インフィニット・ストラトス。縮めてIS(アイエス)。
宇宙開発の為に作られたマルチフォームスーツ。もとい、パワードスーツ。
そして、とある科学者が集まる会議にて、宇宙開発用として無意味だと決めつけられた悲しいパワードスーツである。
その開発者である篠ノ之束ちゃんピッチピチのJC(当時)が全世界の核ミサイルが日本に向けて発射されるという前代未聞の類を見ない程のやばい白騎士事件に対し、インフィニット・ストラトスのある機体。識別名《白騎士》を駆り出して対応させたのがきっかけで、インフィニット・ストラトスの宇宙開発としての価値は無いに等しかったが、更に下がって、軍事用としての価値がグーンと上がってしまった。
それを良しとしないのが、篠ノ之束であった。彼女が脅し文句で国連に連絡した結果、アラスカにて条約が結ばれたのだ。
しかし、その条約が結ばれた途端、篠ノ之束が失踪したのだ。軍事用に使うなら二度と現れないというが如くに。
篠ノ之束が失踪してからは、世界の様々な国はコアの取り合いを行ったのだ。なぜなら、彼女はコアの詳細を説明せずに居なくなったから。
つまりはそういうことだ。
現在存在しているコアは467個しかなく、その大半は量産機用コアとしてIS学園に配備されている、らしい。
そんなインフィニット・ストラトスには欠点があった。
女性のみしか扱えないという決定的な欠点なのだから。
なんという皮肉なんだろうか。ISの開発者である篠ノ之束が宇宙へと歩むのを願ったのに、国の上層部が兵器として、軍隊に装備させ、開発者と同じ性別である女性はファッションとしてしか見ていないのだろうか。
ふと、転生者である私はそう思った。
悲しきかな。これが"人間"というものであろう。一人が理想を追い求めながら、周りの人間は、その心を汚すのだから。
なぜ、そんなことを考えていたのかはまあ、最初の授業でISを運用する時の法律を学んでいるのだから。
まあ、なんにせよ悲しいな。ISを私的な理由で無断に使うの禁止だの、それに伴う刑罰を決めなきゃいけないだの、当たり前の事をアラスカ条約の一つに書き加えなければならないような状況になるのが普通だったらおかしいのだが、それを出来ていないのが、この世界の女性達(一部のマトモな人を除き)なのだから。
嗚呼、愚かだ。人間っていうのは、21世紀を訪れても
なんて事を言ったのだが、これはほんの冗談に過ぎない。冗談じゃなかったならどういうことなのだろうか。そんな事をほざくのはORCAなる革命軍を立ち上げた馬鹿共だけだろう。新しい秩序を作り上げようとするものは。手を出したら、しっぺ返しを喰らうのを気付かずに動き出そうとするのだから。だから私は動かない。相手から懇願されない限りは。
さて、そんな事を考えているのだが、実を言うと今の時間は、授業なのだ。下らない話だと思われるのだが、この世界が二次創作物として見られていると仮定してそんな事を語ったのだ。
山田麻耶教諭の話を聞きながらふと思う。
何故、踏み台(として無理やり運命付けられた)転生者は動かないのだろうか。この時こそ動くべきであろう。
だが、動けない理由がなんとなくわかる。
何故なら、私や奴以外に、イレギュラーらしき存在がもう一人いるのだから。織斑一夏は原作主人公なのだからその中には含まれていないのだが。
別に、私自身がオリ主だとか思わない。ここまでの空気だと踏み台転生者が主人公の可能性の方が高い筈だ。それ故に動けないと思ってもいいのだろう。
だが、あれはなんだろう。
イレギュラーな存在から、何処からともなく懐かしい感じがしてならない。むしろ、神の気配さえ感じるのだ。
……北欧神話やローマ神話だと神々は人間のような考えをしているわけなのだからあり得ないということ自体があり得ないのだが。
それがあってか、私と奴はそう易々と動けないのだから。
だから今は様子見をしておこう。今は原作主人公の出番なのだから。
「ぜ、全部分かりません!」
織斑一夏の方に意識を向けたら、そんな馬鹿げた事をほざいていた。
思わず私はずっこけたのだが、他の女子生徒もずっこけたようだ。
知っていた事だが、実際に見ると滑稽としか言えないのだろうか。
早く席替えして織斑一夏を真ん中の席に移した方が彼の身のためかもしれない。一番注目しやすい(と私にとっては思う)なのだから。
男達も、踏み台転生者は頭を抑えて首を横に振ったり、イレギュラーの方は愉悦に浸っていた。このどこに愉悦に浸れる部分があるのか疑問に思うが。所詮快楽主義者であろうか。私との思考回路が違うのだろう。
「織斑、先日渡した参考書はどうした?」
織斑一夏の姉であり、この学級の担任である女性、織斑千冬が無愛想な顔で言っていた。む、若干怒りの表情があるのか?わかり辛いが。そんなことを考えても結局のところツンデレという言葉しか出てこないから考えるのは野暮であろう。
さて、話の展開だと織斑一夏が参考書を電話帳と間違って捨てたとあるが、電話帳という事はタウ●ページという事だろう。むしろなぜ電話帳を捨てるのかと疑問に思うのだが。原作が原作なのだから仕方ないのだろう。一応新しい年だからそうなのだろう、きっと。
しかし、私含める原作には登場しない転生者という固有名詞の異端者という存在がいる時点で原作通りにはいかないようで。
つい先程、私以外の転生者の状態に説明したとは思うが、それには続きがあるのだ。
私が先程言った踏み台転生者の状態の続きなのだが、織斑一夏がタウンページを忘れたから頭を抱えたとは思いがちなのだが、真実はちがう。
さらに正確に言うなら、織斑教諭が参考書の話をした瞬間に細かい事を気にする数少ない人が気付く程度の汗をかいたのだ。
理解したかもしれないが、つまりはそういうことなのだろう。
織斑教諭に問い出された織斑一夏は、踏み台転生者の方をチラリと見ながらこう切り出した。
「えっと……たつ……いや、電話帳と間違えて捨てました!」
ズゴーッ!
そんな音が周りから聞こえていた。どうやらびっくりしすぎて椅子から転げ落ちたらしい。一部を除いては。まあ、そんな事を話す私もそのうちの一人ではあるが。
篠ノ之箒は倒れはしないが、目に見えて呆れているような表情をしている。……ふむ?彼女はそんなに感情豊富な存在であったのか?むしろ原作の彼女は堅物の様な怖い顔をしているはずなのだぞ。何か考え方が変わったのだろう。後で探ることができる時があるなら探ろうと思う。今はその時ではない。その時ではないのだが……。
問題は、その踏み台転生者なのだ。
傍目から見れば平然としているが、生前、はたまた今世にて行なっていた仕事柄、細微な心情を察することが出来る。いわゆる裏の仕事である。だから、彼の内面を察することが出来るのだ。
彼の額には僅かな汗をかいているように見える。そして、気づかない程度ではあるが、若干身体全体が震えているのだ。それに僅かに顔を蒼褪めている。
直球に言うと、彼はビビっていた。
(……彼の、せいなのか……)
思わず、私は頭を抱えそうになった。転生者の中にもそんな事をするのかと。しかし、逆に考えてみよう。彼が一夏と過ごして来た場合、魔改造をした結果、一夏がマトモになる可能性だってあるはずなのだ。原作崩壊を恐れていたのだろう。だから、そんな行動をしたのだろう。だが、わざとやっている場合だとすれば、そこまで焦る必要はあるのだろうか?だが、それは私が将来やろうとしている事に支障はないであろう。
女尊男卑の世の中を変える。こんな狂った思想を消さなければならない、と。
ふと気がつくと授業が終わったようだ。そんな私は織斑教諭に捕まり、教室の外に引きずり出される
「……別に、今のままでも平和ではあるな」
原作知識を持った私を含め、後に起こる事件に巻き込まれるとは誰1人考えていなかったのだが。
◆◇◆◇◆◇
やあやあ、テレビの前のみんな!!こんにちわーす!!みんな大好きのほほんさんでーす♡
いや、流石に嘘だけど。
ほんとね、一夏が俺があのでっかい参考書を捨てちゃったから、『そこまで溜まってたのかにゃ?しょうがないにゃあ、いいよ』って言わんばかりに服を脱ご…違う違う、いちかわいいじゃないからそれされたら吐くついでにぶん殴るわ。参考書をくれたのはよかったよかった。いや、だけど、答えられないのはヤバく……ないよなやっぱり、男だとIS関係には、当たり前のように関わったりしないしな。仕方ないね…。
まあ、だけどさ、最低限でも覚えた方がいいと思うんだよな、だってその事柄基本的な奴だろうし!(棚を上げるタイプ)
しかしまあ、一夏が覚えられてないのが悪いな!そりゃああのブリュンヒルデと呼ばれた程の怪物のひt
「ほう、そんな事を考えてたのか、坂巻」
「ゲッ!
「誰が人類を救う口実に虐殺を起こした狂人
ドコォ!!!
痛いよ〜痛いよ〜流石怪物、力は強すぎるな、これも大概だな!
「……」
「えっと……先生?」
無言が痛い。無言で言われると色々とこつ、じゃないキツイんすけどー!?地の文まで誤字ちゃったじゃないですかやだー!?
「…お前は、お前はいつまでそういう行動するんだ?」
「……何を言ってるんです?」
何言ってんだこいつ。
むっ?まさか俺がなんか勘違いさせた?どう見てもあれは勘違いじゃないっしょ?もしも勘違いさせたとしてもわざとだがな!
「……いいや、あれは本心なのだろう?弟はここにいないから、いい加減に仮面を外さないか?"アイン"」
あ、これはあの頃のらしくないカッコつけをする出番か。敢えて言おう。おっ、出番かな?
「やめましょう?俺は…否、私の"理解者"だと思い込んでもらうだけでも、構わないんですよ、
「……ほう、言う様になったでないか。」
そう言って、ニヤリと笑う織斑教諭。
そんな姿を見た私は溜息をつきながら呆れたように言う。
「…相変わらずですね。教官。」
「もう教官ではないがな。堅苦しいのはいけない事だ。私の弟を見習うといいぞ?」
「は、はあ」
いや、織斑一夏を見習ったら色々とマズイ気がする。
ちなみに言うが、実を言うと目の前のブリュンヒルデと共にドイツ軍に一時的に所属(?)したことがある。それで、その時の名前はアインって呼ばれてたんだよ。
あれだよねー!踏み台転生者っぽい姿になっちゃったせいで身体能力もチートになったわけだし、あれだよ。あれ?…あれってなんだ?
「まあいい。お前は私の見込んだ者だ。くれぐれも粗相は起こすなよ?」
「え?私はそんな事するわけが」
「するなよ?」
「アッハイ」
怖いです、千冬様。思わずタマヒュンするところでした。
いやぁ、悲しいことが起きましたね…。
だけど、何で織斑千冬がそんな事を言ってるんだろう。
「とりあえず、だ。電話帳を捨てた件。どう落とし前に付ける?」
「あっ」
こうして、地獄の鬼ごっこが始まった。結果を知りたい?頭の細胞が多数死んだって事しか言えない。
◇ ◇ ◇
「…やはり、記憶を変えてしまっているのか、この愚か者は」
織斑千冬である私は、折檻を行なって気絶したバカを見てそう呟いた。
とりあえずしばらく投稿できないのでよろしくお願いします