Fate/Gray night 作:Fateスタレ大好き浮気惚れ込みマン
起点の日
これはとある器と、暗殺者の物語。
夢を見た。艶やかな黒い長髪を流しながら佇む、紺の和服に赤い革ジャン。そんな奇抜な格好を忘れる訳がない。
そしてただ一言、夜、星が瞬く夜空の下で。
「問おう。お前が俺の、サーヴァントか?」
低くも高くもない、アルトの声。そこで夢は途切れた。
———そんな、夢を見た。
声が聞こえる。いつもの、からかいの声が。
「グレイ?珍しいなぁ、君が授業中に寝るなんて」
「ふぇ……ら、ライネスさん……!?」
艶やかな金髪を流しながら、その細められてる空眼の主の名を呼ぶ。名をライネス。エルメロイ家の次期当主にして、師匠の胃を壊す悪魔と師匠から言われてる人物で、拙の親友。
「ん、やっと起きたかい?」
いつもの小悪魔的な笑み。だが、ここ数日は珍しく、心配の色が見え隠れする。
「……おはよう、ございます。ライネスさん」
「ま、今は夕方だけども。おはよう、グレイ」
拙も、やはり気分が良くない。なにせ———
「グレイ。陸生のことはその、残念だった」
「……はい」
陸生。七夜陸生。退魔四家の一角、七夜家の当主。エルメロイ教室の、師匠の教え子で、拙の想い人だった人。そして、拙を庇って亡くなった人。
「……グレイ、あまり思い出さない方がいいと思うよ、私は。君の憂鬱な顔は私も苦しい」
……やっぱり、この人は優しい。自他共に認めるサディストだけれど、優しい所は優しいのだ。この人は。
「……部屋に、戻りますね。」
「……ああ」
教室の席を立ち、部屋に戻る。ここ数日は師匠は入院中だし、拙もやることがない。
「……なんで陸生さんが」
自分でもビックリするほどの、無意識さで口にした。
————————————
「はぁ……やれやれ、陸生の奴、最後にとんだ呪いを残してくれたなぁ」
ここ数日グレイに元気がないのは、明らかに陸生が亡くなったからだ。元々少食なのが更に少なくなったし、体重も明らかに減っている。普段ならば生真面目な彼女が授業を練ることもない。ということは眠れていないのだろう。あのまま続いたら衰弱で命が危うくなる。
「……退院したら、兄上に相談するかな」
————————————
「……寝ましょう」
夜食も食べず、横になる。確かに、拙は衰弱してる。けど、陸生さんに比べたらそんなことはどうでもよくて、目を瞑り横になる。体は正直で、休息を求めてるから……
ここで、拙の思考は閉じた。
————————————
……夢?けど、普段とは違うような……。
「へぇ、君がグレイ、かい?」
「っ———!誰ですか!」
彼は胡散臭い笑みでこう言った
「名乗るほどの者じゃない。私のことは花のお兄さんとでも呼んでくれ。」
花の、お兄さん……?
「おっと、君。疑問に思ったね?まあいいとも。彼女が知ったら怒るだろうからね、これは少し、ハッピーエンドを見たいからだとも。」
そう言いながら、フードを被った胡散臭い花のお兄さん?はほっぺを掻いてる。
ハッピーエンド?この人は何を言っているのだろうか。陸生さんは死んだ。その時点でハッピーエンドなんて……
「こういう時、何と言うんだったかな。……ああ、そうだ。
そして、花が舞う。
「彼をよろしく」
————————————
そして、夢から目覚めた。そこは、艶やかな黒い長髪を流しながら佇む、紺の和服に赤い革ジャンの長身がいた。そんな奇抜な格好を忘れる訳がない。
そしてただ一言、夜、星が瞬く夜空の下で。
「問おう。お前が俺の、サーヴァントか?」
低くも高くもない、アルトの声が上から降ってくる。拙の運命は、ここから変わる
えーと、初作品です。