易度が桁違いに跳ね上がるのだ。

 

 そうして日が暮れ、霊夢と夕食を取る。

 

 日が沈んだ後は男の自由時間だ。

 

 とはいっても日中も別に誰かに課題を課されてやっている訳ではないので自由ではあるのだが。

 

 霊夢と下らない会話をしたり、人里で流行りの本を読んだり。

 

 やがて就寝時間を迎え、一日が終わる。

 

 回数や負荷に違いはあれど男はこれを十年続けている。

 

 男がなぜそこまで強さに飢えるのか。

 

 それはごく一部の者しか知らなかった_____




 皆様お久しぶりです。
 いやはや、見返してみると誤字脱字や変な表現が多くて多くて修正が大変でした......
てなわけで修正が無事終了しました!
 特に第三話に至っては美鈴との戦闘描写を倍ぐらいに増やしたのでぜひ気が向いたら確認してみてください!
 
 それでは引き続き『東方博麗伝』をよろしくお願いします!
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