環いろはになっちゃった人の話   作:憑依大好き侍

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廻天最高だった

【前回のあらすじ】
・まどマギ世界転生=逃れられぬ死


まるに

 

 

 

 

 

 

 やっほー☆私環いろは!

 ピチピチ11歳の現役バリバリの魔法少女!みんなの平和を魔女の脅威から守るため、今日も元気にマジカル☆クラッシュで魔女を撲滅撲滅!

 

 今回はちょっとした豆知識をみんなに教えちゃうゾ☆

 魔法少女は基本みんな自分の専用武器を持ってるの!剣や槍みたいなスタンダードなものから、リボンとかラッパみたいな一見武器としては使えなさそうなものまで多種多様!

 

 私の場合はこの左手に装備されてるクロスボウ!このクロスボウから超☆強力な魔法攻撃を放って敵を倒すの!

 

 さぁ行くよ!これが私の必殺技!ストラーダ・フトゥーロ!!

 

 

 

 

「ッしゃーんなろおぉぉぉぉぉ!!!」

 

 鉄拳制裁!!!!

 不可避の頭上攻撃!!!!

 魔女爆散!!!!

 ッシャオラァ!!!!

 

 ふー、ひと仕事したわー。

 え、何その目は。はい?クロスボウ?知らない子ですね…。んなもんより拳で殴った方が一万倍早いですわ!

 やはりステゴロ!ステゴロは全てを解決するのよ!!パワーイズジャスティス!

 

 まぁ実際こっちの方がダメージ出るし戦いやすい。遠距離でペチペチとかいまいち趣味じゃないしー。

 じゃあなんでボウガンが武器として出たかって?知らんな。あーあ、どうせならメリケンサックとかが良かったにゃー。

 

 が、まぁいつまでもこのままというわけにもいかないのだ。何せ魔法少女における長所の一つを自ら殺して戦っているのだから。

 一応隠しナイフが一本装備はされてるけど、メインウェポンとするにはちょっと火力不足。

 

 流石にまともな武器なしは今後に響きかねない。

 魔法少女になってもう一月経とうとしている。先のことを考えて、何か自分に合った戦闘スタイルを考えなければいけない時期だろう。しかし手持ちは限られている…。

 

 というわけでここは先達に倣うことにしよう。

 そう、我らがマミパイセンにね!

 

 こうして魔法少女になったからわかる。あの人の技量はすんごいと!

 固有魔法で生み出したリボンを結んでマスケット銃からサテライトキャノンばりの大砲を形成するあの技量と発想!まさに戦い慣れたベテランだ。

 今回はこの発想を利用して新しい武器を作っていこうというわけだ。

 

 使うのは今着てるケープ。

 変身した時点で着ている標準装備のこれ。ぶっちゃけ最初はヒラヒラして邪魔だなーなんて思ってたのだが、実は意外とこれ防御力が高いのだ。巨石がぶつかっても、魔女の雷攻撃が直撃しても魔力を流してればほぼノーダメージ!どこぞの地獄を楽しみな系特撮ライダーのような高い防御性能を発揮してくれるのだ!

 これを攻撃に転用してみようというわけである!

 

 元々魔法少女の服装はソウルジェムから出る魔力から利用したもの。なら体の一部と実質変わらない!頑張ったら不可能ではない…はず!

 

 こう…、魔力を流して…、動かすイメージで…。あ、イケてる!地面を這ってるミミズ程度だけど動いてる!

 案外うまくいくものね。よし、それじゃあこの先端に魔力を集中させて…、刃物みたいな感じに…。まだ操作とかはできないから手づかみで、こう!

 おお、凄い!りんごも一度刃を入れたらスーーッと!絵面は珍妙だが切れ味は抜群だ!これなら近接得意系の私でもうまく使えそう!

 

 よし!なら早速魔女相手に試し切りじゃ!

 うおーっ!チェストォーー!!

 

 

 

 

 

 はい、全然ダメでした。

 魔女斬るにはいささか練度不足だったね。結局最後は腕にケープ巻いてぶん殴りました。いつもより威力は3割り増しだったよ。まぁ、鍛えれば有用と分かっただけでも成果と言えるだろう。

 

 しかし改めてマミパイセンの凄まじさが身に染みた。

 あの人の場合は固有魔法ありきの練度だと思うけど、それでも尚不定形な物体から銃から弾にかけて生成するあの技術。その上でのあの威力にあの数!

 

 いやー、正直叛逆見た時からずっと憧れてたんだよねあの趣味とセンス全開の戦い方!溢れる厨二力!絶妙に痛々しさが滲み出てるけど、寧ろそれが良い!

 ここは是非とも本人に師事をお願いしたいところだが、ここから見滝原は結構離れてるし、あんまり他のテリトリーに不用に近づくのもトラブルの元だしねー。てゆーかそもそもまだ契約してるかどうかもわかんないし。

 いつかは行きたいんだけどね見滝原!

 

 なので今はイマジナリーマミパイセンを生成することで我慢しよう。

 一般まどマギファンである私にかかれば頭の中で原作キャラと会話することなど朝飯前なのだ!ムハハハハ!

 

 …なんか虚しくなってきたからこれ以上は考えないようにしよう。

 ええい!それもこれもこの街に私以外の魔法少女がいないせいだ!チクショウ、状況だけはマミパイセンと一緒だなんて笑えないぜ…。

 

(イマジナリーマミパイセン)『そう落ち込まないで環さん』

 

 ま、マミパイセン!

 

(イマジナリーマミパイセン)『私も最初は1人だった。けれど鹿目さんや美樹さん…。時間はかかったけれど大切な仲間ができたのよ。根気強く頑張っていれば貴女にも必ず素晴らしい仲間ができるわ』

 

 うぅ…、やっぱりマミパイセンの言葉は胸に沁みる…。さすがぼっちの先達は違うぜ!

 

(イマジナリーマミパイセン)『それじゃあ早速練習しましょう。大丈夫よ、私がしっかり教えてあげるから』

 

 す、凄い…!コレが原作キャラパゥワァー!やる気がもりもり湧いてきた!今の私は人間魔女シュレッダーの如しじゃ!

 

(イマジナリーマミパイセン)『ええ、貴女なら必ずマスターできるわ。一緒に頑張りましょう』

 

 よし!目指すはケープでティロ・フィナーレだ!

 早速手頃な魔女を殲滅しに行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ●●●

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オルビス…ですか?」

 

 可愛らしい装飾に彩られた部屋の中、紅茶を手にしながら暁美ほむらは声を漏らした。

 

「ええ、暁美さんは知らないみたいね。魔法少女の間じゃ結構有名よ」

 

「あ、私それ知ってます!前に杏子から聞きましたよ。胡散臭い都市伝説だって」

 

 美樹さやかの元気な声に対して、ほむらは考えるそぶりをしながら呟く。

 

「オルビス…」

 

 聞きなれない名前だった。

 暁美ほむらはタイムリーパーだ。親友を助けるという一心でこれまで何十回と時間を巻き戻し、試行錯誤を繰り返して来た。

 しかしこれまでの周で『オルビス』などという団体は話にすら出てこなかった。終わりの無いループの中で現れた新たな存在。ほむらの中で興味が疼く。

 向かいにいる少女、巴マミはほむらの内心を察したかのように疑問に答える。

 

「オルビスは魔法少女を救済するために結成された組織と言われているわ」

 

「救済…ですか?」

 

『希望を無くした魔法少女にしか見えない不思議な張り紙。そこに書かれた場所に導かれた魔法少女は、オルビスの教主がどんな絶望も取り払い、魔法少女として永遠の幸福が約束される』

 

「と、まぁそんな噂よ」

 

「カルトじみてますよねー」

 

 確かに、よくある都市伝説の類と言えるだろう。

 しかし火の無いところに煙は立たぬと言う。未知のイレギュラーなことも相まって、ほむらはその組織に強い関心が向いていた。

 

「その、救済って具体的にどんなことをしてくれるんですか?」

 

「そうね…、穢れと無縁の生活を送れる、とか死人が蘇った、なんてのは噂の定番ね」

 

「ていうかオルビスって何もかも曖昧らしいのよねー。噂の出所も、オルビスのメンバーとかも、実際にその救済ってやつがされたのかもね。キュゥべえも頑なに話してくれないし、真偽は不明って感じ」

 

「でもその曖昧さに反して、オルビスに救済されたという魔法少女は多いわ」

 

 マミは一度オルビスについて調べたことがあった。

 魔法少女掲示板というものがある。

 とある魔法少女が開設した魔法少女にしか利用できない掲示板。そこにはオルビスに関するスレや書き込みが数多くある。先のオルビスの噂についてもここが発祥だったようだ。

 噂の曖昧さに比べてこの書き込みの多さ。不審に思わないはずがなかった。

 

「中でも多かった書き込みが、オルビスの教主についてね」

 

「教主…」

 

「ええ、慈悲深く、他者に何かを分け与えることを惜しまない人だそうよ。魔法少女の救済者だなんて大袈裟に書かれてたわね」

 

「へー、正に絵に描いた聖人ですね」

 

 寧ろそれが噂の胡散臭さを上げているとさやかは思う。

 なんの見返りも求めず他者に恵みを与える存在など明らかに怪しい。魔法少女という命を懸けて日々を過ごしている存在からすれば尚更。杏子がオルビスを嫌う理由が少しわかった気がした。

 

「…あと教主は【円環の理】って概念を信仰してるそうよ」

 

「円環の…理?」

 

 ずくり、とほむらの胸が蠢く感覚がする。

 

「ええ、魔法少女が最期を迎える時に導かれる楽園…だそうなんだけどよくはわからなかったわ」

 

「うぇ、すっごいカルト臭」

 

「…巴さんは警戒してるんですね。オルビスのこと」

 

「ええ、噂にしては話に出ることが多すぎるもの。掲示板でも現実でも」

 

 現状、ここ見滝原ではオルビスの話は聞かないが、ここまで影響力が強い存在だ。悪影響をもたらす可能性もゼロでは無い。

 噂の真偽関係なく、仲間に情報を共有しないわけにはいかない。

 

「暁美さんも十分気をつけてね。特に1人で調べたりするようなことはやめるように。気になったらまずは私に相談して、ね」

 

「は、はい」

 

 1人で調べる気満々だったほむらは図星を突かれて、縮こまってしまう。

 現状明確な害がない以上、こちらから触れる方が危険だ。ほむらは気の小さい性格と見せかけて意外と行動派である。個人で高威力爆弾を作った前科はマミの中でそれなりの印象があったらしい。しっかりと釘を刺されてしまった。

 

「なぎさ、知ってるのです」

 

 唐突に3人の視線の先に割るように入り込んできた白の髪。意識外からの乱入者にほむらは思わず甲高い声を上げる。

 それに反応するように部屋の奥からもう1人の少女が飛び出して来た。

 

「ちょ、ちょっとなぎさちゃん!急にキッチン飛び出さないでよ〜。あ、ごめんなさいマミさん!話の邪魔しちゃって…」

 

「ふふ、良いのよ鹿目さん。丁度ケーキを持って来てきてくれたのでしょう?お茶を淹れるわ、座って」

 

「はい!」

 

 そうしてテーブルを囲む5人はチーム結成祝いのマミお手製のチーズケーキを堪能する。

 そんな中、先程から疑問を燻っていたさやかがなぎさに問う。

 

「それで、知ってるって何を?」

 

「そのきょーしゅってやつです」

 

「えっ、あんたオルビスに会ったことあるの!?」

 

「…私も初耳ね。本当なのなぎさ」

 

 マミの同居者からのまさかの情報に3人は目を丸くする。話について来れていないまどかはオロオロとしていた。

 優しく先ほどの話題についてまどかに説明しているマミを他所に、なぎさはチーズケーキを頬張りながら話を続ける。

 

「なぎさがマミと会う前に会った奴がいたのです。多分そいつなのです」

 

「ど、どんな人だったんですか!」

 

「まー落ち着けなのです」

 

 なぎさはチーズケーキをじっくり味わいながら、ほむらの追求を適当にあしらう。

 百江なぎさにとってチーズよりも優先されるものは存在しないのだ。

 

「…白いケープを被ってた分かりやすい不審者だったのです。でもチーズをくれたので良い奴だったのです」

 

「あんたの評価チーズでひっくり返るからあんまり信用できないんだけど…。本当にオルビスのトップだったのそいつ」

 

「迎えに来た他の奴らから教主って呼ばれてたから間違いないのです」

 

 なぎさが言うには自分が契約したばかりの頃に出会ったのがオルビスの教主らしい。

 関わった時間は短かったが、魔法少女に関する知識や戦い方を教えてもらったようだ。

 

「ユゥ……悪い奴や魔女もアイツが倒してくれたのです。アイツがいなかったら多分なぎさはマミに会う前に死んでたのです。だから感謝してるのです」

 

「そう…、恩人だったのね…」

 

 マミはなぎさと魔女の気配を追ってたどり着いた見滝原の病院で出会った。

 思い返してみれば確かになぎさのいた場所には僅かに魔法少女の魔力があった記憶がある。魔女の気配と混ざってあの時は気づかなかったが今思えばそれがなぎさの言う教主のものだったのだろう。

 

(既に見滝原に来ていたなんて…)

 

「で、名前とか聞いた?なんで見滝原に来てたとか、どんな魔法使ってたとかさ!」

 

「全然知らねーのです。そんなこと気にする余裕あの時のなぎさには無かったのです」

 

「肝心なことは分からずですね…」

 

「あ、でも」

 

「ん?」

 

「アイツはスゲー強かったのです。多分マミと同じくらい」

 

 部屋の空気がしんと沈み込む。

 マミは3年以上魔法少女を続けているベテランだ。この中では実力もマミが飛び抜けて高い。正直、魔女に敗れる姿が想像できないくらいには。

 そんなマミと同等。なぎさの言葉に一同は固唾を飲む。

 

「…思えば戦い方もマミに似てた気がするのです」

 

「え、私?」

 

「着てるケープを変形させて、刃物とか拘束具にして戦ってたのです」

 

「確かにマミさんのリボンみたいな使い方だけど…」

 

 思い起こされるのはあの時の記憶。

 その姿を認識した瞬間に細切れにされた魔女。歯牙にも掛けられず制圧された夢遊の亡霊。

 

 全ては彼女が着ているケープ一つで行われたことだった。

 魔法少女としてそれなりに戦えてきたからこそわかる。あのケープの扱いは恐ろしい練度と技術によって成り立っていたものだと。

 

 魔法少女の強さは魔力の多さよりも、本人の魔力の扱い方で決まる部分が大きい。大きな力を持つよりも力を上手く使った方が強い。ある意味当然の理屈だ。

 その面では勿論巴マミも凄まじい。固有魔法であるリボンであらゆるものを作り上げる技量はこの見滝原を統括するに相応しい実力だ。

 

 しかしそれと見劣りしない程度にはあの教主と呼ばれていた魔法少女の実力も圧倒的だった。それだけの話である。

 

(しかもアイツぜってー他に手札隠してるのです。固有魔法でもない限り腕のクロスボウを使わずにケープだけで戦うなんてあり得ないのです)

 

 いずれにせよ敵対の可能性などあってほしくないものである。なぎさも恩のある人を傷つけたくはない。あの時絶望の淵から自分を救ってくれたのは確かに彼女なのだから。

 しかし、もし仮に彼女と殺し合いになんてなれば、確実にここにいる面子の半分の命は持っていかれるだろう。下手をすれば全滅。ゾッとする話だ。

 

 そんな未来が来ないことを切に願いながら、なぎさはさやかの皿に乗ってるチーズケーキを口に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






環いろは(偽):なんか変な方向にスキルツリー伸ばし始めた人。遠距離戦など女々しい者がする行いよ。時代は近接!信じれるのは己の身体とタマに繋がれた魔力のみ!そんなわけで変身してから真っ先にすることはクロスボウを消すこと。クロスボウは置いてきた。これからの戦いにはついてこれないだろうからな(大嘘)。


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